「バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ」後編

K2B.C.から望むK2の朝焼け

2024年シーズン「バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ」のフォトレポートが、紙谷哲平ツアーリーダーより届きました。ドローン撮影した貴重な空撮写真も多く掲載しています。

 

トレッキング後半部【ウルドゥカス→ゴレⅡ→コンコルディア→ブロードピークB.C.(K2B.C.)→コンコルディア】を写真で辿ります。

 

●トレッキング7日目 (ウルドゥカス → ゴレII)

ウルドゥカスより7時に出発し、30分もしないうちにバルトロ氷河へ。本日のルートはひたすらバルトロ氷河のモレーンをアップダウンしながら進んでいきます。快晴だったので氷河上とはいえ、日が上がってくると日射のため体感温度が上がってきます。薄着でモレーンを奥へと進んで行きました。

 

正面に高く聳える山はガッシャーブルムIV峰(7,925m)
氷河湖の奥にガッシャーブルム山群

世界22位、K1の測量記号を持つマッシャーブルム(7,821m)

 

11:45に昼食場所のゴレI(4100m)に到着し、氷河の真ん中で食卓を広げて贅沢なランチとなりました。往路ではここには泊まらずゴレⅡまで進んでいきます。

 

ゴレⅠ(4100m)に到着。氷河の真ん中で食卓を広げて贅沢なランチ
バルトロ氷河の厚さは約100m、マンション25階に相当します

更に2時間半ほど進み、同じく氷河キャンプであるゴレII(4380)に15:00到着です!ゴレⅡからは氷の上で寝ることになり、気温も朝晩は下がっていきます。往路では曇っていたのですが、帰路のゴレⅠではガッシャーブルム山群が抜群の展望でした。ただし朝の気温はー6℃。手がかじかみました。

 

マッシャーブルムの景観が良好のゴレⅡキャンプにて。キッチンとダイニングの様子
マッシャーブルムの上にかかる天の川
これは帰路に撮影した写真です。

●トレッキング8~9日目 (ゴレII → コンコルディア)

氷河のキャンプで朝起きて、今までよりも確かに感じる冷気に味が引き締まります。少し薄曇りの中を、目的地コンコルディアに向けて出発。前日に引き続き、ひたすら氷河のモレーンのアップダウンになります。ですが道はかなり緩やかで、平坦な箇所も多かったため歩きやすかった印象です。

 

雲間から朝日が照らす中、氷の世界を歩いてコンコルディアを目指します

 

午後からかなり冷たい雨が降り始め、終盤の疲れた体には堪えました…。更に奥地へと行き、K2が目の前に見えるキャンプ地へ。ついに折り返し地点であるコンコルディアキャンプに到着です!残念ながらK2は雲の中で姿を現しませんでしたが、まだまだチャンスがあります。コンコルディアキャンプでも休養日を兼ねて2日間滞在しました。

 

到着したコンコルディアは積雪で白銀の世界になっていました
迫力のセラック帯!

●トレッキング10日目 (コンコルディア → ブロードピークB.C.)

朝はシンシンと降りしきる雪で目が覚めました。視界もほぼゼロでポーターさんや馬が進むことも困難だったため、出発を一時見送り待機。9時前に太陽がさし、一気に青空が広がって遅めの出発!

 

早朝は雪がシンシンと降りしきり視界ゼロだったのが、9時頃から晴れてきました
いざブロードピークBCへ出発
普段のモレーンが雪化粧され幻想的な世界に

歩き始め10分でチェーンスパイク&軽アイゼンに履き替え、セラック帯を通過。とはいえルートが少し変わったらしく、非常になだらかなセラックでスパイク無しでも十分行けるレベルだったので、少し拍子抜けだったでしょうか。大きなモレーンのアップダウンが終わると、ゴドウィン・オースティン氷河のサイドモレーンをただひたすらに緩やかに歩いていく道のりで、ブロードピークBCには14:00頃到着しました。

 

ゴドウィン・オースティン氷河ど真ん中のブロードピークBC
BCから見るブロードピークは3峰に分かれます。左奥からブロードピーク北峰、ブロードピーク中央峰、ブロードピーク主峰(8051m)
朝焼けのK2(8611m)は荘厳の一言

●トレッキング11日目 (ブロードピークB.C. → K2B.C.往復)

いよいよK2B.C.を目指します!ブロードピークB.C.からの日帰り往復の行程です。7時に出発し、モレーンの横の氷地帯を平坦に歩く非常に快適な登りが2時間半ほど続きました。その後はごちゃごちゃのモレーンのアップダウンを経て最初の目的地K2メモリアルへ。かなり切り立った岩の斜面に作られているため上がるのに苦労しましたが、K2を始めとするバルトロ氷河の山々で命を落とした多くのクライマーの慰霊碑を参拝しました。岩塔の下まで降りてきてからおにぎりなど簡単な昼食をとり、緩やかなモレーンを更に進んでついにK2ベースキャンプに11:30到着です!

 

そしてK2B.C.へ歩き出します
バルトロ氷河の山々で命を落とした数々のクライマーの慰霊碑
K2BCに(5150m)到達。倒れていた”K2BC”看板をガイドさんがモレーンの中から探してきてくれて記念撮影

●トレッキング12日目 (ブロードピークB.C. → コンコルディア)

連泊したブロードピークB.C.では5:35頃から朝焼けに輝くK2が顔を出し、皆さん世界第二の高峰に見入っているようでした。朝食後はコンコルディアへと帰ります。

 

ブロードピークB.C.から望む朝焼けに輝くK2

ベースキャンプの様子。皆さん世界第二の高峰に見入っておられました。

行きと同じく、とても緩やかなモレーンをひたすら3時間ほど歩き、アーミーキャンプを通過。モレーン&セラック帯の歩き1時間でコンコルディアに到着です。コンコルディアではスタッフさんが全く同じ立地にキャンプを設営していてくれ、ウェルカムドリンクと昼食まですでに用意してくれていました。いつも迅速な仕事をしてもらい感謝の一語に尽きます。

 

再びセラック帯をゆるりと通過しコンコルディアへと戻ります
ミトレピークとセラック帯の奥に見える我々のキャンプ
夜は月明かりが山を照らし美しい光景でした

そしてコンコルディアからK2に別れを告げて、更に5日をかけて往路を引き返しアスコーレで長いトレッキングが終了します。全行程17日間に及ぶ山行でした。ゴールではスタッフさんたちがお祝いしてくれ、コーラで乾杯。人生でこんなにコーラを美味しく感じたことはないというコメントも出ました。頑張って歩き切ったあとだからこそ、そう感じたのだと思います。本当にお疲れ様でした。

 

Photo & text : Teppei Kamitani

Visit : Aug-Sep 2024 Baltoro Galcier- K2BC

 

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コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

 

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