カラーシャのチョウモス祭は超神聖な期間ディッチDitchに入りました。生け贄の日プシャオ・アドゥでは、サジゴールで行われる神への生け贄プシャオ・マラットと男性を浄めるイストンガスの2つの生け贄が行われます。そしても子供の通過儀礼ゴシュニクも行われます。
宿の人は「バリマインが到着している」、「夜、地震があったよね?それがバリマインが到着した音だ」と言います。バリマインはサジゴールでの生け贄、そして夜の松明を見届けてからボンボレット谷に移動していくと。
朝、谷のすべての男性は体を洗い、新しい服、靴を着用します。女性はすべての食器を洗い、家を掃除をします。この後は、イスラム教徒に触ってはいけないなどの決まりに加え、神聖な期間が終わるまで「掃除をしてはいけない」「昨日までに作られたパンは食べてはいけない、新しい小麦粉でパンを作らなければならない」が加わります。このため、新しい小麦が間に合わないので朝食はアユンでとれたお米でした(これが大変美味)。

プシャウ・マラット Pushao Marat 神への生け贄
朝から村人が広場に集まり歌い踊っていました。10時ごろ、各家族から選ばれた立派な雄ヤギがサジゴールへと連れて行かれます。男性たちがそれにあわせてサジゴールへと歩き始めました。女性は生け贄の儀式には参加できないので、写真はカラーシャの男性に撮影してもらったものです。女性たちはその間、歌って踊って楽しんでいました。






ゴシュニク Goshnik
子供の通過儀礼で、この儀式が終わるとカラーシャの一員となり戒律を守ることになります。儀式を受ける子供の親は、儀式を司る叔父に果物やプレゼントを用意します。叔父は雄のヤギをプレゼントします。このお祝いに親族が集まり、親は果物やワインを振る舞います。お祝いに訪れた親族が通過儀礼を受ける子供にお金をあげているのも見ました。まるで日本のお年玉のようでした。





プルシュ・イストンガス Purush Istongas 男性の浄めの生け贄
ヤギ小屋の屋根の上で生け贄が行われます。その生け贄の血が並んだ男性の顔にふりかけられ、浄めの儀式となります。夕方に行われたイストンガスの儀式。写真はカラーシャの男性に撮影してもらいました。



生け贄のヤギの肉はここで解体され、この神聖な期間(7日間)に食べる肉となります。生け贄という儀式が息づくカラーシャの信仰と暮らしを学んだ日でした。
Text: Mariko SAWADA
Photo: Mariko SAWADA & Jamil
Visit: Dec 2024, Kalash Valley – Khyber Pakhtunkhwa
※情報は現地での聞き取りによるものです。資料により儀式の表記や説明が異なる場合があります、予めご理解ください。
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