DISCOVER AFGHANISTAN : バンデアミール Band-e Amir

バーミヤンより西へ75km、標高約3,000m大地に忽然と現われる湖沼群がバンデアミール Band-e Amirです。 バンデアミールは「砂漠の真珠」とも例えられるほど美しい湖で、絶景の多いアフガニスタンでも随一のものです。

バーミヤンからバンデアミールへの道は、美しいシャヒダーンの渓谷と峠を越えて行きます。夏には、緑の草原に映える美しい高山植物や放牧の景色も見られます。今は湖の手前まで舗装され、ずいぶん簡単にアクセスできるようになりました。

 

ゴール朝時代の望楼

バーミヤンを出発し、アクラバト峠(Kotal Aqrabat)への検問所を過ぎてまもなく、正面にイスラム時代以降に作られた望楼が表れます。おそらくは12世紀のゴール朝時代に遡り、バーミヤン周辺の街道沿いに残されています。

 

シャヒダーン峠付近

シャヒダーンの峠を上がるとヒンドゥークシュの雪を抱いた山と滑らかな緑の草地、そこに放牧されている家畜たちの景色が表れます。

 

シャヒダーン峠付近

豊かな水、草に恵まれた健康的なヤギ・羊たち!

 

中世の建物跡 カラ・イ・シャヒダーン

シャヒダーンの村にある中世の城(要塞)の跡。昔から「シルクロード」の一部として人が行きかったしるしです。小さなバザールもあります。

 

学校へ駆け込む少女たち

学校もあり、ハザラの少女たちがちょうど授業に向かっていました。

 

燃料となる草を運ぶ少年

シャヒダーンより、景色の美しい道を走りシベルトゥ、カルガナトゥを経ていよいよバンデアミールへの道に入ります。最近、大きなゲートまで作られました。ここからは未舗装です。

 

バンデ・ズルフィカール

未舗装の道をゆっくり走っていくと正面に美しい湖面が表れます。これが最初に見るバンデアミールの景色です。これはバンデ・ズルフィカールの一部。荒涼とした風景の中に現れる「青」の美しさに驚きます。

この先にチケット売り場があり、さらに道を進めると中心となるバンデ・ハイバットの湖のビューポイントが表れます。

 

バンデ・ハイバット

このバンデ・ハイバットには第1駐車場、第2駐車場(週末は第3駐車場も・・・)があり、宿泊施設、食堂、そして遊園地的なものまで登場しました。新タリバン政権以降、これまでこの地域に来ることがなかった都市部からの観光客(特にパシュトゥーンの人々)が増え、訪問日が選べるなら「週末は避けた方がいい」くらいの賑わいを見せています。

 

バンデ・ハイバット

ボートライドが大人気。アフガン国内の観光客にとってバンデアミールのボートライドは Must to do アクテビティです。

 

バンデ・ハイバット

バンデ・ハイバットの高さ12mの天然のダム。バンデアミールの湖を隔てる壁(天然のダム)はトラバーチンという炭酸カルシウムで構成されています。岩だらけの地形にある断層や亀裂から染み出したミネラル豊富な水が長い時間を経て固まったトラバーチンの層を堆積させ、このような天然のダムを作り上げました。

 

バンデ・ハイバットの魚

バンデ・ハイバットの魚、種類はわかりません。バンデ・ハイバットは6つの湖の中で一番深く、ニュージーランドの潜水チームによる調査に深さ150mほどあるそうです。

 

バンデ・ハイバットからあふれ出る水

バンデアミールには全部で6つの湖があります。そのうち、バンデ・カムバールはほとんど干上がっています。

 

Band-e Zulfiqar  バンデ・ズルフィカール(アリーの剣の湖)

Band-e Haibat バンデ・ハイバット(おそれの湖)

Band-e Gholaman バンデ・グラマーン(奴隷たちの湖)

Band-e Qambar バンデ・カムバール(アリーの馬丁の湖)

Band-e Panir バンデ・パニール(チーズの湖)

Band-e Pudina バンデ・プディナ(はっかの湖)

 

バンデ・ハイバットのほとりにはハズラット・アリが一夜を過ごした場所として聖地になっている祠があり、昔から湖へ巡礼に訪れる人々がいました。巡礼地から一大観光地へ様変わりしました。

 

バンデ・ハイバットとバンデ・パニールの間の天然のダム

バンデ・ハイバット(左)とバンデ・パニール(右)、バンデ・プディナ(右中央上)の間にある天然のダム(トラバーチンの堆積物)。

 

バンデ・パニール、バンデ・プディナ

この写真は10年ほど前のバンデ・パニール、バンデ・プディナの写真です。今は地形が変わったように思われます。そして観光客用の施設も作られました。

 

湖の間の遊歩道

バンデ・パニール、バンデ・プディナの間にできた遊歩道。バンデ・ズルフィカールまで続きます。

 

バンデ・パニール

バンデ・パニール の周りに建てられたピクニック用の小屋。国内観光客にとってバンデアミールのピクニックは憧れです。

本当に美しいバンデアミール、週末ともなると大変にぎわう大観光地になりました。ただ、国内観光客の残すゴミや食べ物の残りを洗ったりする水質汚染が大変心配されます。

ところで、バンデアミールへの道では地元のハザラの人々が移動する様子など大変美しい光景に出会うことがあります。

 

ロバに乗って移動するハザラの家族。荒涼とした風景の中に赤色が映えます

 

燃料となる草を運ぶ

 

絶景バンデアミール、そこに生きるハザラの人々。アフガニスタンは常に大きな変化の中にありますが、アフガニスタンに暮らす全ての民族が平和に暮らせることを願います。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

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