カイバル・パクトゥンホア州のチトラル・ゴル国立公園で観察したクロハゲワシ Cinereous Vultureです。Cinereousとはラテン語で「灰色の」の意味があり、別の英名では Eurasian Black Vulture とも呼ばれています。
クロハゲワシ Cinereous Vulture はユーラシア―大陸中央の山岳地帯に生息する、大型のハゲワシ。ユーラシア大陸のハゲワシとしてはヒマラヤハゲワシ Himalyan Griffon Vulture と並んで大きなハゲワシで、開翼長も2.5~3m近く、羽の幅も広く、ずっしりと重いハゲワシです。
クロハゲワシは遠目には、頭の一部とくちばし以外黒く、成鳥は頭の一部と首毛が薄いブラウンで若鳥はより全体に黒くなります。この写真の個体は若い鳥のようですね。
一般的に、クロハゲワシは冬の間は平野部や砂漠に降りてきて、断崖をねぐらとして過ごしますが、この冬の時期に標高3,000mを越える山岳地帯にいるのは、若鳥だからでしょうか。
ヒマラヤハゲワシに混じって旋回していましたが、クロハゲワシ、獲物に着陸のようです!
Photo & text : Mariko SAWADA
Observation : Dec 2020, Chitral Gol National Park, Chitral, Khyber Pakhtun Khwa