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ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド
監督:ポール・サルツマン
出演:出演: デヴィッド・リンチ、パティ・ボイド、ジェニー・ボイド、ほか
日本公開:2022年
インドなくしてビートルズの名盤―1968年というマジカル・イヤー
1968年、当時23歳だったカナダ人のポール・サルツマン監督は、失恋の傷を癒しに北インドのガンジス川のほとりにあるマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーのアシュラム(僧院)の門を叩いた。そこで思いがけず出逢ったのは、世界的ロックバンドであるビートルズのジョン、ポール、ジョージ、リンゴの4人だった。
サルツマンが瞑想を学びながら、カメラに収めたビートルズと過ごした奇跡の8日間が、50年以上の時を経て初めて明かされる・・・
1960年代後半、特に1968年あたりというのは、1986年生まれの僕にとっては憧れの時期です。1966年、ビートルズは『リボルバー』で大胆なサイケデリック・ロックを展開。翌年、ワールドカルチャーにとって重要な社会現象サマー・オブ・ラブがアメリカで巻き起こった年に、ビートルズは『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』をリリース。
そして1968年は、本作のトピックであるインドでの瞑想修行+2枚組の通称『ホワイト・アルバム』のリリース・・・50年以上後世まで影響を及ぼすほどの「歴史を変えた数年」が、1960年代後半だと思っています。
監督の記憶をたどるように当時の熱狂が描かれていますが、ビートルズのレジェンドとしての華々しさに着目するのではなく、あくまで「彼ら(ビートルズ)も人間なんだ」という地続きな視点で日々の記憶が手繰り寄せられていくので、観終わった後は観客自身が新たな一歩を歩み出す勇気が湧いてくるようなタッチのストーリーです。
インドは主に「ヨガの聖地」として当時も現在も有名なリシケシが舞台となっており、加えてムンバイとデリーを、サルツマン氏とビートルズ史たち家が旅する様子が描かれています(サルツマン氏の暮らすカナダと、ビートルズメンバーの故郷であるイギリス・リバプールもすこし登場します)。
ビートルズはインドで様々な曲を作曲しましたが、ビートルズファンでなくても必ず一度は聞いたことがある『オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ』が「まだこれしか歌詞ができていないんだ」とポール・マッカートニーが口にするような状態で、サルツマン氏は作曲現場に立ち会ったそうです。
このほかにも、いかにインドでの時間がビートルズにとって重要だったかを示す、様々なフッテージやコメントが本作に収められています。
ビートルズファンとしてもインドファンとしても大満足な内容の『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』は、9月23日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷、 池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー。詳細は公式サイトからご確認ください。
リシケシ
町の中心をガンジス川が流れる聖地リシケシ。ヨガのふるさとでもあり、現在も街にはアシュラム(ヨガ道場)が軒を連ね、修行僧が集まるヨガの聖地とされています。
コースでは、アシュラム併設の短期滞在者用ゲストハウスに滞在し、瞑想とヨガを体験いただきます。 アシュラム滞在中の食事は菜食のカレーやチャパティが中心で、アルコールと肉類は禁止です。心と身体をリセットする滞在期間をお過ごしください。