手工芸がお好きな方にもグジャラートはお勧めの場所です。
特に、西部のブジには様々な工房があり、今も技術が受け継がれています。
〈富の象徴として発展した手工芸〉
グジャラート州は南をアラビア海に接し、いにしえから西アジアとの交易の重要な拠点となってきました。藩王や貴族、そして貿易で富を蓄えた商人たちは、自分の権力を誇示するために多くの職人を雇い、金に糸目をつけずに豪華な手工芸品を作らせました。このようなパトロンたちの金銭的支援のもとで発達した手工芸のひとつが「モチ刺繍」です。 モチ刺繍とはシルクやサテンの生地にアリと呼ばれる鈎針と絹糸で細かなチェーンステッチを施すもので、イスラム美術から影響をうけた幾何学模様や花、果物などがデザインされています。
「ローガンペイント」と呼ばれるオイルペインティングもまた、パトロンの支援の元、発展した手書き更紗の一種です。赤、青、緑などに染めたヒマ油を手のひらの上で混ぜ、ガム状になったものを針の先端につけて、布の上に下書きなしで描いていきます。
モチーフは「生命の木」や「花」「ペイズリー」など。半分描いたあとで布を二つに折ることでイン クが移り、シンメトリーのデザインが完成します。この技術はシリアを起源とし、イラン、アフガニスタン、パキスタンをへてインドに伝わったと言われています。
1947年にインドが英国から独立し、藩王制が解体されると、パトロンたちは財力を失い、多くのモチ刺繍やローガンペイントの職人たちも職を失いました。ローガンペイトはとても手間がかかること、高度な技術を要すること、またもともと高級品ではなく、最近では安い刺繍糸も手に入りやすいことから、後継者も少なく、現在、数家族の みがこの技術を後世に伝えています。
バンニエリアと呼ばれる地域には小さな工房が複数あります。
のんびりと村散策をしながら工房巡りをしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。
ベル工房は成型から焼いて、音の調整をして完成するまで30分程で見学できます。
木工細工は、固めた色粉を木材にあて、木材を回転させることで熱を発生させ、色粉をとかし、塗り付けていきます。その後、木片を当ててなめらかにし、オイルを塗り、違う色を乗せていく作業を繰り返します。同じ工程で木製のボタンを作っている方もいますよ。
次回はアジュラク、絞り染めなどの手工芸をご紹介します。
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