ナマステ!西遊インディアです。
今回は、カジュラホの寺院群について西群、東群、南群とそれぞれエリア毎に詳しくご紹介します。
■カジュラホの寺院群①西群のヒンドゥー教寺院
カジュラホのメインとなるのはここ、西群の寺院群です。入場ゲートを通ってまず左手に見えるのはラクシュマナ寺院。チャンデーラ朝のヤショーヴァルマン王によって8世紀中ごろに建設されたもので、ヴィシュヌ神に捧げるものとされています。中央の本殿と左右の小祠堂から成り、南北の面のミトゥナ像、また基壇部分に一列の帯状に施された長大な彫刻群が際立っています。
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
ラクシュマナ寺院の向かいにはヴァラーハ寺院が建設されています。こちらはヴィシュヌ神の2つ目の化身とされるヴァラーハ(野猪)を祀ったもので、大きな野猪の彫像が安置されています。
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カジュラホ最大の寺院は、西群エリアの最も奥にあるカンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院。11世紀初頭、チャンデーラ朝の最盛期のヴィデヤダーラ王の治世で建設されたものです。奥行33m、幅18m、高さ35mの壮大な寺院はシヴァ神に捧げられたもので、シヴァ神が住むとされるカイラス山の姿を模して建設されています。このカンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院だけでも870以上の彫像が施されており、そのうちの10%ほどをミトゥナ像が占めています。
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また、カンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院と同じ基壇上に、ジャガダンビー寺院と小さなシヴァ祠堂も建設されています。こちらはカンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院より古く、一代前のダンガ王によって建設されたもの。ダンガ王の時代には、同様に西群のチトラグプタ寺院、ヴィシュワナータ寺院、そして東群のジャイナ教寺院:パールシュワナータ寺院も建設されています。
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■カジュラホの寺院群②東群のジャイナ教寺院群
東群は主にジャイナ教の寺院群が並んでいます。西群と比べると規模は小さいものの、こちらでも精緻な彫刻群を見ることができます。ミトゥナ像はジャイナ教寺院群ではあまり顕著には施されていません。
東群で目を引くのはパールシュワナータ寺院。ジャイナ教の寺院ではありますが、西郡のヒンドゥー教寺院と同時期に建てられたものであるため、基本的な構造やデザインは共通するものが多くあります。しかし彫刻のモチーフはジャイナ教寺院では男女が寄り添うものの彫像が多く、穏やかな雰囲気です。
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また、東群のシャーンティナータ寺院は現在でも信仰の場として利用されているジャイナ教寺院です。タイミングが合えば、信者の方がお祈りをしているところを見ることができます。寺院内ではジャイナ教の祖師(ティールタンカラ)たちの彫像が安置されている他、ジャイナ教徒が使用するクジャクの羽製のほうきなども展示されています。
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■カジュラホの寺院群③南群 ヒンドゥー教寺院
南群の2寺院は点在する形となっており、カジュラホでの寺院建設の最後期となる12世紀前半に建設されたものです。南群の寺院群では、西群とは異なりミトゥナ像が見られなくなったり、他の彫像の陰になったりしており、寺院彫刻の中での主要度が低くなっていることがわかります。
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■カジュラホのライトアップと祭り
カジュラホでは、夜になると西郡の主要寺院のライトアップが行われ、ヒンディー語と英語でカジュラホの歴史を開設するライトアップショーが開かれています。日中の観光を終えたうえで鑑賞すれば、より深くストーリーを理解することができます。
また、毎年2月20日から26日の一週間は、カジュラホ・ダンスフェスティバルが開催されています。西群の寺院群のそばに作られるステージでは、カタック、バラタナティヤム、オディッシー、クチプディ、マニプリ、カターカリ等インド各地の伝統舞踊の公演が行われます。ちょうど晴天の続く乾季のベストシーズンにあたりますので、お祭りにあわせて訪問するのも面白いかもしれません!
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カジュラホの遺跡は半日あればメイン所は見ることはできます。ですが、なかなかアクセスも容易ではない場所なので、ぜひ1泊して、ガイドの解説に耳を傾けつつゆっくり見学されることをお勧めします!
また、一点ご注意ですが、カジュラホは本当に遺跡以外何もない村です。そのため遺跡周辺で観光客が来るのを待ち構えている物売りの人たちのガッツが、他の観光地とは比べ物にならないくらい凄いです…。要らないものを押し売りされそうになった時は、はっきりと、「要らない!」と言いましょう(絶対に彼らは一度では諦めませんが…)。
Text by Okada
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