グジャラートのサファリ 最後のアジア・ライオンの暮らす森、ササン・ギル国立公園

今回はグジャラートでのサファリ、アジアライオンに出会えるササンギル国立公園をご紹介します。

 

ササンギル国立公園は1965年に設立されたグジャラート南部の国立公園で広さは1,412平方キロ。そのうちの258平方キロは国立公園として完全保護下にあり、1,153平方キロは保護区となっています。 ギル野生動物保護区は最後のアジア・ライオンが生息することで知られています。学術名Panthera leo percicaと呼ばれるライオンは、古くはメソポタミア、古代ペルシャ文明のレリーフにも登場し、現在のイラン・イラク・パキスタン・インドの南部地方に広く生息していましたが、現在はこのギル野生動物保護区にのみに残る貴重な存在となってしまいました。

 

ギルの森林は1900年代初頭にジュナーガルの王族が保護区とされ、そのころにはトロフィー・ハンティングによる乱獲のためアジア・ライオンの数は15頭にまで激減していました。その後の政府の森林局やNGOの人々の努力により、このギルの多様性ある落葉樹の森でアジア・ライオンはその数を増やし、2015年の調査では523頭に、そして2020年の調査では674頭にまで回復しています。

 

ギル国立公園は乾燥したチークと広葉樹林の森、東部にはアカシアの林とサバンナが広がり、その中を7つの川が流れ4つの貯水池を作っています。300カ所ほどの動物の水場となる場所があり、暑気にはこの水が野生動物たちの命をつないでいます。国立公園の東部と西部でも気候・降水量が大きく異なり、アカシアの林やサバンナの広がる東部では年間降水量が650ミリですが、西部では1000ミリを超えます。

 

↑ゲート入り口。

 

ジープに乗っていざサファリへ!!

ササン・ギルで観察できる主な野生動物をご紹介します。

アジア・ライオン Asiatic Lion、キンイロ・ジャッカル Golden Jackal、インド・マングース Indian Mongoose、チータル Chital、ニルガイ Nirgai(Bluebull)、サンバー Sambar、ワイルド・ボアー Wild Boar、マーシュ・クロコダイル Marsh Crocodile そのほか、たくさんの野鳥。

 

まずは、アジアライオン。結構ジープの近くまで来ることもあります。

ただ、観察のベストシーズン、というとやはり2月下旬~5月。乾期は水場に動物が集まるので観察しやすいですが、暑すぎてライオンがだらけていることも(もともと夜行性の動物ですから、日中は寝ています)。

 

 

その他、ササンギルの森で出会える動物たちの一部をご紹介します。

 

Nilgai ニルガイ
体の大きな鹿でBluebullと呼ばれ、オスはグレー色の大きな体をしています。鹿とは思えないほど大きな子もいます。

 

 

Sambar サンバー
水場に多く集まり「水鹿」とも呼ばれます。丸い耳が特徴的。

 

 

Chital(Spotted Deer)アクシスジカ
インドの森で最も一般的な鹿

 

 

Golden Jackal キンイロ・ジャッカル

 

Marsh Crocodile マーシュ・クロコダイル
そして水場にはワニも。乾期の水の少ない時期には観察しやすいです。

 

 

■ササン・ギルへのアクセス

アーメダ―バードから車両移動で7~8時間です。

フライトは少ないですが、ディウ(約2時間)、ラージコット(約4時間)などその他のグジャラートの都市からもアクセス可能です。

サファリはジープの事前予約が必要です。国立公園内に入ることが許されるジープの数に制限がありますのでインドの祝祭日が重なる時期など早めの予約が必要です。

是非、アジア最後の貴重な存在であるライオンたちの住む森を訪問してみてください。

 

※この記事は2013年11月のものを修正・加筆して再アップしたものです。

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ケーララ州の魅力③ テッカディとペリヤール国立公園<3>

ナマステ! 西遊インディアです。

 

今回は、ペリヤール国立公園にて体験した4つ目のアクティビティ、バンブーラフティング+ショートハイキングについてご紹介いたします。

前回:ペリヤール国立公園でのアクティビティ紹介 ボーダーハイキング

 

▮バンブーラフティング+ショートハイキング

湖への往復ハイキングと、竹製のいかだでの湖の遊覧が含まれる、約5時間のプログラムです。朝7時半と、9時半からの2枠の設定で、定員はそれぞれ10名。ツアー中は、2名のフォレストガイドが同行します。同じ内容でハイキングを長めに楽しむ朝8時から17時までの終日プログラムもあります。

 

 

今回は7時半からの回に参加しました。
7時15分、集合場所へ。

ボーダーハイキングの時同様、ハイキングセット(朝食と水)が配られますので、そちらを受け取り出発。

開始早々、整備された道の横で、世界一小さい鹿 ・マメジカ(mouse deer) と遭遇しました。夜行性なので、日中はほとんど見られることがないと言われているマメジカですが、フォレストガイドが確認すると足に傷を負ってしまっていたようです。

 

マメジカ(mouse deer)

人通りの少ない場所にガイドが移動してあげていました。

 

さらに進んでいくと今度は野生の象が!!
2頭の子どものゾウも一緒です。

 

アジアゾウ(Asian Elephant)
子どもたちも一緒でした。お母さんにぴったりくっついて可愛いですね

象までの距離をしっかり保ちつつ、しばらくその場所で象の観察をしていました。親子象は森の奥に入って行ってしまったので、私たちも観察を終了し先へ進みます。

道中は、インドアカガシラサギ(Indian pond heron)やインドオオリス (Indian giant squirrel)などに出会いました。

 

インドアカガシラサギ(Indian pond heron)

インドアカガシラサギはイランからインド、ネパール、タイ、ミャンマーなどにかけて分布しています。

 

インドオオリス (Indian giant squirrel)
クロカッコウハヤブサ(Black baza)

クロカッコウハヤブサは、インド、中国、東南アジア等広いエリアで生息する小型の猛禽類です。多くは渡り鳥で、インド南部とスリランカで越冬しています。

 

シロエリコウ(Woolly-necked stork)

コウノトリの仲間のシロエリコウ。インドでは広く全国的に分布しています。名前の通りの白い首と赤色を帯びた体が特徴です。

 

ショートハイキングを終え、9時半ごろ、湖に到着しました。次はバンブーラフティングです。休憩所にて出発を待つ間、もらった朝食のお弁当をいただきました。

 

係員が出発の準備をしている様子。
このいかだに乗ります。

 

一瞬、大丈夫かな…と思ってしまう作り…

ラフティング中、荷物はまとめて休憩所に保管します。
ライフジャケットを装着し、いざ出発です!

 

いかだ乗り場へ
乗り込み中…

初のいかだ体験。おしりのすぐ下が水なので緊張しましたが、乗ってみると意外と安定感があり、心配もなくなりました。

またラフティングといっても自身で漕ぐものではなく、スタッフが2名同乗し漕いでくれますので、何もせずとも湖上からの眺めを楽しめます。

 

出発! いかだは、ゆっくりゆっくり進みます
スタッフが頑張って漕いでくれます

バンブーラフティングはゆったりと1時間ほど。いかだからは、ガウル(Gaur)や、カワセミ(Kingfisher)など様々な野鳥を観察できました。

 

カワセミ(Kingfisher) 水色がとても鮮やかで美しいです

シンプルな竹のいかだなので、水や風を間近に感じることができ、大きな船とは違った良さがありました。

その後、荷物を受け取り別のルートにて公園の出口へ。少々早めの12時頃に到着し、解散しました。

 

 

今回は半日のプログラムに参加しましたが、ハイキングとラフティングの時間配分がちょうどよく、飽きない様になっており、バランスの良いプログラムだと思いました。またラッキーなことに野生動物にも遭遇でき、個人的にもとても楽しい体験ができました!

歩くだけではなく野生動物、野鳥観察もしたい!という方には、こちらのプログラムは大変おすすめです。

(ツアーはお昼頃に終了するので、ツアー後街やホテルに戻ってからゆっくり食事が取れるのもよいと思いました)。

 

最後に、バンブーラフティング+ハイキングでのおすすめの持ち物をご紹介します。

 

1.日焼け止めグッズ
2.ウェットティッシュ (朝食の際など)
3.長ズボン (草木や日差しから守るため) ※上も長袖の方がベターですが、暑いので半そで+薄手の羽織などでもOK
4.タオル (バンブーラフティングで濡れることがあります)
5.ハイキング用の靴(防水だとなお良) ※ハイキングは2時間ほどなので、そこまでしっかりしたものでなくてもよいかと思います。

 

 

以上、数回に渡り、ペリヤール国立公園の4つのプログラムをご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

個人的にはジャングルナイトパトロールとバンブーラフティング+ハイキング(半日)が大変楽しく、おすすめです。

 

滞在の期間に合わせて、プランを組めますので、大自然に触れたい方、野鳥が好きな方、お問い合わせお待ちしております!

 

 

 

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ケーララ州の魅力③ テッカディとペリヤール国立公園<2>

ナマステ! 西遊インディアです。
ペリヤール国立公園でのアクティビティについて、今回はボーダーハイキングをご紹介します。

 

前回: テッカディとペリヤール国立公園<1> ボートライディングとジャングルナイトパトロール

 

 

▮ボーダーハイキング

タルミナードゥ州とケーララ州の州境を目指す全長15~18kmのハイキング。朝8時から17時までの終日プログラムです。

1回の枠の定員は6名。2名のフォレストガイドが同行します。

7時40分ごろに集合場所へ。リュックにはいったハイキングセットを受け取りました!

 

泥除けも入っていました。足元は、ハイキングシューズもしくはトレッキングシューズがおすすめです

リュックの中にはバナナやアールーパラタなどの朝食や昼食、水、足のカバーなどが入っていました(お水は500mlだけなので、別途ご自身でも持って行った方がよいです)。

ペリヤール国立公園入口の看板を通り、ボーダーハイキングスタートです!

 

ここからトレッキングスタート!

朝日を浴びながら、森の奥へ進んでいきます。道のりは様々で、木々が生い茂る険しい道や、見晴らしのよい開けた道もありました。

 

ガイドさんの後をついて行きます。ペースはこちらに合わせてくれます
森のなかをどんどん進みます…

途中、象の足跡やフンが見つかりました!
順路を変更し探してみるも、姿は確認できず。
ちょっと遅かったようです…。

 

天気も良く気持ちよく歩けました!
小川にかかる木の橋を渡ります
朝食タイム

時間を見つつ、朝食。丁度良い岩場に座って休憩です。

ハイキング再開後、少しするとニルギリラングールやシロハラオナガに遭遇しました。

 

ニルギリラングール(Nilgiri Langur)
特徴的な長い尻尾は0.7~1mです

ニルギリラングールは、インド南西部の標高2500mまでの湿潤落葉林などに生息しています。昼行性で、主に葉を食べますが、他には果実や種子、花、昆虫、土などを食べることもあるそうです。
絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

 

シロハラオナガ(White-bellied treepie)

シロハラオナガは、南インド、特に西ガーツ山脈周辺のみで観察される固有種です。仲間のチャイロオナガ (Rufous-treepie)と分布は重なっておりますが、シロハラオナガは頭と首の後ろ、お腹部分が白く、遠目でも見分けることができます。

 

目的地のタルミナードゥ州とケーララ州の州境に到着!!
体感としては意外と早かったです。

 

州境です

その後は山の頂上を目指します。

 

森を抜け開けた場所を歩きます

山頂に到着。少し靄がかかっていてクリアには見えませんでしたが、想像以上の高さで驚きました!

 

頂上からの眺め

パトロールの小屋に移動し、昼食です。

 

用意してくれたお弁当をいただきました。メニューは、ダール(豆)カレーと、プラーオ(ピラフのようなもの)でした。

昼食の後、少し休憩をとり、もと来た道を戻ります。

 

帰りはゆっくり、景色を眺めながら

今回のツアーも他にお客さんがおらす、西遊チームだけだったということもあり、予定時間よりも大分早めの15時に戻ってきました(本当は17時頃の予定)。

ハイキングセットを返却し、トレッキング終了です。

 

今回は残念ながら象などお目当ての動物は会えませんでしたが、他の国立公園のサファリではジープで通るような景色を徒歩で回れたこと、そしてジープでは入れないような細い道も散策できたことは非常に楽しい体験となりました!

 

ボーダーハイキングは15kmもの長距離ハイキングなので、結構しんどいのですが、歩くのが好きな方であれば大丈夫だと思います(私は普段から運動はほとんどしないですが、意外とついていけました)。

大自然にどっぷりと漬かりたい方、お勧めのプログラムです!

 

 

最後に、ボーダーハイキングでのおすすめの持ち物をご紹介します。

 

1.ミネラルウォーター (支給される500mlのみでは足りず、私は1L追加でもっていきました)
2.日焼け止めグッズ (1日中外にいますので、日焼け止めや帽子は必須です)
3.ウェットティッシュ (食事の際などのお手拭きとして。小屋で食事の場合は水場がありました)
4.長ズボン (草木や日差しから守るため) ※上も長袖の方がベターですが、暑いので半そで+薄手の羽織などでもOK。
5.ハイキング用の靴 (道は整っていないところがほとんどですので、靴底がしっかりしたハイキングシューズがあるとよいです。防水だとなお良いです。)

 

 

次回は、4つ目のアクティビティ・バンブーラフティング+ハイキング(半日)をご紹介します。

 

 

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ケーララ州の魅力③ テッカディとペリヤール国立公園<1>

ナマステ! 西遊インディアです。
ケーララ州の魅力をご紹介!第3弾は「テッカディ(Thekkady)」です。

 

<過去のケーララ州の記事はこちら>
南国ケーララでハウスボートクルージング
ケーララ州の魅力② タッテカッド鳥類保護区 

 

テッカディはコーチン空港から約150km、車で約5時間の位置にあります。先日ご案内したタッテカッドからは約100km、車で約3時間です。

 

ペリヤール国立公園でのボートサファリ

テッカディでの一番の目的はペリヤール国立公園の訪問です。こちらは、世界で最も生物の多様性に富むスポットとして世界自然遺産に認定された「西ガーツ山脈」にある国立公園のひとつです。

 

西ガーツ山脈
インド亜大陸の西海岸沿いに、マハラシュトラ州、ゴア州、カルナータカ州、ケララ州、タミル・ナードゥ州までまたがる縦に長い山脈。その広さは120,000㎢、距離は 約1,600kmにも及びます。ヒマラヤ山脈よりも古い山脈で、インド全域の気候に大きな影響を与えており、多くの川の水源となっています。2012年に、世界で最も多様な生物が見られる8つの「ホットスポット」の一つとして、UNESCOの世界自然遺産に登録されました。

 

西ガーツ山脈特有の生物との出会いを求めて、そしてインドではレアな「ウォーキングサファリ」を体験してきましたので、ご紹介いたします!

 

■ペリヤール国立公園

ケーララ州イドゥッキおよびパタナムティッタ地区に、ペリヤール野生動物保護区があります。その規模は925㎢。1982年にその内の305㎢がペリヤール国立公園として定められました。保護区では35種の哺乳類が観測されており、絶滅危惧種も多く含まれます。観測される哺乳類は、象、ガウル、サンバー、ナマケグマ、ニルギリタール、ニルギリラングール、ベンガルタイガーなど。

 

ペリヤール国立公園では様々なプログラムがありますが、今回は下記4つを体験してきました。

 

ボートライディング: ペリヤール湖の混載クルーズ。 大きなボートで1時間ほど湖を遊覧します。

ジャングルナイトパトロール:夜間の係員の園内パトロールに同行させてもらい、夜のジャングルを約3時間歩きます。

3.ボーダーハイキング:タルミナドゥ州とケララ州の国境を目指す全長15~18kmのハイキング。朝8時から17時までの終日プログラムです。

バンブーラフティング+ハイキング:(竹のいかだで)湖の遊覧と湖への往復ハイキングが含まれる、約5時間のプログラムです。

 

 

まず、ボートライディングについてご案内いたします。

 

 

▮ボートライディング

ペリヤール湖発着のボート遊覧。1艘の定員は70名ほどで、1日5回運航しております。所要時間は1時間半ほどです。

今回は15時半の回に乗ります。ボートライディングの発着地であるペリヤール湖まで、バスを利用し向かいます。

 

バス発着所
バスに乗り込んで出発!

バスに乗って10分ほどで到着。
下車後、徒歩にて乗船場所まで向かいます。

 

ボート乗り場
インドでよく見るタイプの旅客船です

ボートは1階と2階に分かれており、70人ほど乗れる大きなものでした。見晴らしがよさそうな2階へ。席は全て自由席です。早めに乗り込んで窓際の席を確保しましょう。

出発を待っていると、係員よりライフジャケットが配られました。着用し、出発を待ちます。

 

船内の様子。結構ぎゅうぎゅうでした

船内はこのように満席でした! 出航後は自由に動けないので、写真撮影目的の方は窓側確保がマストです。

 

いよいよ出発です。
ペリヤール湖は、1895年にムラペリヤルダムが建設された際に形成された貯水池。その広さ26 ㎢。ボートからは広大な景色を楽しめます。

 

出航間もなくの景色

ゆっくりと湖を進んでいきます。

この湖は野生動物の水浴び、水飲み場となっているため、ボートから動物を観察できるチャンスは高いです。

 

出発早々、象の水浴びの様子が見えました!

 

その他、ガウルやシカも集まっていました。 ガウルのお尻。正面は撮れませんでした…。

鳥は、カワウ、ヘビウ、そしてアオサギやミサゴ、コウハシショウビンが観察できました。

 

カワウ (Great cormorant)
ヘビウ(Darters)

ボートライディングではケララの穏やかな風を感じながら、ゆっくりと景色を楽しむことができました。約1時間の遊覧でしたが、意外とあっという間でした。今回は15:30発のボートに乗りましたが、朝一の07:30発で少し冷たいフレッシュな空気の中の遊覧も良さそうです (その時間帯は霧がでることが多く、幻想的な景色を御覧いただけるかも)。

 

またボートは岸に近づくこともあるのですが、だいたいは岸から十分に距離を保って進んでいくので、野生動物が出てきていても、よく見えないのが少し残念なところ。しっかり観察したい場合は、双眼鏡の持参が望ましいです。

なおペリヤール国立公園では、現在ジープサファリは行われておらず、基本的にウォーキングサファリのみとなります。旅に変化をつけるという意味でも、ボートライディングはお勧めのプログラムです!

 

続きまして、ジャングルナイトパトロールについてご案内します。

 

 

▮ジャングルナイトパトロール

国立公園の夜間のパトロールに同行することができるプログラムです。1日3回 2つのルートで開催されています。安全性を考慮し、定員は2~6名の少人数制です。武装したレンジャー1名とフォレストガイド2名と一緒に回ります。1回のパトロールは約3時間、道のりは約6kmです。

今回は22時スタートの回に参加しました。

 

開始30分前ごろにJungle Night Patrol集合場所へ向かいます。

 

集合場所

集合場所にて、係員よりパトロールについて説明を受け、書類へのサインなど手続きを行いつつ、出発時間まで待ちます。参加者には靴に被せるカバーと懐中電灯の貸し出しがありました。今回は他に参加者はおらず、私たち(3名)と森林局側からのガイドとレンジャーの計6名での出発となりました。

 

いよいよ出発。集合場所(スタート地点)から出発してしばらくは、周辺に少し街灯もあるのですが、公園のゲートの中に入り、森の中に進んでいくにつれ、町からの光も届かなくなり、暗さが増していきます。

 

移動は基本縦1列で、安全のため、前と後ろでスタッフが挟んでくれますが、野生の動物がいるので油断はできません。

緊張感が漂う中、奥へ奥へと進んでいきます。

 

まさに「漆黒の闇」のなかを歩いていきます。この写真には特に何も写っていませんが、雰囲気伝わりますでしょうか…?

パトロール中は、参加者が懐中電灯を照らせるのは足元のみ。また会話も極力NGです。写真を撮る場合も、フラッシュはダメ (そのためナイトサファリ中の写真がほとんどありません…)。

夜中の森に慣れていないので、草木に躓かないよう黙々と歩くことに専念していると、ガイドが動物を発見し、教えてくれます。途中、サンバーと遭遇しましたが、ライトを向けると明りに敏感のため逃げて行ってしまいました。

 

さらに歩いていると、頭上でガサガサという音が。大きいコウモリか鳥かと思ったら、モモンガの一種、インディアン ジャイアント モモンガ(Indian giant flying squirrel)でした。木から木へと移動した瞬間だったようです。

 

インディアン ジャイアント モモンガ(Indian giant flying squirrel) のおしり

公園内には一定区間に簡易的な駐在所が設置されており、森林局のスタッフが交代で森の警備しています。パトロール中のスタッフは駐在所に立ち寄り、ルート内での状況を共有するのですが、休憩所としても大事な役割を果たしています。

 

駐在所での一コマ。夜間は冷えるので、焚火をして暖をとっていました

 

予定より少し早めの深夜12時半、無事パトロールが終了しました。

ジャングルナイトパトロールは個人的に一番楽しみにしていたプログラムだったのですが、想像以上に森は深く、暗く、計り知れない「野生の森」を肌で感じることができ、非常に貴重な体験となりました。

 

今回は動物の遭遇自体は少なかったものの、(そして歩きにくいため、地面ばかり見ていましたが、それでも) 満足度が高く、サファリ好きの方には是非体験していただきたいプログラムです!

 

 

 

ペリヤール②へと続きます!

 

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