南インドの世界遺産 大チョーラ朝寺院群

ワッナカム!!西遊インディアです。

 

北インドのグプタ朝が弱体化し、ラージプート族が小国を乱立させ勢力を拡大させている頃、9~13世紀にかけて南インドを支配したのがチョーラ朝です。(紀元前3世紀から紀元後3世紀にかけてを前期チョーラ朝、一時滅亡後、9世紀から13世紀にかけて復活した時期を後期チョーラ朝と呼んでいます)

国家規模にふさわしい大寺院建築を発展させ、南インドにおけるチョーラ朝の覇権を示す一大国家事業として多くの寺院が建立されました。

中でも、11、12世紀に建立された、タンジャブールにあるブリハディーシュワラ寺院は1987年に、ダーラースラムにあるアイラーヴァテーシュワラ寺院とガンガイコンダチョーラプラムにあるブリハディーシュワラ寺院は2004年に世界遺産に登録され、この3つの寺院を「大チョーラ朝寺院群」と呼びます。

 

 

■ブリハディーシュワラ寺院(タンジャブール)

ベンガル湾に注ぐカーヴェリ川下流域にできた新首都タンジャブールの南西部に、ラージャラージャ1世によって1010年に創建されました。当時は王の名をとって、ラージャラージェーシュワラ寺院とよばれていたそうです。

シヴァ神を祀るチョーラ期の最高傑作と言われる寺院で、巨大なナンディ像の向かいには高さ63mの南インド最大の本堂があり、周囲はレリーフで埋め尽くされています。

 

境内を囲む回廊にはシヴァ神の象徴であるリンガが立ち並んでいます。

 

 

■アイラーヴァテーシュワラ寺院(ダーラースラム)

12世紀にラージャラージャ2世の命により創建された寺院でシヴァ神を祀っています。山車に見立てられた寺院は他の2つに比べると小ぶりではありますが、本堂の基壇にはインドラ神の乗り物の白い象や車輪のレリーフがあり、本堂の柱には精緻なレリーフが施されています。

 

 

■ブリハディーシュワラ寺院(ガンガイコンダチョーラプラム)

のブリハディーシュワラ寺院を建立したラージャラージャ1世の息子ラージェンドラ1世の命により創建された寺院です。ラージェンドラ1世の名をとってラージェンドラ・チョーリーシュワラ寺院とも呼ばれています。

タンジャブールの寺院と同じ名前になったのには、ラージェンドラ1世の父ラージャラージャ1世に対する対抗心から名づけられたという説やタンジャブールの寺院の建築様式を受け継いで建設された為等、様々な説があるようです。

 

他にも、南インドの寺院は特徴的なゴープラム(塔門)が多く、色々と見学するのも楽しい場所です。

食も文化も北部とは全然違う南インド。今後も魅力をご紹介していきたいと思います。