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トキソウ(朱鷺草:Pogonia japonica)

コロナウイルス感染症拡大が心配な日々が続く中、弊社も冬のツアー造成に励みながら、秋シーズンのツアー実施に向けての最終調整を進めております。
皆様、9~11月の紅葉シーズンの旅行はお決まりでしょうか。
最後に紅葉シーズンにオススメのツアーを紹介しておりますので、是非ご覧ください。

 

本日は「トキソウ(朱鷺草:Pogonia japonica)」をご紹介します。
6月の尾瀬で、可憐に咲くトキソウ(朱鷺草)の観察・撮影を楽しむことができました。

 

トキソウ(朱鷺草:Pogonia japonica)

 

被子植物 単子葉類
学名:Pogonia japonica
科名:ラン科(Orchidaceae)
属名:トキソウ属(Pogonia)

 

トキソウ(朱鷺草)は、北海道から九州(資料によっては、四国、九州では稀にみられるとあります)に、海外では千島列島や朝鮮半島などに分布します。
日当たりの良い湿地(酸性の湿地)などに自生するラン科の多年草です。日本では乱獲されてしまった時期もあり、準絶滅危惧(環境省)に指定されています。

 

草丈は10~30cmで直立し、茎の中ほどに長さ5~10cmで広針形の葉を1枚、茎を抱くように付きます。

 

花期は5~7月。茎頂に淡いピンク色~紅紫色の花を1つ咲かせます。
トキソウ(朱鷺草)は、この花の色が「トキ色」(朱鷺の翼の色)に似ていることが名の由来です。個人的には「尾瀬でトキソウを観察したい」という想いもあったことが影響してか、トキソウは淡いピンク色という印象です。ある資料(ブログ)では「標高が高くなるにつれて淡い色合いになる印象」と記されているものがあり、とても興味深い視点でした。

 

トキソウも非常に複雑な形状をしています。
花弁のように三方に広がっている長楕円状披針形の部分は「萼片」。
上向きの1枚が「背萼片」、横向きの2枚が「側萼片」です。
花の中央に帽子のひさし(兜状に重なると表現する資料も)のように前へ突き出して伸びる2枚が「花弁(側花弁)」です。

 

非常に印象的な形状が、下向きに伸びる長さ1.5cmほどの「唇弁」。
写真では1枚の唇弁のように見えますが、実は3裂しています。
写真では判りませんが、帽子のひさし(兜)の内側で非常に細い「唇弁の側裂片」が伸びており、下に伸びているのは「唇弁の中裂片」です。
この唇弁(中裂片)の内側は、まるでイソギンチャクのような肉質の突起物が密生してついているのが印象的です。
また、側花弁や唇弁の外側などに花全体の色合いより少し濃いピンク色の縞状の斑が付いており、この縞状の斑がより花の印象を美しいものにしています。

 

今回は、尾瀬の木道沿いで観察したため、木道から手が届きそうで届かない場所に咲いており、花の細部を観察することはできませんでしたが、木道からはみ出ず、腹這いで必死になって撮影することができました。
次回、トキソウ(朱鷺草)を観察する機会に恵まれた際には、上記の花の形状など細部にわたって観察をしてみたいと思います。

 

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