先日「花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く」へ同行させていただきました。
中央アルプス・宝剣岳の直下に広がる千畳敷カール、長野県と岐阜県の県境に位置する北アルプス・乗鞍岳の登山口でもある乗鞍・畳平では高山植物の花々を楽しみ、北アルプス・穂高連峰の麓に広がる上高地では3日間滞在し、上高地の植生や自然風景を堪能することができました。
本日も尾瀬で観察した「ヒメシャクナゲ(姫石楠花:Andromeda polifolia)」をご紹介します。
被子植物 双子葉類
学名:Andromeda polifolia
別名:ニッコウシャクナゲ(日光石楠花)
科名:ツツジ科(Ericaceae)
属名:ヒメシャクナゲ属(Andromeda)
ヒメシャクナゲ(姫石楠花)は、北海道、長野県以北に分布、海外では北半球の寒冷地に分布し、亜高山帯~高山帯のミズゴケの生える湿原などに自生するツツジ科の常緑(落葉)小低木です。
草丈は5~25cmと低いですが、根元では茎が地上を這うように伸び、上部が斜上しています。
葉は互生し、長さ1.5~3cmほどの細長い葉(広線形~狭長楕円形)をつけ、葉の縁が全体的に裏面の方に向けて反り返り、葉裏は白っぽいのが特徴です。
花期は6~7月。花は散形花序で茎頂に2~6個ほど小さなピンク色の花を付け、直径が5㎜ほどで、(私はギャンブルは一切しませんが)パチンコ玉より一回り小さいイメージです。
壺型の花の先端はおちょぼ口のようになり、先端が5裂し、ほんの少しですが先端が外向きに反り返っています。全体的に下向きに花を咲かせますが、ある資料に「花粉をアリやハエに盗まれないようにするための工夫」とありました。また、同じ資料に「恥ずかしがり屋は下向きに花を咲かせる」とあり、こちらの方がイメージにピッタリかもしれません。
萼と花柄も花と同色という資料が多い中、確かに同色と感じる個体もありましたが、個人的には萼、花柄の方が花本体に比べると若干濃いピンク色だった印象です。
雄しべは10本、雌しべは1本付け、上写真では雌しべの部分のみが残っている花も確認できます。また、果実は直径3~4mmの蒴果となるそうです。
6&7月ツアーとして設定した「花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く」を造成する際、尾瀬を訪れて観察したいと強く思った花の1つが「ヒメシャクナゲ(姫石楠花)」でした。湿原に咲く小さなヒメシャクナゲの花を見つけた時の喜びは今でもハッキリと覚えています(と言っても、まだ一ヶ月しかたっていませんが)。
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