■注目! 催行決定まであと一歩!!一緒に植生観察を楽しみませんか?
花咲く屋久島へ 白谷雲水峡と黒味岳フラワートレッキング
※5月23日出発 まもなく催行!(シャクナゲの花咲く季節)
花咲く北飛騨の森から上高地へ 2つのフラワーハイキング
※4月29日出発 まもなく催行!(北飛騨の森にミズバショウが咲く季節)
本日は食虫植物の1種「ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔:Drosera anglica)」をご紹介します。
被子植物 双子葉類
学名:Drosera anglica
科名:モウセンゴケ科(Droseraceae)
属名:モウセンゴケ属(Drosera)
ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)は、モウセンゴケ科に属する多年草です。
「苔(コケ)」と名が付いていますが、花が咲き、種子も作る高等植物に分類され、コケ類ではありません。
北半球の寒帯、低地~亜高山の湿地に生息し、日本では北海道の一部(サロベツ原野、大雪山系)、本州以南では尾瀬にしか生息していません。海外では、アメリカ北部、カナダ、ヨーロッパに自生する稀少種です。
私がナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)を観察したのは、昨年6月に訪れた尾瀬ヶ原でした。
ある資料には、ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)の南限は尾瀬とされていたそうですが、「ハワイのカウアイ島の高所で新たな生息地が発見された」とありました。
葉は全て根生し、直立または斜上し、長さ5~10cmほどの濃紅色で長い葉柄を延ばした先端に長さ3~4cmほどの葉をつけます。
モウセンゴケの葉と言えば円形というイメージを持つ方が多いと思いますが、ナガバノモウセンゴケの葉は先端が丸く葉柄に近くなるにつれて細くなるイメージの線状倒披針形で、資料によってはヘラ状と表記するものあります。この形状が「ナガバノ(長葉の)」という名の所以です。
線状倒披針形の葉の縁と表面には粘着物質を出す長い腺毛(葉柄と同じく濃紅色)が見られます。印象としては縁の腺毛の方が長く、表面の腺毛は縁のものに比べて半分以下の短さです。
腺毛から出される粘液は甘い香りを出し、香りに釣られてやってきた虫が葉につくと粘液から逃れられなくなり、虫を消化吸収する仕組みとなっています。火山島や湿原などやせた土地では、足りない栄養素を昆虫などから補給し生息します。
不思議なことに葉の裏面には腺毛はついていません。
上の写真をよくご覧いただくと、葉の表裏が分かりますので、ご確認ください。
花のブログですが、今回掲載する写真は「ナガバノモウセンゴケの葉」しか写っていません。
花期は7~8月。長さ10~20cmほどの花茎を伸ばし、先端部分で枝分かれし、それぞれの枝先に直径1cm未満で真っ白な花を咲かせます。
花弁は5枚の離弁花で、ウメバチソウに似た可憐な花の姿です。
ある資料には「サソリ花序」と表記されており、「花軸の先端に花がつき、その下から枝が1本出て花をつけ、次は反対側に分枝し、方向が交互に変わるもの」をいうそうです。
ナガバモウセンゴケは、葉の丸いモウセンゴケとの間で「サジバモウセンゴケ(Drosera x obovata)」と呼ばれる雑種を作るそうです。
実は、私はナガバノモウセンゴケも含むモウセンゴケ科の花は観察したことがありません。
以前訪れたギアナ高地のチマンタ山塊(ベネスエラ)で観察した同じモウセンゴケ科のドロセラ・ロライマエ(Dorosera roraimae)を観察した際、蕾は観察したのですが、真っ白な花はまだ観察をしたことがありません。
ナガバノモウセンゴケは、尾瀬では6月でも観察は可能ですが、7月中旬ごろにはナガバノモウセンゴケも花も観察ができる可能性があるそうです。
今年の夏は、ナガバノモウセンゴケなど様々な植生を楽しみに、是非ご一緒に尾瀬に訪れてみませんか。
<春~夏の花の観察ツアー>
まもなく催行!
花咲く秘島・甑島へ 島の山野草をもとめて 4日間
※甑島の絶景と島を彩る山野草の観察を楽しむ旅
5月23日出発 まもなく催行!(シャクナゲの花咲く季節)
花咲く屋久島へ 白谷雲水峡と黒味岳フラワートレッキング
※亜熱帯植物から高山植物まで 屋久島の植生の垂直分布を体感
5月1日出発 満席! 5月5日出発 まもなく催行!
花咲く信州 水芭蕉やカタクリの群生地をめぐる 5日間
※春の花咲く信州へ 花の名所を訪れる4日間
※親海湿原でミツガシワの群生が観察できるかも!
4月29日出発 まもなく催行!
花咲く北飛騨の森から上高地へ 2つのフラワーハイキング
※北飛騨の森・池ヶ原湿原と名勝・上高地を専門ガイドと歩く
※5月は上高地にニリンソウが、宇津江でクリンソウが咲く季節
6月26日出発 まもなく催行!(尾瀬の花の最盛期)
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※高山植物の最盛期を迎える尾瀬で楽しむフラワートレッキング
※尾瀬ヶ原でウラジロヨウラクやナガバノモウセンゴケの観察へ!
7月10日出発、7月17日出発 間もなく催行!
花咲く北アルプスへ 白馬・乗鞍・上高地を歩く
https://www.saiyu.co.jp/itinerary/new/GJNA31/
※2つの高山植物の宝庫と奥上高地の徳沢にも訪れる自然観察の旅
※7月18日出発、7月25日出発 間もなく催行!
花の北海道フラワーハイキング
※世界遺産・知床から「神々の遊ぶ庭」大雪山の花園をめぐる