先日、オオヤマオダマキ(大山苧環)をご紹介しましたが、本日はヤマオダマキの黄花種である「キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環)」をご紹介ます。
6月「花の尾瀬フラワートレッキング」で宿泊した草津温泉のホテル敷地の森、さらに7月「花咲く千畳敷カール・乗鞍・上高地を歩く」では駒ケ岳ロープウェイの山麓・しらび平駅周辺や奥上高地自然探勝ハイキング時(明神エリア周辺)に観察することができました。
被子植物 双子葉類
学名:Aquilegia buergeriana var. buergeriana f. flavescens
科名:キンポウゲ科(Ranunculaceae)
属名:オダマキ属(Aquilegia)
キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環)は、ヤマオダマキ(Aquilegia buergeriana var. buergeriana)の黄花種です。キバナノヤマオダマキとヤマオダマキは花の色以外、基本的な部分は同じです。
草丈は30~60cmで直立し、上部でいくつかに枝分かれし、直径3~4cmの花を下向きに咲かせます。
葉は、根生葉が2回3出複葉(葉柄から三つの小葉を出し、その小葉がさらに3つの小葉に分かれるもの)、小葉は2~4cmの扇形で2~3裂します。
花期は6~8月。枝分かれしたそれぞれの茎の先端部に直径3~4cmほどの花を下向きに付けます。
形状は前回ご紹介したオオヤマオダマキ(大山苧環)と同じですが、キバナノヤマオダマキも花弁状の萼片(横に広がる5枚の萼片)、中央部の花弁(長さ1~1.5㎝、花弁も5枚)に分かれ、花弁状の萼片はやや白に近い淡黄色、花弁の方が若干濃い黄色という印象です。
先日、ヤマオダマキとオオヤマオダマキの違いをご紹介しましたが、少し追記です。
・オオヤマオダマキ(大山苧環)
→萼と距が赤茶色、花弁は淡黄色、距の先端が下向きのもの
・キバナノオオヤマオダマキ(黄花の大山苧環)
→オオヤマオダマキの黄花種。
萼、距、花弁ともに淡黄色、萼の先端が下向きのもの
・ヤマオダマキ(山苧環)
→萼と距が赤茶色、花弁は淡黄色、距の先端が真っすぐのもの
・キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環)
→ヤマオダマキの黄花種
萼、距、花弁ともに淡黄色、萼の先端が真っすぐのもの
写真をご覧いただくと、「距」(花の後ろに突き出した中空の角状のもの、花弁や萼が変化したもの)が真っすぐに伸びているので、「ヤマオダマキの黄色種」であることが判ります。
また、上写真の距のあたりをご覧いただくと、少し赤味の残る部分が確認できます。中にはもう少し濃く残る個体もありますが、ヤマオダマキやオオヤマオダマキの萼片(赤茶色)の色合いに比べると明らかに濃淡の差がありますので、見分けるにあたり、ややこしい点ではありません。
苧環という和名は、距が伸びた花の様子が苧(カラムシ)や麻(アサ)などの繊維を巻いた管に似ていることが名の由来です。
前回に続き、ヤマオダマキの仲間をご紹介しましたが「ヤマオダマキ(山苧環)」「オオヤマオダマキ(大山苧環)」「キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環)」「キバナノヤマオダマキ(黄花の大山苧環)」など、見分け方は難しくはないので、次回しっかりと観察してみてください。
因みに「ミヤマオダマキ(深山苧環)」は・・・また機会(撮影ができれば)があればご紹介します。
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