本日、日本外務省より新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて全世界が対象になっていた渡航自粛を求める危険情報を引き下げる方向で検討を進めているというニュースが流れました。海外ツアー再開に向けて半歩前進した、嬉しいいニュースでした。
本日は、以前「075.チングルマ(Sieversia pentapetala)」の花をご紹介しましたが、先日「大雪山山麓一周と能取湖のサンゴ草」に同行させていただいた際に「チングルマの穂」を観察することができましたので、ご紹介します。
被子植物 双子葉類
学名:Sieversia pentapetalaまたはGeum pentapetalum
科名:バラ科(Rosaceae)
属名:チングルマ属(Sieversia)またはダイコンソウ属(Geum)
前回もご紹介しましたが、チングルマ(Sieversia pentapetala)は北海道や本州の中部地方以北に分布し、海外ではサハリンやカムチャッカ半島、アリューシャン列島に分布する落葉小低木の高山植物です。
北海道・大雪山を彩る紅葉・黄葉は、木はナナカマドが紅葉の、ダケカンバが黄葉の主役となります。ただ、森林限界を超えるエリアとなると、紅葉の主役は「草紅葉」となり、その主役はチングルマとなります。
草紅葉に関しては、大雪山・銀泉台では、アラスカなどで「アルパイン・ベアーベリー」と紹介される「ウラシマツツジ(裏縞ツツジ︓ツツジ科の落葉⼩低⽊)」も真っ赤に染まります。
チングルマは、花が終わるとおしべが長く伸びはじめ羽毛状になって残り、果実を付けます。果期になると花柄は7~10㎝ほどになり、タンポポの種のように風によって散布され、チングルマの果実になります。果期になると花柄は7~10㎝ほどになり、タンポポの種のように風によって散布されます。
上の写真をご覧いただくとイメージが付きやすいかと思いますが、羽毛上の果実の形が子供の風車(かざぐるま)に見えたことから稚児車(ちごくるま)から転じて付けられたと言われています。
すべての花がそうではありませんが、花期が終わっても、色合いなどの印象が変化していく姿を観察すると、その花の良さを改めて感じることがあります。
9月末に北海道・大雪山国立公園へ訪れ、旭岳の麓の散策を楽しみました。決して天候に恵まれたとは言えませんでしたが、チングルマの草紅葉は十分に楽しませていただきました。