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ムニンヒメツバキ(無人姫椿:Schima mertensiana)

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先日に引き続き、小笠原諸島で観察した固有種の1つ「ムニンヒメツバキ(無人姫椿:Schima mertensiana)」をご紹介します。

 

ムニンヒメツバキ(無人姫椿:Schima mertensiana)

 

被子植物 双子葉類
学名:Melastoma tetramerum
和名:無人姫椿
英名:Rose Wood
科名:ツバキ科(Theaceae)
属名:ツバキ属(Camellia)

 

ムニンヒメツバキ(Schima mertensiana)は小笠原諸島の固有種であり、小笠原村の花に指定されています。小笠原諸島の島内に広く分布しており、山地の中腹などで生育します。

 

ムニンヒメツバキは、ツバキ科の常緑高木で樹高は7~8mとなります。樹皮そのものは褐色(少し暗みを感じました)で、成木は樹肌が縦横に裂けるそうです。
葉は細長い楕円形が互生し、で少し光沢が確認できます。時折、葉裏に白い産毛のあるものもあるそうです。

 

花期は5~6月、今回は8月に観察しましたが、残りわずかなムニンヒメツバキの花を観察することができました。
※調べてみると、木(個体)によって8月ごろまで花をつけるものもあるようです。
花は真っ白な花弁を5枚つけ、サザンカ(山茶花)の花に似た花を咲かせ、花そのものは枝先に集中して咲きます。大きさは直径5㎝弱と小ぶりですが、山吹色の葯(花粉の袋)がとても印象的に伸びていることで、印象より少し大きく感じます。

 

ムニンヒメツバキは花が終わると、直径1㎝ほどの球体の果実がふくらみます。長い柄の先についた実は11月ごろから上部が裂けはじめ、実の中に入っている種子を弾き出し、弾き出た種子は春になると茎が細く赤褐色の芽(実生)が顔を出します。

 

ムニンヒメツバキの英名はRose Woodと言いますが、小笠原では「ロースード」と呼ばれています。これは英名のRose Woodが転訛したものと言われており「」バラのような花が咲く木」という意味があるそうです。

 

興味深い小笠原の植生ですが、季節を変えてゆっくりと林間を散策し、小笠原固有の植生を観察してみたいものです。個人的には⼩笠原諸島で固有の着⽣ランを探すツアーなんか楽しそうと思うのですが・・・いかがですか?

 

枝先に集中して花を付けるムニンヒメツバキ

 

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