132

フッキソウ(富貴草:Pachysandra terminalis)

今回のブログが公開される頃、私は「花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く」へ同行し、お客様とともに尾瀬に咲く高山植物を楽しんでいる頃です。どんな花が観察できたか、後日報告させていただきますので、お楽しみに。

 

本日は「フッキソウ(富貴草:Pachysandra terminalis)」をご紹介します。

 

フッキソウ(富貴草:Pachysandra terminalis)

 

被子植物 双子葉類
学名:Pachysandra terminalis
英名:Japanese spurge
科名:ツゲ科(Buxaceae)
属名:フッキソウ属(Pachysandra)

 

5月に信州へ訪れる前、色々と調べている際に観察できる花の1つとして「フッキソウ(富貴草)」が紹介されていました。その時は「フッキソウ(富貴草)」という花のことは知りませんでした。
実際、信州へ訪れると白馬村の姫川源流自然探勝園では雨水に濡れたフッキソウを、飯綱町では土手下に群生するフッキソウなど、その他鬼無里や戸隠などでも観察することができ、非常に印象深い花の1つとなりました。

 

フッキソウ(富貴草)は、ツゲ科フッキソウ属の常緑小低木で、常緑の葉が生い茂る様子が「繁栄」と表すとされ「富貴草」と名付けられたのが由来とのことです。
日本の北海道から九州に、海外では東アジアに分布し、低地から山地の林内などに自生します。
草丈は20~30㎝の低木で、茎の上部は地面を這い、上部は斜上し立ち上がります。
葉はほんの少し厚みと硬さを感じ、やや光沢のある革質。葉柄を持ち、長さ3~5㎝ほどで倒卵形、先端部にほんの少し鋸歯が確認できます。写真をご覧いただくと多数の葉が輪生しているように見えますが、葉の付き方は互生。ある資料には「葉がらせん状につく」とあり、その表現はぴったりかもしれません。

 

花期3~5月。茎頂に長さ3~5㎝穂状花序をつけ、上部に雄花、基部に雌花を咲かせます。
フッキソウ(富貴草)は、雄花・雌花とも花弁はありません。
雄花には3~4本の白く太めの雄しべが伸び、雄しべの先端がピンク~茶褐色の葯が確認できます。写真で確認できる大半の部分が雄花です。
雌花は、基部につきますが、花柱の先端が2裂しているのが特徴です。下の写真が唯一雌花が映りこんでいた写真です。

 

信州では、ニリンソウやカタクリ、リュウキンカなどの観察がメインとなり、フッキソウは目立たず、少し地味に感じる花でしたが、何度も観察しているうちに見分けもつくようになり、次第に可憐な花に感じ始めた、印象深くも不思議な魅力をもつ花でした。

 

フッキソウ(富貴草)の雌花、どこにあるか判りますか?

 

<おすすめ!! 花の観察を楽しむツアー>
 一番のオススメ! 8月23日出発が催行決定!!
屋久島の植生観察、高山植物の観察に重点をおいた季節限定企画!!
屋久島・照葉樹林の森と花の黒味岳フラワートレッキング
※亜熱帯植物や照葉樹林の植生観察と1泊2日プランで森林限界を目指す「黒味岳フラワートレッキング」へご案内。屋久島の垂直分布を深く知ることのできる季節限定企画。
※私(大阪支社 高橋)が同行させていただきます。

 

ニッコウキスゲの咲く7月コースも、間もなく催行です!
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※のんびりと花の観察を楽しみながら、尾瀬ヶ原から尾瀬沼へのフラワートレッキング。花咲く尾瀬を訪れる季節、8名様限定のツアーです。
※6月23日出発は、私(高橋)が同行させていただきます。