遅くなりましたが、2025年最初の投稿となります。
本日は、先日パタゴニアで観察した「ガビエラ・アラウカナ」(Gavilea araucana)をご紹介します。何度も訪れているパタゴニアでなかなか観察機会に恵まれず、ようやく観察できたランの花です。
被子植物 単子葉類
学名:ガビレア・アラウカナ(Gavilea araucana)
科名:ラン科(Orchidaceae)
属名:ガビレア属(Gavilea)
ガビレア・アラウカナ(Gavilea araucana)はチリ・パタゴニアのパイネ国立公園のあるマガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州やアルゼンチンに分布し、湖の畔や明るい林床に自生します。
今回私が観察したのが、チリ・パタゴニアのパイネ国立公園でした。
草丈が30~40cm(資料には70cmに成長するものもあるとのこと)で直立し、花茎が枝分けれし、それぞれの花茎の頂に淡いクリーム色~白色の花をつけ、1つの個体に5~8個の花を咲かせます。
葉は花をつける上部には確認できず、根元の部分に数枚の根生葉を対生するようにつけ、照葉樹の葉とまでは言いませんが、光沢のある披針形の葉が確認できます。
ガビレア・アラウカナの花期は12月(南半球なので夏です)。
花の形状がとても印象的で、外花被片3枚と内花被片2枚から構成されています。
外花被片3枚は、上向きの背萼片が1枚、横向きに対を成すように側萼片が2枚延びており、それぞれが細長い卵型をしているのですが、先端部を「ひとつまみ」したようにみえるのが特徴的でした。また、内側に対を成すように外花被片より小さい(というより短い)内花被片2枚が確認できます。内花被片2枚、外花被片3枚とも、花茎と同じ色合いの緑色の筋が入っており、基部の方がより色濃い筋が確認できます。
内花被片2枚の間には唇弁が垂れ下がっており、唇弁は萼片の筋とは違い、色合いは同じ緑ですが、斑点模様になっているのがとても印象的、さらに唇の両縁がレモン色となっているのも印象的な花です。個人的にはこの唇弁の両縁のレモン色が心を惹きつける要因だと感じています。
ただ、今にして思えば、このレモン色・・・花粉だったのか?今後の宿題です。
大好きなパタゴニアで新年を迎えることができ、念願だったランの花「ガビレア・アラウカナ」も観察でき、催行の2025年のスタートを切ることができました。
今年も1つでも多く、世界中に咲く花々を紹介していきますので、お楽しみに。
<2025年:新たな花の観察へ出掛けませんか?>
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