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インディアン・ペイントブラシ(Castilleja miniata)

今年も10月末になり、北海道や山形県の月山で初雪・初冠雪のニュースを見たかと思えば、翌日には全国的に夏日に近い気温となり、何とも不思議な天気が続いています。このブログも半袖シャツを着ながら作成しています。

 

本日はカナディアンロッキーで観察した『インディアン・ペイントブラシ』(Castilleja miniata)をご紹介します。

 

インディアン・ペイントブラシ(Castilleja miniata)

 

被子植物 単子葉類
学名:Castilleja miniata
和名:インディアン・ペイントブラシ
英名:Great Red Paintbrush
科名:ハマウツボ科/ゴマノハグサ科(Orchidaceae)
属名:カスティレア属(Castilleja)

 

インディアン・ペイントブラシ(Castilleja miniata)は、北米大陸西部とカナダ中部に分布する多年草で、湿った川岸や草地、林床など、様々な生息環境に適応して自生します。
6月末に訪れたカナディアンロッキーでも各所で観察することができました。ある資料では、カナディアンロッキーの中で最も色の種類の多い花と紹介されています。確かに、現場で観察をした際に濃い色合い~淡い色合いまで、観察するたびに「ここのは少し色が濃いね」などとお客様とお話ししながら観察を楽しんでいました。

 

ペイントブラシという名のとおり、その姿が「絵筆」に見立てられて名付けられたそうです。日本でも女性の口紅を塗る筆に見立てられて「ケショウヤナギ」がありますが、それらと発想は同じようです。

 

草丈は20~70cm、濃い紫色の花茎を真っすぐに伸ばし(分岐しないそうです)、茎頂付近(花序の付近)に若干の繊毛が確認できました。葉は切れ込みなどのない披針形で花茎の根元付近から茎頂まで規則正しく付けています。

 

花期は6~8月。まっすぐに伸びた茎頂に鮮やかな赤色~淡い橙色の色合いが特徴的です。ただ、赤色~淡い橙色に見える部分は花弁ではなく、萼片でもなく『苞葉』(芽やつぼみを包んでいる特殊な形をした葉)です。よく観察すると苞葉には切れ込みが確認でき、苞葉の根元部分に花茎と同様に若干の繊毛が確認できます。

 

この苞葉の色合いには変異が多く、ピンク色やウエスタン・ペイントブラシと呼ばれるクリーム色の個体もあるそうです。ある資料には、「カスティレア属はインディアン・ペイントブラシの総称」と紹介され、200種ほどあるそうです。また、そのほとんどが北米西部に分布するとのことです。

 

花は苞葉の内側に黄緑色の筒状花があり、花弁のくちばしは徐々に苞葉の左記へ突き出てくるようです。写真をご覧いただくと淡い橙色の苞葉から黄色い筒状の花(蕾かな?)が突き出ているのが判るかと思います。

 

インディアン・ペイントブラシは、他の植物の根に自分の根を規制して栄養を取っているそうです。そのため、資料によっては「半寄生性」と紹介されています。そういった特性もあり、インディアン・ペイントブラシは異種交配しやすく中間種が生まれやすいため、分類を困難にしているそうです。観察する場所によって色合いに変化があったのも頷けます。

 

これまでカナディアンロッキーの花をいくつか紹介してきました。
現在2025年シーズンのツアー造成を進めており、まもなく弊社ホームページにて発表予定です。ロッキー山脈の風景と共に可憐に咲くカナディアンロッキーの花々に興味のある方は・・・もう少しお待ちください。

 

インディアン・ペイントブラシ(Castilleja miniata)
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トロリウス・リラキヌス(Trollius lilacinus)

しばらく更新できず、申し訳ありませんでした。
2023年もまもなく終わりが近づく中、「もうやらないの?待ってるのに!」とお客様からもご意見をいただき、久々に更新させていただきます。

 

この1年、私の中でより一層強い想いが生まれた花が1つ、長年の念願が叶い出会うことができた花が1つありました。
本日は、より一層強い想いが生まれた花『トロリウス・リラキヌス』(Trollius lilacinus)をご紹介します。

 

トロリウス・リラキヌス(Trollius lilacinus)

被子植物 双子葉類
学名:Trollius lilacinus
旧学名:ヘゲモネ・リラキナ(Hegemone lilacina)
科名:キンポウゲ科(Ranunculaceae)
属名:キンバイソウ属(Trollius)

 

いつだったか、とある雑誌で今回ご紹介する『トロリウス・リラキヌス』(Trollius lilacinus)が群生している写真を見た瞬間、心を奪われたことを覚えています。その後、添乗員としてキルギスへ訪れた際に現地フラワーガイドに伺ったところ「6月にキルギスでも観察できるよ」と教えてくれ、「真っ白なトロリウス・リラキヌスを観察するツアーを作りたい」という想いが芽生えました。
それから数年が経ち、コロナウィルスによる悪夢の3年を経て、2023年に弊社ツアー『初夏のキルギスへ 純白のトロリウス・リラキヌスをもとめて』を発表させていただきました。

 

トロリウス・リラキヌス(Trollius lilacinus)は、キンポウゲ科キンバイソウ属に属します。
キンポウゲは漢字で書くと「金鳳花」、キンバイソウは漢字で書くと「金梅草」。読んで字の如く、花の色は『金=黄色』をイメージされる方が圧倒的多数かと思いますが、トロリウス・リラキヌスは純白の花を咲かせます。

 

シベリア西部~キルギス、カザフスタンなど、北方寒冷域に分布し、日本では観察できない花の1つです。
草丈は低いもので10cm未満、高いもので30cmほどになり、葉は基部まで裂け、ロゼット状に小さな葉を広げます。
花弁のような純白の部分は花弁を包み込む萼片で15~20枚ほどの萼片を付け、花全体の大きさは直径5cmほどです。純白の萼片の中央部分に確認できる黄色い部分が花弁となります。
弊社ツアーでは「純白のトロリウス・リラキヌス」と紹介しているとおり、純白の花弁が印象的ですが、同種には薄紫色やバラ色の種もあります。

 

この花をさらに印象深いものとする要因が『光の加減による色合いの変化』です。
萼片の根元がほんの少し青白いことで、観察した日の天気や光の加減で若干青白い花に見えることが特徴です。
『Trollius lilacinus』で画像検索すると、時折青白い印象の写真が検索できますので、是非ご覧になってください。

 

ここまでご紹介した『トロリウス・リラキヌス』ですが、実は私自身観察したことがありません。
2023年にツアーを発表し、最初のツアーへ添乗するために意気揚々と準備を進めていたのですが、急遽別ツアーの添乗に行くこととなり観察することができていません。
2024年は是非とも『純白のトロリウス・リラキヌス』に出会いたいものです。

 

<トロリウス・リラキヌスに出会えるツアー>
初夏のキルギスへ 純白のトロリウス・リラキヌスをもとめて
※今シーズンも多くのお問い合わせをいただいております。お問い合わせはお早めに!

 

キルギスに咲くトロリウス・リラキヌス(Trollius lilacinus)
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サンカヨウ(山荷葉:Diphylleia grayi)

コロナウィルス関連の規制が緩和されて最初のゴールデンウィークでしたが、皆さんどのようにお過ごしになったのでしょうか。
私はゴールデンウィーク明けに添乗業務が入っていることもあり、久々にゴールデンウィークは日本で留守番となりました。ゴールデンウィーク前に近所のツツジが満開となり、赤やピンク、白色のツツジを散歩しながらのんびりと楽しみました。

 

本日は「サンカヨウ(山荷葉:Diphylleia grayi)」をご紹介します。
掲載した写真は、弊社東京本社の村上が北海道・羊蹄山にて撮影したものです。

 

サンカヨウ(山荷葉:Diphylleia grayi)

 

被子植物 双子葉類
学名:Diphylleia grayi
科名:メギ科(Berberidaceae)
属名:サンカヨウ属(Diphylleia)

 

サンカヨウ(山荷葉:Diphylleia grayi)は、メギ科サンカヨウ属の多年草で、本州の中部以北から北海道に分布し、海外ではサハリンにも分布します。
低山帯から亜高山帯の湿った林内や林縁に自生します。私が初めてサンカヨウ(山荷葉)を観察したのは、尾瀬でした。鳩待峠からスタートし、湿原に入る少し手前(山の鼻のより少し手前)の森林帯でした。

 

  • サンカヨウの特徴の1つが葉です。サンカヨウの葉は2枚でハスの葉のような形状をして縁に不揃いな鋸歯があります。
    2枚の葉は、大きな葉と小さな葉に分かれ(セットでついています)、大きい葉は長い葉柄を持ち葉の上に花序が載せているかのようについています。
    小さな葉には葉柄はほとんど確認できません。歯の大きさだけでなく、葉柄の有無も確認すると面白いかもしれません。
    単純な歯の大きさは、上写真の葉と文末に掲載しているした写真の葉を比べていただけると一目瞭然です。

 

サンカヨウの葉はハスの様に大きいのが特徴とよく紹介されますが、ハスは『荷葉』(かよう)と呼ばれて水辺に育つのに対し、ハスの葉に似て山(森林)で育つから『山荷葉』と呼ばれるようになったと言われています。

 

草丈は30~60cm。標高や雪解け時期によって花期には差が生じますが、花期は5~7月。
花弁は6枚、花序に直径2cmほどの小さな花を3~10個ほど咲かせます。
また萼片も6枚つくそうですが、花が開くころには萼片が落ちてしまうです(初めて知りました)。
花が咲いている期間は短く、花が開いてから一週間ほどで散ってしまいます。
花後には、濃い青紫色で楕円形の液果をつけます。

 

サンカヨウの最大の特徴は『花弁が濡れると透明になる』こと
様々な自然条件が重ならないと観察ができず、その条件がいわゆる「悪条件」でもあるため、実は花弁が透明になるサンカヨウに出会うのは大変なことなのです。

 

その条件とは「それなりに長い時間雨に濡れ続けないといけない」ということです。
開花時期に合わせて出掛ける必要もありますが、開花期間がたった1週間なので、そのタイミングで雨が降らなければ透明な花弁に出会えません。
また、サンカヨウの花は非常に衝撃に弱いという特徴もあり、雨脚が強すぎるとせっかく透明になった花弁もすぐに落ちてしまいます。透明なサンカヨウを観察しようとしてペットボトルの水をかけてしまうとしまうと花が落ちてしますので、絶対にやらないでくださいね。

 

このような悪条件も含めた自然条件が重ならないと透明なサンカヨウは観察できないのです。
今回の写真を撮影した村上が同行した登山ツアーの写真を見ましたが、どうやら数日雨が続く中での登山だったようです。ただ、そんな中でも黙々と歩かれた結果、すばらしい状態でサンカヨウを観察できたのかもしれません。

 

花弁が透明にみえる理由は『光の乱反射』によるものと言われています。
白い花を咲かせると紹介しましたが、もともと花弁が白い訳ではありません。
詳しくいうと、花弁の細胞の隙間に光が入ることで光が散乱し白くみえるのです。
サンカヨウの場合は、その細胞の隙間に水(雨)が入り込むことで光が散乱できず、通り抜けてしまうことで透明に見える仕組みなのです。
あるサイトでこの仕組みを紹介していたのですが、その例えが非常に判りやすく、秀逸だったのでここでご紹介します。
◆サランラップは透明ですが、くちゃくちゃに丸めると白っぽくみえるが、丸まったラップを水に入れると透明に見えるという現象と同じ
◆白いワイシャツを着ている人が雨にあたり水に濡れると中が透けて見えたり、すりガラスが濡れると透明になる原理と同じ

 

暗い林内に咲くサンカヨウは花弁が濡れてなくても美しく、群生しているサンカヨウに出会うだけでも幸せなことですが、やはり透明なサンカヨウを観察したいものです。雨が降って気が滅入りそうな登山やハイキングの際、その先に花弁が透明になったサンカヨウに出会えるかもしれないと期待を持ちながら頑張ってみるのも良いかもしれません。ただ、危険状況の判断は見誤らないでください。

 

<サンカヨウが観察できるツアー>
花の尾瀬のんびりフラワーハイキング
※サンカヨウが観察できる可能性のある6月出発は残席わずかです

花の羊蹄山とニセコ縦走トレッキング・樽前山&オロフレ山
※サンカヨウが観察できる可能性のある6月はあと1名で催行決定です

 

雨の影響で透明ないくつか花弁が散ってしまっています

 

カメラレンズが曇ったおかげで幻想的なサンカヨウを撮影
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シラネアオイ(白根葵:Glaucidium palmatum)

我が家の周辺では、春の楽しみの1つであるコブシや桜も例年より早く咲き誇り、WBC日本代表の活躍に夢中になり過ぎて今シーズンはこぶしの満開時期を逃してしまいました。現在ではシャガの花が見頃を迎えています。

 

本日は、シラネアオイ(白根葵:Glaucidium palmatum)をご紹介します。今回使用する写真は、弊社東京本社・村上が北海道・羊蹄山で撮影したものを拝借しております。

 

シラネアオイ(白根葵:Glaucidium palmatum)

 

被子植物 双子葉類
学名:Glaucidium palmatum
別名:ハルフヨウ(春芙蓉)、ヤマフヨウ(山芙蓉)
科名:キンポウゲ科(Ranunculaceae)
属名:シラネアオイ属(Glaucidium)

 

シラネアオイ(白根葵:Glaucidium palmatum)は、キンポウゲ科シラネアオイ属に属する多年草です。
以前は、シラネアオイ科として独立し1属1種として分類されていましたが、現在ではキンポウゲ科に分類されています。

 

本州・中部地方以北から北海道にかけて分布し、多雪地の山地や亜高山帯などの草地や明るい林内で地下茎を伸ばして自生・群生します。

 

草丈は花の咲くころには20cmほどで直立し、頂に薄紫色の花冠を1つ付けます。
葉は葉はカエデに似た形で、根生葉1枚と花冠付近に茎葉を3枚付け、茎葉は下2枚、上1枚に分かれます。
下の2枚は茎から長い柄を伸ばし、掌状に葉を広げ7~11中裂し、幅が20cm前後となります。上の1枚(最上部の茎葉)は柄を持たず葉が茎を取り囲むように付けます。花冠付近の3枚の葉は、柄の有無で見分けることができます。
根生葉も長い柄を持ち、掌状に5-11裂、裂片の先が鋭く尖り、不揃いな鋸歯が確認できます。

 

花期は5~7月。花茎の頂に直径5~10cmほどの薄紫色の花を1つ咲かせます。
4枚の花弁に見える薄紫色の部分は萼片で、花弁はありません。これらはキンボウゲ科の特徴の1つと言えます。
中央には雄しべを多数つけ、雌しべ(花柱)が2つ確認できます。
花後には扁平な果実をつけ、秋になると弾けて種子を飛ばします。

 

花名は日光白根山に多く生息し、タチアオイ(立葵:アオイ科の多年草)に似ているところから『シラネアオイ(白根葵)』と名付けられたとされています。「シラネアオイなのに薄紫色?」と思われていた方も、和名の由来を聞くと納得いただけるかと思います。
因みに、この種には白花種もあり『シロバナシラネアオイ』(白根葵:Glaucidium palmatum f. leucanthum)と呼ばれます。

 

花は比較的大きく、草丈も20cmと高いこともあり、登山道の片隅に淡い紫色のシラネアオイが群生して咲く姿を見ると疲れが一気に吹っ飛びます。
シラネアオイに出会った際、葉の付き方や中央部の2本の雌しべなどに注目して観察してみてください。

 

群生するシラネアオイ(白根葵)

 

<シラネアオイに出会えるツアー>
花の羊蹄山とニセコ縦走トレッキング・樽前山&オロフレ山

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白亜の大砂丘レンソイスで見つけた可憐な花

久々の花ブログの更新です。長らく更新ができず、申し訳ありませんでした。
お客様からも最近更新しなかったことで「もうやらないの?」という声も多数いただきました。中には「退社したの?」という方も(そう思っていた社員も)・・・まだまだ辞める予定は有りませんので、ご安心を。
ネタはたくさんあるのですが、種(写真)がなく、花を咲かせること(ブログ更新)ができなかったのが理由でした。
これからものんびりとしたペースで更新していきますので、お楽しみに。

 

本日は、数年ぶりに海外の花、2022年に訪れたブラジル・レンソイスで観察した「アメリカコトリミミカキグサ(Utricularia subulata L.)」をご紹介します。「えっ、レンソイスでお花?」と思われた方もいるのではないでしょうか。

 

アメリカコトリミミカキグサ(Utricularia subulata L.)

 

被子植物 双子葉類
学名:Utricularia subulata L.
別名:スブラタ と紹介される資料もありました
科名:タヌキモ科(Lentibulariaceae)
属名:タヌキモ属(Utricularia)

 

2022年8月に「白亜の大砂丘レンソイス縦断ハイキング」へ添乗員として同行させていただいた際、誰もいないレンソイスの⾵景にも驚きましたが、⼀番驚いたのが砂丘の上に咲く⼩さな花の存在でした。私⾃⾝そんなに何度もレンソイスに訪れている訳ではないですが、日帰り観光で数回訪れた中で花の存在を確認したことがなかったので、本当に驚きました。⾼⼭植物好きな私にとってはラグーンの⾵景以上に興奮した瞬間でした。

 

アメリカコトリミミカキグサ(Utricularia subulata L.)は、タヌキモ科タヌキモ属に属する食虫植物です。
「タヌキモ」と「ミミカキグサ」という名前は耳にすることがありますが、両方ともタヌキモ科タヌキモ属。「ミミカキグサとタヌキモは同じ」と思っている方も多いようです(私もその一人でした)。
タヌキモ属(ウトリクラリア:Utricularia) には、①水中に浮遊するものと②湿地に生えるものの2タイプが存在し、①をタヌキモ、②をミミカキグサという和名で区別しているそうです。

 

アメリカコトリミミカキグサは、南米、中米、アフリカ、東南アジア、オーストラリア大陸東部など広く分布し、同属の中では最も広く分布する種と紹介される資料もありました。また、日本でも帰化されたもの(外来食虫植物)があるそうで、私が調べたもので北海道、岡山県などで確認がされているとのことでした。

 

私が観察したのは、ほんのりと地下水が染み出たレンソイス砂丘の麓でした。
花序は直立し、高さ15~20cmほど、花柄が上向きに数本伸びており、その先端に1cmに満たない小さな黄色い花を咲かせます。
花弁は他のミミカキグサにも見られる上唇部と下唇部に分かれており、アメリカコトリミミカキグサは上唇は広卵形、下唇は深く3裂しています。
アメリカコトリミミカキグサは一年草に分類される種で、夏に黄色の花を咲かせ、秋には種を実らせて株は枯死するそうです。自然に種子が飛び散り、繁殖する性質を持っており、その繁殖力はすさまじいようです。
アメリカコトリミミカキグサ(タヌキモ科)は、過酷な環境の中で地下茎(地表に張り付くように茎を横に伸ばしているそうです)や葉に捕⾍嚢(ほちゅうのう︓捕まえるための袋状の器官)を付けていて、⼩さな⾍などを捕⾷して⾃⽣しています。

真っ青な青空の中、真っ白な大砂丘に咲く可憐な花。雄大な景色を堪能していると、見落としてしまうかもしれません。
白亜の大砂丘に咲く可憐な花に出会うため、是非レンソイスへ訪れてみてください。日帰りで訪れる観光では観察できないかもしれませんので、是非縦断ハイキングへ。

 

ミミカキグサと言えば、数年前にギアナ高地のあるテプイ(卓状台地)の上でどんでもない種を観察したのを思い出しました。ご紹介は・・・またいずれ。

 

<アメリカコトリミミカキグサを観察したツアー>
白亜の大砂丘レンソイス縦断ハイキングと大瀑布イグアスの滝
※ツアーでは2泊3日のハイキング(1日3~4時間)をしながら白亜の大砂丘レンソイスを満喫!

白亜の大砂丘でハイキングを楽しむ
星降るレンソイスでキャンプ泊
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フタリシズカ (二人静:Chloranthus serratus)

本日は、先日ご紹介したヒトリシズカ(一人静:Chloranthus quadrifolius) の近縁種である「フタリシズカ (二人静:Chloranthus serratus) 」をご紹介します。

 

フタリシズカ (二人静:Chloranthus serratus)

 

被子植物 双子葉類
学名:Chloranthus serratus
科名:センリョウ科(Chloranthaceae)
属名:チャラン属(Chloranthus)

 

フタリシズカ (二人静:Chloranthus serratus) は、ヒトリシズカ(一人静)と同様にセンリョウ科チャラン属に属する多年草です。
日本では北海道から九州、海外でも東アジアに分布し、山野の林床に自生します。
今回掲載した写真は5月に屋久島を訪れた際、黒味岳を目指す淀川登山口で観察したものです。

 

ヒトリシズカ(一人静)は、花を静御前の美しい舞姿に例えられ、名付けられたものですが、フタリシズカ(二人静)は2本の花序を源義経を愛した静御前の亡霊が舞う能楽『二人静』における静御前とその亡霊の舞姿にたとえたものに由来します。

 

草丈は30~60cmで直立し、茎はヒトリシズカのような紫褐色の部分も確認はできる個体もありましたが、全体的に葉と同様に緑色です。
葉は茎の上部に2~3対がほんの少し間隔をあけて対生します。
ヒトリシズカは葉が2対の葉が十字対生するのに対し、少し間隔をあけて対生する点が違いの1つです。

 

葉は5~15cmの楕円形~卵状楕円形で縁全体に鋸歯が確認でき、葉に光沢はありません。上の写真は光沢があるように見えますが、雨天だったことで雨に濡れて輝いているだけです。
葉に光沢があるのがヒトリシズカ、光沢が無いのがフタリシズカとなり、この点も違いの1つです。

 

花期は4~6月。茎頂に長さ5cm前後の穂状花序を1~5本つけます。長さ5cm前後の花序には直径2~4mmの真っ白な花を幾つも付けていますが、実は、ヒトリシズカと同様、フタリシズカの花にも花弁、萼がありません。
真っ白な花のように見えるものは、雄しべの花糸の部分。3つの花糸がくっついて椀状(野球のグローブの様)になっています。
色々と調べてみると、内側に雌しべ(子房、柱頭)があり、外側の花糸に葯が付いているそうですが、直径2~4mmの形状からこれらを観察するにはルーペが必要ですが、次回はこの点は観察したい、宿題です。

 

あるブログ記事に、ヒトリシズカ(一人静)とフタリシズカ(二人静)の違いを判りやすくまとめていたものがありましたので、ここでご紹介します。

 

<ヒトリシズカとフタリシズカの違い>
■花序の数
ヒトリシズカは1~2つ、フタリシズカは1~5つ
■花の形(花弁は無い)
ヒトリシズカは細長い雄しべ、フタリシズカは丸い雄しべ
※この点が見た目に違いが明確です。
■葉の光沢
ヒトリシズカは光沢があり、フタリシズカは光沢がない
■草丈
ヒトリシズカは10~30cm、フタリシズカは30~60cm

 

上記「花の形」の違いから一目瞭然のため、イチリンソウとニリンソウの違いほどややこしくはありませんが、観察の機会がありましたら、是非見比べてみて下さい。

 

ヒトリシズカ (一人静:Chloranthus quadrifolius)
フタリシズカ (二人静:Chloranthus serratus)
※葉は雨に濡れているだけです
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ヒトリシズカ (一人静:Chloranthus quadrifolius)

約3ヶ月、ブログ更新が途絶えておりました。その間、添乗員とし手同行させていただいた岐阜県・北飛騨の森でミズバショウを観察し、屋久島で固有種の花の観察を楽しませていただいていました。
また、海外渡航における水際対策も大きく緩和され、秋~年末年始のツアー造成に励んでおり、私も8月にブラジルレンソイス縦断ハイキング、9月にカナダ・アルゴンキン州立公園でカヌートリップへ同行させていただきます。また、先日パタゴニア関連ツアーを発表しましたので、是非ご覧ください。

 

本日は、ヒトリシズカ (一人静:Chloranthus quadrifolius) をご紹介します。

 

ヒトリシズカ (一人静:Chloranthus quadrifolius)

 

被子植物 双子葉類
学名:Chloranthus quadrifolius
別名:ヨシノシズカ(吉野静)
科名:センリョウ科(Chloranthaceae)
属名:チャラン属(Chloranthus)

 

ヒトリシズカ (一人静:Chloranthus quadrifolius) は、センリョウ科チャラン属の多年草。日本では北海道から九州まで幅広く分布し、山地の林床などに自生します。

 

花名(一人静)は、花を静御前の美しい舞姿に例えられ、名付けられたものです。
ある資料には、古くは「吉野静」と呼ばれ、『和漢三才図会』(1712年) に「静とは源義経の寵妾にして吉野山に於て歌舞のことあり。好事者、其美を比して以って之に名づく」とその由来が記されている、とありました。

 

茎は紫褐色で直立し、高さは20~40cmほどまで伸び、茎にいくつかの節が見られるのが特徴です。葉は茎頂に4枚の葉が輪生状に対生します。芽吹き始めた当初は赤褐色ですが、次第に上写真のように緑色に変化します。
資料によっては茎も成長すると緑色に変化するとありましたが、私が観察した時には茎は紫褐色でした。
4枚の葉は短い葉柄を持ち、大きさは3~4cmほど、楕円形~卵状楕円形で縁全体に鋸歯が確認でき、先端が尖っているのが特徴です。
葉は非常に色鮮やかな濃緑で、光沢もあります。色々と調べていると大半の資料に「葉には艶がある」と表記されています。このあたりは静御前の美しさを意識して「艶」という言葉を選んでいるのかな、と勝手に推測しています。
でも、「艶」という言葉がぴったりなほど、色鮮やかな葉が印象的です。

 

花期は4~5月。私がヒトリシズカ(一人静)を観察したのはGW、岐阜県の宇津江四十八滝の遊歩道でした。
茎頂に輪生状に対生する4枚の葉の中央に長さ3cmほどの穂状花序を1つ付けます。
ヒトリシズカの花には花弁、萼がありません。1本の雄しべ(白く伸びる花糸)が3分岐し、通常花糸の先端に付く葯(花粉を貯める袋)は花糸の基部についているのが特徴です。よく観察すると白く伸びる花糸の基部に淡い黄色の葯も確認できます。
ある資料には、3分岐する雄しべの花糸のうち、基部に葯が付くものは2つ、中央の花糸には葯はない、とありました。この点は次回の観察時の宿題です。

 

ご存知の方もいるかもしれませんが、「フタリシズカ(二人静)」という名の花もあります。私も先月屋久島で観察しました。
その違いは・・・次回ご紹介します。

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ネコノメソウ(猫の目草:Chrysosplenium grayanum)

長らく更新が途絶えておりました。月末あたりに皆様のお手元に届く予定の西遊通信に掲載する日本国内・海外ツアーの新企画の造成などに励んでいました。カナダでカヌートリップ白亜の砂丘レンソイスで縦断ハイキングなど、是非注目してみてください。

 

その間、我が家の近所にコブシ(モクレン科)の花が満開となり、さらに通勤路の途中の銀行の脇に設置された花壇にフッキソウ(ツゲ科)が満開に咲き誇っていました。本格的な春の到来を感じられた1週間でした。

 

本日は、ネコノメソウ(猫の目草:Chrysosplenium grayanum)をご紹介します。

 

ネコノメソウ(猫の目草:Chrysosplenium grayanum)

被子植物 双子葉類
学名:Chrysosplenium grayanum
科名:ユキノシタ科(Saxifragaceae)
属名:ネコノメソウ属(Chrysosplenium)

 

ネコノメソウ(猫の目草)は日本固有の花で北海道、本州、九州北部に分布(本州以北という資料もあり)し、主に沢沿いや湖畔などの湿った場所に自生します。私も昨年5月に長野県・中綱湖の湖畔で群生するネコノメソウ(猫の目草)を観察しました。

 

草丈は5~20cm。匍匐茎(ほふくけい:植物において、地上近くを這って伸びる茎:走出枝とも)をマット状に伸ばし、匍匐茎の節から根を下ろします。
少し太い印象の花茎から、5mm程度の葉柄を伸ばして卵円形で可愛らしい茎葉を出し、直径が5~15mmほどの小さく可愛らしい葉が対生しています。形状としては基部が丸みを帯びており、丸い鋸歯があるのが特徴です。

 

花期は4~5月。花序を包むように苞葉(蕾を包むように葉が変形した部分)がつき、茎葉と同じ形状・大きさですが黄緑色を帯びているのが印象的です。花後には苞葉は緑色に変化していきます。

 

中央部分に小さな花の部分がありますが、ネコノメソウ(猫の目草)には花弁はありません。
ネコノメソウ(猫の目草)の形状としては、長さ0.5mmほどの4本の雄しべを包み込むようにして周りの苞葉に比べて黄色味の強い色合いをした4つの萼裂片(長さ1mmほど)が直立しています。雄しべの葯の部分はその萼裂片よりさらに黄色味が強く、どちらかと言えば山吹色のような色合いをしています。
雌しべはさらに短く、2本の花柱が直立し、花柱の下位に子房(受粉して果実になる部分)も確認できるそうですが、ほとんど目立ちません。

 

『猫の目草』という面白い和名ですが、果実が深く、細く裂開した様子が同行が縦に狭くなった昼間のネコの目に似ていることが名の由来とのことです。
ここまで観察するにはピンセットとルーペが必要なレベルの小ささです。興味がある方は花を傷つけないよう、ご注意ください。

 

花後に近いネコノメソウ(猫の目草:Chrysosplenium grayanum)

 

■注目! 4月29日出発 催行決定! 5月16日出発も間もなく催行!
花咲く北飛騨の森から上高地へ 2つのフラワーハイキング

※北飛騨の森にミズバショウが咲く季節です!

 

■注目! 5月23日出発 催行決定まであと一歩!!
花咲く屋久島へ 白谷雲水峡と黒味岳フラワートレッキング
※シャクナゲの花咲く季節!興味深い植生の屋久島へご一緒しませんか?

 

■注目! 7月10日出発 催行決定まであと一歩! 6月26日出発コースは満席!
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※尾瀬に咲く花が最盛期を迎える季節です!

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日本・世界に咲くフウロソウの花々

3月に入り、通勤の道中にあるコブシの花の蕾が少しずつ膨らみ始め、ようやく春の訪れを感じられる季節となりました。これからはコブシの花を始め、彩り豊かな通勤路の風景が楽しめるようになり、楽しみで仕方ありません。

 

先日までフウロソウ科の花を続けて紹介していましたが、色合いや微妙な形状の違いをご覧いただくため、本日はこれまでご紹介したフウロソウ科の花の写真を掲載させていただきます。色合いなど、多少の個体差がありますので、ご了承ください。
※花ごとの詳しい解説は、花名をクリックしてみてください。

 

被子植物 双子葉類
科名:フウロソウ科(Geraniaceae)
属名:フウロソウ属(Geranium)
花期:7~8月

 

■チシマフウロ(千島風露:Geranium erianthum)
チシマフウロ(千島風露)は、本州北部では亜高山帯や高山帯に分布し、北海道は海岸地帯にも分布・生育します。海外ではサハリン、千島列島、北太平洋沿岸域からカナダ北西部まで分布します。

 

■エゾフウロ(蝦夷風露:Geranium yesoense var. yesoense)
エゾフウロ(蝦夷風露)は、北海道の太平洋側の海岸線沿いや原野、本州中部まで分布する日本固有種で、ハクサンフウロの基本種です。

 

ハクサンフウロ(白山風露:Geranium yesoense var. nipponicum)
ハクサンフウロ(白山風露)は、本州(東北地方~中部地方、伊吹山まで)に分布し、亜高山帯~高山帯の草地に自生し、学名からも判るとおり日本固有種です。和名は石川・岐阜両県にまたがる白山に因んで名付けられました。

 

■グンナイフウロ(郡内風露:Geranium onoei var. onoei f. onoei)
北海道、本州(中部地方以北:福島県・磐梯山から滋賀県・伊吹山に分布と記載の資料もあり)に分布し、山地~亜高山帯の草地に自生します。科名のグンナイ(郡内)とは、山梨県東部にあった都留郡(つるぐん:現在の北都留郡、南都留郡)で最初に発見されたことが由来です。

 

■ゼラニウム・ピレナイクム(Geranium pyrenaicum)
ピレナイクム(pyrenaicum)という種小名は「ピレネー山脈の」という意味で、花図鑑によっては「ピレネーフウロ」と紹介されています。原産国はスペイン・ピレネー山脈ですが固有種ではなく、ヨーロッパ・アルプスや北欧など広く分布します。

 

■ゼラニウム・ファエウム(Geranium phaeum)
ヨーロッパ各地に分布し、平地の草原や山岳地帯などに自生し、日本の図鑑で「クロバナフウロソウ(黒花風露草)」と紹介され、暗紫色が印象的なフウロソウです。

 

■ゼラニウム・サクサチレ(Geranium saxatile)
最後は、中央アジアのキルギスに咲く「ゼラニウム・サクサチレ(Geranium saxatile)」です。パミール川とワハーン川の合流地点を眺めながらゾルクル湖を目指す道中で満開に咲く風景を観察できました。こちらの花は、いつの日かご紹介します。

満開に咲くゼラニウム・サクサチレ(Geranium saxatile)

 

■注目! 4月29日出発 催行決定まであと一歩!!
花咲く北飛騨の森から上高地へ 2つのフラワーハイキング
※北飛騨の森にミズバショウが咲く季節です!

 

■注目! 5月23日出発 催行決定まであと一歩!!
花咲く屋久島へ 白谷雲水峡と黒味岳フラワートレッキング
※シャクナゲの花咲く季節!興味深い植生の屋久島へご一緒しませんか?

 

■注目! 7月10日出発 催行決定まであと一歩! 6月26日出発コースは満席!
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※尾瀬に咲く花が最盛期を迎える季節です!

 

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ハクサンフウロ(白山風露:Geranium yesoense var. nipponicum)

本日は「ハクサンフウロ(白山風露:Geranium yesoense var. nipponicum)」をご紹介します。

 

ハクサンフウロ(白山風露:Geranium yesoense var. nipponicum)

 

被子植物 双子葉類
学名:Geranium yesoense var. nipponicum
別名:アカヌマフウロ
科名:フウロソウ科(Geraniaceae)
属名:フウロソウ属(Geranium)

 

ハクサンフウロ(白山風露:Geranium yesoense var. nipponicum)は、フウロソウ科フウロソウ属に分類される多年草です。
和名は石川・岐阜両県にまたがる白山に因んで名付けられましたが、母種はエゾフウロ(蝦夷風露、学名:Geranium yesoense)となり、ハクサンフウロは変種となります。

 

本州(東北地方~中部地方、伊吹山まで)に分布し、亜高山帯~高山帯の草地に自生し、学名からも判るとおり日本固有種です。
今回掲載の写真は、弊社の山ツアー班の堤、楠が朝日連峰や北岳で観察したものです。

 

草丈は30~80cm、茎には下向きの伏毛(ふくもう:茎や葉などの面に密着して寝ている毛)が確認できます。
葉は掌状に5深裂し、裂片はさらに細かく2~3中裂しており、大きさは5~10cmほどです。葉には毛が多く、表面には細毛、縁や裏面脈上には粗い毛が確認できます。秋には紅葉し、花が終わった後にも楽しみが待っています。

 

花期は7~8月。葉腋から伸びた柄に直径2~3cmほどのピンク色の花を2つずつ咲かせます。色はピンク色ですが、個体によって色の濃淡に差がある印象です。
前回ご紹介したグンナイフウロ(郡内風露)ほどではありませんが、花弁基部には白い軟毛も確認できます。
花弁は5枚で花弁の先端には切れ込みは見られません。花弁にある5~7条の脈は花弁の色よりほんの少しだけ濃いピンク色や淡い紫色の脈が見られます。
雄しべは花冠の中央に10本並び、まずは5本が先に熟すそうです。萼にも花弁の表面のような5~7条の脈があり、下向きの伏毛が確認が見られ、花柄にも向きの屈毛(先が曲がった毛)が見られます。
私も萼の部分の毛の形状まで確認をしたことがありませんので、次回の宿題です。
因みに、イブキフウロは、萼に開出する毛が見られるそうです。

 

フウロソウ科の花は北海道も含め、種類が多く紛らわしいですが、中部地方の方で観察できるフウロソウでピンク色のものはハクサンフウロとイブキフウロのみとなるという資料もありました。

 

フウロソウの見分け方は正直難しいです。ただ、どれも可憐な花であることに変わりはありませんので、正直「フウロソウ」とひとまとめで覚えてしまっているところもあります。1つのフウロソウの特徴をゆっくりと観察し、違いを確認するのも楽しいかもしれません。
次回、これまで紹介したフウロソウの花を一気にご紹介したいと思います。

 

ハクサンフウロ(白山風露:Geranium yesoense var. nipponicum)

 

<春~夏の花の観察ツアー>
5月23日出発 催行まであと一歩!!(シャクナゲの花咲く季節)
花咲く屋久島へ 白谷雲水峡と黒味岳フラワートレッキング
※亜熱帯植物から高山植物まで 屋久島の植生の垂直分布を体感

 

5月1日出発 満席! 5月5日出発 催行決定!
花咲く信州 水芭蕉やカタクリの群生地をめぐる 5日間
※春の花咲く信州へ 花の名所を訪れる4日間
※親海湿原でミツガシワの群生が観察できるかも!

 

4月29日出発 まもなく催行!
花咲く北飛騨の森から上高地へ 2つのフラワーハイキング
※北飛騨の森・池ヶ原湿原と名勝・上高地を専門ガイドと歩く
※5月は上高地にニリンソウが、宇津江でクリンソウが咲く季節

 

6月26日出発 催行決定!(尾瀬の花の最盛期)
花の尾瀬フラワートレッキングとチャツボミゴケの群生地を歩く
※高山植物の最盛期を迎える尾瀬で楽しむフラワートレッキング
※尾瀬ヶ原でウラジロヨウラクやナガバノモウセンゴケの観察へ!

 

7月10日出発、7月17日出発 間もなく催行!
花咲く北アルプスへ 白馬・乗鞍・上高地を歩く
※2つの高山植物の宝庫と奥上高地の徳沢にも訪れる自然観察の旅

 

※7月18日出発、7月25日出発 間もなく催行!
花の北海道フラワーハイキング
※世界遺産・知床から「神々の遊ぶ庭」大雪山の花園をめぐる