立山のライチョウを撮る 【2024年5月編 】

Report by 戸塚学 / 2024年5月19日~21日


前日に発生した台風1号の影響で天気予報が悪くなってしまい、どうなるかと心配したがそれでも天気が悪い分ライチョウの出現率は高かくてよかった。それでも2日目は外に出て撮影ができる状況ではなかったので1日中待機になりましたが、源泉かけ流しの日本一高い場所にある温泉とおいしい食事、そしてきれいな館内はのんびりするにはぴったりだったと言っていただいた。最終日は予定より早い5時出発で11時まで撮影をした後、イワツバメのポイントで解散しました。最悪な天気も皆さんの持ってる力で何とか切り抜けることができました。

<1日目>

8時になると降り出した雨が強くなる。今回は参加者が3名と少なく、うち1名は先入りして私と同じ宿に宿泊をしたので宿待機をしてもらっている間に2名を室堂ターミナルに迎えに行く。宿へ向かう途中ちょうど雨が小雨になったので急いで移動をしました(ライチョウはいてもパス)。

3名揃ったと同時に雨が強くなってきたのでそのまま宿での待機にしました。11時になると雨が止んだのでライチョウを探します。天気が悪いのでライチョウがたくさん出てくれてまさに日和です。しかしきれいな景色の中でライチョウを撮影できないのが悔しい。今年は足環のないライチョウのオスが多いのでいろんなアクションがあって面白い。4月の時は雪が残っているか心配をしましたが、残っていてくれたこともラッキーでした。

オスのディスプレイ
オスのディスプレイ
お立ち台のオス
お立ち台のオス
カヤクグリ
カヤクグリ

撮影に夢中になりすぎて気がつけば13時を過ぎてしまった!食堂が14時で閉まるので急いでランチへ。ランチ後は急に風が強くなってきたのですが撮影に挑戦しました。しかし15時を過ぎた頃からだんだんその威力が増してきました。宿の前のテラスにいるライチョウを撮影していましたが立っていると吹き飛ばされる突風を受けて、危険を感じるほどです。たぶん瞬間風速は30mを超えていると思い、安全管理上中止をすることにしました。17時を超えると強風に雨が加わり終了としました。


翌日はたぶん撮影はできないという事でおいしい食事とかけ流し温泉を楽しんでいただきました。

美味しい宿の夕食
美味しい宿の夕食

<2日目>

天気予報が悪いのでゆっくりと各自で朝食を摂ってもらい9時からミーティングにしましたが、その前に参加者の1名が「散歩してきます」と雨の中ライチョウを探しに行かれたので帰りを待っていましたが戻ってこないので2名にこの日のスケジュールを伝えると、30分遅れて「ミーティングを忘れてました」と外から戻られました。雨のなのでライチョウは沢山いたが、とても撮影ができる状況じゃない」と言ってました。その後は喫茶でおいしいコーヒーを飲みながらランチまでおしゃべりをして過ごしました。昼食後は特に何もすることがないので各自で温泉や画像チェック、お昼寝を楽しみました。明日は雨が気になるが、予定よりも早い出発をすることにしました。

ランチのチャーシュー丼
ランチのチャーシュー丼

<3日目>

 

5時に出発をする時に風はないのですが、霧雨が降っています。こういう日はライチョウ日和で、あちこちで見つかります。あるペアを撮影していると「ゲゲ~ゴア」とオスが鳴く声が?対岸からこちらに別のオスが近寄って来るとこちらのオスが飛び出し「これは喧嘩になるなと」思うと喧嘩勃発。しかし取っ組み合いにはならず追いかけっこで終わってしまった。

喧嘩するオス
喧嘩するオス
立派な肉冠のオス
立派な肉冠のオス
ライチョウメス
ライチョウメス
みくりが池
みくりが池

一旦食事に戻り、荷物をデポして再び撮影に戻ると天気が一変!どんどん晴れてくる。昨日の大雨で空気中の塵が流されたのでクリアだから日差しがきつく、気温が一気に上がります。こうなるとライチョウたちは動きが無くなります。1羽のオスは犬のように口を開けハァハァとしています。ライチョウには悪いのですが、滅多にないのでこのシーンをしっかり撮ってもらいました。

暑さに耐えるオス
暑さに耐えるオス

11時、荷物を引き上げて室堂ターミナルへ移動します。ここではイワツバメの撮影ができるポイントを伝えましたが2名のご夫婦は「もう帰る」という事で私と一緒のバスで下山して立山駅でお別れいたしました。

ご参加されたみなさま、お疲れさまでした。雄大な山をバックにしたお立ち台のオスライチョウの撮影ができなかったのが心残りですが、またの機会にという事でありがとうございました。


撮影できた鳥・生き物
ライチョウ・カヤクグリ
見られた鳥・生き物
ハシブトガラス・トビ・イワツバメ
声が聞かれた鳥
ウソ・メボソムシクイ・ウグイス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 【2022年5月編 その2】

Report by 戸塚学 / 2022年5月23日~25日


<1日目> 快晴 

早朝まで雨が降っていたが、集合時間には晴れ上がった。時間通りみなさん集合したので室堂ターミナル屋上へイワツバメを撮影に向かったが・・・いない!全然いない。どういうことだ!20分ほど待ってもイワツバメ少ししかいないので宿へ向かう。

ランチ&ミーティングを済ませさっそくライチョウ探しに出る。天気が良すぎるせいか出が悪く、探すが見当たらない。とりあえずベースにしてあるポイントで待機をするとオスが喧嘩しながら飛びまわっている姿を見つけたので、宿の前に移動して飛翔する姿を撮影してもらった。

 
 
ライチョウ オス
ライチョウ オス

その後、知人が「ここにいるよ!」と電話連絡を入れてくれたのでそちらへ移動。しかしライチョウは結構厳しい場所にいて雪の斜面を上がり、何とか撮影をすることができた。夕方は夕日を狙ったが、雲海が赤く染まっただけで肩透かしで終わってしまった。夕食後20時に宿の玄関に集合してここで星の撮影用にカメラをセッティングする。明るい場所でこの設定をしないと暗い場所は無理なのだ。さて5分ほど雪の上を歩き山小屋の灯りの影響を受けない場所で撮影をしてもらうが何も見えない!「とにかくシャッターを切って」と言ってシャッターを切った後みなさんいっせいに「写ってる!」の声。その後は明るさを調節したり、角度を少しずつ変えながら撮影をしてもらい約30分の星空撮影は終了。これ以上粘ると明日も早いので納得してもらう。

星空

<2日目> 快晴 

5時に出発するとすぐにライチョウのペアが見つかったので撮影してもらう。すぐ近くでウソが良く出るのでこちらも撮影してもらうが、はじめ「ウソが近くで撮れるから」と言っても皆さん反応が悪い!そこでほぼ無理やり連れて行き撮影してもらうときれいでかわいいウソにぞっこんになっていた。

ライチョウ ペア
ウソ

立山から朝日が昇ると先ほどのペアのオスが「ここに上ったらいいね」と言っていた岩の上に上がって奥大日岳をバックに撮影できた!これで今回のライチョウの喧嘩・青空&岩の上&山バックを撮れてしまった!!!

ライチョウ ペア

朝食後はこのペアのいた場所へ戻るとまだいたので、青空バックのネズの上にいる写真やペアの写真を撮ってもらうが、日差しが強くなるとハイマツの下に入ってしまって動かなくなってしまったので「昨日の夢よ、ふたたび」で宿の前のテラスで飛び回るライチョウを待つと、喧嘩で飛び回りはしなかったが飛ぶ姿と山をバックにとまる姿を撮影できた。

ライチョウ オス

11時30分に終了してランチにする。その後は15時まで休憩にする。15時から捜索すると2ペア確認できたがどちらもハイマツの下から動かないのでこちらも待機。16時を過ぎると動き出したのでそれに就いて行くと、メスが砂浴びを開始。予定外の砂浴びの撮影まで撮れてしまった。

ライチョウ メス
ライチョウ メス

その後ペアで動き出したので先回りして待つと、広角レンズでの撮影までできてしまった。一旦夕食に戻り、夕陽の撮影に出ると先ほどのペアがいたので夕日で染まる姿も撮ることができた。夕陽は雲がかかりイマイチだったが誰も文句を言わないのは当然か(笑)

<3日目> 快晴

5時からの早朝撮影はどういうわけか全く見つからない。時間がもったいないので一旦宿に戻り休憩を兼ねて6時30分から朝食を食べ、荷物をまとめてもらい撮影に出る。最終日なので少し遠くまで探しに行くとさっそく見つかった!しばらく撮影した後ハイマツの下に入ってしまったので切り上げる。もう一つのポイントへ行くとこちらもペアが見つかったのでしばらく撮影してもらうとこちらもハイマツの中へ消えていった。みなさん昨日からしっかり撮れているので顔に余裕がある。ひとまずベースポイントへ戻りましょうか?伝え移動を始める。途中で「あの大きな岩場にライチョウがいるといいよね」なんて話して歩いていると・・・その場所に近づくと人影が?なんと・・・いた!ありえないマジでいた!こんなチャンスはないのでがっつり撮ってもらう。

ライチョウ オス

早めに切り上げる予定ではあったのだが、みなさん完全に「帰るモード」になっているので荷物をまとめ10時に室堂ターミナルへ向かい無事ここで解散となった。

それにしてもこれだけ当たりを引くとは信じられないが、今回の参加者は超ラッキーなのは間違いない。

立山
カヤクグリ

撮れた鳥
ライチョウ・カヤクグリ・ウソ・星空
観られた鳥や獣
ハシブトガラス・トビ・イワツバメ・アマツバメ・メボソムシクイ・ウグイス・ホシガラス・シジュウカラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 【2022年5月編 その1】

Report by 戸塚学 / 2022年5月20日~21日


<1日目> 雨時々曇り 

早朝は曇りだったが、7時頃から雪になりその後は雨になった。予定ではターミナル集合後イワツバメの撮影を予定していたが、残念ながらこの天気なので中止にする。そのまま宿に向かった。宿ではミーティングをしながらランチを食べる。各種説明が終わった後、外は小雨のようなのでライチョウを探しに出る。見晴らしのいい場所へ行くと、地獄谷の噴煙が見える岩の上にオスがいたので撮影をしてもらう。

ライチョウ オス
ライチョウ オス
ライチョウ オス
ライチョウ オス

昨日から入っているのだが岩とまりは初めてで、ほっと胸をなでおろす。昨日はまったく岩に上がらなかったのだ。10分もしないうちに飛び立ってしまい、戻ってくるかもしれないと待つが結局戻らず移動をすることにした。雨宿りを兼ねて宿まで来るとオスの鳴き声が?振り向くとこちらに向かって飛んで来てテラスの下に着地。「飛ぶか?飛ぶか?」と期待をして彼の進行方向へ移動するも飛び立ちはうまく撮れなかったようだ。移動中しばし雨も止んだ間にウソが撮れたのはラッキーだった!

ウソ
ウソ

 

<2日目> 雨のち霧

5時に集合するが外は雨・・・。予報では止んでいるはずだが仕方ない。準備をすると宿の前でいきなりオス同士の喧嘩が!しかし小競り合いですぐに1羽は見失い、もう1羽は立ち入り禁止の場所へ走って行ってしまった。とりあえず雨ではあるが捜索に出かけると、すぐにペアが見つかった。光はあまりよくはないが、雨も上がり日も差してきた。そこで撮影してもらい私は別の個体を探しに行くと見つけたが、動きが無かったのと霧が出てきたので朝食にする。

朝食後・・・霧が凄い!視界が無いので待機する。約30分後、一気に霧がはれたので出発。すぐにペアが見つかったので撮影をしてもらい、その間に別個体を探すとサクッと見つかったので参加者を呼びに行こうとすると2人が「飛んで行ったしまったから」と戻ってきたので今見つけたライチョウを撮りに行く。遊歩道脇で人がひしめき合っている中撮ってもらっていたが、よくとまる岩を双眼鏡で覗くと「いた!」すぐにそちらに移動開始。あと5分も歩けば着くという場所でライチョウが飛び去る姿が?飛ばれた!

ライチョウ オスの飛翔
ライチョウ オスの飛翔

なんとなくこちらに来そうだったので待っていると私たちがいる前の岩にとまった。本当ならバックに奥大日岳が入るのだが、霧で隠れているから仕方ない。それでも飛び立つところが撮れたので満足をされていた。その後もライチョウは見つかるが、霧が思うように晴れず12時少し前に終了してランチをとったのち解散となりました。

ライチョウ オス
ライチョウ オス

今回は天気がめちゃめちゃ悪いわけではないが、こちらが想定した「山バックのライチョウ」は撮影することができずに残念でしたが、ライチョウ自体はふつうに見られることができたので今後もできるようなら計画をしたいと思います。

イワヒバリ
イワヒバリ
カヤクグリ
カヤクグリ

撮れた鳥
ライチョウ・イワヒバリ・カヤクグリ・ウソ
観られた鳥や獣
ノスリ・ハシブトガラス・イワツバメ・アマツバメ・メボソムシクイ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員