沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【沖縄編】

Report by 簗川堅治 / 2024年4月3日~7日

昨年も行ったツアー第2弾です。アカヒゲは奄美大島などに生息する亜種アカヒゲと沖縄本島などに生息する亜種ホントウアカヒゲの2つの亜種があります。現在は亜種ですが、近いうちに別種になる見込みとのことで企画したツアーです。

 

<1日目>
沖縄本島からスタート。まずは順調な滑り出しです……と言いたいところでしたが、この日に起きた台湾の地震で沖縄地方に津波警報などが出て、沖縄発着の飛行機が大幅に乱れました!ツアー参加のみなさんも遅れに遅れながらも、那覇に着きました。しかし、無事集合し空港を出発したのは20時過ぎ。この日はホテル入りで終わりました。

 

<2日目>
早朝からアカヒゲ狙いです。ノグチゲラの巣作り、越冬した?ササゴイなどを見ながら、無事アカヒゲの♂♀を見ることができました。

ノグチゲラ(撮影:K.I様)
ノグチゲラ(撮影:K.I様)
ホントウアカヒゲ(撮影:高橋浩様)
ホントウアカヒゲ(撮影:高橋浩様)

午後は金武町です。シギチは少なく、お目当てのリュウキュウヨシゴイも出なかったものの、アマサギ、シロハラクイナ、ツバメチドリ、そしてシマキンパラなど沖縄らしい鳥たちを見ることができました。

アマサギ(撮影:K.I様)
アマサギ(撮影:K.I様)
シマキンパラ(撮影:K.I様)
シマキンパラ(撮影:K.I様)

この日の夜は、宿のナイトハイクで樹上で寝る2羽のヤンバルクイナを見られた方々もいました。

ヤンバルクイナ(撮影:高橋浩様)
ヤンバルクイナ(撮影:高橋浩様)

<3日目>
沖縄本島最終日です。でも、時間があまりありませんので、夜明け前から行動し、アカヒゲとヤンバルクイナ探しに。実績のあるポイントで待つも現れず。ただし、道路に出てくるヤンバルクイナは見ることができました。

朝食後は奄美大島に向かうために那覇空港へ車を走らせます。やんばるは、やや肌寒かったものの、那覇は暑い!三角池にちょっと寄り道し、アオアシシギ、コアオアシシギ、リュウキュウツバメなどを見て、空港で昼食を済ませ、奄美大島へ。しかし、ここでも飛行機問題!使用飛行機の到着が遅れ、結局、奄美大島に着いた頃には探鳥時間がなくなり、すぐに宿入りでした。ついていません。

夕食後はナイトウォッチングです。地元ガイドさんの同行の元、林道を走らせます。霧が立ち込め、なかなか苦戦しながらも結果的にはたくさんのアマミヤマシギ、アマミノクロウサギに出会えました。また、イシカワガエルやヒメハブ、アマミトゲネズミなど、たくさんの奄美の生き物にも出会え、とてもいい夜になりました。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2023年9月8日~10日

昨年ばっちりと撮影できた場所を下見で確認に行くと1か所は放棄地となって草が茂ってヤンバルクイナがいたとしても見られる状況ではなかった。周囲にはペアがいるが、場所が民家前なので使用を中止した。夕方のポイントも出現はするが、昨年に比べて出現が悪いのも悩ましかった。夕方のポイント周辺はヤンバルクイナの個体群が多いようで最低5ペアはいると思われる。

夜間は1日がヤンバルクイナ6羽、フクロウ類0、2日目はヤンバルクイナ0、フクロウ類0と厳しい状況で本番を迎えることになる。

ヤンバルクイナ下見

<1日目>

空港で皆さんをピックアップして喜如嘉へ。期待をしたがやはり少なく、シギやチドリが遠くすぐに引き上げて宿へ向かう。各自部屋へ荷物を置いてもらい、すぐに夕方のポイントへ移動します。とりあえずシートのブラインドを張るが、ブラインドの自重でうまく張れなかったせいか?人がたくさんいてオーラが出すぎたせいか、ヤンバルクイナは超速で道路を通過してしまい、薄暗くなるまで出現はなかった。そのまま夕食を食べてから夜間撮影の練習をしました。撮影は3段階での撮影をする練習をマスターしてもらったので、周囲になにか生き物はいないか探しに出ました。「以前ここにヤンバルクイナが眠っていたんだよね」とライトを当てると・・・いた!まさか本当にいるとは!この個体がまた逃げないし、すごく撮影がしやすい場所でがっつり撮影をしてもらいました。さて戻りましょうかと歩き出すとリュウキュウコノハズクが近くで鳴いているので探すと、これまた近くにとまっていたのでしっかり撮影をしてもらいました。予想外の撮影ができてみなさんルンルンで部屋に戻られました。

ヤンバルクイナ
コノハズク

<2日目>

5時半集合出発で夕方のポイントへ向かい、今回は2名が外でブラインド、4名は専用車の中からヤンバルクイナを待ちますが、残念ながら出ませんでした。本来回るコースを専用車で回ると道路上で1度だけ遭遇しましたが、撮影はできませんでした。Uターンする場所ではヤンバルクイナだけではなく、ホントウアカヒゲも近くで出るので20分待機しましたが近くまで声が近づきますが姿を現さなかった。一旦宿へ戻り、敷地内のトレッキングコースで鳥を探すと小鳥の混群が現れたのでリュウキュウメジロ・リュウキュウシジュウカラ・リュウキュウキビタキ、リュウキュウコゲラを撮影できました。

キビタキ
コゲラ

ノグチゲラの気配はするのですが、出会うことはできませんでした。カラスバトのうめき声を聞きながらトレッキングコースを歩いているとオキナワキノボリトカゲが出現したので撮影をしてもらいます。11時になったので一旦辺士名へランチを食べに行きます。下見の時にリュウキュウツバメがいたのでカメラは携帯してもらいます。食後は待っていたようにリュウキュウツバメが定位置にとまったところを撮影できました。

オキナワキノボリトカゲ
ツバメ

宿に戻る途中でリュウキュウイノシシのウリ坊が道路わきに出たので撮影してもらおうとしたのですが、さすがに6名も出てくると山へ逃げ込んでしまいました(笑)

お昼休みとしてる時間も皆さん活発に動いておられたようで、2名ほどが部屋のベランダからノグチゲラが撮れたようで報告を受けました。17時になったのでヤンバルクイナのポイントで待ちます。この日は道路の反対側をゆっくり歩いてきたのですが「これから」という時に車が来て叢へ入ってしまった。その後いつの間にか水路で水浴びをしていたようでちょっぴり出たがまたしても叢へ。そして最後は足早に通過してタイムアップ!いったん宿に戻り食事と準備をして夜間撮影を開始です。昨日ヤンバルクイナが眠っていた場所にはいませんでした。しばらく走ると道路を走る哺乳類が?なんとこちらに向かってくる?ケナガネズミです。車を止めて撮影してもらおうとしたのですが・・・茂みに消えてしまいました、残念。コース1/3でヤンバルクイナのペアを発見!しかし時間が早いせいか枝から降りてしまった・・・。

その後はオリイオオコウモリを撮影するために集落内の公民館で撮影をしていると鳥が???電線にアオバズクがとまったので撮影をしてもらいました。これはラッキーでした。その後も1羽を見つけるがこれまた逃げられてしまった!Uターン位置まで行ったので、そのまま引き返しながら探しますが見当たりません。諦めかけた時にライトが枝の上の塊を一瞬捉えました。車を止めてもらい探すが見当たらない?おかしいなぁとふと5歩ほど下がると枝に隠れていた塊をライトが照らします。なんとリュウキュウオだったのです。皆さんに撮影をしてもらっている間にまぶしかったのか横向きになってしまい、私は横姿しか撮れなかったが、皆さんは撮れたようで興奮をされていました。しばらく進むとまたしてもケナガネズミ!なんて日でしょう2頭も見られるとはアンビリーバボーです。まずまずの成果で事故もなく無事帰宅です。

オリイオオコウモリ
オオコノハズク

<3日目>

5時半集合出発で夕方のポイントへ向かい、今回は全員でブラインドからヤンバルクイナを待ちますが、なんと・・・家族連れのお父さんがヤンバルクイナの通り道でカメラを構えてうろうろする!参った・・・まさかこんな状況になるとは!30分ほどで切り上げてくれたが、陽が強く照りだしてきたので早めに切り上げて宿に戻ることに。敷地内に入り、駐車場に入ろうとしたら近くにヤンバルクイナのペアが!以前もここで出現したことがあったが・・・出るとは不覚だった。一度茂みに入ると出てこないので、皆さんには部屋に戻りパッキングをしてもらい車に積み込んでもらいます。皆さんを待っていると?ノグチゲラの声が近くで聞こえるので、荷物を積みに来た順番でそちらへ行ってもらいました。全員が荷物を積み込んだので私も行ってみると?誰もいない?反対側へ飛んで行ったそうで皆さんそちら側にいました。そのまま探しに行くと道路わきの地面からノグチゲラが飛び出すがとまった場所が竹や木の茂みで撮れそうで撮れない!トレッキングコースを途中まで歩き、ベンチがある場所で出発までの時間までフリーで行動をしてもらうことに。少人数とはいえ7名でぞろぞろと歩くだけで鳥との出現率は下がるので皆さん納得です。さて私はトイレに行きたいので施設に戻る途中、足元でガサゴソと何かが動く音が。すぐにノグチゲラと分かったので近くにいる人に伝えますが、またしても近いけれど撮れない!元来た道に戻り、皆さんに声を掛けました。そして私はトイレに(笑)戻って皆さんが何かを狙っているので聞くとホントウアカヒゲを狙っているようでした。時間になったので専用車に乗って喜如嘉へ。期待をしたのですが、パッとした結果は得られませんでしたがセイタカシギ・タカブシギは何とか撮ることができました。

ホントウアカヒゲ
タカブシギ

そして最後の時間調整地「三角池」へ。下見ではもう少し鳥たちがいたのですが、クロツラヘラサギ・ヘラサギ・アカアシシギ・アオアシシギ・キアシシギ・トウネン・ヒバリシギ・バン・コチドリを軽く撮影して空港へGo!怪我も事故もなく、皆さん無事帰路に就かれました。お疲れさまでした!

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【沖縄編】

Report by 簗川堅治 / 2023年4月3日~7日

アカヒゲは奄美大島などに生息する亜種アカヒゲと沖縄本島などに生息する亜種ホントウアカヒゲの2つの亜種があります。現在は亜種ですが、近いうちに別種になる見込みとのことで企画したツアーです。こんな風変わりなツアーは、ガイド簗川の得意分野です(笑)

 

1日目。沖縄本島からスタートです。まずは超有名な三角池へ行きました。お馴染みのクロツラヘラサギの群れに、これまたお馴染みのヘラサギの姿も。

 

クロツラヘラサギ(撮影:河田様)

セイタカシギがパラパラとして、アオアシシギが飛んできます。遠くにいるのはオジロトウネンとヒバリシギ。電線ではシロガシラと亜種リュウキュウハシブトガラスがやかましく鳴いています。

今度は一気に北上して、やんばるへ。とあるポイントで亜種アカヒゲとヤンバルクイナを待ちます。亜種リュウキュウサンショウクイ、亜種リュウキュウメジロなどが鳴いていますが、アカヒゲは姿どころか、声もせず。ヤンバルクイナは声のみ確認して、この日は終わりました。

 

2日目。沖縄とはいえ、やや肌寒い朝です。

早朝に出やすいヤンバルクイナを求めて、日の出時刻前に出発。道路を横切る個体を2羽、そしてリュウキュウイノシシを4頭見ることができました。

朝食後、アカヒゲのポイントへ。アカヒゲを見る前にノグチゲラが目の前の枯れ木に飛んできました!これはラッキー!どうも巣作り中のようで、穴の中から「コンコン、コンコン…」と音がします。影響を与えないように距離をとり、短時間の観察です。

 

ノグチゲラ(撮影:塚本雄次様)

肝心のアカヒゲはいるにはいるものの、なかなか出てきてくれませんでした。しかし、♂♀を見て、しかも♂が水浴びをしたシーンを撮影した方がいました!

 

亜種ホントウアカヒゲ♀(撮影:河田様)

④亜種ホントウアカヒゲ♂(撮影:河田様)

道の駅で昼食をとり、止まっているリュウキュウツバメを撮影していたところ、その光景を見た一般観光客が「何なに?」と言わんばかりに集まり、一般観光客もスマホなどでリュウキュウツバメの撮影をし始めました(笑)

 

リュウキュウツバメ(撮影:河田様)

その後は、シギチなど水辺の鳥を求めて付近の田んぼに行くも、成果は上がらず。それもそのはず、その辺りは以前とは比べ物にならないくらい環境が変わってしまい、シギチが立ち寄る場所ではなくなったようです。午前中、アカヒゲやノグチゲラを見逃した人がいたので、再びそのポイントへ。しかし、なかなかいい成果を得られないまま、この日は時間切れとなりました。

 

3日目。沖縄本島最終日です。でも、時間があまりありませんので、夜明け前から行動し、ヤンバルクイナ探しに。実績のあるポイントで待つも現れず。ただし、道路に出てくる個体は数回見ることができました。朝食後は小一時間の勝負!アカヒゲのポイントで、どうにかアカヒゲの♂を見ることができましたし、サンショウクイの亜種リュウキュウサンショウクイをやっとじっくり見ることができました。

亜種ホントウアカヒゲ♂(撮影:塚本香代様)

亜種リュウキュウサンショウクイ(撮影:河田様)

 

さぁ今度は奄美大島に向かうために那覇空港へ車を走らせます。やんばるは、やや肌寒かったものの、那覇は暑い!空港で昼食を済ませ、奄美大島へ飛び立ちました。

 

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2022年9月11日~13日

 

台風11号が去った9月7日から下見に入ると、同日夕方台風12号が発生!本島直撃の予報が出て催行可能か?中止か?のギリギリまでバタバタしましたが飛行機も飛びスタートしましたが、結果的には台風12号はそれて天気的にも野鳥的にも恵まれました。
今回のレポートで使用する写真はツアー中に撮影したもの以外、下見時に撮影したものを利用しております。理由は基本が車内からの撮影が多く、お客様の撮影を優先するため私の撮影ができないことが多いのでご理解いただければと思います。

<1日目>

13時に無事みなさん集合されたので、専用車でまずは喜如嘉の農地でシギ・チドリの撮影を楽しみました。下見の時はたくさん入っていたのですが、かなり抜けてしまったのは残念でした。

タカブシギとコアオアシシギ
タカブシギとコアオアシシギ ※下見時に撮影


下見の時に夕方ヤンバルクイナが出るポイントを見つけたので、宿に荷物を降ろし17時30分~18時30分ヤンバルクイナの撮影に出ました。下見の時はひんぱんに&のんびりとヤンバルクイナが出ていた場所で目隠し用のシートを張り待ちました。ですが、この日は1度道路を通過したのみで出てきません・・・おかしいなぁと思ったら、見えない場所に先客がいて観察をしていた影響かもしれない?とりあえずは数羽のヤンバルクイナを見ることはできたものの、撮影的にはあまり良くなかった。
夜は翌日の夜間撮影のためにライトを木の葉や枝にライトを当てて高感度での撮影やスローシャッターの撮影のレクチャーをしたのち宿周辺を約1時間散策しました。

<2日目>

5時30分に出発してポイント近くで車のスライドドアを開けて、目隠し用のシートを張り一時的に「動くブラインド」にしてポイントで待ちます。待つ事10分、車の前からではなく、車の後ろから現れ、参加者の方へ移動します。ところが6人のオーラが強すぎたか?途中で引き返しそれっきり戻ってこなかった。この場所ではアコウの木に実が成っているのでメジロ、ズアカアオバト、ヒヨドリがやって来ますが、私の位置からは撮影ができない。しかし一部の方は撮影ができたようです。ヤンバルクイナを近くで観察はできたのですが撮影はイマイチだったようです。

リュウキュウメジロ
リュウキュウメジロ ※下見時に撮影

その後はゆっくりと車で流しながら生き物探しをするとヤンバルクイナ1羽が道路の斜面にいましたが車に気が付き草むらへ消えていったしまった。昨年アカヒゲ&リュウキュウアカショウビンがいたポイントで朝食&休憩です。蝶が好きな方は蝶を撮影できたと喜んでいました。「ホントウアカヒゲはたくさんいるし、どこにでもいるので出れば人を気にしないので簡単に撮れるんですヨ」と伝えると本当に近くでオス・メスが出て撮影できました。

ホントウアカヒゲ
ホントウアカヒゲ ※下見時に撮影

宿に戻り、ここから周辺を歩いて生き物探しをします。ホントウアカヒゲは声はすれども姿は見れずでしたが、ノグチゲラが2羽で喧嘩しながら近くにとまりました!しかしなんともならないブッシュの中でシルエット劇場になってしまいました。トレッキングコースではすでに時間が遅いのでセミの鳴き声が森に響き渡るだけで生き物が見つかりません。あと少しで終了という場所でキノボリトカゲが2頭出たので撮影を楽しんでもらいました。

オキナワキノボリトカゲ
オキナワキノボリトカゲ

この後は夕方まで休憩としていました。休憩時間中も一部の方は宿の周辺で撮影を楽しまれたようで、スコールの後にホントウアカヒゲがばっちり撮れた!という方もいました。

17時30分に集合して昨日のポイントへ向かいます。この日は先客もいなかったようで期待も高まります。目隠しシートを張りスタンバイすると2羽のヤンバルクイナが道を渡って行きました。そのうちの1羽が道路わきをゆっくりとエサを探してこちらに向かって移動をしてきます。車が通過しても全く動じません!とうとう私たちのまえまで来て、私たちの存在に気が付くと、何気ないふりをしてゆっくりと草むらの中へ消えて行きました。もう出ないと思われるし暗くなってきたので切り上げました。

ヤンバルクイナ
夕方に現れたヤンバルクイナ

夕食後は夜間撮影です。ゆっくりと車を走らせながらライトで生き物を探しますがなかなか見つかりません。ようやく飛翔するリュウキュウコノハズクやリュウキュウアオバズクが出ても近くにとまってくれません。集落内の公園へリュウキュウオオコノハズクを探しに行くも見当たりません。

リュウキュウオオコノハズク下見
リュウキュウコノハズク ※下見時に撮影

何気なく帰り際ライトを当てた木の枝にヤンバルクイナのペアが!みなさんに声をかけて「すぐに撮って!」と撮ってもらいました。普段なら眠っていると動かないのですが、満月近くの月が明るいせいか、すぐに動き出してしまったのでここで中止にします。そう、嫌がったら終了としています。&集落内なので「ヤンバルクイナをいじめている」と集落の方に思われるのも困るのでみなさんにも理解していただきました。その後も探すがフクロウ類が見当たりません。ようやく見つけたヤンバルクイナもやはりすぐに動き出し撮影ができませんでした。結局残念な夜間撮影になってしまった。

ヤンバルクイナ夜下見
ヤンバルクイナ ※下見時に撮影

<3日目>

5時30分に出発。昨日より早い準備を完了。後部ハッチを開けて風通しがいいようにします。昨日はこれをしなかったので蒸し暑くて大変だった。待つ事10分、車の前の耕運機の横から出現!昨日と違い、この日はゆっくりとこちらに近づき採餌を繰り返し、しっかりと撮影できたようです。このポイントの凄いことは近いと3m!超望遠レンズだとヤンバルクイナがはみ出しちゃう。ヤンバルクイナは一旦車の後ろ方向に消えていった。その後一度現れるがすぐに草陰へ。しばらくすると2羽で現れ近づいてくるが、こちらの殺気を感じてか?奥へ入ってしまいそれっきりだったので終了して、昨日朝食を食べた場所で朝食&休憩したのち宿へ戻り荷物を車に積み込むみシギ&チドリの撮影で喜如嘉へ。

ヤンバルクイナ朝
ヤンバルクイナ

途中下見の時に見つけたクロハラアジサシのポイントへ立ち寄りましたが、抜けたようでいなかった。喜如嘉もパッとせず早々に切り上げ、時間調整用の三角池へ向かいます。時間調整用に立ち寄ったのですが、クロツラヘラサギが4羽近くにいたので早速撮影してもらいました。

クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギ

他にはアオアシシギ・アカアシシギが対岸に群れていましたが、少し遠い。20分ほどすると潮が引いて干潟が出始めた水路に移動を始めます。撮影ができそうだったのでみなさんに声をかけてそちらに静かに移動します。干潟にとまるキアシシギ、アカアシシギを近くでばっちりと撮ることができました!喜如嘉を早めに切り上げての移動は正解でした。空港まではすぐ近くで余裕綽々で最後の最後まで撮影を楽しむことができました!


撮れた鳥
クロツラヘラサギ・コサギ・アマサギ・ヤンバルクイナ・コチドリ・ヒバリシギ・アカアシシギ・アオアシシギ・キアシシギ・コアオアシシギ・タカブシギ・セイタカシギ・ズアカアオバト・ツメナガセキレイ・リュウキュウヒヨドリ・ホントウアカヒゲ・オキナワシジュウカラ・リュウキュウコゲラ・リュウキュウメジロ・リュウキュウハシブトガラス・アカマタ・オキナワキノボリトカゲ

見れた鳥・さえずりが聞けた鳥
クロサギ・チュウサギ・ダイサギ・カルガモ・バン・イソシギ・チュウシャクシギ・ジシギSP・リュウキュウキジバト・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアオバズク・カワセミ・ノグチゲラ・ツバメ・リュウキュウサンショウクイ・リュウキュウサンコウチョウ・イソヒヨドリ・ウグイス・セッカ・スズメ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員