宮城県で冬鳥を楽しむ!
伊豆沼・蕪栗沼の水鳥と仙台湾の海鳥 2本目

Report by 田野井博之 / 2024年1月22日~25日

1日目

この時期としては気温が高く、時折雨の降る中でのスタートとなりました。

ガン類のねぐら入りを観察する前に、まずはシジュウカラガンを探すことにしました。マガンの群れをいくつか確認していくと、早速100羽を超すシジュウカラガンの群れを発見。周辺にもいくつかシジュウカラガンの群れが見られ、合計200羽ほどがいるようでした。二番穂の伸びた田んぼで、どの個体も必死に採餌していました。今期は暖かく積雪もほとんどないため、既にシジュウカラガンの大きな群れは渡去しています。今回見られたシジュウカラガンも間もなく開始する渡りに向けて、栄養を蓄えているのでしょう。

その後はガン類のねぐら入りを観察するために蕪栗沼へ。駐車場についてヨシ原を見ると、ハイイロチュウヒの雄と雌が飛んでいました。まだねぐら入りには少し早いためか、このハイイロチュウヒはその後も何度か飛んでくれました。曇天でやや暗かったものの、雄の青灰色の姿はとても綺麗でした。観察ポイントに着いて沼を見ると、前週に続きヘラサギとクロツラヘラサギが見られました。沼の近くの田んぼには、ねぐら入りを待つマガンの群れもあちらこちらに降りていました。16時45分を過ぎると次第にマガンの群れが沼へと戻り始め、日没後の17時15頃にピークを迎えました。無数のマガンが鳴きながら次々と沼へと戻っていく光景はとても壮観でした。

 

2日目

夜明け前にホテルを出発し、ガン類のねぐら立ちを観察するために蕪栗沼へ向かいました。観察ポイントに着くとちょうどマガンの群れが飛び立っていて、慌てて観察を開始しました。この日は天候も回復し、朝焼けの中での飛び立ちを見ることができました。

飛び立つガン類はほとんどがマガンでしたが、時折ヒシクイが混じり、シジュウカラガン30羽ほどの群れも見ることができました。マガンに続いてオオハクチョウも次々と飛び立ち、とても賑やかな光景となりました。

餌場へと向かうマガン
餌場へと向かうマガン

 

マガンの飛び立ちが落ち着いてきた頃、沼で休んでいたオナガガモの群れが一斉に飛び立ちました。周囲を確認してみるとオジロワシが飛んでおり、どうやらこのオジロワシに驚いて飛び立ったようです。このオジロワシは沼の近くの木に止まってくれたので、じっくりと観察することができました。

オジロワシ
オジロワシ

 

朝食後はカリガネのいるエリアへ。マガンはいつもよりも多く見られましたが、なかなかカリガネが見つかりません。そこで少し離れた田んぼも周ってみると、ようやくマガンに混じるカリガネを見ることができました。

4羽のカリガネとマガン(左から4羽目)
4羽のカリガネとマガン(左から4羽目)

 

続いてはハクガンを探すことに。だいぶ苦戦しましたが、2時間近く探したところ、ようやく8羽のハクガンを見つけました。マガンとオオハクチョウに混じって採餌していましたが、少しして飛び立ち、丘陵を越えていきました。

マガンとオオハクチョウに混じるハクガン
マガンとオオハクチョウに混じるハクガン

 

この日はヒシクイの群れも田んぼに降りていて、比較的近い距離で観察することができました。そのほとんどは亜種オオヒシクイでしたが、亜種ヒシクイも混じっており、体格や嘴の形状など両亜種の違いを見ることができました。

亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイ(右から2羽目の顔だけ見えている個体)
亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイ(右から2羽目の顔だけ見えている個体)

 

この日の最後は蕪栗沼へ。沼にはオオハクチョウやヒシクイ、オナガガモ、ヨシ原ではベニマシコやオオジュリン、シジュウカラ、そして低空を飛ぶチュウヒも見られました。

チュウヒ
チュウヒ

 

3日目

当初の予定ではチャーター船で仙台湾へ行く予定でしたが、強い冬型の気圧配置に見舞われ、朝から強い西風と高波となってしまい中止となりました。そこで、南三陸町の志津川湾へコクガンを見に行くことにしました。志津川湾はコクガンの餌となる海草のアマモが豊富なため、毎年たくさんのコクガンが越冬しています。

ポイントに到着すると、アマモを食べる30羽ほどのコクガンがすぐに見つかりました。また、オオバンが食べるアマモのおこぼれをいただく労働寄生という行動も見ることができました。強風のため海上の鳥のチェックはままならない状況でしたが、クロガモやハジロカイツブリなどが見られました。

コクガン
コクガン

 

翌日も強風によりチャーター船の出港は難しそうであったため、午後は少しでも多くの海鳥を見るために仙台湾の海岸へ。堤防から沖合を見ると、ビロードキンクロやハジロカイツブリ、アカエリカイツブリが比較的近い位置に浮いていました。望遠鏡を使ってさらに沖を見ると、アビやミミカイツブリなども見られましたが、残念ながらウミスズメ類は見つけることができませんでした。

最後に漁港に立ち寄ると、魚の追い込み漁を行うたくさんのカワウと、ハジロカイツブリ、ホオジロガモなどが見られました。ホテルに戻った後、念のため船長に翌日の海の状況を聞いてみましたが、残念ながら翌日もチャーター船による観察は中止となりました。

 

4日目

相変わらず西寄りの強風によりチャーター船は欠航となったため、再び県北へガン類を見に行くことにしました。前日までとは一転、前夜からの積雪でガン類の採餌場は雪に覆われていました。雪田では餌が採れないため、マガンの群れもかなり少なくなっていましたが、何とか5羽のシジュウカラガンを見つけました。このシジュウカラガンも寝てばかりで、雪が融けるのを待っているようです。その後はマガンの群れがほとんど見つからないため、伊豆沼の湖岸に飛来しているシマエナガを見に行くことにしました。シマエナガは北海道で見られる亜種ですが、なぜか数年前から宮城県で毎冬見られています。今期は10羽以上の群れになっているようで、この日もポイントに着くとすぐに8羽ほどのシマエナガを見ることができました。また、シマエナガの群れと一緒にヤマガラやシジュウカラ、コゲラ、ベニマシコ、オオジュリンなども見ることができました。

駐車場でエナガの声を聞きながら今回のツアーは終了となりました。
4日間、大変お疲れさまでした。

シマエナガ
シマエナガ

 

この記事を書いた人

田野井博之 たのい ひろゆき
1985年生まれ。小学生の時に野鳥の観察を始める。東北地方を中心に鳥類調査に携わりつつ、関心のある海鳥やシギ・チドリ類、チュウヒなどを見るため全国各地へ。特に海鳥の識別や生態に強い興味を持ち、国内外を問わず観察を続けている。

根室海峡のシャチ・ミズナギドリと大雪山のギンザンマシコ

Report by 今堀魁人 / 2023年6月15日~17日

1日目

初日は中標津空港から出発です。この日は野付半島に向かい、野鳥を探していきます。野付半島に入り、少し走ると右手にタンチョウのペアが。車を停め観察すると、足元には雛の姿も確認できます。しかし足元の草丈が高く、なかなかしっかりとは姿が見えず。少し粘ってやっと顔を見ることができました。

タンチョウの親子
タンチョウの親子

その後走っていくとなかなか野鳥には会えず。ノビタキなどはいますが警戒心が強く、容易に観察させてくれません。野付半島突端部まで探しに行くと、草原をひらひらと飛ぶ猛禽が。チュウヒです。追いかけながら観察と撮影を試みましたが、探餌しながら風に乗るチュウヒは早い。車で先を越しては止まりを繰り返し、なんとか数回だけ観察ができました。遠いですがエゾシカと一緒にいる風景は野付らしい光景です。

チュウヒ
エゾシカとチュウヒ

2日目

午前中は観光船に乗り、海鳥やシャチを探していきます。天気が悪く、視界が確保できないなか探していきます。途中フルマカモメが船の真横を並走し遊んでくれました。きっと千島列島で繁殖している個体がここまで餌を取りに来ているのでしょう。

フルマカモメ
フルマカモメ

しばらくすると他船からシャチ発見の一報が。私達も同じ方向へ向け船を走らせます。遠くに目を凝らすとシャチの背びれを確認です!複数の群れがいるようですが、どれも臆病な群れのようでものすごいスピードで泳いでいっています。

シャチ
シャチ

他船が一つの群れを追いかけていると、別な群れが奇跡的にこちら側へ来てくれました。短い時間でしたが、しっかりとシャチの親子連れも観察することができました。

シャチ
シャチ

天候と時間によりタイムアップ。そろそろ港へ戻りましょうとゆっくり戻っていると、数は少ないですがハシボソミズナギドリも観察できました。ギリギリまで船長も粘ってくれ、なんとこの日は予定を30分オーバーしてのサービス運航。船長ありがとうございました。

ハシボソミズナギドリ
ハシボソミズナギドリ

午後は知床峠へギンザンマシコを探しに行きましたが残念ながら声も姿も見られず。明日以降に期待です。

3日目

3日目は早朝から知床峠でギンザンマシコ探しです。峠ではアマツバメが気持ちよさそうに飛び交っています。双眼鏡でじっくりギンザンマシコを探しますが、残念ながら今日も見られず。旭岳で見られることに望みをかけ、一路オホーツク海側へと向かいます。途中立ち寄った小清水原生花園ではエゾセンニュウが大きな声でジョッピンカケタカ!と鳴いていますが姿を見ることはできず。その反対側でチーチヨチヨと鳴きながらハマナスの枯れ木に擬態するシマセンニュウを全員で探しながら観察しました。

シマセンニュウ
シマセンニュウ

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!

クマゲラの棲む利尻島・礼文島とサロベツ湿原【前編】

Report by 今堀魁人 / 2023年5月14日~18日

1日目

初日は稚内空港からスタートです。最初は空港そばのメグマ沼へ。観察していると夏の北海道を代表する鳥のひとつ、ノビタキとツメナガセキレイがお出迎えしてくれました。少し距離はありましたが、幸先の良いスタートです。

ツメナガセキレイ
ツメナガセキレイ

サロベツ湿原に向かうと、寒さと風の影響かほとんど鳥の姿は見えず。入り口でベニマシコのメスがヤナギを啄んでいる姿を全員で観察し、声は聞こえど姿を探す難しさを体感できました。

ベニマシコ(メス)
ベニマシコ(メス)

その後移動中には酪農家の家の脇からチュウヒが突然出現!
きっとこの近くで繁殖しているオスのチュウヒでしょう。ここ近年急激に数を減らしているチュウヒ。無事に子育てできることを願うばかりです。

チュウヒ(オス)
チュウヒ(オス)

夕方は兜沼へ。駐車場そばではカケスが姿を見せてくれました。北海道は本州の亜種カケスと違い、亜種ミヤマカケスで可愛い顔をしていることもあり、人気の野鳥です。なかなかうまく姿を見せず少し苦労しましたが、無事皆さん観察できたようです。

ミヤマカケス
ミヤマカケス

さて移動しようと思ったら今度は地面を歩く鳥が。なんとヤマシギです!ここでは初めての出会い。いてもおかしくない環境ですが、夕方で人の出入りも少なかったためかペアで行動し、最後まで比較的近くで観察・撮影させてくれました。

ヤマシギ
ヤマシギ

 

2日目

本日はこのツアーのメインとなるクマゲラを求めてフェリーで利尻島へ。航路では鳥の影が薄く、序盤にシロエリオオハムと遠くにウトウがチラホラと飛ぶだけ。

シロエリオオハム
シロエリオオハム

着岸直前には利尻では必ず見られるウミウのコロニーを見ながらいざ入島!ガイドさんの車に乗せてもらい、ポイントへと移動します。

ウミウコロニー
ウミウコロニー

ポイントへ歩いて到着し、息を潜め待っていると目的のクマゲラが穴から顔を出しました。前頭部が黒いためメスのようです。

クマゲラメス
クマゲラメス

この時期は抱卵中のため、最小限の影響で住むよう配慮しながらの撮影です。基本クマゲラは1時間半から2時間の感覚で抱卵交代を行っており、2時間待てばオスが帰ってくるだろうと待っていましたが2時間経っても現れず。そのうち雨も降り出しますが一向に声も気配もしません。これ以上待つのは人間も限界でかつクマゲラにも影響を与えてしまうということで今日は撤退です。

クマゲラメス
クマゲラ(メス)

途中目の前をうろちょろしてくれたヒガラが一時待ち時間を楽しませてくれましたが、クマゲラの全身見る機会は明日にお預けとなりました。

ヒガラ
ヒガラ

 

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!

有明海から日本最大のツルの渡来地・出水へ
【2022年12月・1本目】

report by 吉成才丈 2022年12月7日~11日

 

1日目
福岡空港に集合し、専用車で有明海方面に向かいました。

途中、高速道のサービスエリアで昼食をとり、まずは調整池で鳥見を開始。昨年は数羽しかいなかったのに、今年はトモエガモが5,000羽以上も滞在しており、その数の多さに圧倒されました。

トモエガモの大群
トモエガモの大群

 

これだけカモがいるのですから、ハイイロチュウヒやオオタカなどの猛禽類も出現して楽しめたのですが、車に戻る際には、もっと嬉しいカササギの鳴き声を確認。
カササギは福岡や佐賀、長崎あたりに生息しているのですが、とくに佐賀周辺では個体数が減少傾向にあって出会えないときもあるので、慎重に近づいて観察しました。地上や樹上でエサを獲る様子もじっくり撮影でき、見られてホッとするとともに、その美しさを満喫できました。

採餌中のカササギ
採餌中のカササギ

その後は東与賀干潟へ行きましたが、干潮の時間帯であったため、広大な干潟をご覧いただいてホテルに向かいました。

 

2日目
午前中は、満潮の東与賀干潟でシギ・チドリ類などの水鳥を観察しました。昨日と違って鳥も近く、ハマシギの群れやダイシャクシギ、アカアシシギ、ツクシガモ、ズグロカモメなどの水鳥を見ていると、ハマシギの群れが一斉に飛び立ちました。ハマシギの群れは動きもシンクロしており、一斉に向きを変えたりする様子を楽しみました。やはり、日本を代表する東与賀の干潟は広大で素晴らしい環境ですね。

一斉に飛び立ったハマシギ
一斉に飛び立ったハマシギ

 

ダイシャクシギやツクシガモ
ダイシャクシギやツクシガモ

この日も高速道で昼食をとり、午後は諫早の干拓地へ向かいました。干拓地のヨシ原ではハイイロチュウヒやチュウヒ、コチョウゲンボウが飛び回り、耕作地ではタゲリやホシムクドリ、ホオアカ、水路ではクサシギなどを観察しました。またヨシ原ではタヌキを、耕作地ではイノシシも確認し、哺乳類も楽しめました。

チュウヒ
チュウヒ

 

ミヤマガラスとホシムクドリ
ミヤマガラスとホシムクドリ

3日目
朝方は再び干拓地を訪ね、セイタカシギやカワセミ、チョウゲンボウなどを観察。そして昨日に続き、耕作地ではイノシシを発見。昨日は走り去る後ろ姿でしたが、この日は近くでじっくり観察できました。

耕作地に現れたイノシシ
耕作地に現れたイノシシ

その後は島原からフェリーに乗り、船上でも鳥見を行いました。船が出ると、乗船客が与える餌を目当てに集まったユリカモメの群れがすぐ目の前に出現し、美しい雲仙岳をバックに飛び回る姿を楽しみました。

ユリカモメと雲仙岳
ユリカモメと雲仙岳

 

そして入港直前には、堤防の上で休む約600羽のカツオドリも観察できました。これだけの数が集まるのはすごいことだと思います。

堤防で休むカツオドリの一部
堤防で休むカツオドリの一部

 

フェリーを降りると一気に出水まで移動し、夕方のわずかな時間でしたが、干拓地のツルを観察しました。ナベヅルやマナヅルを見逃すことはないのですが、この日のうちに他のツルを見られると気が楽になるので探すと、カナダヅル2羽を発見できました。

カナダヅル
カナダヅル

 

4日目
ツルは早朝に給餌されるため、朝方にもっとも活発に動きます。この日は薄暗いうちに到着し、朝焼けや月をバックに飛翔するツルを狙いました。天気にも恵まれ、ほぼ満月という絶好の条件であったため、朝日の方向を狙ったり、反対側に出ている月の周辺を狙ったりという嬉しい忙しさを体験できました。まだ薄暗いうちには、カラスに突っかかられてコミミズクも出現しました。

月とツル
月とツル

 

 

朝焼けのツル
朝焼けのツル

ツルの動きが落ち着くと、つぎはコクマルガラスを狙いました。ちょうどこのタイミングでミヤマガラスの群れが電線に集まるのですが、その中にコクマルガラスも混じります。遠くからでもコクマルガラスの白いタイプ(通称シロマル)が見えていたので、苦労することなく全身が見えている状態で撮影できました。

コクマルガラス(左)とミヤマガラス
コクマルガラス(左)とミヤマガラス

電線の役割は電気を流すだけではないようで、同じ並びの電線にはニュウナイスズメの群れもとまっていました。雌雄同じ模様のスズメとは違い、ニュウナイスズメはオスとメスとで模様が異なり、とてもかわいい鳥です。

電線関連の鳥を観察後には、ツリスガラやホオアカを狙って河川沿いを散策しました。鳴き声は聞こえるものの、なかなか姿を現さなかったツリスガラでしたが、車に戻る寸前にようやく姿を確認できました。他に川沿いでは、ハマシギやミサゴ、ノスリ、オオジュリンなども出現しました。

ニュウナイスズメ
ニュウナイスズメ

 

午後には山間部のダムに向かい、ヤマセミやクマタカなどを狙いました。解放水面にはマガモやヒドリガモ、ホシハジロなどが休んでいました。水際の薄暗いところが好きなオシドリはもっとも警戒心が強く、かなり遠くても人間の姿が見えただけで飛ぶこともありました。残念ながら、クマタカやヤマセミには出会えませんでしたが、カケスやイカルなどの声も確認しました。夕方には再び干拓地に戻り、マナヅルやナベヅルもじっくり観察しました。

ミサゴ
ミサゴ

マナヅル
マナヅル

ナベヅル
ナベヅル

5日目
この朝も夜明け前に干拓地に到着し、朝のツルを観察しました。この日は月は雲に隠れ、朝焼けの状況も昨日とは異なり、日々の変化も体験できました。今年はツルが少ないのですが、朝の採餌の密集度は迫力があります。遠いところに撒かれたエサから食べ始め、徐々に人間に近づいてきます。

朝の採餌の様子
朝の採餌の様子

 

一旦ホテルに帰って朝食後にチェックアウトし、再び干拓地でツルやヘラサギ類などを観察しました。出水といえばツルの越冬地として有名ですが、他の鳥も多く、ヘラサギ類は道路のすぐ近くで休んだり、三面張りの水路で採餌したりしていて驚かされます。

ヘラサギ
ヘラサギ

時間いっぱいまで出水の鳥たちを堪能し、解散地の鹿児島空港に向かいました。今年は鳥インフルエンザの影響でツルは少なかったですが、ツル以外の小鳥や猛禽類も楽しめました。撮影主体のツアーではありませんでしたが、冬の九州は被写体が多く、参加された皆さんも、たくさん撮影されたことと思います。

 

(確認種99種)

 

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

有明海から日本最大のツルの渡来地・出水へ

Report by 吉成才丈 / 2022年1月16日~20日

1日目:福岡空港~佐賀~東よか干潟

集合地の福岡空港の外は雨…。
でも皆さんが集合して出発するころには晴れ間も見えはじめ、幸先良いスタートとなりました。
まずは佐賀市内のため池から探鳥をスタートすると、トモエガモやカワセミ、ジョウビタキなどが出現。その後は東与賀干潟に向かいましたが、干潟の直前でカササギに遭遇。佐賀では目撃する機会が減っているカササギだけに、じっくり撮影もして頂きました。

カササギ
カササギ

そして東与賀干潟では、潮が引いている時の干潟を見て頂きました。干潟というと、潮が引いている時に鳥を見る印象があるかもしれませんが、水際の汀線がどこにあるか分からいほど広大な干潟が広がっており、シギ・チドリ類やヘラサギ類ははるか彼方…。実はこの周辺は満潮時と干潮時の干満差がとても大きく、最大で6mにもなる日があるのです。この日は下見を兼ねて干潮時の様子をみて頂き、明日の満潮時の状況を想像して頂きました。

東与賀干潟
東与賀干潟

2日目:佐賀~東よか干潟~諫早干拓地~諫早

さあ、今日は東与賀干潟観察の本番です。満潮間近の干潟に着くと、昨日とは打って変わって鳥が近くにいます。この冬は12羽も飛来しているソリハシセイタカシギ、2000羽を超えるツクシガモなどをご覧頂き、ヘラシギやクロツラヘラサギ、ズグロカモメ、ダイシャクシギ、ツルシギなどを1種ずつ確認していきました。

ソリハシセイタカシギ(森久美子様撮影)
ソリハシセイタカシギ(森久美子様撮影)

ヘラサギ(森久美子様撮影)
ヘラサギ(森久美子様撮影)

ツルシギ(森久美子様撮影)
ツルシギ(森久美子様撮影)

すると、いきなりシギ・チドリの大きな群れが、ひとつの生き物のようにうねりながら飛翔しはじめました。その群れはいくつもあり、個体が反転するたびに暗色(背面)と白(腹面)の塊に色が切り替わる様子が観察できました。これだけの数のシギ・チドリが見られる干潟は少なく、日本一とも呼ばれる東与賀干潟の野鳥を堪能できました。

シギ・チドリの群れの飛翔
シギ・チドリの群れの飛翔

この日の午後には諫早の干拓地に移動し、まずはリクエストの多かったタゲリをじっくり撮影して頂きました。耕作地ではホオアカなどもご覧頂き、ヨシ原ではハイイロチュウヒやチュウヒ、コチョウゲンボウなどを狙いました。ハイイロチュウヒのオスは個体数も少なくワンチャンスでしたが、メスタイプは個体数も多く、皆さんもかなり撮影できたと思います。

ハイイロチュウヒのオス(森久美子様撮影)
ハイイロチュウヒのオス(森久美子様撮影)

ハイイロチュウヒのメスタイプ(森久美子様撮影)
ハイイロチュウヒのメスタイプ(森久美子様撮影)

チュウヒ(森久美子様撮影)
チュウヒ(森久美子様撮影)

3日目:諫早~諫早干拓地~熊本~出水

この日の朝には再び干拓地を訪れ、島原発昼頃のフェリーで熊本に渡りました。この航路はたった1時間なのですが、鳥の観察もおもしろいのです。フェリーにはユリカモメやウミネコがついてきますので、雲仙と一緒にスマホでもパチリ!

ユリカモメと雲仙岳
ユリカモメと雲仙岳

海上ではカツオドリも飛翔していますが、岸近くの堤防にはたくさんのカツオドリが休んでいました。その数なんと、200羽以上!

カツオドリ
カツオドリ

そして夕方には、いよいよツルの待つ出水に到着です。今期のツルは5種の飛来が確認されていますが、個体数の少ないツルは1種でも今日中に見ておきたいところです。するとまず、道路のすぐ近くにカナダヅルを発見。皆さん初めての出会いなので真剣に撮影していましたが、ふと目線を遠くにやるとクロヅルも発見。ちょっと写真には遠すぎましたが、車の進行方向に視線を戻すと、9年ぶりに飛来したというソデグロヅルまで見つかってしまいました。カナダヅルやクロヅルは一桁、ソデグロヅルに至ってはたったの1羽しか飛来していないため、ほっと一安心です。ちなみに、個体数のもっとも多いナベヅルは10,000羽以上、マナヅルは1,000羽以上が飛来しているようです。

カナダヅル(森久美子様撮影)
カナダヅル(森久美子様撮影)

ソデグロヅル(森久美子様撮影)
ソデグロヅル(森久美子様撮影)

4日目:出水(出水干拓地)

この日の朝は快晴。運よく月も出ており、まずは月とツルを撮影できました。

月とツル
月とツル

一方、快晴なので朝焼けは短かったですが、朝焼けをバックにツルも少し飛んでくれました。

朝日とツル
朝日とツル

午前中はツルの撮影や周辺の湿地を観察し、午後は少し山の方に遠征してみました。山ではオシドリやシロハラ、カケスなどが観察できました。
夕方には再び出水の干拓地に戻り、ムクドリの仲間やニュウナイスズメなどを求めて周辺を散策しました。ニュウナイスズメは日中は姿が見えないのに、夕方には300羽ほどが集団で観察されました。

カラムクドリ
カラムクドリ

ニュウナイスズメ
ニュウナイスズメ

コクマルガラス
コクマルガラス

5日目:出水~熊本空港

朝は晴れましたが雲も多く、朝焼けの状況は毎日異なりますね。この日は朝の飛翔を見た後にホテルに戻り、朝食後にチェックアウト。わずかな残り時間をツルを見て過ごし、帰路につきました。

撮影をされた方はツルをはじめ、たくさんの種が撮れたと思います。冬の九州は、東与賀でも出水でも10,000羽を超える野鳥が観察できるので、初心者にも最適な探鳥地だと思います。今回は天候にも恵まれ、5日間で102種を記録することができました。冬の九州は楽しいですね!
(観察種数102種)

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

初冬のみちのく 宮城・山形の海から山まで目指せ120種!

Report by 簗川堅治 / 2021年12月2日~5日

本格的な積雪を前に、冬鳥も揃ったみちのく宮城県、そして山形県で多くの鳥を楽しもうというツアーです。

 

冬型の気圧配置で天候が心配されましたが、ツアー開始前には穏やかになりました。まずはガイド簗川の地元でアオシギです。こちらは難なく観察することができました。しかし、あまりのカモフラージュさに、望遠鏡を使っても「どこ、どこ?」となる場面もありました。さすが、アオシギです!

アオシギ(撮影:高後洋子様)

 

マガモ、コガモ、そして数羽のヨシガモがいる沼をほんの少しだけ観察し、伊豆沼へと向かいました。冬型の気圧配置なので太平洋側は晴れです。伊豆沼ではハクガンを探しましたが、ガンの大きな群れ自体がほとんどおらず、四苦八苦しました。あきらめて移動する時に、遠くで大きな群れが飛び立ちました。と同時に、2羽のハクガンを発見!ところが、段々遠くなり、よく見ないうちに行ってしまいました。残念。

続いてカリガネのポイントに行きました。もうお馴染みの場所です。こちらもいることはいたのですが、遠い。それでも望遠鏡で餌をついばむカリガネの家族を見ることができました。

 

カリガネ

 

最後はもちろん、ガンのねぐら入りです。まずはコチョウゲンボウのねぐら入りを待ちます。いつの間にか現れ止まっていました。♂のようです。今度は、遠くから続々とガンの大群がやってきました。一体、どこにこんなにいたのかと思うくらいです。

場所を変え、さらにねぐら入りの観察です。頭上、そして目の前に次々にガンがやってきます!シジュウカラガンもたくさんいるようです。そして、何かがあったのか、一斉に舞い上がりました。ものすごい数です。上空を一周して、再び沼に舞い降りました。いつもながら、この何万羽というガンのねぐら入りは、本当に感動的です。

 

ツアー2日目

当然、ねぐら立ち観察です。蕪栗沼に行きました。シジュウカラガンの大群が水面見えます。そして、日の出の時刻に地響きを伴い数万羽のガンが飛び立っていきます。ある群れは北東に、またある群れは南東に、南西に…真上も通過し、ただただ「すごい!」の一言です。

シジュウカラガンとマガン

 

朝食後は、昨日、チラッとしか見られなかったハクガンを探しに行きましたが、残念ながら出会えず。再び蕪栗沼に。今度は散策路を歩き、ベニマシコ、ジョウビタキ、シメなどの小鳥類や亜種オオヒシクイやチュウヒを観察しました。

ベニマシコ(撮影:高後洋子様)

オオヒシクイ(撮影:森久美子様)

チュウヒ(撮影:森久美子様)

午後は南三陸でコクガンです。その前に東日本大震災で犠牲になった大川小学校へ立ち寄り、津波のおそろしさ、むごさを実感しました。そんな中、オオワシが真上を通過していきました。

震災直後は、港にたくさんの海藻が生え、コクガンが漁港にたくさん入りました。しかし、港の工事が終わった今は、昔のようにちょっと沖の養殖場にいることが多くなりました。それでも、一ヶ所の漁港で25羽以上のコクガンを比較的近くでじっくり観察することができました。オオワシやワシカモメの姿もありました。

コクガン(撮影:高後洋子様)

ツアー3日目

天気予報通り、朝から雨降りです。雨の中、最上川河口へハクチョウのねぐら立ちを見に行きました。こんな天気の時は、ハクチョウのねぐら立ちもゆっくりなので、日の出時刻を過ぎても飛び立ちません。その代わり、ゆっくりと観察できる利点はあります。ここのところの大雨で増水して中洲がなくなったためか、ハクチョウの数はかなり少なめです。コハクチョウがほとんどなので、亜種アメリカコハクチョウを探しました。それっぽい個体はいましたが、ちょっと黄色部が広めなので、合いの子のようです。

 

朝食後は、海岸沿いを回りました。ヒメウやハマシギなどを観察。その後、田んぼでミヤマガラス、そしてオオワシを見ることができました。柿の実にくるムクドリの群れやツグミなども見ました。レンジャクを期待したものの、残念ながら会えませんでした。

オオワシ(撮影:吉田徹様)

お昼を挟んで、今度は大山上池下池でカモの観察です。しかし、カモは例年よりかなり少なく、ちょっとがっかり。それでも、ここの名物、トモエガモはたくさん見ることができました。その他、ミコアイサ、カワアイサ、ハシビロガモなども見ました。オジロワシもいるはずですが、あちこち探しても見当たらず。

続いて、また海岸です。カモメ類はほとんどおらず、期待はずれな感じはありましたが、ウミウ、スズガモ、そしてシノリガモとウミアイサを楽しむことができました。

シノリガモ(撮影:吉田徹様)

帰り際、オオワシの近くに止まるオジロワシも見られましたし、柿の実のそばでは2羽のオオタカも見ることができました。

オジロワシ(撮影:吉田徹様)

ツアー4日目

最終日です。まずは沼でカモ類です。トモエガモを納得いくまで観察。マヒワ、アトリが上空を通過して行きました。

トモエガモ

今度はスペシャルメニューで、急きょ、鷹匠の家へ訪問し、鷹狩りに使うイヌワシ、クマタカなどをじっくり見せてもらい、目の前のワシとタカに大興奮!そして面白い鷹匠の体験話に思わず笑顔になりました。

 

最後は、初日のアオシギにまた挑戦しましたが、あいにく見ることはできませんでした。残念。

目標の120種には及びませんでしたが、初冬のみちのく宮城・山形の海から山までたくさんの鳥に出会うことができました。4日間、大変お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

クマゲラの棲む利尻の森と礼文島・サロベツ湿原【前編】

Report by 今堀魁人 / 2021年5月15日~19日

前日までの天気予報では半分以上が雨予報、そして風も強い予報でどんなツアーになるかとドキドキしながらのツアースタートとなりました。

初日は稚内空港で合流後、サロベツ湿原周辺でバードウォッチングです。まず最初に訪れたのは幌延ビジターセンター、通称「下サロベツ」と呼ばれる場所です。

 

ノビタキ
ノビタキ(オス)

木道を歩くとすぐに出会えたのは、北海道を代表する草原性の夏鳥の一種ノビタキです。営巣の準備をしているようで、オスメスがせわしなく飛び交っています。真っ黒で胸のオレンジ色が目立つオスのノビタキに、一気にテンションが上ります。何度もノビタキに足止めをされながらゆっくり歩いていくと、今後は林から美しい囀りが。ノゴマです。一瞬だけ美しい赤い喉を見せてくれましたがすぐにどこかへ行ってしまいました。また利尻、礼文で出会えることに期待です。

その後はレモンイエローのセキレイ、ツメナガセキレイも姿を現してくれました。最初はかなり遠い距離でしたが、帰り際には目の前の低灌木にとまり、しっかりと爪の長いところまで見せてくれたり、一瞬ですがメスも姿が見れたりと楽しませてくれました。

ツメナガセキレイ
姿を見せてくれたツメナガセキレイ

その後、初日の本命であるサロベツ湿原に向かいます。道中で見られた利尻島の景色は、天から光が差し込み幻想的な風景でした。

利尻島
幻想的な利尻島の風景

サロベツ湿原では、時期が少し早いですがシマアオジが一番の目玉、その他にもオオジシギやチュウヒの観察を狙います。木道を歩き探しますが、この日の気温が低かったせいか鳥の活性が低く、全く姿が見えません。やっと見られたノビタキを利尻島背景で観察します。

ノビタキ
ノビタキ(オス)

シマアオジも渡ってきていないようで観察できませんでしたが、木道が終わる直前に上空から「ジュ~ビヤク!ジュービャク!ブブブブブ!」の音が!オオジシギです。上空で2羽がディスプレイフライトを始めたようで、写真に撮るのは難しかったですが、素敵な求愛行動を観察できました。その後も目の前の湿原をV字飛行する姿が。

チュウヒ
チュウヒ(オス)

チュウヒのオスです。すぐに木の陰に消えていってしまいましたが、サロベツ湿原を代表する草原の鳥たちに出会うことができました。

 

2日目はあいにくの雨ですがフェリーに乗り、一路礼文島へ向かいます。途中の航路ではアカエリヒレアシシギの群れに何度も出会い、中にはハイイロヒレアシシギの綺麗な個体も混ざっていました。

アカエリヒレアシシギ・ハイイロヒレアシシギ
アカエリヒレアシシギとハイイロヒレアシシギ

観察中突如ぴょんぴょんと跳ねる生き物の姿が。写真を撮るとキタオットセイです。合計で15頭以上いたでしょうか。とても楽しませてくれました。

キタオットセイ
キタオットセイ

礼文島に到着後は北部で探していきます。あいにく島の上部は霧の中。海岸線を中心に探します。途中の海岸にはシノリガモやウミアイサが見られ、じっくりと観察することができました。

シノリガモ
シノリガモ

旧礼文空港にはガンの仲間、亜種オオヒシクイが4羽採餌しています。ここからどこまで渡っていくのでしょう。

北部の桜の名所へ行こうと向かう途中には、上空に大きなシルエットが。オジロワシかな?と双眼鏡を覗くと、この時期には珍しいオオワシの若鳥でした。この鳥がこの時期に見られるチャンスがあるのも、サハリンに近い礼文島ならではです。

オオワシ
オオワシの若鳥

その後は霧が濃く鳥が見えないため撤退、花の名所として特に有名な礼文島の高山植物を見るため高山植物センターへ。

カワラヒワ
カワラヒワ

花を見ていると、お客様から「あれヒメウ?」の声が。
ふと上を見ると、何故かマナヅルが飛んでいます。予期しない場所で予期しない鳥に出会ったため、全員が写真も撮ることができず、ただ呆然と眺めていました。

イワツバメ
道中にいたツバメ

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!