初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【後編】

Report by 戸塚学 / 2023年6月17日~22日

6月20日(火) 4日目

今日も天気はいいです!早めに朝食を食べて相泊港まで移動します。ここからはヒグマウォッチングツアーです。初めに見つけたヒグマは遠くてパス。2回目に見つけたクマは待っていると海岸まで出てくれたので撮影をすることができました。船長が「別のクマを探そう」と岬近くに行くと・・・一目7頭のヒグマです!そのうちの1頭が2頭のこどもを連れていたので9頭のヒグマを見渡すことができました。まずは親子を狙います。昆布の茂った海は光の関係で緑色に染まりとてもきれいなので意識して撮影をしてもらいます。

ヒグマ
ヒグマ
ヒグマの親子
ヒグマの親子

次は兄弟だと思うと船長が言う2頭のクマを狙います。大きな石をひっくり返すと「ごとん!」という音がこちらまで聞こえる近さはライブ感たっぷりです。その後も帰る途中にクマが出てくれるたびに船長が近づいてくれるのですが、午後の船の時間もあるので寄らずに戻ってもらいました。

下船後はすぐ羅臼港へ向けて移動します。途中港近くのコンビニでお弁当を買ってもらいギリギリで乗船ができました。岸近くはさほど波に翻弄されることが無かったのですが、沖に出ると結構なうねりが激しくシャチを狙うのに苦労しました。残念なのはこの日のシャチの群れはあまり船と遊んでくれないのでチャンスが少なかった。それでも初シャチのお客様は喜んでおられました。

シャチ
シャチ

残念なのはうねりが強いので予定より早めに終了となったので道の駅で買い物をしてもらいます。この夜もシマフクロウを狙ったのですが、残念ながら出ませんでした。シマフクロウがメインならば朝まで粘ってもいいのですが、他のスケジュールもあるので仕方がありません。

6月21日(水) 5日目

この日も快晴です!風も弱く絶好なコンディション。早めに並び全員で船の前の部分でスタンバイします。参加者のみなさんはわかっていないようなので、とにかく海からの風景を撮ってね!携帯で動画も撮ってね!と言います。じつはこのコンディションは年に数回しかないくらいなのです。船のガイドさんも「今月はこの風景は初めてです!」と言っています。さてこの日は海鳥たちが比較的多く、ハシボソミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、フルマカモメが船の近くを飛んで行きます。時折ずんぐりむっくりなウトウも見られました。

ハシボソミズナギドリ
ハシボソミズナギドリ
ずんぐりむっくりなウトウ
ずんぐりむっくりなウトウ
フルマカモメ
フルマカモメ

驚いたのはクロアシアホウドリが近くで撮影ができたこととアホウドリの幼鳥も近くで撮影できたのですが、少し遠目に発見したアホウドリの成鳥に寄ってもらいたかったのですが、シャチが遠くで出ているという事で船長はそちらを優先します。仕方がない、私たちのメンバーもやはりシャチは撮りたいはずだから。しかしシャチは日露中間線よりもロシア側で手も足も出せません・・・運が良ければアホウドリの成鳥のところに行くかなと期待したが、たぶん飛んで行ってしまったのか見つけられませんでした。

アホウドリ幼鳥
アホウドリ幼鳥
遠くにいたアホウドリ成鳥
遠くにいたアホウドリ成鳥

港に戻る間も生き物を探します。運よくイシイルカが出てくれたのでみなさん必死に撮影をされていました。下船後はお弁当を買っていただき知床峠でギンザンマシコを狙いますが・・・出ません。そのうち飽きてしまったようで「もう原生花園に移動したい」という要望も出ましたが「14時までがんばろう!」と説得しました。結局時間までにギンザンマシコは出ませんでしたが、ウソ、ビンズイは見ることができました。時間になったので原生花園に移動してノビタキ、ホオアカを撮っていただきホテルに向かいました。夕食はホテルについていないので今回の旅の成果に居酒屋で祝杯をあげました。

ノビタキ♂
ノビタキ♂
ノビタキ♀
ノビタキ♀

6月22日(木) 6日目

朝は朝食の関係で8時に出発します。小清水原生花園でノビタキ、ホオアカの撮影をしていただきながら放牧している馬や乱舞するエゾシロチョウ、動物ではありませんがエゾスカシユリやエゾキスゲ、ハマナスなどのお花を撮影していただきました。網走湖湖畔での野鳥撮影よりも風景を撮りたいというリクエストで空港に送迎するまでしっかりと風景撮影を楽しんでいただき無事解散となりました。5泊6日と長丁場ではありましたが、終わってみればあっという間でした。みなさまお疲れさまでした!

ホオアカ
ホオアカ

撮れた鳥
アホウドリ・クロアシアホウドリ・ハシボソミズナギドリ・フルマカモメ・アオサギ・タンチョウ・カッコウ・アマツバメ・オオジシギ・ミツユビカモメ・オオセグロカモメ・ウミネコ・ケイマフリ・ウトウ・エトピリカ・オジロワシ・ショウドウツバメ・シマセンニュウ・コヨシキリ・ノビタキ・ホオアカ・アオジ・オオジュリン・エゾシカ・キタキツネ・エゾヒグマ・ラッコ・シャチ・イシイルカ

見れた鳥・声を聞けた鳥
ヒドリガモ・マガモ・オナガガモ・キンクロハジロ・スズガモ・クロガモ・シノリガモ・ウミアイサ・カンムリカイツブリ・キジバト・アオバト・シロエリオオハム・カンムリウミスズメ・ウミウ・ヒメウ・ツツドリ・トビ・ハイタカ・ハシブトガラス・ハシボソガラス・ヒガラ・シジュウカラ・ヒバリ・ウグイス・エゾムシクイ・シマセンニュウ・エゾセンニュウ・コムクドリ・スズメ・ニュウナイスズメ・ハクセキレイ・ビンズイ・カワラヒワ・ベニマシコ・ウソ・ウソ

他の生き物
ヒグマ(撮)・ラッコ(撮)・エゾシカ(撮)キタキツネ(撮)・イシイルカ

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員