5月28日 1日目 雨
出発前日に先に現地入りしている五百澤氏から「ヤイロチョウが撮れたよ!」と連絡があったので良かったと思いながら成田空港・第三ターミナルに向かいます。今回はいい時間に釜山に到着する飛行機が無かったのでLCCを利用することになりました。少し心配をしましたが、自動チェックイン機の操作も悩むことなく無事完了しました。それにしても手続きがどんどん簡略されて、あっという間に出発ゲートまで来れてしまうのには驚きです。現地に到着すると現地コーディネーターの朴さんと五百澤氏が出迎えてくれ、早速2台の車に分乗してホテルへ向かいますが、その前に食事です。みなさん韓国料理=激辛と信じ込んでいたようですが、朴さんチョイスのメニューに美味しいを連発して、明日への英気を養いました。
5月29日 2日目 雨 (Big1 ヤイロチョウ)
朝5時に部屋の窓を開けるとカラアカハラ、ツツドリ、コウライウグイス、チョウセンウグイスの鳴き声が響く。天気は霧雨・・・さてヤイロチョウに出会えるかなと期待して6時に集合して車で移動です。現場では雨の中を探しますが見つからない。他に2か所を廻りますが鳴き声すら聞こえない。一旦食事にホテルへ戻り朝食です。驚いたのは朝からステーキ!朴さんもびっくりして写真を撮っていた(笑)。
朝食後は早朝に廻ったうちの1ヶ所、五百澤氏がヤイロチョウの写真を撮った場所に絞り込み待つ事にしました。鳴き声が聞こえ徐々に近づいて来ると時間差で出てはくれるものの、ほとんどは飛翔通過。枝どまりをしても一瞬で飛んでしまい撮影ができない!11時頃から鳴き声がしなくなったのでコウライウグイスを探すが近くで撮影はできなかった。
昼食後も同じ場所で狙うも急に大雨になったり、小雨になったり、止んだりでブルーになるがこの雨が小雨や止んだ瞬間に鳥たちが出てくれるのでそれを撮影する。ヤイロチョウ以外では一番人気はチゴモズ、次はコウライウグイスだった。他にもホトトギス、サンショウクイ、シジュウカラ、メジロ、コゲラ、ヤマゲラ、(アカショウビンは声のみ)を見られたのだがチゴモズ以外は遠くてストレスがたまった。17時、暗くなったので切り上げて終了。この日はサムゲタンで胃袋を満たし明日に期待をします。
5月30日 3日目 雨のち曇り (急遽追加された世界的珍鳥ヒガシシナアジサシ)
朝はいきなり土砂降り・・・沖縄近くでのんびりしている台風2号の影響で私たちのいる韓国南部近くにある梅雨前線が刺激をされているせいだ!あまりにもひどいので早朝は中断して朝食を食べてからのスタートに切り替えました。今日はホテルを移動するので、9時に荷物を車に詰め込み昨日と同じ場所へ。しかし・・・出ない。声もしない。本当は早朝が終わったらコウライバトのポイントへ移動予定だったのですがヤイロチョウに重点を置くためパスしたというのに・・・。10時頃ようやく私たちの前をヤイロチョウが飛翔していった。一瞬だがその姿で気合が入るも11時のタイムアップで終了となってしまった、残念だ。お昼はSAで各自好きなものを食べていただき、ヒガシシナアジサシのいる干潟へ向かいます。あと少しで到着というところで車の前をアカショウビンとブッポウソウが通過。見たのは私だけ・・・みなさんに見せてあげたかった!
干潟ではウミネコの中にヒガシシナアジサシがいないかを探すが見当たりません。遠くに採餌するミヤコドリの群れは確認できたけれど本命がいなくては。とりあえず時間までここに降り立ってくれることを祈って待つ事にする。
急にウミネコの群れが飛び始めたのでそれを双眼鏡で覗くと?おや1羽スレンダーな奴がいる。五百澤氏に伝えると「いた!ヒガシシナアジサシ」と叫ぶもあまりにも遠くに行ってしまって、海上ロスト。その後は結局見つけられなかった。ちなみに繁殖している場所はここから30~40キロ離れているという。そんな中、参加者の一人が波打ち際の白いサギの動きがカラシラサギっぽいんだけど。というので撮影するがあまりに遠くてよくわからない。私が干潟を歩いて行き「カラシラサギだったら両腕でまるを作って合図するね」と伝え歩き出すが・・・遠い。ようやく判別できる場所まで来るとやはりカラシラサギだった!すぐに合図をするとみなさん小走りに集まり何とか撮影ができましたが、驚いたのはむき出しなのに近くで撮影ができたこと。もう一つはきれいな夏羽+目先の色が婚姻色だったこと。日本では見られないので私も興奮してしまった。
時間になったのでこの干潟近くにある食堂で晩御飯を食べたのだが海鮮チヂミとサバの干物の旨い事こと!鳥はイマイチだが、食事はピカイチで・・・やばいがグルメツアーの色が濃くなってきている。
5月31日 4日目 晴れ (Big2 ワシミミズク)
朝食後、再び干潟へ向かうも潮が悪い!満ち潮で干潟がどんどん少なくなってきている。見渡すがヒガシシナアジサシは見当たらないが、カラシラサギが2羽で喧嘩をしているので近くで撮ろうと歩き出すと1羽を完全に追い出してしまった。しかし追い出した1羽がこちらに来るかもと待っていると反対側へ行ってしまう。なんとそこには参加者が一人だけ狙っている!きっといいのが撮れたに違いない!10分もするとこちらに向かってきたので離れていた参加者もこちらへ移動。カラシラサギはその倍の速度でどんどん近づいてくる。おかげで順光のきれいな海バックでみなさんしっかり撮影ができてほっとする。しかし本命のヒガシシナアジサシは現れなかった・・・。
一旦近くにある別の場所を探しに行くとこちらにもいなかった。昼食は昨晩と同じ食堂で超おいしいカルグクス(海鮮うどん)を食べて移動。その後は高速道路を使いワシミミズクのポイントへ行くと親鳥は不在でしたが、大きくなったヒナが2羽いました。
ここではカササギ、オナガ、ヒヨドリ、ブッポウソウが飛び回りすべてが繁殖をしていそうな雰囲気を出していた。もしかしてワシミミズクの近くで繁殖することでワシミミズクを用心棒にしているのかもしれない。後ろの田んぼで「ココココ」と声がするのでヒクイナかなと思っていたが、五百澤氏が「ヤツガシラがエサをくわえて飛んで行ったから巣があるかも?探してくる!」と行ってしまった。あとでヤツガシラってどんな鳴き声と聞いたら私たちがヒクイナだと思っていたあの声だったらしい。それにしても雲間から太陽が出ると蒸し暑くこれ以上粘ると熱中症になりそうなので北へ向かって移動を開始。ソウル方向で高速道路が帰宅渋滞にはまったこともホテルまでが長かった。
この記事を書いた人
戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員