初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年6月17日~22日

前半の根室地域では奇跡的な晴れが続き、後半も雨の予報が曇りになり結果的には1日中雨待機をすることなく、ほぼ予定通りに進めることができました。今年はシャチがものすごい当たり年で、2日ともたくさんの群れに当たり観察と撮影を楽しみました。昨年は繁殖をしていなかったシマフクロウも今年は繁殖をしてくれたおかげで2日とも観察と撮影ができました。

アマツバメ

 

初日 

中標津空港で飛行機の到着を待っていると突然の大雨が!すぐ止んではまた降るを数回繰り返しちょっぴり不安になる。時間通りみなさんが到着したので専用車に乗って霧多布岬を目指すと?どんどん空が明るくなり、到着をするとすでに青空が広がっています。下見の時はラッコたちが遠くて心配をしましたが、(以前ドローンで追いかけまわした輩がいて近くに来なくなってしまったとのことだった。)この日は南風が強かったせいもありラッコたちが崖下にいてくれて助かりました。子供も俯瞰なのでしっかりと確認できるし、撮影もできました!

ラッコ
オオセグロカモメ

根室の宿に向かう道中はタンチョウが見られる海岸沿いの牧場を流しながら探しますが、遠くに白い点で見られるペア以外には見つけることができませんでした、残念。宿に着いて周辺でオジロワシやタンチョウを探しますが見当たりません。それよりも困ったことが発生!あれほど霧多布岬では強風だったのにここは無風で温かい・・・となるとヌカカが大量にまとわりつきます。参加者のみなさんにはとにかく肌の露出を控えてもらうようにお願いしました。食後は美しい夕陽が沈むのを食堂の窓から眺めて終了となりました。そう、ヌカカがすごくて外に出られなかったのです。

 

2日目 

予定では有志だけで早朝5時から撮影を予定していましたが、宿のオーナーから「最近宿の近くにクマが出るから気をつけてね。」と言われたので急遽1時間遅くして6時からにしました。結構風が強く、今日のクルーズは中止にならないかを心配しながらの撮影になりました。電話がかかって来なければ催行なので胸の携帯が気になって仕方ありません。そんな私の思いと裏腹に意外と小鳥たちの出が良く、ノビタキ・カッコウ・ツツドリ・シマセンニュウ・コヨシキリが出てくれます。

ノビタキのペア

 

声はすれども姿の見えないエゾセンニュウとマキノセンニュウは相変わらず腹立たしい存在です。一つ悔しかったのがベニマシコのペアが出たのですが場所が悪い&遠かった!みなさんにはもっと近くで、もっとしっかり見ていただきたかったのだ。7時に食事をして8時45分の出発時間まで自由行動にしました。宿前でオジロワシのペアが近くを飛んでくれたり、エゾシカが風連湖を渡る姿も撮影ができました。

ベニマシコ
オジロワシ
エゾシカ

ドキドキだった落石クルーズは、風は強めですが予定通り満載での出航となりました。しかし波というか、うねりが結構あり撮影には厳しい状況です。できるだけ1/2000秒以上、AFフレームは中央+面で捉えるものに設定をしてもらいます。また波と波の間に鳥が入ってしまったら一旦AFを止めて再び姿が見えた時にAFでピントを合せて高速連写をするように伝えました。またシャッターを切る前から記録をできる機能があるカメラはその設定にしてもらいました。出航してすぐにウトウが出ますが、すぐ潜る!のが腹立たしい、もう少し波が穏やかならしっかりと撮れるのにとストレスが溜まります。

島に近づくとウトウと入れ替わるようにケイマフリが増えて来ます。波に翻弄されながらもみなさん必死に撮影します。赤い足が特徴なので飛び立つ時海面を走る姿を狙って~!叫ぶのが精いっぱい。あとはみなさんの腕に期待です。

ウトウ
ケイマフリ

 

そして後ろ姿で気がつかなかったが、波の上にぷかぷかと漂っている鳥がいた。ウトウとばかり思いこんでいたら・・・近づくとエトピリカの若鳥とわかり船上は大興奮!ミラーレス機ばかりなので音はしないのですが、みなさん相当シャッターを切ってるはずです。(笑)

エトピリカの若鳥

その後はエトピリカがよく見られるポイントで待っていますが見当たりません。そんな時遠くに白い物体が?双眼鏡で見ると見えない?揺れる船上でその周辺を双眼鏡でガン見していると再び波の上に白い物体!間違いなくエトピリカの成鳥です。船を向けようとすると飛び立ち、周囲を飛び回った後に着水しました。すぐにでも行きたい気持ちを抑えて、少し時間を置いてから向かうと、かなり近くまで寄ることができました。もう船上は静かなる炎が立ち上っているのが見えるくらいです(笑)

エトピリカ飛び立ち

そろそろみなさん十分撮影ができたでしょうと船長が船を方向転換させようとした時です。向こうから近づいてくれたのか?それとも引き波で寄せられたのか?かなり近くでまで寄ってきます。最後は水面を走り飛び立つところまで撮れました。いやぁ~良かった!その後はラッコの群れとアザラシを観察して、もう一つの目玉のチシマウガラスの繁殖場所へ。こちらは繁殖に影響が出るといけないので短時間だけでしたが、しっかりと撮影することができました!

ラッコ
チシマウガラス

下船後は食事に向かいましたが、意外にも私たちが来る前にお客さんが多く入ってしまったせいで注文から料理が出て来るまでに時間がかかってしまった。これは想定外でした。料理はおいしかったのですが、後のスケジュールを考えるとちょっとドキドキ。そのくせここは絶品のソフトクリームがあるのでそれは外せない。みなさんにも勧めると全員購入してしっかりと濃厚な味を堪能されていました。予定していた1ヵ所は下見ではあまり良くなかったので、時間をかけるのはどうかと考えパスしました。移動途中に途中タンチョウのペアがいい場所にいたので車から降りてしっかりと撮影してもらいました。

タンチョウのペア

野付半島に入る前にショウドウツバメのコロニーを見られるポイントで30分だけ撮影をしてもらいました。野付半島に入りますが時間的に小鳥はあまり姿が見られません。大型の生き物を探すことにします。野付半島のナラワラ近くでキタキツネの親子がいたので狙いましたが、手前の草が邪魔で難しい!時間も押してきたので先端部分に向けタンチョウを探しますが見当たりません・・・仕方がないのでエゾシカの群れを探しますが・・・これまた大きな群れが見当たらない。ふと海上方面から大きな鳥の群れが飛んできた?なんと7羽のタンチョウが私たちのいる場所の奥に降り立ちました。距離もあるので車から降りてセンダイハギの黄色のお花が入る場所へ移動して撮影をしてもらいました。そこから双眼鏡で見回してもやはりエゾシカの群れが確認できなかったため引き返すことにしました。途中コムクドリが水浴びや水飲みをするポイントで待つ事にしたのですが、電線にとまっていたコムクドリが水を飲まずに電線から林の中に消えて行ってしまった。ねぐら入りのようです。こうなったらもう一度キタキツネの親子のリベンジです。しかしなかなかいいシーンを撮ることができず終了となりました。

 

3日目 

5時にコンビニで朝食を買って野付半島へ向かいます。今回のメインは草原性の小鳥たち。下見では出まくりで簡単に撮れたコヨシキリが遠い!シマセンニュウとノビタキはしっかりと撮影もできた。カッコウは、声はすれども姿は見えず、こちらは残念。やはり早朝は定点をすると撮影がしやすい。

シマセンニュウ

その後、移動をしてキタキツネポイントに行きますが見つけられませんので先に向かいます。ナラワラに霧が出ているとアオサギがいるだけでも雰囲気のある写真が撮れるのに・・・見当たりません、残念。コムクドリの水場はやはり今年も漁師さんが網を洗うためにポンプ車を入れていて撮影ができなくなっていた、これまた残念。昨日タンチョウが7羽いた場所は1羽だけ。いつもはこの周辺のセンダイハギのお花畑にたむろしているエゾシカたちがいない。エゾシカたちを探しながら先端方向(竜神岬灯台)をゆっくりと生き物を探しながら進めると、エゾシカの親子がいたので車内から撮影をしてもらう。十分撮影ができたようなので竜神埼灯台の駐車場へ車を停める。ここのトイレが生きていればいいなぁと思って扉を開けると使えるようなのでトイレ休憩にしました。ここからは遊歩道を歩いて撮影です。まずここで見てもらいたかったのは10年以上使っていると思われるオジロワシの巣です。かなり遠いのにその存在感はハンパない!

その後少しずつ移動を繰り返しながら定点をすることにしました。タンチョウのペアやアオサギの群れを撮影しているとシマセンニュウ・ノビタキ・オオジュリン・オオジシギ・シマセンニュウも撮影できました。

エゾセンニュウ

移動をしてきたエゾシカの群れを撮っているとカッコウが3羽で喧嘩をしているのか?飛び回ってくれたおかげで飛翔姿を撮影することができました。その後はネイチャーセンターで30分休憩したのち生き物探しをして撮影を楽しみ、11時にコンビニでお弁当を買って尾岱沼へ向かいます。時間が早いので昨日のリベンジを兼ねてショウドウツバメを狙っていると?何かムシクイがいる?どうやら近くで巣を造っているようでヒナにエサをせっせと運んでいます。エゾムシクイかなぁと悩んでいる時にさえずってくれて一件落着。その後は案内所で各自お弁当を食べていただき13時からのクルーズを開始します。過去2回波が高くて中止になっていたため私自身も初体験です。期待はアビ類とカマイルカです。しかし天気はいいのですが、生き物が出ない。外洋に近づくとウトウやハシボソミズナギドリがちらほら出るくらい。どうにかこうにかミツユビカモメが飛翔しているのを見つけ撮影ができました。しかし外洋に出ても生き物が全然見つかりません。国後島近くまで(国境線)行きますが・・・ダメです。最後は野付半島に船をつけてお散歩時間を作ってくれましたが・・・。港に戻る時にようやく1頭のゴマフアザラシが出てくれたのが慰めか・・・。その後は羅臼を目指します。

ゴマフアザラシ

17時30分に食事をはじめ、19時にシマフクロウの撮影に出ます。参加者の2名は「今日はゆっくりしたい」という事でこの日は私を含め4名で現場に向かいました。20時過ぎにオスが鳴き出し期待が高まると30分後メスが来て3尾魚を食べてからヒナに与えるため1尾をくわえて飛び去りました。まだオスが来ていないので待っていると・・・来てくれたのですが、暗い場所に降りてオショロコマを捕らえると足に持って行ってしまいました。約30分後再びオスが来たのですがこれまた暗い場所でオショロコマを獲って飛び去ってしまいました。「参加者から撮れたから終わっていいよ」と言われたので1時間早い22時に終了となりました。

シマフクロウのメス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

立山のライチョウを撮る 【2024年4月編】

Report by 戸塚学 / 2024年4月22日~24日

今年は2月の気温が高く、3月の気温が低いという変な気候だったこともあり雪がどうなっているかが心配だった。感じとしては2週間ほど季節が進んだ感じで雪も緩く歩くのに苦労をすることになったが、ストックを携行していただいたおかげで事故やけがは防げたと思う。ライチョウの動きは気温のせいか非常に活発で喧嘩や飛ぶ姿を撮ることができみなさん大変満足をされていました。天気も初日のスタート時が霧になったほかは、比較的良い方に転びラッキーだった。最終日は1日雨の予報で、時々かなり激しく降るため7時に終了をしましたが、前日までにしっかりと撮影ができたことでみなさんからのクレームもありませんでした。

<1日目>

いつもは1~2日先入りして自分の取材をしてライチョウたちの動きを掌握しておくのですが、今年はスケジュールの関係で当日現場に入ることにしましたが、とんでもない状況に焦りました。10時に到着しましたが、乗れる時間が13時40分!室堂ターミナル到着が14時50分とギリギリで到着。おまけにターミナルは外人で溢れかえっています。これは想像以上の状況でした。すぐにカメラを出していただき、宿に向かう途中にライチョウが出れば撮ってもらうようにします。宿の少し前のハイマツ帯にカメラマンが3人ほどいたので「ライチョウがいるな」とわかったので霧の中メスの撮影をしてもらいます。あまりいい状況ではないのですが、初めて見る白いライチョウを撮りたいという想いをむげにはできません。

宿に入って館内の案内を済ませたあと、不要な荷物を部屋に置いてもらいすぐに撮影に出ます。宿の前にいたオスを狙っていると別のオスが飛んで来ていきなり追いかけっこが始まりました。それらを撮ってもらっていると取っ組み合いのけんかに発展!まさかこの時期にここまで激しい喧嘩をするとはびっくりです。

ライチョウの喧嘩
ライチョウの喧嘩

みなさんに撮影ができたか聞くと「しっかり撮れた!」との反応にほっとしました。その後もオスの撮影を楽しみました。一旦夕食を食べたのち、すぐに撮影に戻り日没まで撮影を楽しみました。夜は残念ながら霧が出てしまったので夜の撮影は中止になりました。

休息するライチョウ
休息するライチョウ

<2日目>

朝は5時30分からスタートです。天気は曇りですが、その分ライチョウたちの動きが良く朝飯前のひと撮影を楽しんでいただきました。7時過ぎに各自で朝食をとってもらい、9時から再びライチョウを探します。宿の前ばかりではつまらないので少し離れた場所へ行く事にします。途中の見晴らしがいい場所でみなさんに待機していただき、私だけがライチョウを探しに行きます。ライチョウがいればストックを大きく振る、いなければ戻るという事を伝えました。いつもライチョウが縄張りを持っているハイマツ帯に近づくとオスが鳴きながら飛び立ち、対岸のハイマツ帯に飛んだのを確認。落ち着いていたのでストックを振ってみなさんに合図を送りました。それを確認したようでこちらに向かって歩いて来るのが確認できました。

ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔

私はライチョウのとまっている場所へ向かい「さて、何処から撮影するのがいいかな?」と考えていると?何かがライチョウの奥を移動します。黒い小さなものと白いもの?が一瞬見えました。それらを見ていると白いものと黒いものが同一のものだとわかりました。それは「オコジョ」です!以前見た時はこの時期には茶色の夏毛だったのでまさか白い姿を見られるとは驚きです!みなさんの到着を待ちオコジョの出現を伝えました。とはいえ目の前に白いライチョウがいるのでオコジョも気になりますが、ライチョウも気になるという事っでみなさんは撮影をしていただき私はオコジョを探しましたがとうとう出ることはありませんでした。

 

もう1羽のオスが現れ飛んで行ってしまったのですが、向かいのハイマツ帯の中にメスを見つけたのでそれを撮ってもらいます。みなさんが撮影をしている間に私は別のライチョウを探しに行きますが・・・いなかったのでみなさんの元に戻り一緒にメスのお立ち台撮影をしました。

ライチョウお立ち台
ライチョウお立ち台

途中にカヤクグリの撮影をしていると上空をアマツバメとイワツバメが飛んで行きます。また移動をすることにします。昨日夕方ライチョウがいた場所へ探しに行きますが、ライチョウは見当たりませんがイワヒバリが飛んできたのでしっかりと撮影をしてもらいました。やはり雪が少なく植生が出ている場所が多いせいか、もうイワヒバリが出るとは!その後もウソの鳴き声と飛んで行く姿を確認しました。

イワヒバリをみつけた!
イワヒバリをみつけた!

少し早いですがみなさん結構疲れているので休憩と食事にしました。15時に宿を出てライチョウを探しますが、陽が出ているせいかライチョウの動きが良くありません。それでも16時30分を過ぎるころから急に動きが活発になり追いかけっこを3~4羽でやっていたりします。夕食時間ギリギリまで撮影を楽しみました。おいしい食事をゆっくりと楽しみたいのですが、やたらと元気なライチョウが出まくるし、天気も良く夕陽や夕焼けと絡んだライチョウの撮影が控えているのでそんなことを言ってる場合ではありません!

鳴くライチョウ
鳴くライチョウ

食事後はライチョウの群れや、夕陽と絡んだ撮影まで楽しむことができました!さてここで終わりではありません!20時に満月に近い月が立山の尾根から上がっているので、夜間撮影です。露出やフレーミングを変えながら月光に照らされる風景を撮影してもらいました。明日は雨予報なのでちょっとオーバー目なスケジュールになりましたがみなさん満足をされていたようです。

ライチョウと夕焼け
ライチョウと夕焼け
月夜の風景を撮影
月夜の風景を撮影

<3日目>

天気予報は雨ですが、ここは標高2400m。雪になる可能性も捨てられません。そこで6時に集合していただき雪なら食事を摂ってそのまま撮影に出ることに。雨ならば7時で終了という事にしていました。5時に目が覚めてしまったので、外に出るとしっかりと雨が降っている。気温も高くこれは絶対雪にはならないと判断したので、そそくさと温泉に入りに行きました。6時に集合してみなさんに食事後7時に終了することを伝えました。帰りの便が10時を過ぎるとインバウンド団体で込み合いターミナルで待たされる危険性もあるので、延泊の方と夜行バスで帰られる方を残して雨が小降りになった時を狙って帰っていただきました。最終日は残念でしたが、私も経験をしたことのない4月のツアーになりました。今まではこの時期のんびり、まったりとする姿がほとんどでしたのである意味ラッキーだっと思います。

まったりライチョウ
まったりライチョウ

撮れた鳥
ライチョウ・カヤクグリ・イワヒバリ
観られた鳥や獣
イワツバメ・アマツバメ・ウソ・白いオコジョ・ハシブトガラス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

渡り鳥の交差点・秋の与那国島【後編】

Report by 簗川堅治 / 2023年10月3日~6日

3日目。
台風は遠ざかり、風もだいぶ収まりました。朝食前は、また有志での探鳥です。宿付近の池へ行きました。セジロタヒバリが上空を通過。地鳴きのみでしたが、コムシクイを確認。
朝食後、調整池でクロハラアジサシ、アカアシシギなどを観察しました。
次の田んぼでは、全身が白いムシクイを発見しました。低いギンネムでしきりに餌をとっていました。どうやら白化個体のようですが、一声も鳴きませんので識別ができません。

白いムシクイ(撮影:山本様)
白いムシクイ(撮影:山本様)

今度は森林の鳥を求めて山道を歩きました。エゾビタキやオオルリを観察しました。

オオルリ♂幼鳥(撮影:簗川)
オオルリ♂幼鳥(撮影:簗川)

移動し、小さな牧場を見ようとしたら、けっこうな雨が降ってきて、一時雨宿りです。
雨も上がり牧場を見てみましたが、収穫なし。続いて観光兼ねて東崎へ。こちらも収穫なし。
昼食を挟み、珍チドリ類やオウチュウ類を探している最中にベニバト発見!しかし、すぐ飛ばれました。
一昨日見たヒメクイナの場所で、やっとじっくりヒメクイナを観察。

ヒメクイナ(撮影:山本様)
ヒメクイナ(撮影:山本様)

ムジセッカもまだいましたが、キタヤナギムシクイは出ず。
その後、アカハラダカを探しに行き、電線に止まっているのを発見したものの、気づくのが遅れて飛ばれました。
林沿いの道ではエゾセンニュウの声やきれいなシマアカモズの♂を観察しました。

シマアカモズ(撮影:山本様)
シマアカモズ(撮影:山本様)

集落の田んぼでセジロタヒバリを待っていたら、不明なヨシキリ類の声を確認しました。ヤブヨシキリやヌマヨシキリでしょうか?
最後は電線に止まるハイイロオウチュウにやっと出会うことができました。フライングキャッチを繰り返してました。

ハイイロオウチュウ(撮影:山本様)
ハイイロオウチュウ(撮影:山本様)

この日は早めに宿に戻りましたが、お一人が宿付近で探鳥したら、セジロタヒバリを撮影されてました。

セジロタヒバリ(撮影:山本様)
セジロタヒバリ(撮影:山本様)

 

4日目。
最終日です。
朝イチで昨日、セジロタヒバリが観察撮影された場所でセジロタヒバリ狙いです。
すると早速セジロタヒバリを確認!しかし、すぐ隠れてしまい、全員は見れませんでした。
朝食後、再挑戦です。ただ、解散まで実質1時間半程度しかありません。
結局、セジロタヒバリは出ませんでしたが、アカハラダカの小群、ハチクマ、ハヤブサが渡って行くのが見れました。
台風14号の影響が心配された中のツアーでしたが、結果的にはほとんど影響はなく、秋の与那国の渡り鳥にたくさん出会えました。参加者の皆さん、お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!