有明海から日本最大のツルの渡来地・出水へ

Report by 吉成才丈 / 2022年1月16日~20日

1日目:福岡空港~佐賀~東よか干潟

集合地の福岡空港の外は雨…。
でも皆さんが集合して出発するころには晴れ間も見えはじめ、幸先良いスタートとなりました。
まずは佐賀市内のため池から探鳥をスタートすると、トモエガモやカワセミ、ジョウビタキなどが出現。その後は東与賀干潟に向かいましたが、干潟の直前でカササギに遭遇。佐賀では目撃する機会が減っているカササギだけに、じっくり撮影もして頂きました。

カササギ
カササギ

そして東与賀干潟では、潮が引いている時の干潟を見て頂きました。干潟というと、潮が引いている時に鳥を見る印象があるかもしれませんが、水際の汀線がどこにあるか分からいほど広大な干潟が広がっており、シギ・チドリ類やヘラサギ類ははるか彼方…。実はこの周辺は満潮時と干潮時の干満差がとても大きく、最大で6mにもなる日があるのです。この日は下見を兼ねて干潮時の様子をみて頂き、明日の満潮時の状況を想像して頂きました。

東与賀干潟
東与賀干潟

2日目:佐賀~東よか干潟~諫早干拓地~諫早

さあ、今日は東与賀干潟観察の本番です。満潮間近の干潟に着くと、昨日とは打って変わって鳥が近くにいます。この冬は12羽も飛来しているソリハシセイタカシギ、2000羽を超えるツクシガモなどをご覧頂き、ヘラシギやクロツラヘラサギ、ズグロカモメ、ダイシャクシギ、ツルシギなどを1種ずつ確認していきました。

ソリハシセイタカシギ(森久美子様撮影)
ソリハシセイタカシギ(森久美子様撮影)
ヘラサギ(森久美子様撮影)
ヘラサギ(森久美子様撮影)
ツルシギ(森久美子様撮影)
ツルシギ(森久美子様撮影)

すると、いきなりシギ・チドリの大きな群れが、ひとつの生き物のようにうねりながら飛翔しはじめました。その群れはいくつもあり、個体が反転するたびに暗色(背面)と白(腹面)の塊に色が切り替わる様子が観察できました。これだけの数のシギ・チドリが見られる干潟は少なく、日本一とも呼ばれる東与賀干潟の野鳥を堪能できました。

シギ・チドリの群れの飛翔
シギ・チドリの群れの飛翔

この日の午後には諫早の干拓地に移動し、まずはリクエストの多かったタゲリをじっくり撮影して頂きました。耕作地ではホオアカなどもご覧頂き、ヨシ原ではハイイロチュウヒやチュウヒ、コチョウゲンボウなどを狙いました。ハイイロチュウヒのオスは個体数も少なくワンチャンスでしたが、メスタイプは個体数も多く、皆さんもかなり撮影できたと思います。

ハイイロチュウヒのオス(森久美子様撮影)
ハイイロチュウヒのオス(森久美子様撮影)
ハイイロチュウヒのメスタイプ(森久美子様撮影)
ハイイロチュウヒのメスタイプ(森久美子様撮影)
チュウヒ(森久美子様撮影)
チュウヒ(森久美子様撮影)

3日目:諫早~諫早干拓地~熊本~出水

この日の朝には再び干拓地を訪れ、島原発昼頃のフェリーで熊本に渡りました。この航路はたった1時間なのですが、鳥の観察もおもしろいのです。フェリーにはユリカモメやウミネコがついてきますので、雲仙と一緒にスマホでもパチリ!

ユリカモメと雲仙岳
ユリカモメと雲仙岳

海上ではカツオドリも飛翔していますが、岸近くの堤防にはたくさんのカツオドリが休んでいました。その数なんと、200羽以上!

カツオドリ
カツオドリ

そして夕方には、いよいよツルの待つ出水に到着です。今期のツルは5種の飛来が確認されていますが、個体数の少ないツルは1種でも今日中に見ておきたいところです。するとまず、道路のすぐ近くにカナダヅルを発見。皆さん初めての出会いなので真剣に撮影していましたが、ふと目線を遠くにやるとクロヅルも発見。ちょっと写真には遠すぎましたが、車の進行方向に視線を戻すと、9年ぶりに飛来したというソデグロヅルまで見つかってしまいました。カナダヅルやクロヅルは一桁、ソデグロヅルに至ってはたったの1羽しか飛来していないため、ほっと一安心です。ちなみに、個体数のもっとも多いナベヅルは10,000羽以上、マナヅルは1,000羽以上が飛来しているようです。

カナダヅル(森久美子様撮影)
カナダヅル(森久美子様撮影)
ソデグロヅル(森久美子様撮影)
ソデグロヅル(森久美子様撮影)

4日目:出水(出水干拓地)

この日の朝は快晴。運よく月も出ており、まずは月とツルを撮影できました。

月とツル
月とツル

一方、快晴なので朝焼けは短かったですが、朝焼けをバックにツルも少し飛んでくれました。

朝日とツル
朝日とツル

午前中はツルの撮影や周辺の湿地を観察し、午後は少し山の方に遠征してみました。山ではオシドリやシロハラ、カケスなどが観察できました。
夕方には再び出水の干拓地に戻り、ムクドリの仲間やニュウナイスズメなどを求めて周辺を散策しました。ニュウナイスズメは日中は姿が見えないのに、夕方には300羽ほどが集団で観察されました。

カラムクドリ
カラムクドリ
ニュウナイスズメ
ニュウナイスズメ
コクマルガラス
コクマルガラス

5日目:出水~熊本空港

朝は晴れましたが雲も多く、朝焼けの状況は毎日異なりますね。この日は朝の飛翔を見た後にホテルに戻り、朝食後にチェックアウト。わずかな残り時間をツルを見て過ごし、帰路につきました。

撮影をされた方はツルをはじめ、たくさんの種が撮れたと思います。冬の九州は、東与賀でも出水でも10,000羽を超える野鳥が観察できるので、初心者にも最適な探鳥地だと思います。今回は天候にも恵まれ、5日間で102種を記録することができました。冬の九州は楽しいですね!
(観察種数102種)

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【後編】

Report by 戸塚学 / 2022年1月10日~13日

エゾフクロウ

3日目 曇り~雪~雨~晴れ~曇り

夜中に何回か「ズザァー」という音が外から聞こえ、ずいぶん風が吹いているなぁと思ったのですが、それは風ではなく屋根から雪が落ちる音でした。朝、外を見るとものすごい風と時折雪が降っていました。早朝の撮影は中止にしておいて正解です。朝食を食べたあと撮影に出る予定でしたが、霙が雨に変わったのでお昼まで待機にしました。その間に1時間ほど撮影の講座を開きました。その途中に青空が広がったのですが、まだ道路の除雪も終わっていないようだし、宿のオーナーも除雪で大変そうなので、歩いてゆこうかと考えましたが、結構な距離もあるので安全第一で待機を続行しました。お昼ご飯を済ませたあと、雪も止んでいるので宿のオーナーにエゾフクロウのポイントへ連れて行ってもらいました。道路状況もあるので私が一人で歩いて下見に行き、フクロウを確認できたので宿のオーナーに電話をして参加者の皆さんを連れてきていただきました。本当は1時間ほど時間をとりたかったのですが、諸事情があり30分の撮影でしたが、みなさん堪能できたようです。その後はまだ時間もあるのでタンチョウの撮影をはじめました。到着してすぐは薄日もさし新雪の上のタンチョウはとても美しかったのですが、徐々に暗くなり16時で終了しました。
それにしても鶴居村は比較的穏やかですが、他の地域はかなり被害が出ているようで半日でも撮影ができたことだけでもラッキーだったと思います。

 

タンチョウ
タンチョウ

 

最終日 晴れ

一か八かで晴れてなくても大荒れでなければ撮影に出ると宿のオーナーと打ち合わせをしておいたので6時に出発。空にはまだ星が煌めいている!東の空に雲があるが何とかなりそうだ。しかし気温は-3度くらいで暖かいので霧氷はあきらめなければいけないが、晴れているだけでありがたい。現地に着くとまだ薄暗く先客は0!インバウンドがあった頃を考えれば信じられない。

 

タンチョウのねぐら

霧氷はないが空はほどほどにいい色になり時折マガモが群れで飛び去る。雪裡川の奥にタンチョウの群れが確認できるようになると色づいた川をオオハクチョウが泳ぐ姿を確認できた、南西の空に浮かぶ雲がピンクに染まるが・・・主役がいないのが悔しい。空の色が抜けるころ太陽が昇り、気温が下がりだし手の指先が痛み出すがみなさん必死に撮影を夢中でされていた。8時にお迎えが来たので朝食。予想外の晴れにみなさんうきうきしている雰囲気が伝わってきました。9時にタンチョウの撮影に出ると昨日積もった雪が眩しく美しい。飛翔や鳴き交わしを狙うのですが、ダンスはどうしても群れの奥で・・・難しい!11時30分にお迎えのジャンボタクシーが来たので乗り込み、一旦ホテルに寄り、預けてあった荷物を引き取り無事空港で解散しました。

4日間も私たちの送迎をしていただいたHOTEL TAITOのオーナー和田さんやスタッフのみなさまには感謝感謝です。

 

タンチョウ

撮れた鳥
タンチョウ・エゾフクロウ・オオハクチョウ・シロハラゴジュウカラ・ハシブトガラ
観られた鳥や獣
オオワシ・オジロワシ・コゲラ・アカゲラ・セグロセキレイ・シジュウカラ・ヒヨドリ・イカルチドリ・ヤマセミ・ハシボソガラス・ハシブトガラス
哺乳類:エゾシカ

 


 

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【前編】

Report by 戸塚学 / 2022年1月10日~13日

タンチョウ

初日 快晴

天気予報を見ながらドキドキしたが、釧路地方は快晴。今回は愛知県から来ている方が先入りしているのでとまっている宿に2名をピックアップしたのち本日から泊まる宿へ。撮影機材以外の荷物を預かっていただき、伊藤・タンチョウサンクチュアリーへ。天気がいいので存分に撮影を堪能してもらうべく、食事は撮影しながら食べられるようにコンビニで買っていただいた。現地ではどのポイントがいいかの説明をしてあとは自由に撮影をしてもらう。カメラの設定やわからないことがあれば私がうろうろしていて声をかけながらカメラの設定や風を見ながら飛翔を狙うアドバイスをしました。ダンスが撮りたいというリクエストがあったのですが、残念ながらまだ少し時期早いのであとは運に任せるしかないと説明をする。

 

タンチョウの求愛ダンス
タンチョウ
タンチョウ

 

夕鶴を狙うポイントへ早めに移動することにする。理由は最近早い時間にねぐらへ移動するタンチョウがいるということで、夕日までの間はここで青空をバックに飛ぶタンチョウを待つ事に。飛んで来る数とコースもあるので難しいのだが、それでも何とかみなさん撮れたようだ。太陽が沈む林に薄い雲がかかっていないので夕焼けに染まるシルエットの撮影はダメかな?と思えたが、意外にも北側の雲が、それなりに色が付いてくれたので夕焼けチックな撮影ができてラッキーでした。空の色が抜けた17時お迎えの車で宿へ移動。宿は鶴居村で長年タンチョウを撮り続けているプロカメラマンの和田正宏氏の宿で温泉と食事は絶品。みなさんとても喜んでいただけました。

ねぐらへ帰るタンチョウ
ねぐらへ帰るタンチョウ

 

2日目 快晴~くもり~雪

朝は晴れたので6時に出発。タンチョウのねぐらの撮影をしました。刻々と空と川辺の木々の枝に着いた霧氷が色を変えて行く中、かなり遠くにタンチョウの群れを見ることができた。みなさんには今回特別なねぐらの撮影方法をしてもらいました。と、その時大きな鳥が川面に突っ込んだかと思ったら、舞い上がった!オジロワシだ。シャケの死体を狙ったのだろうか?しばらくすると「キャラキャラ」とどこかで聞いた声の中型の鳥が飛んできた?なんとヤマセミた!しばらく橋の上のカメラマンの周囲を飛んだのち下流に消えていった。その後また大型の鳥が出たので観ると今度はオオワシだ!タンチョウのスローシャッターの撮影をしていたせいで慌てて撮影したら、ブレブレだった。まさに二兎追うものは一兎も得ずもだ。

 

タンチョウのねぐら
タンチョウ

 

その後はこちらに向かって飛んで来るタンチョウを狙ってもらうべくカメラの設定を変更してもらう。そしていきなりこちらに向かって飛んできた大型の鳥はタンチョウではなくオオハクチョウだった。8時に迎えの車が来る頃にはみなさん寒さにやられていたようで、ちなみにマイナス20度を下回っていました。9時には出発したかったので朝食を美味しくいただくというより「かっ込む」がふさわしい状況。今日もコンビニで昼食を買っていただき撮影に専念してもらう。太陽は天気予報通り10時には雲から光が漏れる状態になり、12時を過ぎたころには完全に隠れてしまった。14時30分に夕日のポイントで小鳥を狙う予定でしたが、みなさん疲れ果ててしまったようでここで終了して宿へ戻ることになりました。宿に戻り1時間もしないうちに雪が降りはじめました。

 

オオハクチョウ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋深まる野付半島から十勝平野へ
~ハクガン・コクガンの群れとナキウサギ~【前編】

Report by 今堀魁人 / 2021年10月26日~30日

ツアー初日はあいにくの曇り空ですが、穏やかな風のなかスタートです。集合が予定よりも早くできたため、余った時間で最初に中標津の公園を歩き、現在人気爆発中のシマエナガを探します。落ち葉を踏みしめ、秋を感じながらの散策となりましたが、残念ながらこの時に会うことはできませんでした。

 

気を取り直して野付半島に移動です。今回のツアー最大の目的であるガン類を探します。野付半島は天然記念物にも指定されているコクガンの渡りの中継地として有名で、最大で一度に5000羽前後が見られることもあります。野付湾を見ていると、黒く少し大きめな鳥が何羽も浮いています!車を停め、観察してみると早速目的のコクガンです。距離は遠いですが、ざっと見ただけで周囲に1000羽を超す群れが確認できました。

コクガンの群れ

観察後さらに進んでいくと、ハクチョウが近場に浮いています。今回2種目のガンとなるかなと観察すると、オオハクチョウの群れの中に2羽だけ少し小さく嘴の黄色い模様が丸い個体がいました。コハクチョウです。今回3種目のガン類です。

コクガンと採餌するオオハクチョウ
コハクチョウ

さらに進むと海岸線には冬鳥であるシロカモメがいます。北海道で普通種であるオオセグロカモメとの違いもはっきりと分かり、その大きさもわかって頂けたでしょうか。

シロカモメ

帰り際にはキタキツネやメスシカを追いかけるオスシカも見られ、野付半島を満喫しながら根室へ向かいました。

キタキツネ
メスシカを追いかけるオスシカ

2日目は風蓮湖畔の宿レイクサンセットからスタートです。すぐそばの春国岱に行くと、遠くにタンチョウのペアやオナガガモの群れを観察できました。ここから車で鶴居村へ向かいます。道中少し寄り道をすると、エゾフクロウに出会えました。お昼ごはん中には突如上空をハイタカが旋回し、ゆっくりと姿を見せてくれましたが、この時期はごはん中でも油断禁物と気を引き締めます。

ハイタカ

午後からは鶴居村でタンチョウを観察します。紅葉は最終盤ですが、カラマツの黃葉がまだ残っており、とてもきれいでした!

タンチョウ
タンチョウの飛翔

最後にはペアがダンスもしてくれ、最高のシーンでした。
美しいタンチョウに後ろ髪を引かれながら、十勝へと向かいました。

タンチョウのダンス

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!

初夏の石垣島でツルクイナ、オリイヤマガラに挑戦【前編】

Report by 簗川堅治 / 2021年6月4日~6日

 

梅雨真っただ中の石垣島で、観察難易度が極めて高いツルクイナに挑戦するコアなツアーです。そして、もうひとつ、ヤマガラの亜種オリイヤマガラも石垣島では観察難易度が高いのですが、これにも挑戦!

 

天気予報ではツアー開始頃から雨でしたが、実際には曇りで経過しました。ただ、於茂登岳は雨雲がかかっていたため、この日の(オリイ)ヤマガラ挑戦は諦めました。

まずは空港そばの海岸に行きました。アジサシ狙いでしたが、黒いクロサギがいたくらいでした。その他、南西諸島ならではの(イシガキ)ヒヨドリ、(オサ)ハシブトガラス、(リュウキュウ)メジロなどを観察しました。地元では「ユーナ」と呼ばれるビーチハイビスカスがきれいでした。

続いてお馴染みのカタグロトビです。「いたっ!」と思ったら、すぐ林陰に入ってしまい、それっきりでしたが、シロハラクイナやシロガシラを観察しました。シロハラクイナはどこにでもいて、ちょくちょく目の前には出てきますが、撮影となるとなかなか難しく、厄介な南西諸島の鳥です。

リュウキュウコノハズク(撮影:大塚敦雄さま)

今度は森へ。早速、2ヶ所でのリュウキュウコノハズクと(リュウキュウ)アオバズクを観察しました。夜とはひと味違う印象です。(リュウキュウ)アカショウビンの声もします。その後は、また海岸へ出て、白いクロサギ2羽とシロチドリ2羽を観察しました。白いクロサギも南西諸島ならではです。

クロサギ白色型(撮影:荒井隆之さま)

また森林へ移動し、待つことしばし。来ました!(リュウキュウ)アカショウビンです。すぐそばで餌を探しています。燃えるような赤い色、そして(リュウキュウ)アカショウビンの特徴の体上面の紫色がとてもきれいです。みなさん、夢中でシャッターを切っています。その後は一部の人のみでしたが、カンムリワシ、オオクイナも観察できました。

(リュウキュウ)アカショウビン(撮影:大塚敦雄さま)

夕方になり、いよいよツルクイナに挑戦です。とあるポイントで、ひたすらじっと待ちます。シロハラクイナや(リュウキュウ)アカショウビン、シロガシラなどが鳴いています。カルガモや(オサ)ハシブトガラスが飛ぶ度に、一瞬、ドキッとします。そして、待機してから約40分、飛んできました、ツルクイナです!それもずいぶんと高い所をゆっくりと飛んで、こちらに向かってきました!これはラッキー!♂の赤い額板がわかるほど、よく見えました。残念ながカメラを構えた頃には後ろ姿でしたが、それでも初日であっさりと目標達成です!

ムラサキサギ(撮影:荒井隆之さま)

気分よくホテルへ向かう途中では、これまた時期的になかなか見られないキンバトとムラサキサギのきれいな姿を見ることができ、上出来な初日となりました。

 

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!