初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年6月17日~22日

前半の根室地域では奇跡的な晴れが続き、後半も雨の予報が曇りになり結果的には1日中雨待機をすることなく、ほぼ予定通りに進めることができました。今年はシャチがものすごい当たり年で、2日ともたくさんの群れに当たり観察と撮影を楽しみました。昨年は繁殖をしていなかったシマフクロウも今年は繁殖をしてくれたおかげで2日とも観察と撮影ができました。

アマツバメ

 

初日 

中標津空港で飛行機の到着を待っていると突然の大雨が!すぐ止んではまた降るを数回繰り返しちょっぴり不安になる。時間通りみなさんが到着したので専用車に乗って霧多布岬を目指すと?どんどん空が明るくなり、到着をするとすでに青空が広がっています。下見の時はラッコたちが遠くて心配をしましたが、(以前ドローンで追いかけまわした輩がいて近くに来なくなってしまったとのことだった。)この日は南風が強かったせいもありラッコたちが崖下にいてくれて助かりました。子供も俯瞰なのでしっかりと確認できるし、撮影もできました!

ラッコ
オオセグロカモメ

根室の宿に向かう道中はタンチョウが見られる海岸沿いの牧場を流しながら探しますが、遠くに白い点で見られるペア以外には見つけることができませんでした、残念。宿に着いて周辺でオジロワシやタンチョウを探しますが見当たりません。それよりも困ったことが発生!あれほど霧多布岬では強風だったのにここは無風で温かい・・・となるとヌカカが大量にまとわりつきます。参加者のみなさんにはとにかく肌の露出を控えてもらうようにお願いしました。食後は美しい夕陽が沈むのを食堂の窓から眺めて終了となりました。そう、ヌカカがすごくて外に出られなかったのです。

 

2日目 

予定では有志だけで早朝5時から撮影を予定していましたが、宿のオーナーから「最近宿の近くにクマが出るから気をつけてね。」と言われたので急遽1時間遅くして6時からにしました。結構風が強く、今日のクルーズは中止にならないかを心配しながらの撮影になりました。電話がかかって来なければ催行なので胸の携帯が気になって仕方ありません。そんな私の思いと裏腹に意外と小鳥たちの出が良く、ノビタキ・カッコウ・ツツドリ・シマセンニュウ・コヨシキリが出てくれます。

ノビタキのペア

 

声はすれども姿の見えないエゾセンニュウとマキノセンニュウは相変わらず腹立たしい存在です。一つ悔しかったのがベニマシコのペアが出たのですが場所が悪い&遠かった!みなさんにはもっと近くで、もっとしっかり見ていただきたかったのだ。7時に食事をして8時45分の出発時間まで自由行動にしました。宿前でオジロワシのペアが近くを飛んでくれたり、エゾシカが風連湖を渡る姿も撮影ができました。

ベニマシコ
オジロワシ
エゾシカ

ドキドキだった落石クルーズは、風は強めですが予定通り満載での出航となりました。しかし波というか、うねりが結構あり撮影には厳しい状況です。できるだけ1/2000秒以上、AFフレームは中央+面で捉えるものに設定をしてもらいます。また波と波の間に鳥が入ってしまったら一旦AFを止めて再び姿が見えた時にAFでピントを合せて高速連写をするように伝えました。またシャッターを切る前から記録をできる機能があるカメラはその設定にしてもらいました。出航してすぐにウトウが出ますが、すぐ潜る!のが腹立たしい、もう少し波が穏やかならしっかりと撮れるのにとストレスが溜まります。

島に近づくとウトウと入れ替わるようにケイマフリが増えて来ます。波に翻弄されながらもみなさん必死に撮影します。赤い足が特徴なので飛び立つ時海面を走る姿を狙って~!叫ぶのが精いっぱい。あとはみなさんの腕に期待です。

ウトウ
ケイマフリ

 

そして後ろ姿で気がつかなかったが、波の上にぷかぷかと漂っている鳥がいた。ウトウとばかり思いこんでいたら・・・近づくとエトピリカの若鳥とわかり船上は大興奮!ミラーレス機ばかりなので音はしないのですが、みなさん相当シャッターを切ってるはずです。(笑)

エトピリカの若鳥

その後はエトピリカがよく見られるポイントで待っていますが見当たりません。そんな時遠くに白い物体が?双眼鏡で見ると見えない?揺れる船上でその周辺を双眼鏡でガン見していると再び波の上に白い物体!間違いなくエトピリカの成鳥です。船を向けようとすると飛び立ち、周囲を飛び回った後に着水しました。すぐにでも行きたい気持ちを抑えて、少し時間を置いてから向かうと、かなり近くまで寄ることができました。もう船上は静かなる炎が立ち上っているのが見えるくらいです(笑)

エトピリカ飛び立ち

そろそろみなさん十分撮影ができたでしょうと船長が船を方向転換させようとした時です。向こうから近づいてくれたのか?それとも引き波で寄せられたのか?かなり近くでまで寄ってきます。最後は水面を走り飛び立つところまで撮れました。いやぁ~良かった!その後はラッコの群れとアザラシを観察して、もう一つの目玉のチシマウガラスの繁殖場所へ。こちらは繁殖に影響が出るといけないので短時間だけでしたが、しっかりと撮影することができました!

ラッコ
チシマウガラス

下船後は食事に向かいましたが、意外にも私たちが来る前にお客さんが多く入ってしまったせいで注文から料理が出て来るまでに時間がかかってしまった。これは想定外でした。料理はおいしかったのですが、後のスケジュールを考えるとちょっとドキドキ。そのくせここは絶品のソフトクリームがあるのでそれは外せない。みなさんにも勧めると全員購入してしっかりと濃厚な味を堪能されていました。予定していた1ヵ所は下見ではあまり良くなかったので、時間をかけるのはどうかと考えパスしました。移動途中に途中タンチョウのペアがいい場所にいたので車から降りてしっかりと撮影してもらいました。

タンチョウのペア

野付半島に入る前にショウドウツバメのコロニーを見られるポイントで30分だけ撮影をしてもらいました。野付半島に入りますが時間的に小鳥はあまり姿が見られません。大型の生き物を探すことにします。野付半島のナラワラ近くでキタキツネの親子がいたので狙いましたが、手前の草が邪魔で難しい!時間も押してきたので先端部分に向けタンチョウを探しますが見当たりません・・・仕方がないのでエゾシカの群れを探しますが・・・これまた大きな群れが見当たらない。ふと海上方面から大きな鳥の群れが飛んできた?なんと7羽のタンチョウが私たちのいる場所の奥に降り立ちました。距離もあるので車から降りてセンダイハギの黄色のお花が入る場所へ移動して撮影をしてもらいました。そこから双眼鏡で見回してもやはりエゾシカの群れが確認できなかったため引き返すことにしました。途中コムクドリが水浴びや水飲みをするポイントで待つ事にしたのですが、電線にとまっていたコムクドリが水を飲まずに電線から林の中に消えて行ってしまった。ねぐら入りのようです。こうなったらもう一度キタキツネの親子のリベンジです。しかしなかなかいいシーンを撮ることができず終了となりました。

 

3日目 

5時にコンビニで朝食を買って野付半島へ向かいます。今回のメインは草原性の小鳥たち。下見では出まくりで簡単に撮れたコヨシキリが遠い!シマセンニュウとノビタキはしっかりと撮影もできた。カッコウは、声はすれども姿は見えず、こちらは残念。やはり早朝は定点をすると撮影がしやすい。

シマセンニュウ

その後、移動をしてキタキツネポイントに行きますが見つけられませんので先に向かいます。ナラワラに霧が出ているとアオサギがいるだけでも雰囲気のある写真が撮れるのに・・・見当たりません、残念。コムクドリの水場はやはり今年も漁師さんが網を洗うためにポンプ車を入れていて撮影ができなくなっていた、これまた残念。昨日タンチョウが7羽いた場所は1羽だけ。いつもはこの周辺のセンダイハギのお花畑にたむろしているエゾシカたちがいない。エゾシカたちを探しながら先端方向(竜神岬灯台)をゆっくりと生き物を探しながら進めると、エゾシカの親子がいたので車内から撮影をしてもらう。十分撮影ができたようなので竜神埼灯台の駐車場へ車を停める。ここのトイレが生きていればいいなぁと思って扉を開けると使えるようなのでトイレ休憩にしました。ここからは遊歩道を歩いて撮影です。まずここで見てもらいたかったのは10年以上使っていると思われるオジロワシの巣です。かなり遠いのにその存在感はハンパない!

その後少しずつ移動を繰り返しながら定点をすることにしました。タンチョウのペアやアオサギの群れを撮影しているとシマセンニュウ・ノビタキ・オオジュリン・オオジシギ・シマセンニュウも撮影できました。

エゾセンニュウ

移動をしてきたエゾシカの群れを撮っているとカッコウが3羽で喧嘩をしているのか?飛び回ってくれたおかげで飛翔姿を撮影することができました。その後はネイチャーセンターで30分休憩したのち生き物探しをして撮影を楽しみ、11時にコンビニでお弁当を買って尾岱沼へ向かいます。時間が早いので昨日のリベンジを兼ねてショウドウツバメを狙っていると?何かムシクイがいる?どうやら近くで巣を造っているようでヒナにエサをせっせと運んでいます。エゾムシクイかなぁと悩んでいる時にさえずってくれて一件落着。その後は案内所で各自お弁当を食べていただき13時からのクルーズを開始します。過去2回波が高くて中止になっていたため私自身も初体験です。期待はアビ類とカマイルカです。しかし天気はいいのですが、生き物が出ない。外洋に近づくとウトウやハシボソミズナギドリがちらほら出るくらい。どうにかこうにかミツユビカモメが飛翔しているのを見つけ撮影ができました。しかし外洋に出ても生き物が全然見つかりません。国後島近くまで(国境線)行きますが・・・ダメです。最後は野付半島に船をつけてお散歩時間を作ってくれましたが・・・。港に戻る時にようやく1頭のゴマフアザラシが出てくれたのが慰めか・・・。その後は羅臼を目指します。

ゴマフアザラシ

17時30分に食事をはじめ、19時にシマフクロウの撮影に出ます。参加者の2名は「今日はゆっくりしたい」という事でこの日は私を含め4名で現場に向かいました。20時過ぎにオスが鳴き出し期待が高まると30分後メスが来て3尾魚を食べてからヒナに与えるため1尾をくわえて飛び去りました。まだオスが来ていないので待っていると・・・来てくれたのですが、暗い場所に降りてオショロコマを捕らえると足に持って行ってしまいました。約30分後再びオスが来たのですがこれまた暗い場所でオショロコマを獲って飛び去ってしまいました。「参加者から撮れたから終わっていいよ」と言われたので1時間早い22時に終了となりました。

シマフクロウのメス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

根室海峡のシャチ・ミズナギドリと大雪山のギンザンマシコ

Report by 今堀魁人 / 2024年6月14日~19日

1日目

14時半頃に中標津空港で集合しツアースタートです。初日は最初に野付半島へ行きました。野付半島まで行く道中ではすぐにタンチョウを発見!

タンチョウ
タンチョウ

その後は野付半島に入りすぐに綺麗なベニマシコを撮影。そして近距離でオジロワシが見られました。

オジロワシ
オジロワシ

野付半島の奥ではこの時期では珍しいまだツノを落とさず付けているエゾジカのオスを発見。センダイハギとのコラボレーションが美しかったです。あっという間に時間はタイムアップ。

エゾジカ
エゾジカ

夕食後はシマフクロウを狙います。出ないなーと待っているとタイムアップギリギリにメスが登場!良かったです!

シマフクロウ
シマフクロウ

2日目

翌日はシャチクルーズからスタートです。霧に包まれていましたが出て数分でシャチの群れに囲まれました。その後終始シャチを観察し、目の前に出たりと色々楽しませてくれました。

シャチ
シャチ

午後はウトロと知床峠の頂でギンザンマシコ探し。ウトロではクマゲラに出会えました。近距離で見ることは難しく、今回は本当にラッキーでした。そして頂上に行くとすぐに本命のギンザンマシコが!数度見ると今度は後ろから声が?なんと目の前!みなさん持っていますね!

ギンザンマシコ
ギンザンマシコ

3日目

早朝からギンザンマシコを探しに峠へ出発しましたが濃霧で何も見えず。早々に旭岳に賭け撤退。朝食後、ここからはバードウォッチャーのドライバー、佐藤さんと共に紋別方面へと出発です。風の強いオホーツクではアマツバメやノビタキ、ベニマシコなどを狙いながら観察していきますが、とにかく暑い。この時期では珍しい28℃まで気温が上がり、私と鳥たちはバテ気味。少し出が悪かったですが、ホオアカなども囀る姿を見せてくれました。色々と観察をしているとあっという間に時間は過ぎ、後半は少し巻き気味で宿にチェックインです。明日が草原性の小鳥観察の本番。楽しみましょう!

アマツバメ
アマツバメ

ホオアカ
ホオアカ

 

4日目

早朝シブノツナイ湖でバードウォッチングです。早朝は観察最難関のエゾセンニュウが霧の中ちらっと見えました。

エゾセンニュウ
エゾセンニュウ

午後はオムサロ原生花園に行きました。オムサロでは、ノゴマやノビタキが見られるも鳥の姿が少なく、日暮れは再度コムケ湖方面へ。この時期ならではのワタスゲや偶然出会ったミヤコドリを見ながら再度シブノツナイ湖へ。ツメナガセキレイがずっと長時間観察させてくれたりといい天気の中楽しませてくれました。

ツメナガセキレイ
ツメナガセキレイ

5日目

シブノツナイ湖からスタートです。早朝鳥を探すと、全員には姿を見せることができませんでしたが、マキノセンニュウの姿も!他にもアオバトやウグイスなど、さまざまな小鳥に会えました。

マキノセンニュウ
マキノセンニュウ

アオバト
アオバト

そして再度ギンザンマシコチャンスを手にするべく、一路北海道の最高峰・旭岳へ。到着後、展望台でずっと探すと、遠くにギンザンマシコの姿が!一度潜ったところで全員集合。もう一度出てくれーと思っているとさっきよりも近いところで出てくれました。他にもカヤクグリが出てくれましたが、雷雲が近づいており、危険と判断し下山。下山後は日本で最も遅い桜も見ることができました。

ギンザンマシコ
ギンザンマシコ

6日目

最終日もギリギリまでギンザンマシコを見るために旭岳に向かいます。

北海道の最高峰・旭岳へ
北海道の最高峰・旭岳へ

到着した時から天気は昨日と変わり山頂が見えます。これは見えるかも。と期待しましたが、待てど暮らせど姿は見えず。途中ルリビタキやカヤクグリは姿を見せてくれましたがギンザンマシコは姿を見せてはくれませんでした。

カヤクグリ
カヤクグリ

それでも今回6日間で合計63種を観察し、本当に多くのこの時期らしい鳥を観察することができました。この翌週には鳥はぱったりと姿を消し、子育てに奮闘していたので最高のタイミングでした。

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!

冬の九州縦断 越冬珍鳥を求めて【前編】

Report by 簗川堅治 / 2024年1月23日~27日

2022年2月の同ツアー以来の九州です。今季はどんな珍鳥に出会えるのでしょうか?

<1日目>

集合の宮崎空港を出発し、最初は珍鳥・キバラガラです。この日から九州は今季一番の寒波に覆われ、寒い中でのスタートです。しかも宮崎は強風!小鳥類観察には不向きな状況です。シジュウカラやヤマガラにちょっと騙されながら、粘り強く探したものの見つかりませんでした。池のカワセミがきれいでした。

カワセミ 撮影:K.S様

気を取り直して、水鳥観察に行きました。

観察風景

こちらは更に強風!そんな中、なんとかヘラサギやクサシギを観察し、再びキバラガラに挑戦しました。しかし、残念な結果に終わりました。宿泊先の霧島市の夜は小雪が舞っていました。

<2日目>

昨日の挽回をすべく、まずは海沿いの調整池へ。お目当てはメジロガモです。♂、♀、そして交雑種?がいる情報でした。それらを探していると、目の前にオニアジサシが飛んできて、しきりに探餌をして、我々の前を行ったり来たり。

オニアジサシ 撮影:上山様

そしてついに魚を捕らえて、海へと消えていきました。肝心のメジロガモは交雑個体がいたのみ…

メジロガモ×ホシハジロ 撮影:簗川

続いては、外海に行かないと見られないカツオドリを陸地から、しかも至近距離で見られるポイントへ。カツオドリはやや遠かったものの、我々の目の前で何度もダイビングしていました。顔が水色の♂もいます。

カツオドリ 撮影:上山様

この日最後は出水市のツルです。まずはソデグロヅルのポイントへ。あっさり見れました。

ソデグロヅルとマナヅル 撮影:上山様

他、カナダヅル、そしてクロヅルも難なく見れました。その他、大群のミヤマガラスとその中に複数のコクマルガラスも観察。シロマルもいます。

続いて、ねぐら入り前に集まったホシムクドリを観察後、今度はツルたちのねぐら入りを見て、この日は終了です。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

韓国最大のクロハゲワシ越冬地と越冬する鳥たち【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月12日~16日

 

なかなか参加者が集まらなかったのですが、現地通訳兼コーディネーターの朴さんから「まずやってみないと」という事で参加者3名、ガイド1名での催行となりましたが全日晴れで超少人数でのツアーは大成功だったと思います。

<1日目>

全員関空出発で、夕方釜山空港に到着だったのでまっすぐホテルへ向かいました。

<2日目>

クロハゲワシの給餌は10時からなので、8時にホテル隣のオモニ食堂で伝統的?韓国朝食をとって9時20分に出発です。遅いと思うだろうが現場まですぐなので十分間に合うのだ。現場近くになるとすでにクロハゲワシが飛んでいる姿が目に入ります。到着をして車の外に出るとすでに空いっぱいに怪鳥クロハゲワシが舞っています。観察用のテント内からエサに向って降りるクロハゲを狙いますが、風が向かい風なのですべてお尻向きなのが悔しい。次々と舞い降りるクロハゲワシであっという間に田が埋め尽くされる光景は圧巻です。時々餌を奪い合うために大騒ぎをすると砂ぼこりがこちらに来るので、これはマスクが必要だと実感!

空いっぱいに舞うクロハゲワシ
空いっぱいに舞うクロハゲワシ
クロハゲワシで田が埋め尽くされる
クロハゲワシで田が埋め尽くされる
クロハゲワシ群れ
クロハゲワシ群れ

光りがどうしても逆光側になるのでテントから外に出て光がいい場所に移動してから再び撮影続行です。3年前では考えられないぐらい近くまで来るので迫力満点!風も若干変わったことで降下してくる姿も撮影ができます。気がつけば12時を過ぎています。おなかを満たしたクロハゲワシたちは三々五々飛び立ち、半分以上が飛び立つとこれはこれで個体個体を撮影がしやすくなっていい感じ。予定時間をオーバーしましたが十分撮影を満喫できました。

クロハゲワシ
クロハゲワシ
降下するクロハゲワシ
降下するクロハゲワシ
クロハゲワシ
クロハゲワシ

昼食にサムゲタンを食べて午後のポイントに移動ですが、いつも行くポイントが昨年鳥インフルエンザで閉鎖されていたので今年は順天湾というところへ行きました。ここはナベヅルの越冬地で道路わきからはナベヅル、ヒシクイ、マガンの群れが見られ時折空をオオノスリやチョウゲンボウ、ハイイロチュウヒ、ノスリが飛んでいます。ここも残念ながら光が悪くなんともなりません。それでも順光側を飛ぶナベヅルやガン類の撮影を楽しみました。自然観察公園になっていて入場料を払うと園内に入れるのですが、時間がないのが悔しい。ここは1日中いたいなぁと思える雰囲気でした。夕食を食べてホテルに向かいました。

ナベヅル
ナベヅル
ヒシクイ
ヒシクイ

<3日目>

この日も前日と同じルーティーンでクロハゲワシのポイントへ向かうと???クロハゲワシもカラスもいない?アオサギの群れが畔にずらりと並んでいるだけ?お客さんはどんどん入るがクロハゲワシが集まらない・・・エサはあるのに。よく見るとまだビニールから出してない。これが原因か。暇なので給仕場の裏を覗くと参加者が「ギンムクドリが電線にとまっている」というので見てみるとムクドリと一緒にいます。石垣島で見ることはあってもまさかこんなところで見られるなんて!私も負けじと双眼鏡を覗くと???ヤツガシラが木の枝にとまっている!急いでみんなに知らせて説明をすると、先ほどの参加者が「こっちにもいます!」というのでそれを撮影しているともう1羽出てきて合計3羽も狭いエリアにいるではありませんか!畑で採餌したあとすべて飛び去りそれっきり姿を見せることはありませんでした。ギンムクドリがよく出る場所を観察しているとどうやら生ごみ置き場に集まっているようでした。そこで撮影と観察をしているとシロガシラがいるじゃありませんか!私はギンムクドリとシロガシラという沖縄の常連さんをこんな北の大地で見られるとは思いませんでした!

沖縄の常連ギンムクドリが!
沖縄の常連ギンムクドリが!
シロガシラ
シロガシラ

さて主役たちですがどうやら日曜日でお客さんや子供たちにレクチャーをしてから給餌を始めるようでエサを包んであるビニール袋を剥がすとすぐにカラスたちが集まってきます。その光景をどこかで見ていたようでクロハゲワシも集まってきますが、私たちは次のポイントへ移動するためここでタイムアップ!ただし昨日がっちりとクロハゲワシの撮影ができたので今日ができなくても大丈夫そうでした。それ以上にヤツガシラとギンムクドリが見られた方がよかったようです。次のポイントまで移動してここで昼食を食べ、そのままコウライバトの撮影を楽しみました。撮影をしているとそれまでのんびりとくつろいでいたハトたちがいきなり釣り鐘堂に飛び込んで行きます。おかしいなぁと思ったらオオタカ2羽が上空を飛んでいます!納得。ここでは昨年コイカルとオナガがたくさんいて撮影もできたのですが、今回は見当たらず残念です。この後は約2時間ほど、高速道路を走りホテルへ向かいました。

コウライバト
コウライバト
オオタカが上空を飛んでいた..!
オオタカが上空を飛んでいた..!

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

<3日目>

この日も天気がいいので5時30分出発です。道路わきの木々の枝がヘッドライトで照らされると銀色に輝いているのが確認できたのでちょっぴり期待をします。晴れているので日の出時間からしばらく一番気温が下がるのでみなさん我慢大会ですが目の前の光景を目の当たりにすれば撮らざるをえない!日が昇り和田さんが8時過ぎに迎えに来てくれたのですが、あまりにいいシーンが続いたので少し待ってもらいました。ダイヤモンドダストがちょっぴり出ましたが撮影にはちょっぴり厳しいので目でいただき記憶に焼き付けていただきました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

昨日に続き元気いっぱいな方たちは朝食後にエゾリスを狙いに行きますがなかなか難しいようです。タンチョウサンクチュアリーはよく冷えたこともあり葦の穂に霧氷が輝きとてもきれいでした。ただし昨日に比べて動きが少なくちょっと暇でした。

タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ

この日は一旦ホテルに戻り温かいランチを食べてリフレッシュ!しかし午後もあまり動きが無いので、30分早く夕陽のポイントへ移動しました。これが当たり!到着早々青空を飛翔する姿を撮影できました。しかし夕陽絡めの飛翔はこの日も厳しい結果になりましたが、夕焼け空をバックに歩くタンチョウが撮れたのはラッキーでした。

タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔

<4日目>

最終日も5時30分出発です。この日は道路わきの木々の枝がヘッドライトで照らされると銀色に輝いていないので「まぁ仕方ないな」と諦めながら現場に到着後すぐにスタンバイしますが、予想に反して寒い。明るくなるとみるみる木々の枝が白く霧氷を纏ってゆきます。夜明け前から一気に気温が下がり、気嵐も立ち上り朝陽を受けて輝きます。その分気温は下がりたぶんマイナス18度くらいです。ベストは-15~20度なのでちょうどいい!!!もう刻々と変わりゆく光と影の世界に歩くタンチョウたちを絡めて撮影を楽しんでもらいました。和田さんが迎えに来た時です。なんとすごい勢いでダイヤモンドダストが輝いています。ファインダーを覗くとしっかりと撮れる状況だったのでみなさんに説明をしてしっかりと撮影をしていただきました。なんともすごい朝になりました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
ダイヤモンドダスト
ダイヤモンドダスト

ホテルで朝食を食べたあとは荷物を片付けていただきホテルの廊下にデポしてもらいタンチョウサンクチュアリーに行きます。泣いても笑っても2時間30分なのでしっかり楽しんでもらいます。12時に送迎用タクシーが来たので、ホテルに戻り荷物を積み込みます。この時ドライバーさんに鶴見台で10~15分時間をもらえないかと相談するとOKが出たので短時間ですが、ここでカナダヅルを狙います。思った以上に近くにいてしっかり撮影ができたのでそのまま空港に戻りました。それにしても最後の最後までこのツアーは引き当てっぱなしです。

タンチョウ
タンチョウ
カナダヅル
カナダヅル

参加していただいたみなさまありがとうございました、そしてお疲れさまでした!


撮れた鳥&哺乳類

オジロワシ・ノスリ・タンチョウ・マナヅル・カナダヅル・オオハクチョウ・エゾフクロウ・アカゲラ・ミヤマカケス・シジュウカラ・ヒガラ・ハシブトガラ・シマエナガ・シロハラゴジュウカラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

 

好評のこのツアーも今年で3年目。今年は過去最高な出来だったと思います。全日晴れと予想以上に気温も下がり霧氷が朝陽に輝く情景はもちろんダイヤモンドダストまで撮影できるチャンスに恵まれました。

<1日目>

昨年も参加された方が2名、このツアー初参加が3名の5名での開催になりました。空港と先入りの方をホテルでピックアップして現地に向かいます。

天気は快晴でまだ道路わきの木々の枝に霧氷が残り、陽光に輝いています。今回泊まるホテルTAITOに不要な荷物を置いてすぐにタンチョウサンクチュアリーへ向かいます。コンビニで買ったお昼ご飯を食べながらしっかりと撮影をしていただきました。残念なのは風向きが悪くこちらに向かって飛んでくれないのが悔しい。ただし今年は珍しくマナヅルが1羽来ていてるのでこちらを撮れたのはラッキーでした。夕方は夕鶴を狙えるポイントへ向かってチャンスを待ちますが・・・残念ながら不発で終わってしまいましたが、まだ初日です。残りの日に期待をすることにしてホテルに戻りました。

タンチョウサンクチュアリー
タンチョウサンクチュアリー
タンチョウ
タンチョウ
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました

<2日目>

TAITOのオーナー和田さんから「明日は天気がよさそうだから5時30分に出発しよう!」と提案をされていたのでまだ暗い中の出発です。さほど冷えてる感じはなかったのですが、晴れています。現場に到着するとまだ辺りは真っ暗です。私たち以外にほとんど人がいないのでいいポイントを確保できました。空には細い月が浮かび、川面には月の光の帯と星が映り込んでいましたのでそれらも撮っていただきました。徐々に明るくなるタイミングで撮影を楽しんでいただきながらアドバイスを伝えました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

本来は午後エゾフクロウポイントへ行く予定でしたが、和田さんの提案でそのままエゾフクロウの撮影を楽しみました。ペアが並んでいる姿を期待しましたが、今年も1羽だけ。それでもしっかりと楽しむことができました。

エゾフクロウ
エゾフクロウ

一旦ホテルに戻り、凍える身体で朝ご飯を食べると元気のいい参加者はすぐにホテルの庭に来るエゾリスを撮るために飛び出してゆきましたが、残念ながら撮影はできなかったようです。しかし日中は昨日と風が反対側から吹くのでこちらに向かって来るタンチョウを撮影するチャンスに恵まれたのですが、すぐ頭の上を飛ぶので望遠では撮れません!レンズの選択が難しく皆さんの歓喜と嘆きの声が交互に響きます。(笑)昨日同様今日も各自コンビニで買ったお弁当を食べながらの撮影を楽しみました。

真上を飛んでいったタンチョウ
真上を飛んでいったタンチョウ

夕方移動をして希望者だけタンチョウの飛翔を狙いつつ小鳥の撮影を楽しみます。ここではエサ台がありシマエナガ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ミヤマカケス、アカゲラの撮影を楽しみました。太陽と飛翔を絡めた撮影はイマイチでしたが、十分楽しめた1日だと思います。

シマエナガ
シマエナガ
ハシブトガラ
ハシブトガラ
アカゲラ
アカゲラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

根室海峡のシャチ・ミズナギドリと大雪山のギンザンマシコ

Report by 今堀魁人 / 2023年6月15日~17日

1日目

初日は中標津空港から出発です。この日は野付半島に向かい、野鳥を探していきます。野付半島に入り、少し走ると右手にタンチョウのペアが。車を停め観察すると、足元には雛の姿も確認できます。しかし足元の草丈が高く、なかなかしっかりとは姿が見えず。少し粘ってやっと顔を見ることができました。

タンチョウの親子
タンチョウの親子

その後走っていくとなかなか野鳥には会えず。ノビタキなどはいますが警戒心が強く、容易に観察させてくれません。野付半島突端部まで探しに行くと、草原をひらひらと飛ぶ猛禽が。チュウヒです。追いかけながら観察と撮影を試みましたが、探餌しながら風に乗るチュウヒは早い。車で先を越しては止まりを繰り返し、なんとか数回だけ観察ができました。遠いですがエゾシカと一緒にいる風景は野付らしい光景です。

チュウヒ
エゾシカとチュウヒ

2日目

午前中は観光船に乗り、海鳥やシャチを探していきます。天気が悪く、視界が確保できないなか探していきます。途中フルマカモメが船の真横を並走し遊んでくれました。きっと千島列島で繁殖している個体がここまで餌を取りに来ているのでしょう。

フルマカモメ
フルマカモメ

しばらくすると他船からシャチ発見の一報が。私達も同じ方向へ向け船を走らせます。遠くに目を凝らすとシャチの背びれを確認です!複数の群れがいるようですが、どれも臆病な群れのようでものすごいスピードで泳いでいっています。

シャチ
シャチ

他船が一つの群れを追いかけていると、別な群れが奇跡的にこちら側へ来てくれました。短い時間でしたが、しっかりとシャチの親子連れも観察することができました。

シャチ
シャチ

天候と時間によりタイムアップ。そろそろ港へ戻りましょうとゆっくり戻っていると、数は少ないですがハシボソミズナギドリも観察できました。ギリギリまで船長も粘ってくれ、なんとこの日は予定を30分オーバーしてのサービス運航。船長ありがとうございました。

ハシボソミズナギドリ
ハシボソミズナギドリ

午後は知床峠へギンザンマシコを探しに行きましたが残念ながら声も姿も見られず。明日以降に期待です。

3日目

3日目は早朝から知床峠でギンザンマシコ探しです。峠ではアマツバメが気持ちよさそうに飛び交っています。双眼鏡でじっくりギンザンマシコを探しますが、残念ながら今日も見られず。旭岳で見られることに望みをかけ、一路オホーツク海側へと向かいます。途中立ち寄った小清水原生花園ではエゾセンニュウが大きな声でジョッピンカケタカ!と鳴いていますが姿を見ることはできず。その反対側でチーチヨチヨと鳴きながらハマナスの枯れ木に擬態するシマセンニュウを全員で探しながら観察しました。

シマセンニュウ
シマセンニュウ

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!

初夏の道東ワイルドライフフォトスペシャル【前編】

Report by 戸塚学 / 2023年6月17日~22日

全体的にはこの時期天気があまり良くない根室地域では奇跡的に好天に恵まれた条件となりました。私としてシマフクロウ・ギンザンマシコ・シャチ・ラッコ・ヒグマ・エトピリカの順番で難易度が上がるのですが、逆になってしまい予想外の展開となりました。

6月17日(土) 1日目

飛行機の到着が少し遅くなったのですぐに専用車に乗って霧多布岬を目指します。前日までは1週間毎日霧、霧雨の天気だったのですがみなさんの到着とともに晴れになっていました。移動途中牧場に中にタンチョウがいたので撮影をしていただきました。霧多布に近づくにつれ徐々に霧が濃くなりラッコがいるポイントでは視界がなくなってしまいましたが、霧の中からラッコの赤ちゃんの泣く声がするのでその周辺を探すとようやく発見することができました。しかし霧に包まれているのではっきりと観察することがきず残念でした。宿に向かう途中にタンチョウを探しますが残念ながら見つけることができませんでした。宿の前で夕陽を狙っていると、もの凄い数のヌカカに襲われながらも素晴らしい夕陽を堪能しました。

牧場で観察したタンチョウ
牧場で観察したタンチョウ

風連湖の美しい夕日
風連湖の美しい夕日

6月18日(日) 2日目

天気は最高で予定通り早朝観察&撮影を楽しみます。ハイド(観察小屋)近くでコヨシキリがさえずっているので、ハイドに入り窓を開けるとめっちゃ近い!逃げないのでしっかりと撮影を堪能できました。またオジロワシのペアが近くで飛翔したり、とまってくれたりとサービス満点の早朝となりました。

コヨシキリ
コヨシキリ

オジロワシのペア
オジロワシのペア

落石ネイチャークルーズはやや波は高いが出航という事で海へ出ますが、波よりもうねりがあり鳥たちを探すのも苦労します。そんな中でガイドさんが飛び回るエトピリカを成鳥見つけてくれたので撮影していると・・・着水!ゆっくり近づいてゆくと、なんとエトピリカからこちらに近づいて来るではありませんか!おまけに海上に漂う枝などを巣材として集めていることに集中しているので、こちらはほぼ無視。おかげでみなさんしっかりと撮影をすることができました。光もいいし近いしこんなことはないよと私が一人で興奮して熱くしゃべくっていました。

枝を集めるエトピリカ
枝を集めるエトピリカ

エトピリカ
エトピリカ

近くにいるはずの10数頭を超えるラッコの群れは波が高くて見つけられませんでしたが、若い2頭は何とか撮影ができたと思います。下船後は道の駅でランチをするのですが、根室名物という事で「エスカロップ」をみんなで食べました。

若い2頭のラッコ
若い2頭のラッコ

午後はどうするかをみなさんに聞くと「霧多布のラッコはもういい」という事で、走古丹でキタキツネの子ぎつねとタンチョウの親子を探すことになりました。残念ながら大人のキタキツネはちょくちょく見られるのですが、下見で見つけた巣穴の4頭の子ぎつねには出会う事はできませんでした。タンチョウの親子ははじめ見つけられませんでしたが、さすが熟練のバードウォッチャーでもあるドライバーさんが見つけてくれて何とか撮影をすることもできました。

タンチョウの親子
タンチョウの親子

時間があれば野付半島にも行く予定でしたが明日は野付半島での観察と撮影にしっかり時間をかけることができるので、この日は早めに切り上げて宿の向かいにある温泉を楽しんでいただきました。

6月19日(月) 3日目

予定より1時間遅く出発して、コンビニで朝食を買い込んで野付半島に向かいましたが・・・天気は晴れているのですが、風が強く寒い=小鳥の出現率が下がるのでターゲットをエゾシカに切り替えて群れを見つけては車を停めて撮影を楽しみます。

エゾシカ
エゾシカ

エゾシカ
エゾシカ

10時を過ぎたところで気温も上がり風も弱まったので花と小鳥を歩きながら撮影を進めます。ここで電話が鳴り尾岱沼の外洋クルーズが波が高いために欠航という電話でした。風は弱まったと思ったのですが、どうやら位置的に風が弱くなっていただけで全体的には風は弱まっていなかったようでした。予定を一気に変更してまず、標津の町までランチを食べに行きました。その後は今日から泊まる宿へ電話をして早めにチェックインすることを伝えました。時間はたっぷりあるので下見で見つけたショウドウツバメのコロニーでみなさん撮影を楽しみました。

ショウドウツバメのコロニー
ショウドウツバメのコロニー

羅臼に移動して早めに宿へ入り休憩。そして夕食をとり、18時30分シマフクロウを狙いに行きました。1度でも出れば23時、出なければ0時まで粘ることにして頑張りましたが、結局1度も出ることが無く引き上げると10分後に出たらしい!悔しい。

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員