奥日光で冬鳥観察&会津でヤマセミ撮影にもチャレンジ

report by 吉成才丈 2024年11月5日~8日

1日目
予定通りに宇都宮駅に集合し、貸切りバスで奥日光に向かいました。
夏から秋の暑さが長引いた影響で紅葉シーズンが遅れたため観光客が多く、多少の渋滞はあったものの、ほぼ時間通りに奥日光に到着。
昼食を済ませた後、川沿いの遊歩道を散策すると、すぐ近くでニホンザルが川に降りて採餌していました。川の周辺では、カワガラスが潜って採餌したりする様子や梢にとまって周囲を伺うミソサザイを観察。日光の川沿いはロケーションもよいので、皆さんでじっくり撮影させてもらいました。
この日は曇天で薄暗くなるのも早かったため、夕方は早めにホテルにチェックインしました。

ニホンザル

ミソサザイ

 

2日目
早めに朝食を済ませ、荷物をバスに積んでからホテル周辺を散策。昨年はこのあたりでイスカを観察しましたが、今年は赤い実も少なく、ゴジュウカラやイカルなどが少し見られただけ…。
今年は小鳥が少ないのかなと思い、トイレを済ませてバスに乗ろうとしたら、アトリの小群が近くの木に飛来。静かに観察・撮影していると次第に近寄ってきて、じっくり撮影させてくれました。またアトリにつられるようにカシラダカも群れに加わり、こちらもじっくり撮影できました。

アトリ

再び川沿いをチェックすると、昨日と同じようにカワガラスが出迎えてくれました。昨日の撮影状況を踏まえ、スローシャッターでの撮影などにも挑戦して頂いていると、とまっていた1羽にもう1羽が接近し、なんと交尾を開始!
これから寒さが増すこの時期に繁殖を始めることはないと思いますが、さすがに驚きました。

カワガラス

カワガラス撮影後には、別の入口から散策路にアプローチ。小鳥はこちらの方が多い傾向があり、ツグミの群れやアカハラ、シロハラなどを観察していると、ベニマシコの声が複数聞こえてきました。
少しずつ接近して待っていると、ようやく姿を現してくれました。真っ赤なオスではありませんでしたが、やはりベニマシコは興奮しますよね。

アトリ

午後は明日のヤマセミに備え、会津に移動しました。

 

3日目
いよいよ今日、明日がヤマセミ撮影の本番です。
まだ暗いうちに迎えに来てもらい、明るくなる前にハイドに身を隠して息をひそめます。この日は時折小雨が降り、風も強めでコンディションは芳しくない状況。いつもなら目前の河川上空を通過したり、すぐ近くの枝にとまる姿を見せてくれるのですが、なかなか姿を現しません。やきもきしていると、小さな声が聞こえた後、2羽が追いかけあうようにいきなり目の前に出現し、下流方向に飛翔していきました。いつもなら河川上空を飛来するので間に合うのですが、ハイドと同じ岸の陰から突然現れたため、満足に撮影できた方はいませんでした。
その後は下流から上流方向に低く飛翔する様子が1回あり、参加された方のお1人が見事に捕えてくれました。ヤマセミは見慣れない方が多いので、ついつい撮るのを忘れて見てしまうんですよね。
だから2日間連続チャレンジなのですが、明日に期待ですね。

ヤマセミ

午後は貸切り車で市内を巡り、お堀のカモ類やエナガ、シジュウカラ、ヤマガラなどの小鳥類を撮影して回りました。
また猪苗代湖畔の耕作地も巡り、ノスリやチョウゲンボウ、コハクチョウなども撮影しましたが、今朝は暗いうちから活動していたため、早めにホテルに戻りました。

エナガ

コハクチョウ

 

4日目
前日に続き、まだ暗いうちに迎えに来てもらい、明るくなる前にハイドに身を隠して息をひそめました。この日は風もほぼなく、星空も見えるといった状況で期待が高まります。しかし昨日同様、ヤマセミはなかなか姿を現してくれません。一昨日までは明け方から頻繁にチャンスがあり、また昨日は天候の影響もあったようでイレギュラーな日だと思っていましたが、いつもと異なる状況に、少しずつ不安が募り始めます。
時折、遠くで飛翔やとまりが見られたりはしたものの、結局この日は、ヤマセミは目の前には現れてくれませんでした。ここまで出が悪い日が続くことはめったになく、現地ガイドさんが考えるには、この2日間でも観察されたハイタカなどの猛禽類に追われて怖い思いをしたのではないかとのことでした。たしかに東京周辺でも、ヤマセミがオオタカなどに襲われて命を落としたこともあり、行動に影響を及ぼしても不思議ではありません。自然やいきもの相手なので仕方ないとはいえ本当に残念で、ご参加いただいた方には申し訳ない限りです。

ヤマセミがとまるはずだった枝にはカワセミが…

いつも元気なセグロセキレイ

撤収後はホテルに戻り、ご挨拶後に解散。宿泊したホテルはチェックアウト時間に余裕があるので、皆さんの都合で銘々に帰路についていただきました。

2~3日後に現地のヤマセミの状況を聞いたところ、すでにいつも通りに回復しているとのことでした。
昨年と一昨年のツアーではしっかりお撮りいただいてるので、また来年にチャレンジさせて頂こうと思います。

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年9月24日~27日

3日目

朝はまずホテル近くの田んぼを巡りますが・・・シギやチドリが少ない。どうやら抜けた感じです。今日もカタグロトビには出会えませんでした。続いてズグロミゾゴイのポイントへ行きますが、成鳥2羽はまたしても奥へ姿を消してしまいました、残念。展望台へ向かう途中凄い雨が降って来て「いけるかな?」と思いましたが到着すると止みました。すごいぜ参加者!

 

空は雲に包まれ時々アカハラダカは群れをつくりますが、こちらには来ません。時々ハヤブサやチョウゲンボウが通過するのみです。ここでヒマラヤアナツバメが飛び回っていて展望台の全員で狙うのですがこれが超手強い!そんな中1羽、2羽と近くに飛んで来てくれる個体を撮影できました。1度だけ頭上を群れが飛んでくれただけでもラッキーだったかな?その後は田んぼを廻りますが・・・鳥がいません。ようやくムラサキサギの幼鳥がいたので撮影することができました。午前中ラストはホテル近くの公園で撮影ですが、ムクドリ類はさっぱりでしたが芝生のツメナガセキレイを撮影して終了となりました。

ヒマラヤアナツバメ
ヒマラヤアナツバメ

夕方はまた田んぼ巡りでカタグロトビがよく見られるというポイントへ歩いて探しますが見つからない。代わりにヒタキ類がかわいい姿を見せて撮影させてくれました。問題は小鳥たちと入れ替わるようにシギやチドリがぐっと減ってしまいさみしい限り。またしても折れそうな心で鳥たちを探していると水路の前にカンムリワシ成鳥が「ごろり」ととまっていたのでがっつり撮影してもらった。動きが全くないので別の生き物を探すとすぐにムラサキサギが見つかりこちらも撮影してもらうが動きが無いので、ズグロミゾゴイのポイントへ。なんと1羽だと思った幼鳥が2羽いてしっかり撮ることができました。残念なのは、成鳥。さすがに数のプレッシャーなのだろう、すぐに引っ込んでしまった。最後はホテル近くの田んぼでシギやチドリを狙った後、公園でムクドリたちを探すがこちらは静かすぎて鳴き声を聞くこともなく見つけることができなかった。

アオアシシギ
アオアシシギ
ヒバリシギ
ヒバリシギ
「ごろり」ととまっていたカンムリワシ成鳥
「ごろり」ととまっていたカンムリワシ成鳥

4日目

とうとう最終日まで雨にたたられることなく過ごすことができた!まずはホテル近くの田んぼに行くと昨日よりもシギやチドリが入っていたので撮影をしてもらう。カタグロトビを探すが見つけられなかった、残念!引き続きズグロミゾゴイのポイントへ行くと成鳥と幼鳥がいたのでゆっくり近づくと3人目までは良かったが、4人目で飛ばれてしまった。できるだけ姿勢を低く近づいたがやはり数のプレッシャーは何ともならない。

風は北東、天気は晴れ。これはいいぞと期待を持って展望台に上がるとすでに140羽が渡ったという・・・これは期待が!しかしなかなか飛ばない。困ったことに雲の中から現れるので気がつけば頭上。10時に終了する予定を11時まで伸ばしたが・・・結果はだめだった。

ふたたびカタグロトビを探すが見つからない。周辺の田んぼも何もいない。最後の最後の悪あがきで空港近くの田んぼへ向かうと小型のシギたちがいたが、早苗に紛れてよくわからない!ジシギ(たぶんチュウジシギと思われる)を何とか撮影して空港へ向かい終了しました。

カタグロワシに関しては残念でしたが、メインにしているカンムリワシ・ムラサキサギ・ズグロミゾゴイ・アカハラダカはとまり、単体飛翔、タカ柱としっかりと撮影で来たし、夜はリュウキュウアカショウビン・ズグロミゾゴイ・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアオバズクそしてオオクイナのオス成鳥まで撮れたので100点と言ってもいいと思いました。

リュウキュウアサギマダラ
リュウキュウアサギマダラ

 


撮影できた鳥 

ズグロミゾゴイ・アマサギ・ダイサギ・チュウサギ・コサギ・アオサギ・ムラサキサギ・カルガモ・アカハラダカ・カンムリワシ・ミサゴ・ハヤブサ・チョウゲンボウ、コチドリ・トウネン・ヒバリシギ・アカアシシギ・アオアシシギ・コアオアシシギ・キアシシギ・イソシギ・セイタカシギ・クロハラアジサシ・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアオバズク・リュウキュウアカショウビン・ツメナガセキレイ・キセキレイ・エゾビタキ・コサメビタキ・サメビタキ・ヒマラヤアナツバメ・シロハラクイナ・(ヤエヤマオオコウモリ)

 

見られた&声が聞かれた

バン・ジシギSP・リュウキュウキジバト・チュウダイズアカアオバト・ツバメ・サンショウクイ・リュウキュウヒヨドリ・スズメ・セッカ・オサハシブトガラス・リュウキュウメジロ・シロガシラ

 

その他

ヤエヤマオオコウモリ

 


 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋の石垣島でアカハラダカ・カンムリワシ・ムラサキサギを狙う【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年9月24日~27日

今年は台風が去っても次々と熱帯低気圧ができて、天気予報ではずっと雨予報。雨なのはいいのだが、問題は風。ずっと南風なのでアカハラダカたちが渡れるかが心配でしたが下見で入ってから基本晴れで時々大雨という天気。もちろんお客様が到着しても同じ天気。2日目は風が変わり湿度が下がりさわやかになるとそれまで出なかったアカハラダカが青空に渡る姿に感動です。夜間も不快指数120%のおかげで予定していた鳥たちが出てくれました!

1日目

空港に時間通りみなさん集合されたので、専用車でまずは田んぼを廻って鳥たちを探します。最初の田んぼでいきなりクロツラヘラサギの成鳥発見。(じつはお客さんが発見)ゆっくり車を近づけ無事Get!引き続き何かいないかと探すとこれまた激近でムラサキサギの成鳥。一旦やり過ごしてUターンで戻りがっつり撮影ができました。

クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギ成鳥Get!

しかしこの後がパッとしない。セイタカシギとツメナガセキレイは履いて捨てるほどいるのに他のシギたちが・・・そしてカンムリワシが見当たらない!林道を探しても見当たらない。折れそうな心を奮い立たせてカンムリワシの幼鳥の見られるポイントへ行くと・・・飛ばれて遠くへ行ってしまった。それでもみなさんに幼鳥を何とか見てもらい撮ってもらいました。

引き続き朝の下見で確認しておいたズグロミゾゴイのポイントへ行くと・・・いない?よく見ると朝になかった木の枝の切られたものが積みあがっている?どうやら視界の悪い伸びた枝が切られていた=日中作業をした=ズグロミゾゴイがビビって奥に行ってしまったようなので予定を切り上げて田んぼを廻るがパッとしない。クロハラアジサシの飛翔を撮ってもらってからホテルへ近くのポイントで白いクロサギを撮ってもらいホテルへ。夜はナイトツアーがあるので集合時間まで休憩をとりました。

飛翔するクロサギ白
飛翔するクロサギ白

7時30分に集合してナイトツアーへ出発です。一般道の電線にリュウキュウアオバズクがとまっているとガイドが言うが止まることができないのでパス。初めはさっぱり鳥たちが見つからず苦戦しましたが、リュウキュウアカショウビンが撮れてからは次々とリュウキュウコノハズク、ズグロミゾゴイが見つかりしっかりと撮影できました。その後移動をした場所でいきなりのオオクイナのオス成鳥Get!ここでもリュウキュウコノハズク、リュウキュウアカショウビンも撮れてみなさん大満足でした。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウアオバズク
リュウキュウアカショウビン
リュウキュウアカショウビン
オオクイナ♂
オオクイナ♂ゲット!

2日目

早朝雷を伴う大雨で大丈夫かな?と思ったが6時30分には上がる。朝7時に出発して、まずはホテル近くの田んぼで朝焼けの水鏡のセイタカシギを撮ってもらい、移動して引き続きズグロミゾゴイを探します。私が一人先に車から降りて探しに行くと幼鳥がいたので撮影してもらいました。残念なのは私が現場についてすぐアカショウビンが飛び去ったこと。撮影後はすぐにアカハラダカのポイントへ移動、途中電柱にとまるカンムリワシがいたのですが時間が無いのでパス。途中昨日まで静かだった森に小鳥の声が聞こえる。渡ってきているようだ!アカハラダカのオスが枝とまりしながらセミを4匹も捕らえて食べてくれたおかげでしっかりと撮影ができた。その後あちこちで群れが湧き上がるが逆光で遠い!それでも時々近くを飛んでくれる個体も撮影ができた。そういえば日差しは強いが、風は乾いて心地いい。ふと気がつくとこちらに向かってたくさんの群れがタカ柱から川になって向かって来てくれたおかげで、みなさん大興奮で撮影を楽しまれていた!

アカハラダカ♂
アカハラダカ♂
アカハラダカのタカ柱
アカハラダカのタカ柱

田んぼを探してみますが何も見つけれられなかったので「もしかしたら近くの公園に小鳥がいるかも」と寄ってみると芝生の広場にはたくさんのツメナガセキレイがいた。電線にはシマアカモズ、木の枝にはエゾビタキと種類も数も少ないのですがやはり鳥たちが来ていてくれたおかげで良かった。昼食はお弁当にして15時まで休憩にしました。

シマアカモズ
シマアカモズ
エゾビタキ
エゾビタキ

15時からは田んぼを廻りますが・・・シギがいません。林道を走りますが途中アカハラダカの成鳥のとまりを見つけたのですが近すぎて逃げられました・・・悲しいかな今日もカンムリワシに出会えません。再び田んぼを廻るとクロハラアジサシがいたのでとまりと飛翔を撮ってもらいます。

クロハラアジサシ
クロハラアジサシ

時間になったのでズグロミゾゴイを狙いに行きます。今まで幼鳥が1羽だけだと思ていたら2羽もいた!成鳥はちらちら出るが、なかなか撮れないのが悔しい。しかし幼鳥たちのかわいい姿をしっかりと撮ることができたので〇としましょう。最後はホテル近くの田んぼでクロハラアジサシの飛翔を撮って終了となりました。

ズグロミゾゴイ成鳥
ズグロミゾゴイ成鳥
ズグロミゾゴイ幼兄弟
ズグロミゾゴイ幼兄弟

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

根室海峡のシャチ・ミズナギドリと大雪山のギンザンマシコ

Report by 今堀魁人 / 2024年6月14日~19日

1日目

14時半頃に中標津空港で集合しツアースタートです。初日は最初に野付半島へ行きました。野付半島まで行く道中ではすぐにタンチョウを発見!

タンチョウ
タンチョウ

その後は野付半島に入りすぐに綺麗なベニマシコを撮影。そして近距離でオジロワシが見られました。

オジロワシ
オジロワシ

野付半島の奥ではこの時期では珍しいまだツノを落とさず付けているエゾジカのオスを発見。センダイハギとのコラボレーションが美しかったです。あっという間に時間はタイムアップ。

エゾジカ
エゾジカ

夕食後はシマフクロウを狙います。出ないなーと待っているとタイムアップギリギリにメスが登場!良かったです!

シマフクロウ
シマフクロウ

2日目

翌日はシャチクルーズからスタートです。霧に包まれていましたが出て数分でシャチの群れに囲まれました。その後終始シャチを観察し、目の前に出たりと色々楽しませてくれました。

シャチ
シャチ

午後はウトロと知床峠の頂でギンザンマシコ探し。ウトロではクマゲラに出会えました。近距離で見ることは難しく、今回は本当にラッキーでした。そして頂上に行くとすぐに本命のギンザンマシコが!数度見ると今度は後ろから声が?なんと目の前!みなさん持っていますね!

ギンザンマシコ
ギンザンマシコ

3日目

早朝からギンザンマシコを探しに峠へ出発しましたが濃霧で何も見えず。早々に旭岳に賭け撤退。朝食後、ここからはバードウォッチャーのドライバー、佐藤さんと共に紋別方面へと出発です。風の強いオホーツクではアマツバメやノビタキ、ベニマシコなどを狙いながら観察していきますが、とにかく暑い。この時期では珍しい28℃まで気温が上がり、私と鳥たちはバテ気味。少し出が悪かったですが、ホオアカなども囀る姿を見せてくれました。色々と観察をしているとあっという間に時間は過ぎ、後半は少し巻き気味で宿にチェックインです。明日が草原性の小鳥観察の本番。楽しみましょう!

アマツバメ
アマツバメ

ホオアカ
ホオアカ

 

4日目

早朝シブノツナイ湖でバードウォッチングです。早朝は観察最難関のエゾセンニュウが霧の中ちらっと見えました。

エゾセンニュウ
エゾセンニュウ

午後はオムサロ原生花園に行きました。オムサロでは、ノゴマやノビタキが見られるも鳥の姿が少なく、日暮れは再度コムケ湖方面へ。この時期ならではのワタスゲや偶然出会ったミヤコドリを見ながら再度シブノツナイ湖へ。ツメナガセキレイがずっと長時間観察させてくれたりといい天気の中楽しませてくれました。

ツメナガセキレイ
ツメナガセキレイ

5日目

シブノツナイ湖からスタートです。早朝鳥を探すと、全員には姿を見せることができませんでしたが、マキノセンニュウの姿も!他にもアオバトやウグイスなど、さまざまな小鳥に会えました。

マキノセンニュウ
マキノセンニュウ

アオバト
アオバト

そして再度ギンザンマシコチャンスを手にするべく、一路北海道の最高峰・旭岳へ。到着後、展望台でずっと探すと、遠くにギンザンマシコの姿が!一度潜ったところで全員集合。もう一度出てくれーと思っているとさっきよりも近いところで出てくれました。他にもカヤクグリが出てくれましたが、雷雲が近づいており、危険と判断し下山。下山後は日本で最も遅い桜も見ることができました。

ギンザンマシコ
ギンザンマシコ

6日目

最終日もギリギリまでギンザンマシコを見るために旭岳に向かいます。

北海道の最高峰・旭岳へ
北海道の最高峰・旭岳へ

到着した時から天気は昨日と変わり山頂が見えます。これは見えるかも。と期待しましたが、待てど暮らせど姿は見えず。途中ルリビタキやカヤクグリは姿を見せてくれましたがギンザンマシコは姿を見せてはくれませんでした。

カヤクグリ
カヤクグリ

それでも今回6日間で合計63種を観察し、本当に多くのこの時期らしい鳥を観察することができました。この翌週には鳥はぱったりと姿を消し、子育てに奮闘していたので最高のタイミングでした。

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!

沖縄本島と奄美大島で2つのアカヒゲを見る旅【奄美編】

Report by 簗川堅治 / 2024年4月3日~7日

<4日目>
空模様が気になる中、アカヒゲやルリカケス、オーストンオオアカゲラなどを求めて出発しました。現地は時折、小雨が降るあいにくの天候です。まずはオーストンオオアカゲラです。巣作り中のようで、待っていれば見られそうだったので、粘って待った方は撮影ができました。

オーストンオオアカゲラ(撮影:K.I様)
オーストンオオアカゲラ(撮影:K.I様)

続いてアカヒゲです。複数が間近でさえずってはいるものの、高い所ばかり。苦戦を強いられます。さらにこれまた巣作り中のルリカケスを見て、その後は自由時間とし、各自お目当ての鳥で楽しんでもらいました。

 

昼食後は、またアカヒゲ、オーストンオオアカゲラ、ルリカケスを始め、固有亜種アマミシジュウカラやアマミヤマガラなどにも挑戦しまし、みなさん、それなりの成果があったようです。

 

アカヒゲ(撮影:高橋浩様)
アカヒゲ(撮影:高橋浩様)

ルリカケス(撮影:K.I様)
ルリカケス(撮影:K.I様)

最後はズアカアオバトの出るポイントへ。シマグワを食べに来る複数のズアカアオバトを難なく見ることができました。

 

<5日目>
最終日です。また森へ行き、残された時間を各々過ごしました。

アマミコゲラ(撮影:高橋浩様)
アマミコゲラ(撮影:高橋浩様)

ズアカアオバト(撮影:高橋浩様)
ズアカアオバト(撮影:高橋浩様)

今回のツアー、飛行機の遅延はありましたが、沖縄本島では亜種ホントウアカヒゲを、奄美大島では亜種アカヒゲを見ることができました。参加者のみなさん、5日間にわたり、朝早くから夜遅くまで大変お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

渡りの本流!韓国・春の離島【2024年5月 後編】

Report by 戸塚学 / 2024年5月1日~5日

 

3日目 晴れ

5時40分日の出と同時にスタートです。ところが・・・静かです。歩き出すと果樹畑にチュウサギとゴイサギが地面に嘴を突っ込みデカいミミズを引っ張り出して食べています。特にゴイサギはズグロミゾゴイに見えて仕方ない。チュウサギも負けじとミミズを引っ張り出していました。昨日あれほどいたムシクイ類がほとんどいない・・・抜けた予感がする。

ゴイサギ
ゴイサギ

しかし私たちの頭上をツバメ・コシアカツバメ・ショウドウツバメが乱舞しているという事はこの上に虫がたくさんいるのだろう。ホオジロ類は陽が上がり、明るくなると今までどこにいたのか、わらわらと地面と木の枝を行ったり来たりしています。8時に一旦食事に戻りました。食後は再び探しますが、午前中はパッとしません。早く鳥たちに来てもらいたいのですが、こればかりは仕方ありません。それでもカラアカハラのさえずる姿やオウチュウやコウライウグイスが飛んでいるのは確認できました。

カラアカハラ
カラアカハラ
オウチュウ
オウチュウ
 

ハイタカが飛び回っているのも鳥たちを隠す要因の一つになっているのかもしれない。昼食後はいったん休憩をしました。

ハイタカ
ハイタカ

14時再び鳥たちを探します。今回は2手に分かれて「待つ組」と「探査組」に分かれます。私は五百澤氏の「探査組」に同行しました。昨日水浴びでにぎやかだった水路はマヒワが来るぐらいでさっぱりでした。上空を2羽のハヤブサが喧嘩しながら飛んで行きます。

ハヤブサ
ハヤブサ

山の中の木道を進み広くなったデッキでしばし定点をすると、奥の樹上にとまるコウライウグイスのオス!交代で隙間からみんなで撮影をすることができました!

コウライウグイス
コウライウグイス

その後も鳥を探しながら移動をしますが、コイカルの声が響き渡り、時々ヒレンジャクも姿を確認できましたがパッとしないまま下山をすると・・・黒いスリムな鳥が?オウチュウです!しかし電線ばかりでいいところにとまってくれず飛び去られてしまった。下に来てみると今まで見なかった韓国のBWやカメラマンがたくさんいます。先ほど到着した船で来たようです。最近は韓国でも人口が増えていることを実感します。魚醤ポイントの近くまで来ると「待つ組」の二人が「韓国のカメラマンがエサを撒いたようで、さっきマミジロキビタキが撮れたの!」と興奮して教えてくれたのでそのポイントで待っていると、韓国の人たちも集まりかなりの人のフェンスが出来上がっています。これはもう無理かなと思って移動をすると小さな水たまりのところに若い韓国カメラマンがいて、なんと日本語でカメラのモニターに映し出された写真を見せ「これなんですか?」と聞いてきました。それはシマアオジのオス成鳥!それもドアップアップで撮っている!水場に来ていたところを撮ったとの事。探すと近くの木の枝にいたので何とか撮影をすることができました。しかしその後、草の中に入ってしまい姿が見えなくなってしまいました。

シマアオジ
シマアオジ

出てくるのを待っていると散歩のおじさんが歩いて来ると草むらから飛び出して魚醤ポイント方向に行ってしまった。見つかればいいなと歩いて行き魚醬ポイントで待っていると急に人が動き出した?イワミセキレイが出たのです。それをみんなで撮影することもできました。午前中は鳥たちが少なかったのですが、午後から結構な数と種類が補給されたようです。夕食は朴さんがオーダーをしてくれたサムギョプサルで祝杯を上げました。

イワミセキレイ
イワミセキレイ

 

4日目 晴れ

今日も5時40分からスタートです。昨日と違い外に出るとカラアカハラのさえずりの他にも鳥たちのさえずりが聞こえてきます。とはいえやはり鳥たちの姿があまり見当たりません。しかし日が昇り明るくなるとホオジロ類がわらわらと出現します。彼らは寝坊助なのかもしれない(笑)ムシクイ類はいますが光が悪いので撮影が難しい。昨日シマアオジが出た場所を見渡すと電線にとまったシマアオジを五百澤氏が発見!みんなで撮影をしますがすぐに飛び去ってしまった。とまっているであろうポイントを探しますが見つかりません。ここで各自好きなポイントへ移動しました。私はシマアオジが戻って来そうな気がいたので同じ場所で待っていると、何かが近くの枝にとまった。双眼鏡で見ると若いシマアオジだ!数枚撮影してふと周りを見渡すと誰もいない!「お~い、西遊チーム!」と呼ぶとみなさん集まってきたと同時に飛ばれてしまった!シマアオジがいたことを伝えてから魚醤ポイントへ移動を始めると朴さんから「シマノジコのオスが出ている」という情報が!!!カメラマンの塊の中に入るといた、きれいなオスです。よほど腹が減っているのか人間なんて気にせず餌をついばんでいます。時計を見ると朝食時間ですが、これは遅れても撮らねばならないのでしっかりと撮影をしてもらいました。やはり昨日の午後から鳥たちが入ってきたようです。そんな中、白っぽい鳥が飛んで行く姿を見て「どこかで見たような?」と考えていると韓国BWが大騒ぎし出した。私がチラ見したのはケリだったようで韓国では超レア物だったようです。

シマノジコ
シマノジコ

朝食はみなさんゆっくり食べる間もなく、食後はすぐに出発です。シマアオジもシマノジコもまだいて、撮影ができるのでこの日は島での3日間の総集編のような感じです。五百澤氏が「シベリアムクドリが出た!」といって探しに行くとさすがです、きっちり見つけてくれました。相当お疲れのようで時々眠っていたおかげでしっかりと全員撮影ができました。

シベリアムクドリ
シベリアムクドリ

みなさん満足のまま昼食を食べに戻りました。昼食は島で獲れた天然のアワビのおかゆに舌鼓。その後は荷物をまとめてもらい、船に乗るまでの1時間弱を各自での最後の悪あがき撮影をしてもらいます。持っている一部の方はシマノジコやシロハラホオジロを撮れたと喜んでいました!さて船着き場に行くとどこにこれだけ人がいたの?という人でごった返しています。明日から天気が崩れて3日ほど船が出ない危険性があるからでしょう。本土に上陸するともう1台の車が渋滞で30分遅れるという事で、港で待つ事になりましたが仁川に戻る時は逆方向なので渋滞に巻き込まれないため途中のSAで食事を食べて無事ホテルに戻ることができました。

 

5日目 最終日 雨

天気予報通り朝から雨です。予定よりもゆっくりと出発してクロツラヘラサギの繁殖する人工島に向かいました。ここには観察用のハイドがあるのでそこからの観察をしますが、雨と霧で視界が悪い。それでもたくさんのコアジサシが飛び回っています。繁殖しているクロツラヘラサギやモンゴルセグロカモメのヒナも確認できました。その後はロッテマートへお買い物に行き、関西空港組はここで先発、帰国となりました。成田組はもう少し時間があるので食事をしてから帰国の途に就きました。

 

本来は鉄板の「鳥たちが降る」シーズンだったはずですが、今年は渡りが少し早かったようでこればかりは申し訳ないですが私たちの力ではなんともなりません。でもそれなりにみなさんかなり楽しめたのではと思いました。撮影をメインにしている企画なので今回はちょっと悔しかったこととして、天気が良すぎて「陽炎」の影響がそこそこあったことです。来年は4月末からずらすことができれば行いたいと思います。

ご参加いただいたみなさまお疲れさまでした&そしてありがとうございました。

 

 

【撮れた鳥・主な見られた鳥・聞かれた鳥

ツクシガモ・ヨシガモ・オカヨシガモ・マガモ・カルガモ・ハシビロガモ・オナガガモ・コガモ・ホシハジロ・キンクロハジロ・スズガモ・コウライキジ・カイツブリ・カワウ・ウミウ・アオサギダイサギチュウサギコサギアマサギゴイサギクロツラヘラサギ

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この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

渡りの本流!韓国・春の離島【2024年5月 前編】

Report by 戸塚学 / 2024年5月1日~5日

昨年は残念ながら島に渡ることができずに辛い思いをしましたが今回は天気も潮周りも良く無事に渡ることができました。しかし渡った初日は鳥たちが抜けてしまったようで数も種類も少なく同行の五百澤氏が焦るほどでした。翌日からは徐々に鳥たちが増えはじめみなさん撮影を楽しめているようでした。3日目の午後からは状況が変わり、2日目の午後から島に入り出したおかげで鳥たちの数も種類も増えたおかげで、シマアオジ・シマノジコ・シベリアムクドリなどみなさんが撮りたかった鳥が撮れて良かった。最終日は朝から雨になりましたが1ヵ所ハイドのある観察地を廻り、お買い物をして関西空港組は先発で帰国の途に就き、成田組は食事をして帰国しました。

 

1日目 晴れ

GWの中日のせいなのか?空港は混んでおらず、関西組、関東組も無事お昼前に仁川空港に集合できましたのでそのままクロツラヘラサギや、シギ・チドリが見られる水郷公園に移動します。しかし今年はシギやチドリが見当たりません。タカブシギ1羽とカルガモ・バン・サギ類しか見当たりません・・・。そんな時です、鳥たちを必死に探している私たちの上空をクロツラヘラサギたちが飛んで行きました。降りた場所を確認してそちらに近づきますが、やはり人数が多いせいか?オーラが出まくりなせいか?また飛ばれてしまいました、残念。今度は少し離れたところで静かに待っていると、どんどんこちらに近づきます。おかげでちょうどよい近さで撮影ができました。おまけに水浴びするところまでしっかり撮れた!やはりきれいなロケーションで夏羽の姿を撮れたのは良かった。

クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギ

引き続きワシミミズクのポイントまで移動しますが、探せど、探せど見つかりません。その姿を見た近所の人が「夜は良く鳴いてるぞ」と教えてくれたという事は、ここはまだ使っているのは間違いないが、タイムアップで切り上げることに・・・1月はいたのに残念です。最後の最後で干潟に寄り短時間ですが水鳥を堪能しました。オグロシギやオオソリハシシギ・コオバシギが夕陽の赤い光に照らされると赤い身体の色が強調され美しかった。ホテルに入る前にホテル近くの食堂で朴さんおすすめのサムゲタンを食べて満足な1日となりました。

シギの群れ
シギの群れ

 

2日目 晴れ

朝食前に希望者だけでホテル周辺で鳥を探しますが、カササギとツバメぐらいしか目に着きません。島に渡る船がお昼なのでそれまでの時間を有効に使うため渡り鳥たちが良く立ち寄るポイントへ移動しますが、思わぬ事態に!いつも鳥を見ている場所にフェンスがしてあり、リゾートホテルを建設中だった。そればかりかポイントでは鳥たちの声すらしない・・・!しかしダルマエナガの声はするので、探すと5~6羽の群れがいて何とか撮影をすることができました。

ダルマエナガ
ダルマエナガ

カササギもいますが、手強いです。ダルマエナガは何とか撮影ができたので、急いで港に戻り手続きを済ませ船に乗りますが・・・?聞いた話と違う。普通の旅客船のはずが・・・まるで揚陸艦!港のスロープに着けてそのまま車も人も乗り込むタイプで、客室は狭く雑魚寝状態。しかしこれ以外の選択肢が無いので仕方がないと諦める。船室で朴さんが買ってきてくれたキンパ(韓国の海苔巻き)を食べるとこれが美味い!以前食べたものとは大違いでこのキンパなら毎回でもいいと感じました。移動中は波もなく穏やかな2時間40分の船旅で無事「鳥たちが降る島」に到着しました。まずは分宿なので各自の宿に荷物を置いて出発します。

五百澤氏の案内で各ポイントを巡りますが、早々に木の枝の葉越しにムシクイたちがざわめきますが、私には何がどれなのかさっぱりちんぷんかんぷんです。五百澤氏がみなさんに詳しく解説をしてくれる。やはり「歩く野鳥図鑑」と呼ばれるだけあって心強い。

キマユムシクイ
キマユムシクイ

その後も鳥たちを探すがあまり種類も数も見られず、ふと五百澤氏を見るとぐったりしている?どうやら鳥たちが抜けてしまっていたようで彼は悪くないのに責任感にさいなまされていたようです。それでもキマユホオジロ・コホオアカ・シロハラホオジロはいたるところで私たちを歓迎してくれました。

キマユホオジロ
キマユホオジロ
コホオアカ
コホオアカ
シロハラホオジロ
シロハラホオジロ

小さな水路は鳥たちの水浴び場所になっているようで、アトリ、マヒワ、オオルリが来ていました。

オオルリ
オオルリ

ハリオシギとコシギがいたのですが撮影はできませんでした。数が多いと言えば、コイカルが多くてきれいなオスの夏羽の特徴の嘴の付け根のコバルトブルーはしっかりと確認できました。

コイカル
コイカル

最後は魚醤タンク周辺で鼻が曲がりそうな臭いの中でイワミセキレイ・ツメナガセキレイ・タイワンハクセキレイ・コサメビタキを撮影して終了することに。帰り道でオジロビタキが出たのですが、しっかりと食事と休息ができていたせいか?元気に飛び回り、私たちを尻目に消えてしまいました。悔しいラストです。

ツメナガセキレイ
ツメナガセキレイ
タイワンハクセキレイ
タイワンハクセキレイ
コサメビタキ
コサメビタキ

 

渡り鳥の交差点・秋の与那国島【前編】

Report by 簗川堅治 / 2023年10月3日~6日

台風14号の影響が心配されましたが、無事予定通りスタートできました。

1日目。
まずは珍鳥キタヤナギムシクイに挑戦です。エリマキシギやセイタカシギなどを見ながら、待つことしばし。現れました!キタヤナギムシクイ。虫を探しながら動いています。さらにムジセッカも出て来ました。

エリマキシギ (撮影:山本様)
エリマキシギ (撮影:山本様)

キタヤナギムシクイ(撮影:山本様)
キタヤナギムシクイ(撮影:山本様)

ムジセッカ(撮影:山本様)
ムジセッカ(撮影:山本様)

そしてもう1つ。ヒメクイナも出て来ました!一ヶ所で珍鳥3種!幸先いいスタートでした。

ヒメクイナ(撮影:簗川)
ヒメクイナ(撮影:簗川)

次の場所へ移動する前に一ヶ所立ち寄り、クロハラアジサシを見て、3ヵ所目では、ベニバト♂と幼鳥、そしてコホオアカ複数を見ました。

クロハラアジサシ(撮影:簗川)
クロハラアジサシ(撮影:簗川)

ベニバト(撮影:山本様)
ベニバト(撮影:山本様)

最後は、亜種ホオジロハクセキレイやクロハラアジサシ、ヒバリシギなどを見て、宿入りしました。

 

2日目。
朝食前は、有志で宿周辺を回りました。雨の心配はありましたが、結果的には降らずにすみ、ツメナガセキレイや亜種ホオジロハクセキレイ、そして、カラムクドリやコムクドリ、亜種シマアカモズなどを見ることができました。

カラムクドリ(撮影:簗川)
カラムクドリ(撮影:簗川)

朝食後も再び宿周辺を回るも、特にこれといった種は見られず、観光を兼ねて日本最西端の西崎へ行き、亜種サンショウクイの小群を見ることができました。
続いて訪れた集落では、天気の変化が目まぐるしく、雨が降ったり止んだりの繰り返しで思うように探鳥はできませんでした。しかし、複数のコホオアカが見られましたし、セジロタヒバリの飛ぶ姿も見ることができました。

コホオアカ(撮影:山本様)
コホオアカ(撮影:山本様)

昼食を挟み、今度は北の集落へ。ムナグロの群れや亜種タイワンヒヨドリ、外来種のインドハッカなどを観察し、観光がてらティンダバナへも行きました。

タイワンヒヨドリ(撮影:簗川)
タイワンヒヨドリ(撮影:簗川)

この日の最後は、昨日最初に行った場所で昨日同様、キタヤナギムシクイ、ムジセッカなどを観察しました。

キタヤナギムシクイ(撮影:簗川)
キタヤナギムシクイ(撮影:簗川)

驚いたことにキタヤナギムシクイは2羽いました。「ヒューイ」という地鳴きも確認できました。ただ、ヒメクイナは現れませんでした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!