立山のライチョウを撮る 【2024年4月編】

Report by 戸塚学 / 2024年4月22日~24日

今年は2月の気温が高く、3月の気温が低いという変な気候だったこともあり雪がどうなっているかが心配だった。感じとしては2週間ほど季節が進んだ感じで雪も緩く歩くのに苦労をすることになったが、ストックを携行していただいたおかげで事故やけがは防げたと思う。ライチョウの動きは気温のせいか非常に活発で喧嘩や飛ぶ姿を撮ることができみなさん大変満足をされていました。天気も初日のスタート時が霧になったほかは、比較的良い方に転びラッキーだった。最終日は1日雨の予報で、時々かなり激しく降るため7時に終了をしましたが、前日までにしっかりと撮影ができたことでみなさんからのクレームもありませんでした。

<1日目>

いつもは1~2日先入りして自分の取材をしてライチョウたちの動きを掌握しておくのですが、今年はスケジュールの関係で当日現場に入ることにしましたが、とんでもない状況に焦りました。10時に到着しましたが、乗れる時間が13時40分!室堂ターミナル到着が14時50分とギリギリで到着。おまけにターミナルは外人で溢れかえっています。これは想像以上の状況でした。すぐにカメラを出していただき、宿に向かう途中にライチョウが出れば撮ってもらうようにします。宿の少し前のハイマツ帯にカメラマンが3人ほどいたので「ライチョウがいるな」とわかったので霧の中メスの撮影をしてもらいます。あまりいい状況ではないのですが、初めて見る白いライチョウを撮りたいという想いをむげにはできません。

宿に入って館内の案内を済ませたあと、不要な荷物を部屋に置いてもらいすぐに撮影に出ます。宿の前にいたオスを狙っていると別のオスが飛んで来ていきなり追いかけっこが始まりました。それらを撮ってもらっていると取っ組み合いのけんかに発展!まさかこの時期にここまで激しい喧嘩をするとはびっくりです。

ライチョウの喧嘩
ライチョウの喧嘩

みなさんに撮影ができたか聞くと「しっかり撮れた!」との反応にほっとしました。その後もオスの撮影を楽しみました。一旦夕食を食べたのち、すぐに撮影に戻り日没まで撮影を楽しみました。夜は残念ながら霧が出てしまったので夜の撮影は中止になりました。

休息するライチョウ
休息するライチョウ

<2日目>

朝は5時30分からスタートです。天気は曇りですが、その分ライチョウたちの動きが良く朝飯前のひと撮影を楽しんでいただきました。7時過ぎに各自で朝食をとってもらい、9時から再びライチョウを探します。宿の前ばかりではつまらないので少し離れた場所へ行く事にします。途中の見晴らしがいい場所でみなさんに待機していただき、私だけがライチョウを探しに行きます。ライチョウがいればストックを大きく振る、いなければ戻るという事を伝えました。いつもライチョウが縄張りを持っているハイマツ帯に近づくとオスが鳴きながら飛び立ち、対岸のハイマツ帯に飛んだのを確認。落ち着いていたのでストックを振ってみなさんに合図を送りました。それを確認したようでこちらに向かって歩いて来るのが確認できました。

ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔
ライチョウ飛翔

私はライチョウのとまっている場所へ向かい「さて、何処から撮影するのがいいかな?」と考えていると?何かがライチョウの奥を移動します。黒い小さなものと白いもの?が一瞬見えました。それらを見ていると白いものと黒いものが同一のものだとわかりました。それは「オコジョ」です!以前見た時はこの時期には茶色の夏毛だったのでまさか白い姿を見られるとは驚きです!みなさんの到着を待ちオコジョの出現を伝えました。とはいえ目の前に白いライチョウがいるのでオコジョも気になりますが、ライチョウも気になるという事っでみなさんは撮影をしていただき私はオコジョを探しましたがとうとう出ることはありませんでした。

 

もう1羽のオスが現れ飛んで行ってしまったのですが、向かいのハイマツ帯の中にメスを見つけたのでそれを撮ってもらいます。みなさんが撮影をしている間に私は別のライチョウを探しに行きますが・・・いなかったのでみなさんの元に戻り一緒にメスのお立ち台撮影をしました。

ライチョウお立ち台
ライチョウお立ち台

途中にカヤクグリの撮影をしていると上空をアマツバメとイワツバメが飛んで行きます。また移動をすることにします。昨日夕方ライチョウがいた場所へ探しに行きますが、ライチョウは見当たりませんがイワヒバリが飛んできたのでしっかりと撮影をしてもらいました。やはり雪が少なく植生が出ている場所が多いせいか、もうイワヒバリが出るとは!その後もウソの鳴き声と飛んで行く姿を確認しました。

イワヒバリをみつけた!
イワヒバリをみつけた!

少し早いですがみなさん結構疲れているので休憩と食事にしました。15時に宿を出てライチョウを探しますが、陽が出ているせいかライチョウの動きが良くありません。それでも16時30分を過ぎるころから急に動きが活発になり追いかけっこを3~4羽でやっていたりします。夕食時間ギリギリまで撮影を楽しみました。おいしい食事をゆっくりと楽しみたいのですが、やたらと元気なライチョウが出まくるし、天気も良く夕陽や夕焼けと絡んだライチョウの撮影が控えているのでそんなことを言ってる場合ではありません!

鳴くライチョウ
鳴くライチョウ

食事後はライチョウの群れや、夕陽と絡んだ撮影まで楽しむことができました!さてここで終わりではありません!20時に満月に近い月が立山の尾根から上がっているので、夜間撮影です。露出やフレーミングを変えながら月光に照らされる風景を撮影してもらいました。明日は雨予報なのでちょっとオーバー目なスケジュールになりましたがみなさん満足をされていたようです。

ライチョウと夕焼け
ライチョウと夕焼け
月夜の風景を撮影
月夜の風景を撮影

<3日目>

天気予報は雨ですが、ここは標高2400m。雪になる可能性も捨てられません。そこで6時に集合していただき雪なら食事を摂ってそのまま撮影に出ることに。雨ならば7時で終了という事にしていました。5時に目が覚めてしまったので、外に出るとしっかりと雨が降っている。気温も高くこれは絶対雪にはならないと判断したので、そそくさと温泉に入りに行きました。6時に集合してみなさんに食事後7時に終了することを伝えました。帰りの便が10時を過ぎるとインバウンド団体で込み合いターミナルで待たされる危険性もあるので、延泊の方と夜行バスで帰られる方を残して雨が小降りになった時を狙って帰っていただきました。最終日は残念でしたが、私も経験をしたことのない4月のツアーになりました。今まではこの時期のんびり、まったりとする姿がほとんどでしたのである意味ラッキーだっと思います。

まったりライチョウ
まったりライチョウ

撮れた鳥
ライチョウ・カヤクグリ・イワヒバリ
観られた鳥や獣
イワツバメ・アマツバメ・ウソ・白いオコジョ・ハシブトガラス

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の九州縦断 越冬珍鳥を求めて【前編】

Report by 簗川堅治 / 2024年1月23日~27日

2022年2月の同ツアー以来の九州です。今季はどんな珍鳥に出会えるのでしょうか?

<1日目>

集合の宮崎空港を出発し、最初は珍鳥・キバラガラです。この日から九州は今季一番の寒波に覆われ、寒い中でのスタートです。しかも宮崎は強風!小鳥類観察には不向きな状況です。シジュウカラやヤマガラにちょっと騙されながら、粘り強く探したものの見つかりませんでした。池のカワセミがきれいでした。

カワセミ 撮影:K.S様

気を取り直して、水鳥観察に行きました。

観察風景

こちらは更に強風!そんな中、なんとかヘラサギやクサシギを観察し、再びキバラガラに挑戦しました。しかし、残念な結果に終わりました。宿泊先の霧島市の夜は小雪が舞っていました。

<2日目>

昨日の挽回をすべく、まずは海沿いの調整池へ。お目当てはメジロガモです。♂、♀、そして交雑種?がいる情報でした。それらを探していると、目の前にオニアジサシが飛んできて、しきりに探餌をして、我々の前を行ったり来たり。

オニアジサシ 撮影:上山様

そしてついに魚を捕らえて、海へと消えていきました。肝心のメジロガモは交雑個体がいたのみ…

メジロガモ×ホシハジロ 撮影:簗川

続いては、外海に行かないと見られないカツオドリを陸地から、しかも至近距離で見られるポイントへ。カツオドリはやや遠かったものの、我々の目の前で何度もダイビングしていました。顔が水色の♂もいます。

カツオドリ 撮影:上山様

この日最後は出水市のツルです。まずはソデグロヅルのポイントへ。あっさり見れました。

ソデグロヅルとマナヅル 撮影:上山様

他、カナダヅル、そしてクロヅルも難なく見れました。その他、大群のミヤマガラスとその中に複数のコクマルガラスも観察。シロマルもいます。

続いて、ねぐら入り前に集まったホシムクドリを観察後、今度はツルたちのねぐら入りを見て、この日は終了です。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!

宮城県で冬鳥を楽しむ!
伊豆沼・蕪栗沼の水鳥と仙台湾の海鳥 2本目

Report by 田野井博之 / 2024年1月22日~25日

1日目

この時期としては気温が高く、時折雨の降る中でのスタートとなりました。

ガン類のねぐら入りを観察する前に、まずはシジュウカラガンを探すことにしました。マガンの群れをいくつか確認していくと、早速100羽を超すシジュウカラガンの群れを発見。周辺にもいくつかシジュウカラガンの群れが見られ、合計200羽ほどがいるようでした。二番穂の伸びた田んぼで、どの個体も必死に採餌していました。今期は暖かく積雪もほとんどないため、既にシジュウカラガンの大きな群れは渡去しています。今回見られたシジュウカラガンも間もなく開始する渡りに向けて、栄養を蓄えているのでしょう。

その後はガン類のねぐら入りを観察するために蕪栗沼へ。駐車場についてヨシ原を見ると、ハイイロチュウヒの雄と雌が飛んでいました。まだねぐら入りには少し早いためか、このハイイロチュウヒはその後も何度か飛んでくれました。曇天でやや暗かったものの、雄の青灰色の姿はとても綺麗でした。観察ポイントに着いて沼を見ると、前週に続きヘラサギとクロツラヘラサギが見られました。沼の近くの田んぼには、ねぐら入りを待つマガンの群れもあちらこちらに降りていました。16時45分を過ぎると次第にマガンの群れが沼へと戻り始め、日没後の17時15頃にピークを迎えました。無数のマガンが鳴きながら次々と沼へと戻っていく光景はとても壮観でした。

 

2日目

夜明け前にホテルを出発し、ガン類のねぐら立ちを観察するために蕪栗沼へ向かいました。観察ポイントに着くとちょうどマガンの群れが飛び立っていて、慌てて観察を開始しました。この日は天候も回復し、朝焼けの中での飛び立ちを見ることができました。

飛び立つガン類はほとんどがマガンでしたが、時折ヒシクイが混じり、シジュウカラガン30羽ほどの群れも見ることができました。マガンに続いてオオハクチョウも次々と飛び立ち、とても賑やかな光景となりました。

餌場へと向かうマガン
餌場へと向かうマガン

 

マガンの飛び立ちが落ち着いてきた頃、沼で休んでいたオナガガモの群れが一斉に飛び立ちました。周囲を確認してみるとオジロワシが飛んでおり、どうやらこのオジロワシに驚いて飛び立ったようです。このオジロワシは沼の近くの木に止まってくれたので、じっくりと観察することができました。

オジロワシ
オジロワシ

 

朝食後はカリガネのいるエリアへ。マガンはいつもよりも多く見られましたが、なかなかカリガネが見つかりません。そこで少し離れた田んぼも周ってみると、ようやくマガンに混じるカリガネを見ることができました。

4羽のカリガネとマガン(左から4羽目)
4羽のカリガネとマガン(左から4羽目)

 

続いてはハクガンを探すことに。だいぶ苦戦しましたが、2時間近く探したところ、ようやく8羽のハクガンを見つけました。マガンとオオハクチョウに混じって採餌していましたが、少しして飛び立ち、丘陵を越えていきました。

マガンとオオハクチョウに混じるハクガン
マガンとオオハクチョウに混じるハクガン

 

この日はヒシクイの群れも田んぼに降りていて、比較的近い距離で観察することができました。そのほとんどは亜種オオヒシクイでしたが、亜種ヒシクイも混じっており、体格や嘴の形状など両亜種の違いを見ることができました。

亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイ(右から2羽目の顔だけ見えている個体)
亜種ヒシクイと亜種オオヒシクイ(右から2羽目の顔だけ見えている個体)

 

この日の最後は蕪栗沼へ。沼にはオオハクチョウやヒシクイ、オナガガモ、ヨシ原ではベニマシコやオオジュリン、シジュウカラ、そして低空を飛ぶチュウヒも見られました。

チュウヒ
チュウヒ

 

3日目

当初の予定ではチャーター船で仙台湾へ行く予定でしたが、強い冬型の気圧配置に見舞われ、朝から強い西風と高波となってしまい中止となりました。そこで、南三陸町の志津川湾へコクガンを見に行くことにしました。志津川湾はコクガンの餌となる海草のアマモが豊富なため、毎年たくさんのコクガンが越冬しています。

ポイントに到着すると、アマモを食べる30羽ほどのコクガンがすぐに見つかりました。また、オオバンが食べるアマモのおこぼれをいただく労働寄生という行動も見ることができました。強風のため海上の鳥のチェックはままならない状況でしたが、クロガモやハジロカイツブリなどが見られました。

コクガン
コクガン

 

翌日も強風によりチャーター船の出港は難しそうであったため、午後は少しでも多くの海鳥を見るために仙台湾の海岸へ。堤防から沖合を見ると、ビロードキンクロやハジロカイツブリ、アカエリカイツブリが比較的近い位置に浮いていました。望遠鏡を使ってさらに沖を見ると、アビやミミカイツブリなども見られましたが、残念ながらウミスズメ類は見つけることができませんでした。

最後に漁港に立ち寄ると、魚の追い込み漁を行うたくさんのカワウと、ハジロカイツブリ、ホオジロガモなどが見られました。ホテルに戻った後、念のため船長に翌日の海の状況を聞いてみましたが、残念ながら翌日もチャーター船による観察は中止となりました。

 

4日目

相変わらず西寄りの強風によりチャーター船は欠航となったため、再び県北へガン類を見に行くことにしました。前日までとは一転、前夜からの積雪でガン類の採餌場は雪に覆われていました。雪田では餌が採れないため、マガンの群れもかなり少なくなっていましたが、何とか5羽のシジュウカラガンを見つけました。このシジュウカラガンも寝てばかりで、雪が融けるのを待っているようです。その後はマガンの群れがほとんど見つからないため、伊豆沼の湖岸に飛来しているシマエナガを見に行くことにしました。シマエナガは北海道で見られる亜種ですが、なぜか数年前から宮城県で毎冬見られています。今期は10羽以上の群れになっているようで、この日もポイントに着くとすぐに8羽ほどのシマエナガを見ることができました。また、シマエナガの群れと一緒にヤマガラやシジュウカラ、コゲラ、ベニマシコ、オオジュリンなども見ることができました。

駐車場でエナガの声を聞きながら今回のツアーは終了となりました。
4日間、大変お疲れさまでした。

シマエナガ
シマエナガ

 

この記事を書いた人

田野井博之 たのい ひろゆき
1985年生まれ。小学生の時に野鳥の観察を始める。東北地方を中心に鳥類調査に携わりつつ、関心のある海鳥やシギ・チドリ類、チュウヒなどを見るため全国各地へ。特に海鳥の識別や生態に強い興味を持ち、国内外を問わず観察を続けている。

韓国最大のクロハゲワシ越冬地と越冬する鳥たち【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月12日~16日

<4日目>

この日は2か所のワシミミズクポイントを巡ります。1ヶ所目は光が悪くなかなか厳しい状況のなか、昨日とは違う参加者がすぐにワシミミズクを発見!凄く見つけにくい場所なのに・・・ガイド失格や(笑)光がイマイチなので一応撮影してもらった後、もう1ヶ所へ一旦行く事にします。こちらはほぼ鉄板な場所なので軽い気持ちだったのに・・・探しても見当たりません。最近この場所はカメラマンがたくさん来て必要以上に近づくのでどこかへ行ってしまった可能性もあります。葦原ではカシラダカ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、ダルマエナガ、カササギを見ることができました。帰り際に参加者が「あの猛禽は?」と指をさすとそこにはクロハゲワシが飛んでいました。もう一度気を取り直してワシミミズクがいた場所へ行くとまだいました!今度は若干光が良くなっていたのでリベンジ撮影を楽しみました。それにしても北風が強くて寒いので北上してきたんだなぁと実感します。

ワシミミズク
ワシミミズク
ミヤマホオジロ
ミヤマホオジロ

この後は夕方に36万羽と言われるトモエガモが集結する場所へ向かいます。ただ時間が早いので干潟で観察と撮影です。ズグロカモメ、ユリカモメ、セグロカモメっぽいのはモンゴルか?ダイシャクシギかホウロクシギも遠く陽炎の中に揺らめいています。干潟の杭にオジロワシとハヤブサもいます。カモ類はマガモとツクシガモは何とか確認できるが他は遠くてわからない。この上流域でトモエガモが集まり乱舞するというので一番いい場所を探すのですが、どうやら対岸に来てしまったようで再び移動です。この時対岸には数名の人しかいなかったのですが現地に来ると道路わきに車がたくさん停まっています。堤防に上がると目の前に広がるトモエガモの大群!これだけでも圧巻なのにこれが頭上で乱舞するなんて想像すると鼻血が出そうだ(笑)。空腹なのか一部のトモエガモたちが河川敷に上がり草を貪り食っているのでそちらも撮影してもらいます。ふと周りを見るとずいぶんと人が集まっているなと思うと・・・パトカーが来て「車をどかせ」とサイレンを鳴らし拡声器で呼びかけるが誰も動きません。恐るべし韓国人(笑)17時まで粘ったのだが、飛ばないの切り上げて移動を始めるとパトカーが2台追加で来ていた!これは来年どうなる事やら。ここ数年の間に韓国でも野鳥カメラマンが爆発的に増えているようで、いずれ日本のようになるのかなと感じさせられました。

トモエガモの大群!
トモエガモの大群!
トモエガモの大群
トモエガモの大群
トモエガモ
トモエガモ

<5日目>

帰国までのギリギリまで撮影を楽しむためクロツラヘラサギの繁殖地へ行くと・・・池が凍結している!そのせいか繁殖用の人工島にクロツラヘラサギが1羽もいない!!!セグロカモメ系が飛んでいる以外、ツクシガモ、ホシハジロ、マガモ、カルガモが見られるだけ。さてどうしたものかと思っていても仕方ないので「ここの葦原にはダルマエナガが多いので探しましょう!」と伝えると小鳥の声がそこら中から近づいてきたと思ったら混群に取り囲まれているではありませんか!アトリ、シメ、コイカル、シロガシラ、キクイタダキ、スズメ、シジュウカラ、エナガ、シマエナガ、ヒガラ、ダルマエナガ!私はパニックになっていて見落としたがヒゲガラまでもいたようです。これがほぼ1時間私たちの周りから動かなかったのだから超ラッキーとしか言いようがない。日本では考えられないが、シマエナガとエナガを同時に見られるなんて!小鳥たちが去ってしまって静かになったので、少々時間は早いのですが心地よい放心状態のまま仁川空港に向かい帰国の途に就きました。

アトリ
アトリ
エナガ
エナガ
シマエナガまで!
シマエナガまで!

参加していただいたみなさまお疲れさまでした、超少人数でゆっくりとした日程と朴さん厳選の食事も堪能できて超ラッキーなツアーになったと思います。

【撮れた鳥&哺乳類】
クロハゲワシ・ワシミミズク・オジロワシ・ノスリ・オオノスリ・ハイイロチュウヒ・オオタカ・ハイタカ・チョウゲンボウ・ヒシクイ・オオヒシクイ・マガン・トモエガモ・ユリカモメ・ズグロカモメ・ドバト・コウライバト・カササギ・ヒガラ・シジュウカラ・エナガ・シマエナガ・シロガシラ・ダルマエナガ・ジョウビタキ・ギンムクドリ・カシラダカ・ミヤマホオジロ・アオジ・コイカル

【見られた鳥&哺乳類】
ハヤブサ・チュウヒ・ツクシガモ・マガモ・ホシハジロ・オナガガモ・カルガモ・カワアイサ・マガモ・カンムリカイツブリ・カワウ・アオサギ・ダイサギ・コサギ・クロツ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

韓国最大のクロハゲワシ越冬地と越冬する鳥たち【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月12日~16日

 

なかなか参加者が集まらなかったのですが、現地通訳兼コーディネーターの朴さんから「まずやってみないと」という事で参加者3名、ガイド1名での催行となりましたが全日晴れで超少人数でのツアーは大成功だったと思います。

<1日目>

全員関空出発で、夕方釜山空港に到着だったのでまっすぐホテルへ向かいました。

<2日目>

クロハゲワシの給餌は10時からなので、8時にホテル隣のオモニ食堂で伝統的?韓国朝食をとって9時20分に出発です。遅いと思うだろうが現場まですぐなので十分間に合うのだ。現場近くになるとすでにクロハゲワシが飛んでいる姿が目に入ります。到着をして車の外に出るとすでに空いっぱいに怪鳥クロハゲワシが舞っています。観察用のテント内からエサに向って降りるクロハゲを狙いますが、風が向かい風なのですべてお尻向きなのが悔しい。次々と舞い降りるクロハゲワシであっという間に田が埋め尽くされる光景は圧巻です。時々餌を奪い合うために大騒ぎをすると砂ぼこりがこちらに来るので、これはマスクが必要だと実感!

空いっぱいに舞うクロハゲワシ
空いっぱいに舞うクロハゲワシ
クロハゲワシで田が埋め尽くされる
クロハゲワシで田が埋め尽くされる
クロハゲワシ群れ
クロハゲワシ群れ

光りがどうしても逆光側になるのでテントから外に出て光がいい場所に移動してから再び撮影続行です。3年前では考えられないぐらい近くまで来るので迫力満点!風も若干変わったことで降下してくる姿も撮影ができます。気がつけば12時を過ぎています。おなかを満たしたクロハゲワシたちは三々五々飛び立ち、半分以上が飛び立つとこれはこれで個体個体を撮影がしやすくなっていい感じ。予定時間をオーバーしましたが十分撮影を満喫できました。

クロハゲワシ
クロハゲワシ
降下するクロハゲワシ
降下するクロハゲワシ
クロハゲワシ
クロハゲワシ

昼食にサムゲタンを食べて午後のポイントに移動ですが、いつも行くポイントが昨年鳥インフルエンザで閉鎖されていたので今年は順天湾というところへ行きました。ここはナベヅルの越冬地で道路わきからはナベヅル、ヒシクイ、マガンの群れが見られ時折空をオオノスリやチョウゲンボウ、ハイイロチュウヒ、ノスリが飛んでいます。ここも残念ながら光が悪くなんともなりません。それでも順光側を飛ぶナベヅルやガン類の撮影を楽しみました。自然観察公園になっていて入場料を払うと園内に入れるのですが、時間がないのが悔しい。ここは1日中いたいなぁと思える雰囲気でした。夕食を食べてホテルに向かいました。

ナベヅル
ナベヅル
ヒシクイ
ヒシクイ

<3日目>

この日も前日と同じルーティーンでクロハゲワシのポイントへ向かうと???クロハゲワシもカラスもいない?アオサギの群れが畔にずらりと並んでいるだけ?お客さんはどんどん入るがクロハゲワシが集まらない・・・エサはあるのに。よく見るとまだビニールから出してない。これが原因か。暇なので給仕場の裏を覗くと参加者が「ギンムクドリが電線にとまっている」というので見てみるとムクドリと一緒にいます。石垣島で見ることはあってもまさかこんなところで見られるなんて!私も負けじと双眼鏡を覗くと???ヤツガシラが木の枝にとまっている!急いでみんなに知らせて説明をすると、先ほどの参加者が「こっちにもいます!」というのでそれを撮影しているともう1羽出てきて合計3羽も狭いエリアにいるではありませんか!畑で採餌したあとすべて飛び去りそれっきり姿を見せることはありませんでした。ギンムクドリがよく出る場所を観察しているとどうやら生ごみ置き場に集まっているようでした。そこで撮影と観察をしているとシロガシラがいるじゃありませんか!私はギンムクドリとシロガシラという沖縄の常連さんをこんな北の大地で見られるとは思いませんでした!

沖縄の常連ギンムクドリが!
沖縄の常連ギンムクドリが!
シロガシラ
シロガシラ

さて主役たちですがどうやら日曜日でお客さんや子供たちにレクチャーをしてから給餌を始めるようでエサを包んであるビニール袋を剥がすとすぐにカラスたちが集まってきます。その光景をどこかで見ていたようでクロハゲワシも集まってきますが、私たちは次のポイントへ移動するためここでタイムアップ!ただし昨日がっちりとクロハゲワシの撮影ができたので今日ができなくても大丈夫そうでした。それ以上にヤツガシラとギンムクドリが見られた方がよかったようです。次のポイントまで移動してここで昼食を食べ、そのままコウライバトの撮影を楽しみました。撮影をしているとそれまでのんびりとくつろいでいたハトたちがいきなり釣り鐘堂に飛び込んで行きます。おかしいなぁと思ったらオオタカ2羽が上空を飛んでいます!納得。ここでは昨年コイカルとオナガがたくさんいて撮影もできたのですが、今回は見当たらず残念です。この後は約2時間ほど、高速道路を走りホテルへ向かいました。

コウライバト
コウライバト
オオタカが上空を飛んでいた..!
オオタカが上空を飛んでいた..!

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【後編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

<3日目>

この日も天気がいいので5時30分出発です。道路わきの木々の枝がヘッドライトで照らされると銀色に輝いているのが確認できたのでちょっぴり期待をします。晴れているので日の出時間からしばらく一番気温が下がるのでみなさん我慢大会ですが目の前の光景を目の当たりにすれば撮らざるをえない!日が昇り和田さんが8時過ぎに迎えに来てくれたのですが、あまりにいいシーンが続いたので少し待ってもらいました。ダイヤモンドダストがちょっぴり出ましたが撮影にはちょっぴり厳しいので目でいただき記憶に焼き付けていただきました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

昨日に続き元気いっぱいな方たちは朝食後にエゾリスを狙いに行きますがなかなか難しいようです。タンチョウサンクチュアリーはよく冷えたこともあり葦の穂に霧氷が輝きとてもきれいでした。ただし昨日に比べて動きが少なくちょっと暇でした。

タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ
タンチョウ

この日は一旦ホテルに戻り温かいランチを食べてリフレッシュ!しかし午後もあまり動きが無いので、30分早く夕陽のポイントへ移動しました。これが当たり!到着早々青空を飛翔する姿を撮影できました。しかし夕陽絡めの飛翔はこの日も厳しい結果になりましたが、夕焼け空をバックに歩くタンチョウが撮れたのはラッキーでした。

タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔
タンチョウの飛翔

<4日目>

最終日も5時30分出発です。この日は道路わきの木々の枝がヘッドライトで照らされると銀色に輝いていないので「まぁ仕方ないな」と諦めながら現場に到着後すぐにスタンバイしますが、予想に反して寒い。明るくなるとみるみる木々の枝が白く霧氷を纏ってゆきます。夜明け前から一気に気温が下がり、気嵐も立ち上り朝陽を受けて輝きます。その分気温は下がりたぶんマイナス18度くらいです。ベストは-15~20度なのでちょうどいい!!!もう刻々と変わりゆく光と影の世界に歩くタンチョウたちを絡めて撮影を楽しんでもらいました。和田さんが迎えに来た時です。なんとすごい勢いでダイヤモンドダストが輝いています。ファインダーを覗くとしっかりと撮れる状況だったのでみなさんに説明をしてしっかりと撮影をしていただきました。なんともすごい朝になりました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
ダイヤモンドダスト
ダイヤモンドダスト

ホテルで朝食を食べたあとは荷物を片付けていただきホテルの廊下にデポしてもらいタンチョウサンクチュアリーに行きます。泣いても笑っても2時間30分なのでしっかり楽しんでもらいます。12時に送迎用タクシーが来たので、ホテルに戻り荷物を積み込みます。この時ドライバーさんに鶴見台で10~15分時間をもらえないかと相談するとOKが出たので短時間ですが、ここでカナダヅルを狙います。思った以上に近くにいてしっかり撮影ができたのでそのまま空港に戻りました。それにしても最後の最後までこのツアーは引き当てっぱなしです。

タンチョウ
タンチョウ
カナダヅル
カナダヅル

参加していただいたみなさまありがとうございました、そしてお疲れさまでした!


撮れた鳥&哺乳類

オジロワシ・ノスリ・タンチョウ・マナヅル・カナダヅル・オオハクチョウ・エゾフクロウ・アカゲラ・ミヤマカケス・シジュウカラ・ヒガラ・ハシブトガラ・シマエナガ・シロハラゴジュウカラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬の鶴居村でタンチョウ撮影三昧【前編】

Report by 戸塚学 / 2024年1月7日~10日

 

好評のこのツアーも今年で3年目。今年は過去最高な出来だったと思います。全日晴れと予想以上に気温も下がり霧氷が朝陽に輝く情景はもちろんダイヤモンドダストまで撮影できるチャンスに恵まれました。

<1日目>

昨年も参加された方が2名、このツアー初参加が3名の5名での開催になりました。空港と先入りの方をホテルでピックアップして現地に向かいます。

天気は快晴でまだ道路わきの木々の枝に霧氷が残り、陽光に輝いています。今回泊まるホテルTAITOに不要な荷物を置いてすぐにタンチョウサンクチュアリーへ向かいます。コンビニで買ったお昼ご飯を食べながらしっかりと撮影をしていただきました。残念なのは風向きが悪くこちらに向かって飛んでくれないのが悔しい。ただし今年は珍しくマナヅルが1羽来ていてるのでこちらを撮れたのはラッキーでした。夕方は夕鶴を狙えるポイントへ向かってチャンスを待ちますが・・・残念ながら不発で終わってしまいましたが、まだ初日です。残りの日に期待をすることにしてホテルに戻りました。

タンチョウサンクチュアリー
タンチョウサンクチュアリー
タンチョウ
タンチョウ
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました
一羽のマナヅルと出会えました

<2日目>

TAITOのオーナー和田さんから「明日は天気がよさそうだから5時30分に出発しよう!」と提案をされていたのでまだ暗い中の出発です。さほど冷えてる感じはなかったのですが、晴れています。現場に到着するとまだ辺りは真っ暗です。私たち以外にほとんど人がいないのでいいポイントを確保できました。空には細い月が浮かび、川面には月の光の帯と星が映り込んでいましたのでそれらも撮っていただきました。徐々に明るくなるタイミングで撮影を楽しんでいただきながらアドバイスを伝えました。

タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら
タンチョウのねぐら

本来は午後エゾフクロウポイントへ行く予定でしたが、和田さんの提案でそのままエゾフクロウの撮影を楽しみました。ペアが並んでいる姿を期待しましたが、今年も1羽だけ。それでもしっかりと楽しむことができました。

エゾフクロウ
エゾフクロウ

一旦ホテルに戻り、凍える身体で朝ご飯を食べると元気のいい参加者はすぐにホテルの庭に来るエゾリスを撮るために飛び出してゆきましたが、残念ながら撮影はできなかったようです。しかし日中は昨日と風が反対側から吹くのでこちらに向かって来るタンチョウを撮影するチャンスに恵まれたのですが、すぐ頭の上を飛ぶので望遠では撮れません!レンズの選択が難しく皆さんの歓喜と嘆きの声が交互に響きます。(笑)昨日同様今日も各自コンビニで買ったお弁当を食べながらの撮影を楽しみました。

真上を飛んでいったタンチョウ
真上を飛んでいったタンチョウ

夕方移動をして希望者だけタンチョウの飛翔を狙いつつ小鳥の撮影を楽しみます。ここではエサ台がありシマエナガ、シジュウカラ、ハシブトガラ、ミヤマカケス、アカゲラの撮影を楽しみました。太陽と飛翔を絡めた撮影はイマイチでしたが、十分楽しめた1日だと思います。

シマエナガ
シマエナガ
ハシブトガラ
ハシブトガラ
アカゲラ
アカゲラ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

渡り鳥の交差点・秋の与那国島【後編】

Report by 簗川堅治 / 2023年10月3日~6日

3日目。
台風は遠ざかり、風もだいぶ収まりました。朝食前は、また有志での探鳥です。宿付近の池へ行きました。セジロタヒバリが上空を通過。地鳴きのみでしたが、コムシクイを確認。
朝食後、調整池でクロハラアジサシ、アカアシシギなどを観察しました。
次の田んぼでは、全身が白いムシクイを発見しました。低いギンネムでしきりに餌をとっていました。どうやら白化個体のようですが、一声も鳴きませんので識別ができません。

白いムシクイ(撮影:山本様)
白いムシクイ(撮影:山本様)

今度は森林の鳥を求めて山道を歩きました。エゾビタキやオオルリを観察しました。

オオルリ♂幼鳥(撮影:簗川)
オオルリ♂幼鳥(撮影:簗川)

移動し、小さな牧場を見ようとしたら、けっこうな雨が降ってきて、一時雨宿りです。
雨も上がり牧場を見てみましたが、収穫なし。続いて観光兼ねて東崎へ。こちらも収穫なし。
昼食を挟み、珍チドリ類やオウチュウ類を探している最中にベニバト発見!しかし、すぐ飛ばれました。
一昨日見たヒメクイナの場所で、やっとじっくりヒメクイナを観察。

ヒメクイナ(撮影:山本様)
ヒメクイナ(撮影:山本様)

ムジセッカもまだいましたが、キタヤナギムシクイは出ず。
その後、アカハラダカを探しに行き、電線に止まっているのを発見したものの、気づくのが遅れて飛ばれました。
林沿いの道ではエゾセンニュウの声やきれいなシマアカモズの♂を観察しました。

シマアカモズ(撮影:山本様)
シマアカモズ(撮影:山本様)

集落の田んぼでセジロタヒバリを待っていたら、不明なヨシキリ類の声を確認しました。ヤブヨシキリやヌマヨシキリでしょうか?
最後は電線に止まるハイイロオウチュウにやっと出会うことができました。フライングキャッチを繰り返してました。

ハイイロオウチュウ(撮影:山本様)
ハイイロオウチュウ(撮影:山本様)

この日は早めに宿に戻りましたが、お一人が宿付近で探鳥したら、セジロタヒバリを撮影されてました。

セジロタヒバリ(撮影:山本様)
セジロタヒバリ(撮影:山本様)

 

4日目。
最終日です。
朝イチで昨日、セジロタヒバリが観察撮影された場所でセジロタヒバリ狙いです。
すると早速セジロタヒバリを確認!しかし、すぐ隠れてしまい、全員は見れませんでした。
朝食後、再挑戦です。ただ、解散まで実質1時間半程度しかありません。
結局、セジロタヒバリは出ませんでしたが、アカハラダカの小群、ハチクマ、ハヤブサが渡って行くのが見れました。
台風14号の影響が心配された中のツアーでしたが、結果的にはほとんど影響はなく、秋の与那国の渡り鳥にたくさん出会えました。参加者の皆さん、お疲れ様でした。

この記事を書いた人

簗川 堅治 やながわ けんじ
1967年生まれ。山形県在住。日本野鳥の会山形県前支部長。「何しったのやぁ?こだい寒いどごで(何してるんですか?こんなに寒い所で)」「鳥ば見っだのよぉ(バードウォッチングです)」「こだい寒いどぎ、ほだなどさ、鳥あて、いだんだがしたぁ?(こんなに寒い時にそんな所に鳥がいるんですか?)」私の地元では、こんな会話が日常茶飯事です。鳥はいつでもどこでも楽しめます!見て、聞いて、撮って楽しんでもらうのはもちろん、ほっこりとした温かい時間を過ごしてもらえるように山形弁でがんばります。おらいの(私の)島、飛島さもきてけらっしゃい(飛島にもきてください)!