有明海から日本最大のツルの渡来地・出水へ
【2022年12月・2本目】

report by 吉成才丈 2022年12月12日~16日

 

1日目
鹿児島空港に集合し、専用車で出水方面に向かいました。昼過ぎに出水に到着し、ツル探しからはじめました。まずはカナダヅルを見つけるもこの日は遠く、クロヅルやソデグロヅルを探しつつ、マナヅルやナベヅルをじっくり観察・撮影して頂くことにしました。

水を飲むマナヅルの家族群
水を飲むマナヅルの家族群
採餌していたナベヅル
採餌していたナベヅル

 


2日目

薄暗いうちに干拓地に到着し、まずは朝焼けとツルを観察しました。朝焼けをバックに飛翔するツルは美しく、皆さん夢中でシャッターを切っていました。

朝焼けとツル
朝焼けとツル
採餌するツル
採餌するツル

朝焼けのあとは、やはり電線にとまるコクマルガラスを狙いました。この日も、淡色タイプのシロマルに出会えました。

ミヤマガラス(右)、コクマルガラス(左2羽)
ミヤマガラス(右)、コクマルガラス(左2羽)

その後、観察センターの屋上でツルを観察していると、道路の陰に見え隠れするクロヅルを発見。じっと待っていると、他のツルから外れて全身が見える位置に移動してきました。今年はツルの数が少ないので、出会えるかどうかはタイミング次第なんですね。

クロヅル
クロヅル

クロヅルが出てくるのを待っているとハヤブサも出現し、耕作地で採餌していたカモ類は大騒ぎしていました。

ハヤブサ
ハヤブサ

その後は河川沿いを散策し、ツリスガラやホオアカなどを狙いました。ツリスガラはヨシ原で鳴声がしたあと、比較的近くに現れてくれました。とても小さな鳥で、現れた時にはまったく鳴かなかったので、皆さんに確認してもらう迄に時間がかかりましたが、なんとか全員で観察することができました。

ツリスガラ
ツリスガラ

ホオアカもコンクリート護岸にとまり、河川ではミサゴの水浴びも観察されました。飛翔を見ることが多いミサゴだけに、水の中にいる姿は珍しいですね。

水浴びするミサゴ
水浴びするミサゴ

午後は山に入り、ダムや渓流を観察しました。相変わらずオシドリは警戒心が強く、ダムの水面にはマガモやヒドリガモ、ホシハジロなどが見られました。薄暗い水際のオシドリを探していると、クマタカが滑翔で尾根陰入るところが一瞬だけ観察できました。そしてヤマセミのポイントに近づくと、流木にとまっているヤマセミを発見。ヤマセミは飛び立って枯木にとまったので、皆さんに教えながらスコープに入れようとしましたが、またすぐに飛び立ち、岬の裏側に入ってしまいました。また帰り際には、橋を渡るときにヤマセミの鳴声と飛翔する姿を確認。なんと2羽が一緒に、川の上流方向へ飛翔していきました。夕方には干拓地に戻り、ヘラサギ類やタゲリなどを観察しました。

ヘラサギ
ヘラサギ
タゲリ
タゲリ

3日目
この日も薄暗いうちに干拓地に到着しましたが、あいにく雲が厚く、朝焼けも月も見ることができませんでした。今日はダメかと残念に思いながら車中待機していると、右側に座っていた方が「ソデグロヅル…?」と呟きました。なんでも、白い大きなツルが降りてきたというので確認すると、まさかのソデグロヅルでした。
ソデグロヅルは、昨年は目立つところにずっといて見やすかったのですが、今年はなかなかじっくり見られないということだったので、一転して大逆転の幸運が転がり込んできたことになります。天気が悪かったため他に観察者もおらず、しばらく独占的に観察させてもらいました。

マナヅル(奥)とソデグロヅル(手前)
マナヅル(奥)とソデグロヅル(手前)

昼前のフェリーに乗るため早々に出水を発ち、熊本に向かいました。島原に向かうフェリーでは、出港前から乗船客のエビせんを求めるユリカモメで賑わっていました。どれほどの数のユリカモメがいたのかわかりませんが、出港後にはたくさんのユリカモメが船の後を着いてきました。

船についてくるユリカモメ
船についてくるユリカモメ

出港後には堤防で休むカツオドリの大群も観察しましたが、この日は船の近くを飛翔する個体もいました。

海上を飛翔するカツオドリ
海上を飛翔するカツオドリ

諫早の干拓地には広大な耕作地やヨシ原がありますが、ヨシ原ではハイイロチュウヒやオオジュリンなど、耕作地ではホシムクドリやチョウゲンボウなどが観察されました。

ハイイロチュウヒの幼鳥
ハイイロチュウヒの幼鳥
ホシムクドリ
ホシムクドリ

 

4日目
朝は再び諫早干拓地を訪ねました。ヨシ原周辺ではコチョウゲンボウやノスリなどの猛禽類を確認。コチョウゲンボウは、草地すれすれで小鳥を狙う様子も観察されました。

コチョウゲンボウ
コチョウゲンボウ
ノスリ
ノスリ

午後は佐賀の東与賀へ移動し、満潮時の干潟を観察。この日は満潮でも潮位が高くなく、広大な干潟にシギ・チドリ類やツクシガモ、ズグロカモメなどが点在していました。

干潟に点在する水鳥
干潟に点在する水鳥
スグロカモメ
スグロカモメ

干潟からホテルへ向かう途中の街中では、出会う機会がめっきり減ったカササギを発見。電線や家の屋根などにとまる様子が観察されました。

 

5日目
昨日カササギが見られたので予定を変更し、まずは調整池に向かいました。数千羽のトモエガモは健在で、大きな塊が水面に広がっていました。

飛び立ったトモエガモの大群の一部
飛び立ったトモエガモの大群の一部

ここでは1周3km弱の舗装道を散策し、トモエガモの大群を堪能するとともに、オオタカなどの猛禽類やオオジュリンなどの小鳥も観察しました。その後は河川を遡上し、清流でカワセミやイカルチドリ、カワガラスなどを観察。道の駅で地域クーポンを使用して頂き、解散地である福岡空港へ向かいました。

 

(確認種99種)

 

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

有明海から日本最大のツルの渡来地・出水へ
【2022年12月・1本目】

report by 吉成才丈 2022年12月7日~11日

 

1日目
福岡空港に集合し、専用車で有明海方面に向かいました。

途中、高速道のサービスエリアで昼食をとり、まずは調整池で鳥見を開始。昨年は数羽しかいなかったのに、今年はトモエガモが5,000羽以上も滞在しており、その数の多さに圧倒されました。

トモエガモの大群
トモエガモの大群

 

これだけカモがいるのですから、ハイイロチュウヒやオオタカなどの猛禽類も出現して楽しめたのですが、車に戻る際には、もっと嬉しいカササギの鳴き声を確認。
カササギは福岡や佐賀、長崎あたりに生息しているのですが、とくに佐賀周辺では個体数が減少傾向にあって出会えないときもあるので、慎重に近づいて観察しました。地上や樹上でエサを獲る様子もじっくり撮影でき、見られてホッとするとともに、その美しさを満喫できました。

採餌中のカササギ
採餌中のカササギ

その後は東与賀干潟へ行きましたが、干潮の時間帯であったため、広大な干潟をご覧いただいてホテルに向かいました。

 

2日目
午前中は、満潮の東与賀干潟でシギ・チドリ類などの水鳥を観察しました。昨日と違って鳥も近く、ハマシギの群れやダイシャクシギ、アカアシシギ、ツクシガモ、ズグロカモメなどの水鳥を見ていると、ハマシギの群れが一斉に飛び立ちました。ハマシギの群れは動きもシンクロしており、一斉に向きを変えたりする様子を楽しみました。やはり、日本を代表する東与賀の干潟は広大で素晴らしい環境ですね。

一斉に飛び立ったハマシギ
一斉に飛び立ったハマシギ

 

ダイシャクシギやツクシガモ
ダイシャクシギやツクシガモ

この日も高速道で昼食をとり、午後は諫早の干拓地へ向かいました。干拓地のヨシ原ではハイイロチュウヒやチュウヒ、コチョウゲンボウが飛び回り、耕作地ではタゲリやホシムクドリ、ホオアカ、水路ではクサシギなどを観察しました。またヨシ原ではタヌキを、耕作地ではイノシシも確認し、哺乳類も楽しめました。

チュウヒ
チュウヒ

 

ミヤマガラスとホシムクドリ
ミヤマガラスとホシムクドリ

3日目
朝方は再び干拓地を訪ね、セイタカシギやカワセミ、チョウゲンボウなどを観察。そして昨日に続き、耕作地ではイノシシを発見。昨日は走り去る後ろ姿でしたが、この日は近くでじっくり観察できました。

耕作地に現れたイノシシ
耕作地に現れたイノシシ

その後は島原からフェリーに乗り、船上でも鳥見を行いました。船が出ると、乗船客が与える餌を目当てに集まったユリカモメの群れがすぐ目の前に出現し、美しい雲仙岳をバックに飛び回る姿を楽しみました。

ユリカモメと雲仙岳
ユリカモメと雲仙岳

 

そして入港直前には、堤防の上で休む約600羽のカツオドリも観察できました。これだけの数が集まるのはすごいことだと思います。

堤防で休むカツオドリの一部
堤防で休むカツオドリの一部

 

フェリーを降りると一気に出水まで移動し、夕方のわずかな時間でしたが、干拓地のツルを観察しました。ナベヅルやマナヅルを見逃すことはないのですが、この日のうちに他のツルを見られると気が楽になるので探すと、カナダヅル2羽を発見できました。

カナダヅル
カナダヅル

 

4日目
ツルは早朝に給餌されるため、朝方にもっとも活発に動きます。この日は薄暗いうちに到着し、朝焼けや月をバックに飛翔するツルを狙いました。天気にも恵まれ、ほぼ満月という絶好の条件であったため、朝日の方向を狙ったり、反対側に出ている月の周辺を狙ったりという嬉しい忙しさを体験できました。まだ薄暗いうちには、カラスに突っかかられてコミミズクも出現しました。

月とツル
月とツル

 

 

朝焼けのツル
朝焼けのツル

ツルの動きが落ち着くと、つぎはコクマルガラスを狙いました。ちょうどこのタイミングでミヤマガラスの群れが電線に集まるのですが、その中にコクマルガラスも混じります。遠くからでもコクマルガラスの白いタイプ(通称シロマル)が見えていたので、苦労することなく全身が見えている状態で撮影できました。

コクマルガラス(左)とミヤマガラス
コクマルガラス(左)とミヤマガラス

電線の役割は電気を流すだけではないようで、同じ並びの電線にはニュウナイスズメの群れもとまっていました。雌雄同じ模様のスズメとは違い、ニュウナイスズメはオスとメスとで模様が異なり、とてもかわいい鳥です。

電線関連の鳥を観察後には、ツリスガラやホオアカを狙って河川沿いを散策しました。鳴き声は聞こえるものの、なかなか姿を現さなかったツリスガラでしたが、車に戻る寸前にようやく姿を確認できました。他に川沿いでは、ハマシギやミサゴ、ノスリ、オオジュリンなども出現しました。

ニュウナイスズメ
ニュウナイスズメ

 

午後には山間部のダムに向かい、ヤマセミやクマタカなどを狙いました。解放水面にはマガモやヒドリガモ、ホシハジロなどが休んでいました。水際の薄暗いところが好きなオシドリはもっとも警戒心が強く、かなり遠くても人間の姿が見えただけで飛ぶこともありました。残念ながら、クマタカやヤマセミには出会えませんでしたが、カケスやイカルなどの声も確認しました。夕方には再び干拓地に戻り、マナヅルやナベヅルもじっくり観察しました。

ミサゴ
ミサゴ
マナヅル
マナヅル
ナベヅル
ナベヅル

5日目
この朝も夜明け前に干拓地に到着し、朝のツルを観察しました。この日は月は雲に隠れ、朝焼けの状況も昨日とは異なり、日々の変化も体験できました。今年はツルが少ないのですが、朝の採餌の密集度は迫力があります。遠いところに撒かれたエサから食べ始め、徐々に人間に近づいてきます。

朝の採餌の様子
朝の採餌の様子

 

一旦ホテルに帰って朝食後にチェックアウトし、再び干拓地でツルやヘラサギ類などを観察しました。出水といえばツルの越冬地として有名ですが、他の鳥も多く、ヘラサギ類は道路のすぐ近くで休んだり、三面張りの水路で採餌したりしていて驚かされます。

ヘラサギ
ヘラサギ

時間いっぱいまで出水の鳥たちを堪能し、解散地の鹿児島空港に向かいました。今年は鳥インフルエンザの影響でツルは少なかったですが、ツル以外の小鳥や猛禽類も楽しめました。撮影主体のツアーではありませんでしたが、冬の九州は被写体が多く、参加された皆さんも、たくさん撮影されたことと思います。

 

(確認種99種)

 

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

やんばるの森に生きる固有種を撮る

Report by 戸塚学 / 2022年9月11日~13日

 

台風11号が去った9月7日から下見に入ると、同日夕方台風12号が発生!本島直撃の予報が出て催行可能か?中止か?のギリギリまでバタバタしましたが飛行機も飛びスタートしましたが、結果的には台風12号はそれて天気的にも野鳥的にも恵まれました。
今回のレポートで使用する写真はツアー中に撮影したもの以外、下見時に撮影したものを利用しております。理由は基本が車内からの撮影が多く、お客様の撮影を優先するため私の撮影ができないことが多いのでご理解いただければと思います。

<1日目>

13時に無事みなさん集合されたので、専用車でまずは喜如嘉の農地でシギ・チドリの撮影を楽しみました。下見の時はたくさん入っていたのですが、かなり抜けてしまったのは残念でした。

タカブシギとコアオアシシギ
タカブシギとコアオアシシギ ※下見時に撮影


下見の時に夕方ヤンバルクイナが出るポイントを見つけたので、宿に荷物を降ろし17時30分~18時30分ヤンバルクイナの撮影に出ました。下見の時はひんぱんに&のんびりとヤンバルクイナが出ていた場所で目隠し用のシートを張り待ちました。ですが、この日は1度道路を通過したのみで出てきません・・・おかしいなぁと思ったら、見えない場所に先客がいて観察をしていた影響かもしれない?とりあえずは数羽のヤンバルクイナを見ることはできたものの、撮影的にはあまり良くなかった。
夜は翌日の夜間撮影のためにライトを木の葉や枝にライトを当てて高感度での撮影やスローシャッターの撮影のレクチャーをしたのち宿周辺を約1時間散策しました。

<2日目>

5時30分に出発してポイント近くで車のスライドドアを開けて、目隠し用のシートを張り一時的に「動くブラインド」にしてポイントで待ちます。待つ事10分、車の前からではなく、車の後ろから現れ、参加者の方へ移動します。ところが6人のオーラが強すぎたか?途中で引き返しそれっきり戻ってこなかった。この場所ではアコウの木に実が成っているのでメジロ、ズアカアオバト、ヒヨドリがやって来ますが、私の位置からは撮影ができない。しかし一部の方は撮影ができたようです。ヤンバルクイナを近くで観察はできたのですが撮影はイマイチだったようです。

リュウキュウメジロ
リュウキュウメジロ ※下見時に撮影

その後はゆっくりと車で流しながら生き物探しをするとヤンバルクイナ1羽が道路の斜面にいましたが車に気が付き草むらへ消えていったしまった。昨年アカヒゲ&リュウキュウアカショウビンがいたポイントで朝食&休憩です。蝶が好きな方は蝶を撮影できたと喜んでいました。「ホントウアカヒゲはたくさんいるし、どこにでもいるので出れば人を気にしないので簡単に撮れるんですヨ」と伝えると本当に近くでオス・メスが出て撮影できました。

ホントウアカヒゲ
ホントウアカヒゲ ※下見時に撮影

宿に戻り、ここから周辺を歩いて生き物探しをします。ホントウアカヒゲは声はすれども姿は見れずでしたが、ノグチゲラが2羽で喧嘩しながら近くにとまりました!しかしなんともならないブッシュの中でシルエット劇場になってしまいました。トレッキングコースではすでに時間が遅いのでセミの鳴き声が森に響き渡るだけで生き物が見つかりません。あと少しで終了という場所でキノボリトカゲが2頭出たので撮影を楽しんでもらいました。

オキナワキノボリトカゲ
オキナワキノボリトカゲ

この後は夕方まで休憩としていました。休憩時間中も一部の方は宿の周辺で撮影を楽しまれたようで、スコールの後にホントウアカヒゲがばっちり撮れた!という方もいました。

17時30分に集合して昨日のポイントへ向かいます。この日は先客もいなかったようで期待も高まります。目隠しシートを張りスタンバイすると2羽のヤンバルクイナが道を渡って行きました。そのうちの1羽が道路わきをゆっくりとエサを探してこちらに向かって移動をしてきます。車が通過しても全く動じません!とうとう私たちのまえまで来て、私たちの存在に気が付くと、何気ないふりをしてゆっくりと草むらの中へ消えて行きました。もう出ないと思われるし暗くなってきたので切り上げました。

ヤンバルクイナ
夕方に現れたヤンバルクイナ

夕食後は夜間撮影です。ゆっくりと車を走らせながらライトで生き物を探しますがなかなか見つかりません。ようやく飛翔するリュウキュウコノハズクやリュウキュウアオバズクが出ても近くにとまってくれません。集落内の公園へリュウキュウオオコノハズクを探しに行くも見当たりません。

リュウキュウオオコノハズク下見
リュウキュウコノハズク ※下見時に撮影

何気なく帰り際ライトを当てた木の枝にヤンバルクイナのペアが!みなさんに声をかけて「すぐに撮って!」と撮ってもらいました。普段なら眠っていると動かないのですが、満月近くの月が明るいせいか、すぐに動き出してしまったのでここで中止にします。そう、嫌がったら終了としています。&集落内なので「ヤンバルクイナをいじめている」と集落の方に思われるのも困るのでみなさんにも理解していただきました。その後も探すがフクロウ類が見当たりません。ようやく見つけたヤンバルクイナもやはりすぐに動き出し撮影ができませんでした。結局残念な夜間撮影になってしまった。

ヤンバルクイナ夜下見
ヤンバルクイナ ※下見時に撮影

<3日目>

5時30分に出発。昨日より早い準備を完了。後部ハッチを開けて風通しがいいようにします。昨日はこれをしなかったので蒸し暑くて大変だった。待つ事10分、車の前の耕運機の横から出現!昨日と違い、この日はゆっくりとこちらに近づき採餌を繰り返し、しっかりと撮影できたようです。このポイントの凄いことは近いと3m!超望遠レンズだとヤンバルクイナがはみ出しちゃう。ヤンバルクイナは一旦車の後ろ方向に消えていった。その後一度現れるがすぐに草陰へ。しばらくすると2羽で現れ近づいてくるが、こちらの殺気を感じてか?奥へ入ってしまいそれっきりだったので終了して、昨日朝食を食べた場所で朝食&休憩したのち宿へ戻り荷物を車に積み込むみシギ&チドリの撮影で喜如嘉へ。

ヤンバルクイナ朝
ヤンバルクイナ

途中下見の時に見つけたクロハラアジサシのポイントへ立ち寄りましたが、抜けたようでいなかった。喜如嘉もパッとせず早々に切り上げ、時間調整用の三角池へ向かいます。時間調整用に立ち寄ったのですが、クロツラヘラサギが4羽近くにいたので早速撮影してもらいました。

クロツラヘラサギ
クロツラヘラサギ

他にはアオアシシギ・アカアシシギが対岸に群れていましたが、少し遠い。20分ほどすると潮が引いて干潟が出始めた水路に移動を始めます。撮影ができそうだったのでみなさんに声をかけてそちらに静かに移動します。干潟にとまるキアシシギ、アカアシシギを近くでばっちりと撮ることができました!喜如嘉を早めに切り上げての移動は正解でした。空港まではすぐ近くで余裕綽々で最後の最後まで撮影を楽しむことができました!


撮れた鳥
クロツラヘラサギ・コサギ・アマサギ・ヤンバルクイナ・コチドリ・ヒバリシギ・アカアシシギ・アオアシシギ・キアシシギ・コアオアシシギ・タカブシギ・セイタカシギ・ズアカアオバト・ツメナガセキレイ・リュウキュウヒヨドリ・ホントウアカヒゲ・オキナワシジュウカラ・リュウキュウコゲラ・リュウキュウメジロ・リュウキュウハシブトガラス・アカマタ・オキナワキノボリトカゲ

見れた鳥・さえずりが聞けた鳥
クロサギ・チュウサギ・ダイサギ・カルガモ・バン・イソシギ・チュウシャクシギ・ジシギSP・リュウキュウキジバト・リュウキュウコノハズク・リュウキュウアオバズク・カワセミ・ノグチゲラ・ツバメ・リュウキュウサンショウクイ・リュウキュウサンコウチョウ・イソヒヨドリ・ウグイス・セッカ・スズメ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

有明海から日本最大のツルの渡来地・出水へ

Report by 吉成才丈 / 2022年1月16日~20日

1日目:福岡空港~佐賀~東よか干潟

集合地の福岡空港の外は雨…。
でも皆さんが集合して出発するころには晴れ間も見えはじめ、幸先良いスタートとなりました。
まずは佐賀市内のため池から探鳥をスタートすると、トモエガモやカワセミ、ジョウビタキなどが出現。その後は東与賀干潟に向かいましたが、干潟の直前でカササギに遭遇。佐賀では目撃する機会が減っているカササギだけに、じっくり撮影もして頂きました。

カササギ
カササギ

そして東与賀干潟では、潮が引いている時の干潟を見て頂きました。干潟というと、潮が引いている時に鳥を見る印象があるかもしれませんが、水際の汀線がどこにあるか分からいほど広大な干潟が広がっており、シギ・チドリ類やヘラサギ類ははるか彼方…。実はこの周辺は満潮時と干潮時の干満差がとても大きく、最大で6mにもなる日があるのです。この日は下見を兼ねて干潮時の様子をみて頂き、明日の満潮時の状況を想像して頂きました。

東与賀干潟
東与賀干潟

2日目:佐賀~東よか干潟~諫早干拓地~諫早

さあ、今日は東与賀干潟観察の本番です。満潮間近の干潟に着くと、昨日とは打って変わって鳥が近くにいます。この冬は12羽も飛来しているソリハシセイタカシギ、2000羽を超えるツクシガモなどをご覧頂き、ヘラシギやクロツラヘラサギ、ズグロカモメ、ダイシャクシギ、ツルシギなどを1種ずつ確認していきました。

ソリハシセイタカシギ(森久美子様撮影)
ソリハシセイタカシギ(森久美子様撮影)

ヘラサギ(森久美子様撮影)
ヘラサギ(森久美子様撮影)

ツルシギ(森久美子様撮影)
ツルシギ(森久美子様撮影)

すると、いきなりシギ・チドリの大きな群れが、ひとつの生き物のようにうねりながら飛翔しはじめました。その群れはいくつもあり、個体が反転するたびに暗色(背面)と白(腹面)の塊に色が切り替わる様子が観察できました。これだけの数のシギ・チドリが見られる干潟は少なく、日本一とも呼ばれる東与賀干潟の野鳥を堪能できました。

シギ・チドリの群れの飛翔
シギ・チドリの群れの飛翔

この日の午後には諫早の干拓地に移動し、まずはリクエストの多かったタゲリをじっくり撮影して頂きました。耕作地ではホオアカなどもご覧頂き、ヨシ原ではハイイロチュウヒやチュウヒ、コチョウゲンボウなどを狙いました。ハイイロチュウヒのオスは個体数も少なくワンチャンスでしたが、メスタイプは個体数も多く、皆さんもかなり撮影できたと思います。

ハイイロチュウヒのオス(森久美子様撮影)
ハイイロチュウヒのオス(森久美子様撮影)

ハイイロチュウヒのメスタイプ(森久美子様撮影)
ハイイロチュウヒのメスタイプ(森久美子様撮影)

チュウヒ(森久美子様撮影)
チュウヒ(森久美子様撮影)

3日目:諫早~諫早干拓地~熊本~出水

この日の朝には再び干拓地を訪れ、島原発昼頃のフェリーで熊本に渡りました。この航路はたった1時間なのですが、鳥の観察もおもしろいのです。フェリーにはユリカモメやウミネコがついてきますので、雲仙と一緒にスマホでもパチリ!

ユリカモメと雲仙岳
ユリカモメと雲仙岳

海上ではカツオドリも飛翔していますが、岸近くの堤防にはたくさんのカツオドリが休んでいました。その数なんと、200羽以上!

カツオドリ
カツオドリ

そして夕方には、いよいよツルの待つ出水に到着です。今期のツルは5種の飛来が確認されていますが、個体数の少ないツルは1種でも今日中に見ておきたいところです。するとまず、道路のすぐ近くにカナダヅルを発見。皆さん初めての出会いなので真剣に撮影していましたが、ふと目線を遠くにやるとクロヅルも発見。ちょっと写真には遠すぎましたが、車の進行方向に視線を戻すと、9年ぶりに飛来したというソデグロヅルまで見つかってしまいました。カナダヅルやクロヅルは一桁、ソデグロヅルに至ってはたったの1羽しか飛来していないため、ほっと一安心です。ちなみに、個体数のもっとも多いナベヅルは10,000羽以上、マナヅルは1,000羽以上が飛来しているようです。

カナダヅル(森久美子様撮影)
カナダヅル(森久美子様撮影)

ソデグロヅル(森久美子様撮影)
ソデグロヅル(森久美子様撮影)

4日目:出水(出水干拓地)

この日の朝は快晴。運よく月も出ており、まずは月とツルを撮影できました。

月とツル
月とツル

一方、快晴なので朝焼けは短かったですが、朝焼けをバックにツルも少し飛んでくれました。

朝日とツル
朝日とツル

午前中はツルの撮影や周辺の湿地を観察し、午後は少し山の方に遠征してみました。山ではオシドリやシロハラ、カケスなどが観察できました。
夕方には再び出水の干拓地に戻り、ムクドリの仲間やニュウナイスズメなどを求めて周辺を散策しました。ニュウナイスズメは日中は姿が見えないのに、夕方には300羽ほどが集団で観察されました。

カラムクドリ
カラムクドリ

ニュウナイスズメ
ニュウナイスズメ

コクマルガラス
コクマルガラス

5日目:出水~熊本空港

朝は晴れましたが雲も多く、朝焼けの状況は毎日異なりますね。この日は朝の飛翔を見た後にホテルに戻り、朝食後にチェックアウト。わずかな残り時間をツルを見て過ごし、帰路につきました。

撮影をされた方はツルをはじめ、たくさんの種が撮れたと思います。冬の九州は、東与賀でも出水でも10,000羽を超える野鳥が観察できるので、初心者にも最適な探鳥地だと思います。今回は天候にも恵まれ、5日間で102種を記録することができました。冬の九州は楽しいですね!
(観察種数102種)

この記事を書いた人

吉成 才丈 よしなり としたけ
1962年生まれ、東京都在住。東京都千代田区で、バードウォッチング専門店<Hobby's World(ホビーズワールド)>および鳥類調査会社<(株)日本鳥類調査>経営。バードウォッチングのガイドで、全国各地も巡る。歳時記的に、毎年同じ時期に同じ探鳥地を訪ねることが多く、タカやシギチの渡り、ガン類の越冬、海鳥などを観察・撮影するのが楽しみ。バードウォッチングは、だれでも気軽に楽しめる趣味だと思っています。難しく考えることなく、皆さんのペースで楽しんで頂けるように心がけています。

冬景色の佐渡でトキを狙う【2本目】

Report by 戸塚学 / 2022年2月4日~2月7日

1日目(2月4日)新潟

予定通りに集合完了をしたので専用車でトラフズクのポイントへ移動しました。今日は何羽いるのかな?とワクワクしながら探すと5羽がいましたが・・・問題はどれも顔がはっきりと見えない。少しだけ葉のすき間から顔が見えるポイントを伝え、違う場所を探しに行くが残念ながら他には見当たらなかった。目の前にお目当ての鳥がいるのに撮れないという悔しい結果に終わりました。

引き続き瓢湖へ移動してカモ・ハクチョウを狙ってもらいます。

オオハクチョウ

「珍しいカモはいますか?」いう質問に「月曜日はアメリカヒドリがいたのですが探しましょう!」と言って探すがいない!どこへ行ったのやら。ミコアイサ・ヨシガモもいるはずだがこちらも見つけられず。雪が激しく降る中苦戦が続きます。15時のエサの時間になりカモたちが飛んで来るシーンが撮れるので狙ってもらいました。

ヒドリガモ

オナガガモ

オナガガモの飛翔

初日の2か所がイマイチで申し訳ないのですが、明日に賭ける!という事でホテルに戻りました。

スズメ

2日目(2月5日)佐渡島

昨夜の雪が気になったが、外を見るとそれほど積もっていない。それでも空はどんよりと曇っているのは仕方ないか。フェリーターミナルへ行くと波が高いのでジェットホイルが全便欠航になっている。私たちが乗るカーフェリーは出航するのでほっとする。波が高いのでどれほど揺れるかと心配したが、意外と大したことがなかったがそれでも15分遅れの到着となった。
佐渡島ではすぐに専用車に乗り込み、昼食はコンビニで買っていただき食べながらトキを探すスタイルでスタート。佐渡の田は昨夜の雪でがっちりと雪化粧されていた。これはまずいかな?と思ったがすぐに見つかった。ほっとしたのもつかの間、すぐに飛ばれてしまった!周辺を探すと車の近くから飛び立った1羽がいたので車を停めて観察すると、車の後ろに降りたので一旦Uターンできる場所まで移動して再度近づく。たまたま民家の植え込みがブラインドになり過去最高の近さで、それもいつの間にか、もう1羽増えていて2羽になっている。なんともラッキーとしか言えないがゆっくりとリラックスした姿の撮影を堪能できた。

トキ

その後は違う個体を探すが見つからない。ここでダメならもう1度さっきの近かった場所へ行く予定でいたが、いた!それも6羽。撮影していると三々五々飛び立ち川向うへ行ってしまった。そんな時運転手さんが「こっちに向って来るよ」というので車内から見ていると木の枝にとまった。それを撮影していると先ほど飛んで行った場所から同じ場所にどんどん飛んで来て木の枝にとまった!木の枝には雪が積もりそんな姿を撮影できるなんて。

トキ

1時間ほど撮影しただろうか?皆さん満足したようなので夕方ねぐら入りする前に飛ぶポイントへ移動開始。現地ではどういう感じで撮影ができるかと説明して待つこと1時間。まず2羽が飛んで来て杉林に消えていった。その後も次々と飛んで来ては杉林に消えてゆく!みなさん何とか飛翔する姿を撮影できたようでホテルへ向かう。それにしても半日でここまでいい状況で撮れるとは!やばいぜ(笑)

トキの飛翔

3日目(2月6日)佐渡島

天気予報通り・・・吹雪いている。専用車に乗り込みトキの多くみられる田を巡るが、ブリザードとホワイトアウトでお手上げ!運転手さんのことを考えると申し訳なくて仕方ない。トキたちも田が雪に覆われエサが採れないようで姿が見えない。一旦車を停めてどうするかを聞いてみて、とりあえずはトキ交流会館で飛んでいるトキを狙うことにする。ここはかろうじて風が弱く、午前中は飛翔する姿を3度ほど撮影することができた。

トキの飛翔

両津港近くの田にもトキをよく見ると運転手さんが言うのでそこを廻ってもらうがダメだった。食事をとっている時は空が明るくなり雪も止んだので再び田を廻ろうと走り出すと・・・またしても猛吹雪&ホワイトアウト!なんとなく運転手さんに罰ゲームを与えているような感じになる。

雲間から日差しが出てきた時に田の中のトキを見つけたが数分で飛ばれてしまった。近くにノスリもいたがこちらは車を停めたとたん飛んでしまった。別のコースで走り出すと車のすぐわきからキが飛び立った!車を停めて観察していると私たちの後ろの田に入ったのでUターンをからして近づくと、昨日と同じ民家わきの小さな田にいた!今回もあまり警戒しない個体のようでしっかりと撮影することができた。

トキ

その途中に何か赤っぽい鳥が現れたのでモズかなと思ったらハチジョウツグミで私はもっぱらこちらを撮影してしまった(笑)夕方は昨日と同じポイントでねぐら入りする姿を狙って終了した。とんでもない天気でどうなるかと心配したが無事撮影もできてよかった!

4日目(2月7日)佐渡島

昨日から天気予報というか、海上の波が気になっていたが朝一番で佐渡汽船の運行状況を確認するとすべて運行予定になっていてほっとする。朝一は昨日の雪と風で田はしっかりと雪に覆われ、餌場となる場所は見当たらない。それでもすべてのコースを見回ってトキを探す。ここにいなければ、どうしようと考えていた場所にいた。1羽が飛び立つとその近くの木の枝にとまっている。数えると4羽だ。よく見ると谷の奥に1羽が採餌をしていた。合計5羽。車を少しづつ移動してもらい枝かぶりにならないように撮影をしてもらう。そろそろいいかな?と思った時にトビが群れでとまっている場所に突っ込みトキを飛ばした!おかげで飛翔する姿も枝にとまる姿も撮影することができた。

皆さんが飽きるまで撮ってもらってから、夕方に行くポイントへ移動してここで時間いっぱいまで粘ってもらうことにする。しかし今日はあまり飛んでくれず残念な結果となる。ただし両津港に行く途中の田にもよくいるので帰り道移動しながら探すと1羽いたので最後のダメ押しの撮影をしていただき無事撮影は終了となりました。ジェットホイルに乗り新潟港に到着した後ここで2名の参加者と別れ、私を含め3名で新潟駅へ専用車で移動して終了となりました。

トキの飛翔

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

冬景色の佐渡でトキを狙う【1本目】

Report by 戸塚学 / 2022年1月31日~2月4日

1日目(1月31日)新潟

時間通り集合を完了したのでまずはトラフズクを探しに行きました。探すと1羽はすぐに見つかったが、顔が見えない!他にいないかと探していると地元の方に「3羽いるよ、ほらこっち、こっちからなら顔が見える」と教えてもらい皆で交代しながら何とか撮影。残り2羽がどこにいるかと探すと・・・初めに見つけた1羽の横に葉に隠れていた。しかしこちらも真下から見上げるような感じで顔が見えない!合計3羽を確認したが撮影可能なのは1羽だったが、とにかく撮影はできたのでOKとする。

トラフズク

引き続き瓢湖へ移動します。昨年の瓢湖は水面のほとんどが結氷していたが、今年は完全解氷状態なのでカモもハクチョウもばらけている。

コハクチョウ

コハクチョウの飛翔

時々カモたちが大騒ぎをするので上空を見るとオオタカ・ハヤブサが飛び交っていました。他にもトビ・チュウヒ・ノスリも確認できた。

オオタカ

ノスリ

天気は曇りちょっぴり晴れと雪という天気で露出が難しい。それでも雪山をバックに飛翔する姿やカモたちを狙う。エサやりの15時になるとこちらに向かって飛んで来るカモたちを狙う。

オナガガモ

アメリカヒドリ

今日はいつもよりがっつりとエサやりをしているようで想像以上の迫力のシーンだった!途中雪が激しく降ってきたので、休憩所で待機していたが、桟橋にスズメがずらりと並んでいるのを見つけ、かわいかったので並んだ“ふくらすずめ”を撮影していただき終了となった。

ふくらすずめ

2日目(2月1日)佐渡島

タクシーで佐渡汽船乗り場へ着いた時は曇っていた。船の窓から見える鳥はセグロカモメ、ユリカモメ、ウミネコ、カワウ。特に撮影に適しているという感じではないのでお客様にはお声掛けをしなかった。佐渡島に近づくにつれてどんどん太陽光が降り注ぎ快晴に!天気予報は曇りだったがまぁいいとするか。お昼に到着したので昼食をどうするかみなさんに聞くと「コンビニで買ってトキを探す!」ということで昼食を買ってGo!すぐにトキを見つけることができました。運よく近くに飛んで来たり、移動中に飛ばない個体もいて車内からも撮影ができた。私は皆さんが撮影できるように一番後ろで撮影の指示を出したり、運転手さんに指示を出すのでなかなかレポートに載せる写真が撮れなかったのですが、まぁ仕方ない。まずは皆さんが満足するのが一番だから。

夕方トキがねぐら入りをするため飛ぶコースのポイントで(ここは三脚可)で待つが・・・飛ばない。16時15分ごろようやく1羽が飛び、枯れ枝にとまるところを遠いが何とか撮影できた。雪も本降りになってきたのでここで終了してホテルに戻る。

3日目(2月2日)佐渡島

朝起きると雪がしっかりと積もっていた。7時出発予定だったが暗いので7時30分に出発に変更。雪が多いせいかトキが見つからない!よく見る田を廻るが、いても遠くて近づけない。あちこち探すと交通量の多い道路わきの田に発見。幸か不幸か?交通量が多い分トキがこちらに警戒しないので近くでゆっくりと撮影ができました。それまでの暗い雰囲気が和んだ~(笑)

トキ

その後は雪が少し溶けたせいか次々とトキが見つかり撮影をすることができました。昨年はピンクのトキが多かったが、今年は2週間ずれたせいかすでに婚姻色のクロが目立つ個体が多かった。11時までに群れで飛ぶ姿も撮れたと車内はGoodな雰囲気。お昼ご飯を食べたあとも同じようなコースを廻りトキの撮影を堪能しました。

トキ

トキの飛翔

夕方は昨日と違う場所へ移動してトキ交流会館へ移動した。ここで飛んで来るトキを待っているとトキ交流会館の職員さんが「ここの前の田んぼに降りたので、車が来たら飛ぶかもしれないから二階から撮ったらいいよ」と建物の中へ案内していただき、なんと!こちらに飛んで来る姿を撮影することができた。杉の林内に侵入して見られなくなったあと、出てくるかも?と待っているとほんとに飛んで来て木の枝にとまった!興奮して撮っているともう2羽飛んで来て合計4羽が同じ木にとまった。信じられないけどこの後参加者から「あ、歩いてる!」と言ったとたん交尾を始めた!
その後、仲睦まじく相互羽繕いを始めてくれた。そんな姿を撮っているとなんとなんと、また交尾を始めた。そしてこの2羽が飛び去る姿を撮影。残る2羽がいつ飛ぶのかなと待っていると終了時間ぴったりに飛び立った!なんとまぁ・・・すごいタイミング。
雪の中のトキ、飛翔、群れ飛翔、交尾・・・アンビリーバボーな1日だった。

トキ

4日目(2月3日)佐渡島

昨日同様7時30分に出発するが、また積雪があったせいでトキが見つからない。昨日結構入っていた田も・・・いない。天気予報通り雪が結構降る中、タクシーの運転手さんの「よく見る」田を廻ってもらったおかげで、1羽愛想のいい時に遭遇し、雪降りの中の姿をしっかりと撮ってもらう。その後も探すが・・・見当たらず。トキ交流会館で飛翔を狙いたいという希望で向かっていると途中の田にいたので撮影してもらった。交流会館では声はすれども姿は見られず・・・ひたすら待つと飛び出してくれた!全員ではないが数名は撮ることができたようでほっとする。

両津港に向かう途中またトキがいたのでちょっぴり撮影して港へ。予定通り到着して新潟港へ到着。専用車で駅に到着してみなさん笑顔で帰路に向かわれました。

 

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員