鳥取・八東ふるさとの森でアカショウビンを撮る【1本目】

Report by 戸塚学 / 2022年7月7日~9日


<1日目>

鳥取空港で4名様、鳥取駅で1名様をピックアップして目的のキャンプ場へ向かいました。 天気は晴れ、ただし明日から崩れる予報でなんとか3日間持ってくれることを祈りながら到着。着くとすぐにスタッフからバンガローのカギを渡され各自荷物を運び込むことにしました。 その後はまず今までのポイントを巡りながら説明をしました。しかしながら今年はまだコノハズクの巣箱が確定されていないので、親鳥を探す手立てがありません。アカショウビンは繁殖をしていませんが、声は聞こえます。オオコノハズクは巣立ってしまい行方不明。アオバズクは巣箱でヒナがすくすく育っているようでオス・メス2羽が巣箱を見守っていてほっとしました。まずは天気がいい時に昼間のアオバズクを撮影してもらいます。動かない鳥の特別な撮影方法などを伝えて実践してもらいました。

アオバズク

次にアカショウビンの鳴き声が響くポイントへ行くと、すでに他の会社のツアーの方たちの塊があり、聞いてみるとアカショウビンがいるという。ちょろちょろと隙間からのぞくと、いました!しかし遠いし葉陰で暗いし、前かぶりも多い。とりあえず近くにいた方たちには教えますが、ごった返して簡単には教えきれません。そんな理由で全員が見られなかったのがとても残念!

アカショウビン

その後もまた別会社の参加者が見つけたようですが、これまたもっとシビアな場所で1人しか撮れない、見られないポイントでした。これでは仕方ないと少し離れたところでぼ~っと見ていると・・・なにかが飛んできた?双眼鏡で見るとアカショウビンだ!すぐにみなさんを呼び寄せ撮影をしてもらうが、やはりこちらも一気に人でごった返してしまい一部の人しか見ることと撮ることができなかった・・・悔しい。 その後、アカショウビンは飛び立ったあと3か所ほど移動して谷の奥に消えてゆきました。やはりここでも見られなかった人もいてまたしても悔しい思いをした。やはり人が多いとこうなるのがつらい。一旦切り上げてシャワーや休憩をしてもらい17時30分に夕食タイムでおいしい焼肉を堪能した後は、夜のお楽しみのアオバズクの夜間撮影。しかし気が付けばすでに満席。仕方がないので何とか撮れる場所を探して撮影を楽しんでもらいました。

アオバズク

<2日目>

4時30分、まだ暗いうちから名物館長の「おはよ~~~!」が森に響き渡るとアカショウビンも反応したようで鳴き声も響き渡ります。時折トラツグミの「ひ~~~~」まで交じりあい・・・やかましい(笑)5時になり薄明るくなったので外に出て、各場所をチェックします。しかしアカショウビンもコノハズクも見当たりません。朝食後は昨日アカショウビンが出たポイントで待ちながら、森や花の撮影を楽しんでもらいました。お昼ご飯の後もまた同じ場所で待つが・・・アカショウビンは出てこなかった。まぁ仕方ないという事で夕食までの休憩タイム。夜のお楽しみですが、今日は宿泊者が少ないのでアオバズクのペアどまりをしっかり狙うことができました。みなさん何とか撮れたようでほっとしました。

アオバズク

<3日目>

今日も早朝から名物館長の「おはよ~~~~!」が森に響き渡るが、昨日と違ってアカショウビンが鳴きません?かわりにオオアカゲラの怒った声が響き渡る?何かあったのか?5時になったので各ポイントをパトロールしたが参加者の姿はありません。みなさんお疲れのようです。

ブナの森

朝食後はアカショウビンのポイントへは行かず管理棟の前のベンチでまったりしながら近くに来る鳥たちを待つとオオアカゲラ、コゲラ、シジュウカラ、ゴジュウカラがやって来て撮影をすることができました。近くでさえずっているオオルリが撮れなかったのが残念だった。しばらくすると何かいる!というので見るとアナグマが現れたので撮影することができました。

オオアカゲラ
ゴジュウカラ
アナグマ

何度か降ったり止んだりしていた雨が本格的に降り出し、迎えの車に向かう途中濡れるのかなぁと心配しましたが、運がいいことに送迎車が来た時は雨がやみ、濡れることなくバスに乗り込むことができました。 天気が悪いはずが最後まで天気には恵まれたものの、メインにしていたアカショウビン・コノハズクがイマイチだったものの涼しい場所で避暑を兼ねた撮影は楽しめられたのではないかと思いました。

ツチアケビ

撮れた鳥
アカショウビン・オオアカゲラ・コゲラ・アオバズク・ヒヨドリ・シジュウカラ・ゴジュウカラ
観られた鳥・さえずり
オオルリ・キビタキ・コノハズク・トラツグミ・キセキレイ・カケス
観られた獣
アナグマ

この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

バードアイランド三宅島・野鳥撮影の旅

Report by 戸塚学 / 2022年5月16日~18日

 

5月16日(月) 初日移動
明日の三宅島の天気予報はあまりよくないが竹芝桟橋は曇り。予定通り出航した。出航してすぐは甲板からレインボーブリッジ通過の瞬間を見られるとあって数人が見学に行った。

 

5月17日(火) 三宅島 雨時々曇り
5時に新鼻荘の送迎車で宿へ。なんとなく雨が小降りになってきたので、レンジャーの話ではタネコマドリは「迷子椎」近くで出がいいというので大路池の周回散策路を歩きながら、鳥達の声を楽しみつつ、姿を探して移動。しかし三宅島の暗い森は厳しい・・・。声はすれども姿は見えず。アカコッコは道路に出てもすぐに飛び去る・・・。迷子椎のところでもタネコマドリの声はすれども姿は見えず・・・。いいところまで近づくが・・・去って行く。望み薄な感じなのでトイレのある桟橋まで足を延ばす。桟橋からは対岸にダイサギの姿が見られ、小雨が降る暗い中だがいい雰囲気なので撮影をしてもらう。そうこうしているうちにオシドリのペアが飛んできたので遠いけれどもこちらも撮ってもらう。湖岸の桑の実にシチトウメジロが集まるのでこちらも撮影してもらい、一旦アカコッコ館を目指す。

ダイサギ

オシドリ

シチトウメジロ

アカコッコ館では雨宿りをしながら撮影を試みるが暗いし視界が無くて手に負えないため、早々に切り上げ宿へ戻る。宿に戻るとおかみさんが庭にもアカコッコや小鳥が来るから撮ればいいと解放してくれたので12時まで撮影をすることにした。アカコッコは来なかったがオーストンヤマガラとカワラヒワが良くエサ台に来てくれたのと、上空を飛翔するカラスバトは10回以上見ることができた!

オーストンヤマガラ

カワラヒワ

12時タクシーが迎えに来たので目的地を急遽変えていつもお世話になっている宿へ行ってもらう。今年この宿の周辺だけアカコッコが多いというのだ。そこで傘を差しながら細い道を進むとアカコッコがいた!結構な頻度でアカコッコを見つけることができたのでみなさん何とか撮影ができたようでほっとする。ここで問題が!私のミスで明日が3時間、今日が2時間の予定を勘違いしてしまいタクシーの運転手に明日2時間に変更できるかと聞いてOKが出てほっとする。まぁミスのおかげでアカコッコを堪能できたのだから結果OKだろう。宿に戻ってからも庭の撮影をしているとアカコッコが来てくれたが、私は撮るどころか見ることもできなかった・・・いとかなし。そのまま終了して夜は地魚と地元の食材のおいしい晩御飯をいただきました。

アカコッコ

5月18日(水) 三宅島 晴れ
4時半から庭の小鳥とアカコッコ撮影。6時にタクシーが来たので伊豆岬へ移動。到着してドアを開けると・・・!すでにウチヤマセンニュウのさえずりがあちこちから聞こえる。すぐに双眼鏡で覗くと、いるいるいっぱいいる!できるだけ近い個体を見つけ場所を教えて撮ってもらう!よかったこんなに早くカタが付くとは。他にもウグイスのさえずりも目立つところでしていたのでしっかりと撮ってもらう。カラスバトも多くいるのだがこちらは遠い・・・。

ウチヤマセンニュウ

ウグイス

昨日のミスで2時間になってしまったがとても有効な2時間を堪能することができた。
一旦宿に戻り朝食を食べたのち、荷物をまとめて大路池の遊歩道へ。今日は迷子椎まで行かず途中のポイントで鳥を探すことにする。あまり鳥たちの姿が見られないので、各自で移動撮影をしてもらったことが良かったようで一部の方たちはタネコマドリやモスケミソサザイを撮ることができたようだ。残念ながら私は、モスケミソサザイは見られたがタネコマドリは見ることができなかった。

 

12時に宿のおかみさんに港に送ってもらう途中、阿古の集落にある溶岩が入った中学校を見学。火山島の生の姿を実感することができた。船上では甲板で鳥を探すが島を離党してすぐのカンムリウミスズメは外した。しかしオオミズナギドリや時々混じる黒いハシボソミズナギドリを観察&撮影しながら伊豆大島近くに来るとイルカの群れが現れた。ここでようやくクロアシアホウドリが2羽出てくれた!この先はオオミズナギドリ以外の期待が持てないこともあり、皆さん疲れたようで流れ終了(笑い)。夕日と富士山や夕焼けと羽田空港の飛行機を狙いつつ船は無事竹芝桟橋へ・下船と同時にそのまま解散となりました。

クロアシアホウドリ

オオミズナギドリ&ハシボソミズナギドリ

本当ならアカコッコ間の水場でばっちり撮影ができるはずが今年は鳥達の動きがいつもと違う+雨という天候不良により歩かないつもりが相当歩く結果になったことは申し訳なく思いましたが、地元の方たちの情報のおかげで歩いたことでアカコッコの撮影ができたことは何物にも代えがたい収穫だったのではと感じました。

 


撮れた鳥
カラスバト・ハシボソミズナギドリ・クロアシアホウドリ・ダイサギ・ミヤケコゲラ・シジュウカラ・オーストンヤマガラ・ウグイス・イイジマムシクイ・シチトウメジロ・ウチヤマセンニュウ・モスケミソサザイ・アカコッコ・タネコマドリ・カワラヒワ・オシドリ
観られた鳥・さえすり
コジュケイ・二ホンキジ・ウSP・アマツバメ・ウミネコ・ミサゴ・トビ・ノスリ?・アオバズク・ハシブトガラス・ヒヨドリ・イソヒヨドリ・スズメ
哺乳類
イタチ

 


この記事を書いた人

戸塚 学 とつか がく
高校3年生の時写真に興味を持ち、幼少の頃から好きだった自然風景や野生の生き物を被写体として撮影をする。20歳の時、アカゲラを偶然撮影できたことから、野鳥の撮影にのめり込み、「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。野鳥を中心としたネイチャー系フォトグラファーを目指す。作品は雑誌、機関紙、書籍、カレンダー、コマーシャルなどにに多数発表。
●日本野鳥の会会員 ●西三河野鳥の会会員 ●SSP 日本自然科学写真協会会員

秋深まる野付半島から十勝平野へ
~ハクガン・コクガンの群れとナキウサギ~【後編】

Report by 今堀魁人 / 2021年10月26日~30日

3日目は日の出前からメインであるハクガンを探しに行きます。到着後何やら騒がしいと外を見ると、ガンが乱舞しています!

ハクガンとシジュウカラガンの飛翔

降りた沼を見に行くとハクガンとシジュウカラガンが見られました。その後何度も1000羽ほどのハクガンが上空を旋回してくれたり、車内から比較的近距離で観察できたりと、とても贅沢な時間を過ごすことができました。

ハクガンとシジュウカラガン

ハクガンの飛翔

午後は2日目とは別なエゾフクロウのポイントに行きましたが、残念ながら出会えませんでした。公園ではエゾリスがチョロチョロと姿を現し、可愛い姿が見られました。

エゾリス

エゾリス

夕方再度シジュウカラガンを探した時は、朝とは全く違うところにおり、夕方の光の中美しい光景が広がっていました。

シジュウカラガン

夕暮れの空を舞うハクガンとシジュウカラガン

4日目は山にナキウサギを探しに行きました。午前中静かに待っていると、鳴き声とともにちらっと姿を見せてくれました!途中ガサッという音とともに遠くにヒグマの姿を確認したため安全のため下山しました。帰り際車の近くで探すと、ここでも姿を現し皆さん大興奮です。

ナキウサギ

ナキウサギ

山から下山し、午後はエゾリス探しです。イチョウの黄葉の絨毯に佇む可愛らしいエゾリスの姿を見ることができました。

エゾリス

夕方はリクエストのあったエゾライチョウ探しです。写真には撮れませんでしたが、目の前をオスのエゾライチョウが飛んでいくシーンは格好良かったです。日高山脈に沈む夕日を展望台で眺め、この日は終了です。

日高山脈のシルエット

最終日は再度日の出前にハクガンを探しに出発しましたが、何やら沼が静かです。日が昇ると沼には1羽もガンがいません。どうやら一昨日の夕方を最後に、本州へ渡っていってしまったようです。見ることはできませんでしたが、静かになった沼を見て渡っていったハクガンの無事を祈りました。

沼の日の出

最後は帯広市内の公園で小鳥を探します。今回のツアーではまだ観察していなかったアカゲラやハシブトガラ、ゴジュウカラなどの定番の小鳥を間近で観察し、さらにエゾリスも観察できました。

アカゲラ

ハシブトガラ

ゴジュウカラ

今回のツアーでガン類を合計7種観察することができました。日本で見られるガン類の多くを一度のツアーで全て見られるのは渡りのシーズンと、その観察ポイントに簡単に移動できる北海道ならではではないでしょうか。春には残雪の残った風景とともにガンが帰ってきますので、ぜひお迎えをしにまたお越しください。皆様お疲れ様でした!

この記事を書いた人

今堀魁人 いまほり かいと
北海道紋別市出身。西遊旅行・バードガイド、ネイチャーガイド。幼い頃から野鳥や自然に魅了され、北海道を中心に野鳥・野生動物の撮影に没頭。まだまだ駆け出しの身ですが、生まれ育った北海道を拠点に、自然の中で暮らす野鳥の魅力をツアーを通して感じていただけるよう精進しております。ぜひ世界遺産「知床・羅臼」にも遊びに来てください!