千島列島のツアーで弊社がお世話になっている呉地正行さん(日本雁を保護する会)が、シジュカラガン保護にかかわるストーリーをまとめた本を出版されました。
40年に及ぶ取り組みの記録、シジュウカラガン保護へ尽力されてきた軌跡です。
下記、京都通信社の書籍紹介ページより転載
http://www.kyoto-info.com/kyoto/books/otherbooks/shijukaragan/
はじめに(抜粋)
シジュウカラガンとはどのような鳥か。黒い首と白い頬が目だつこの鳥はマガモなどのカモよりひとまわり大きい程度の小型のガンだ。頬に小鳥のシジュウカラのような白い紋様があることが、その名の由来となったようだ。
アリューシャン列島や千島列島の険しい島で夏に営巣・繁殖し、冬になると千島の群れが日本に渡ってきていた。東北や関東を中心とする日本の空で多く見られたが、1938年ころに急激に減少し、渡りが途絶えてしまった。安全だと思われていた北方の繁殖地の島々に人間が多数のキツネを放したために、その餌食となって絶滅の危機に瀕してしまった。
この本は、ガンの一種シジュウカラガンが、絶滅の縁からふたたび日本の空によみがえることになった長い道のりの物語とその記録である。
「日本雁を保護する会」という小さな保護団体の歩みをまとめた物語でもある。雁を保護する会がなぜ生まれ、日本の雁類保護の問題にどうかかわってきたのか。国内の多くの野鳥観察者とどのようにつながり、熱意ある自治体の人たちと連携し、国境を越えてガン類保護に熱意をもつ多くの人たちと深いきずなで結ばれ、活動し、夢を実現してきたのか。その成功事例が、この本が扱う「シジュウカラガン復活物語」である。強い思いが、道を拓く。これは私たちがシジュウカラガンの取り組みから学んだことだが、これは私たちから読者のみなさんへのメッセージでもある。
「日本雁を保護する会」呉地正行
シジュウカラガンと出会える蕪栗沼・伊豆沼のコースに行く方や、繁殖地の千島列島・アリューシャン列島へ行く方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。