ツアーのポイント

ポイント特別許可取得「奇跡の山」昭和新山に観察登山

昭和18年、噴火活動によって麦畑が忽然と隆起してできた昭和新山。現在でも噴煙をたなびかせ、また私有地ということもあり入山が規制されています。今回特別許可を取得し、火山マイスターの案内の下、「奇跡の山」と呼ばれる昭和新山の誕生秘話に迫ります。

ポイント日本海の生成・発達と、海底火山活動の痕跡

小樽から積丹半島にかけては、日本海の生成に伴う約1.500万~1000万年前の海底火山活動の痕跡や海底火山噴出物(枕状溶岩、ハイアロクラスタイト等)を観ることができます。約1,000万年前に貫入した岩脈群や海底火山の噴火口など、地質学の世界では外すことのできない、隠れた穴場的存在の見学コースを、専門家と共に巡ります。

ポイント火山が生み出す絶景と地質観察

北海道の中央を東西に貫くように走る火山フロント。道央には、洞爺湖、支笏湖、登別の俱多楽湖の3つのカルデラ湖の他、有珠山、樽前山、羊蹄山などの名だたる火山が並んでおり、北の大地の雄大な景色をお楽しみいただけます。

ポイント火山と人との共生

小樽の倉庫群には、海底で噴出した火山噴出物が堆積してできた凝灰岩の軟石が利用されています。有珠山山麓では、2000年に発生した噴火の災害の様子を今に留める散策路が整備されています。火山がもたらす大地の恵みと自然災害への防災・減災について学びます。

COLUMN昭和新山~火山誕生を刻銘に記録し続けた三松正夫~

昭和18年(1944年)12月、噴火活動によって麦畑が忽然と隆起してできた昭和新山。昭和20年(1945年)の9月までの2年間に、17回の火山活動によりできた溶岩ドームです。噴火当時、壮瞥村の郵便局長であった三松正夫氏は、地震発生から噴火の様子、そしてその活動が止まるまでをつぶさに観察し、詳細な記録を残しました。それは後に「ミマツダイヤグラム」と命名され、貴重な資料として称賛されました。 噴火当時は戦時中ということもあり、この地変は秘匿され、科学者たちは戦争のための調査・研究に追われていました。三松氏は1910年に発生した有珠山噴火の際に観測を手伝った経緯があり、自ら行動を起こし、素人ながらに詳細な観察を続けました。三松氏は幼少時に絵描きを夢見るほど絵が得意だったため、写真フィルムの入手が困難な戦時下にも関わらず、文字記録のみならず、数多くの絵図を残すことができました。『隆起型火山』の成長過程が世界で初めて確認された、極めて貴重な標本です。 また、火山の保護と、噴火活動によって家や農地を失った住民の支援のために、山になってしまった土地を買い取り、火山誕生の記録を広く活用していく目的のため、1969年6月に「昭和新山資料館」を開設しました。1977年、89歳の生涯を閉じるまで、「噴火を単に災害とせず、火山から学ぶ心」を後世に伝えつづけました。

麦畑があった場所に忽然と隆起してできた昭和新山
昭和新山の山肌

COLUMN 洞爺湖有珠山ジオパーク

洞爺湖有珠山ジオパークでは、巨大噴火でできたカルデラ湖の洞爺湖と、約2万年前の火山活動でできた有珠山など、今もなお繰り返される火山活動によって造りあげられた、壮大な景観と大地の躍動を体感することができます。また、平時には恩恵を享受しつつも、時として脅威になる火山と共生していくために、「火山の魅力」と「災害と向き合う知恵」を語り伝える防災教育にも力をいれています。 約11万年前に起こった巨大噴火によって、大量のマグマが地表に放出されたためカルデラが形成され、そこに水がたまり洞爺湖となりました。中央には約5万年前の噴火で形成された溶岩ドームからなる中島があります。洞爺湖の南側にある有珠山は、約2万年前に形成され、今もなお活動を続けており、20世紀の100年間で4度も噴火活動が観測されるほど、世界的にみても活発な活火山です。
洞爺湖
西山山麓火口周辺に残る2000年の有珠山噴火の傷跡

COLUMN 小樽の軟石建造物と海底火山の痕跡

小樽と言えば運河と倉庫群の景観が人気です。小樽の倉庫に用いられる地産の石材には、新生代後期の水中火砕岩に含まれる、凝灰質砂岩や砂質凝灰岩など柔らかくて加工がしやすい火山砕屑岩が用いられており、「小樽軟石(なんせき)」と呼ばれています。柔らかくて通常の岩石よりも切り出しやすく加工しやすい、軽くて保温性と耐火性も兼ね備えるなど、石材としてとても便利であったため、小樽の歴史的建造物に多く利用されました。海底火山の噴出による火山砕屑物である軟石は、火山の恵みとも言えます。 小樽から積丹半島にかけて水中火山岩類は、日本海の生成に伴う約1.500万~1000万年前の海底火山活動によって生成されたものです。水中に噴出した玄武岩質の溶岩は、水急激に冷やされて表面張力によって丸みを帯びて固まると「枕状溶岩」となり、または破砕してばらばらになり様々な大きさの岩塊等の集合体になったものを「水冷破砕岩(ハイアロクラスタイト)」と呼んでいます。小樽周辺の海岸線は、これらの水中火山活動によって形成されたが、侵食されてほぼ直立する美しい海食崖となっています。また、海底火山の噴火口や水中溶岩ドームなどを観察でき、一般には未だ知名度が低いですが、地質研究者の間では関心が高く国際的には有名な小樽~積丹半島の地質の実体を探ります。
札幌軟石と小樽軟石が用いられた建物
小樽運河と倉庫群

出発日と料金

2024年 
出発日~帰着日
日数 旅行代金 催行状況
08月27日(火) ~
08月31日(土)
5日間 228,000円
発着地 現地発着
(新千歳空港集合・解散)
最少催行人員 8名(12名様限定)・添乗員同行
一人部屋追加代金 30,000円
  • 国内旅行のため、再利用割引・特別割引はありません。
  • 相部屋をご希望の場合でも、ご出発時点で相部屋の方がいらっしゃらない場合は御一人部屋追加代金が必要となります。予めご了承ください。
  • ツアーは出発前の最終旅行説明会を開催いたしません。ご質問はお気軽に担当までお問い合わせください。
  • 現地集合解散となります。現地までの交通機関はご自身でお手配ください。

    【参考フライト情報】 ※航空券手配をご希望の方はご相談ください。
    <東京方面>
    NH4719 羽田/新千歳 10:15/11:45
    JL522  新千歳/羽田 18:00/19:35
    <大阪方面>
    NH773 伊丹/新千歳 0955/11:50
    JL2016 新千歳/伊丹 17:50/19:45

ツアー日程表

  地名 時刻 スケジュール
1

新千歳空港
札幌
石狩
小樽

12:15発


19:00着

12:15、新千歳空港集合。専用車にて、北海道大学総合博物館へ。現在では入手困難な千島列島やカムチャツカ半島の貴重な岩石や、日本人によって初めて発掘・命名された恐竜ニッポノサウルスの骨格標本などを見学します。その後、石狩市の望来海岸へ。ノジュールを含む泥岩層の崖の露頭見学と、海岸では瑪瑙を探します。その後、小樽へ。
小樽:オーセントホテル小樽泊|食事:朝× 昼× 夜○
2 小樽
余市
積丹半島
ルスツ

08:00発


20:00着

専門家とともに、小樽の歴史的建造物に利用されている軟石の観察。その後、積丹半島へ。途中、忍路で枕状溶岩や水中破砕岩の観察、余市にて太古の岩など、670万年前の水中溶岩ドームを形成した岩石等を見学します。積丹半島では、島武意海岸神威岬にて、火山が生み出した地形と積丹ブルーの海との絶景と、1000万年前の水中火山の火口を観察します。その後、ルスツへ。
ルスツ:ルスツリゾートホテル&コンベンション泊
食事:朝○ 昼× 夜○
3 ルスツ
洞爺湖
(昭和新山)
07:00発
08:30着
朝、洞爺湖へ。専属ガイドとともに、奇跡の山と呼ばれた昭和新山に登りながらの観察と、ミマツダイヤグラムなどを所蔵し、貴重な記録を後世の残す三松正夫記念館を見学します。午後、2000年の有珠山噴火の傷跡を残す西山山麓火口の散策や、洞爺湖ビジターセンター・火山科学館等を訪問し、火山の脅威と防災について学びます。
洞爺湖:洞爺湖温泉ホテル華美泊|食事:朝○ 昼× 夜○
4 洞爺湖
(有珠山)
室蘭
08:00発

13:00着
朝、有珠山ロープウェイにて山頂へ。火山マイスターとともに、有珠山火口原展望台より昭和新山、洞爺湖等を望み、有珠山の活動の歴史探訪や地形を観察します。その後、室蘭へ。着後、遊覧船にて地球岬の地形を観察。海底火山が隆起してできた、断崖絶壁の海岸線が続く地形をご覧いただきます。
室蘭:ドーミーイン東室蘭泊|食事:朝○ 昼× 夜○
5 室蘭
登別
支笏湖
新千歳空港
09:00発


17:00着
専用車にて登別へ。専門家とともに、登別で出土した化石林を展示する登別郷土資料館を見学。その後、数多くの湧出口や噴気孔が噴煙をあげる登別地獄谷を観察します。その後、支笏湖ビジターセンターへ。4万年前に起きた激しい火山活動によってできた支笏カルデラについて見学します。その後、新千歳空港へ。17:00解散。
食事:朝○ 昼× 夜×
  • 運輸機関のスケジュールの変更、遅延、運行の中止や道路状況などにより、宿泊地や訪問地の順序が変わったり、日程内容に変更が起こることがあります。
  • 食事回数:朝4/昼0/夜4

ご案内とご注意

気候・服装 この時期の北海道は日中の最高気温は20~24℃、最低気温13~16℃ほどで、天気が良ければ暑く、長袖または半袖で歩くことができますが、悪天時や強風が吹くと体感気温は下がります。厚手のフリースなど防寒着をお持ちください。降雨に備え、上下セパレート式の雨具をお持ちください。昭和新山登山の日は、トレッキングに適した速乾性のシャツなどの着用をお勧めします。履きなれたハイキングシューズなどでご参加ください。
利用予定ホテル 日程をご覧ください。
昭和新山登山について

標高差250mほど、歩行距離3km弱、解説などを含めて4時間程度のアクティビティとなります。昭和新山は、1977年の有珠山噴火のあと、ドーム崩落の危険があるとして、通常は事故防止のために入山が規制されています。火山活動の兆候や、管理者が危険と判断した場合は、直前でも入山中止となる場合があります。上記を踏まえまして、入山の危険性については自己責任である事をご理解の上、ご参加ください。

洞爺湖見学について

西山山麓ルート散策は、天候等の状況によって、別の火山探索の散策ルートに変更する場合があります。予めご了承ください。

食事について

昼食は含まれておりません。現地の食堂などで召し上がっていただきます。

旅行条件について 取引条件はこちらの 国内旅行 旅行条件書を、事前に確認の上お申し込みください。

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