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キナウル・スピティ・ラホール ~インド・ヒマラヤの3つの谷へ~

文・写真澤田 真理子
キナウル、スピティ、ラホール。インド・ヒマラヤのこの美しい3つの谷は、雄大な自然の中で育まれた文化と強い信仰が残されています。谷ごとに移り変わる、人、自然、景観、その一部をご紹介いたします。
キ・ゴンパ
キ・ゴンパ:スピティで一番古く、かつ最大の僧院。リンチェンサンポの建立寺院。荒々しい岩山を背景とした本堂を1番上に、周囲に多くの相貌を従えるキ・ゴンパの姿は、ゴンパに登る手前の村からの景色が美しく、川の対岸からの光景も幻想的です。

キナウルの谷 Kinnaur Valley

ヒマーチャル・プラデーシュ州の北東、シムラからサトレジ川を遡った谷とその周辺地域がキナウル。りんごの果樹園が広がる豊かな山の斜面に、伝統的な木造建築の集落が点在しています。1989年まで入域が許可されなかったため、伝統が強く残されてきました。キナウルの谷は、古のインド・チベット交易の道に位置し、まさにその「中間」ともいえる文化が見られます。

英領時代の夏の都・シムラから山道を走りサンジの村でサトレジ川に合流します。ここからは景色が開け、木造家屋の村落が始まり、緑の折り返しがシンボルのキナウル帽をかぶった人々の姿が多くなります。キナウル地方の始まりです。キナウル地方は、南部はヒンドゥー教文化の影響が強いですが、北部へ行くと人々の顔立ちも宗教・暮らしもチベット圏のものへと変わっていきます。このインドとチベットの「中間」的な位置にあることから、古来よりヒンドゥー教徒とチベット仏教徒の共生がとられてきたばかりか、その両方を信仰する宗教の混在が見られます。

キナウル・カイラースを望む村、レコンピオとカルパ

交通の要衝であるレコンピオ、その山の上にあるカルパの村。今は新しいスタイルの家も多くなりましたが、寺院を中心に古い木造建築の家もあります。カルパは聖山キナウル・カイラース(6,050m)の展望で有名ですが、夏のヒマラヤはモンスーンの季節。山の展望はどうしても天候に左右されます。レコンピオの町や街道のお茶屋、バス停では伝統衣装のキナウルの人々との出会いも。

レコンピオ周辺に残る伝統的な木造家屋 夕方、雲の間から姿を現したキナウル・カイラース
レコンピオ周辺に残る伝統的な木造家屋 夕方、雲間から姿を現すキナウル・カイラース
バスを待つキナウルの女性たち。キナウル南部~中部の人々はアーリア系の特徴を持っています。
バスを待つキナウルの女性たち。キナウル南部~中部の人々はアーリア系の特徴を持っています。
テパングを被った女性 テパングThepang
テパングを被った男性たち
緑の折り返しが特徴的なテパングThepangというウールの帽子。男性も女性も着用します。

スピティの谷へ、チベット文化圏の始まり

サトレジ川を遡り、プーの村を越えると徐々に標高が上がり、山の斜面の樹木も減りいよいよ荒涼とした“チベット世界”へ入ってきたことを感じさせます。サトレジ川とスピティ川との合流地点から北へとスピティの谷へ。このあたりのキナウルの人々は、これまでの地方と同様にキナウル帽テパングをかぶっていますが、その顔立ちや髪形、装飾はチベット人。 スピティ川に合流してから最初に通過するカ村、ナコ村の住居もこれまでの木造建築から石積み家屋へと変わります。ナコ村には11世紀からの古いゴンパもあり、本堂には素晴らしいマンダラ壁画が残されています。そしてこの村を過ぎ、難所マリーン・ナラを越えると、本格的な「スピティ谷」が始まります。

サトレジ川とスピティ川の合流点、ここからスピティの谷へ スピティの谷の始まり
サトレジ川とスピティ川の合流点:ここからスピティ谷へ(写真左上)。スピティの谷の始まり(右上)
カ村にて 杏 りんご
スピティ川沿いのカ村(KAH):キナウルのテパング帽をかぶっていますがチベット文化圏です。8月、村では杏、りんご、マメの収穫の季節を迎えていました。

スピティの谷 Spiti Valley

ヒマーチャル・プラデーシュ州の北東にある地理的にも隔絶された高地砂漠の谷。10世紀、北のラホール谷、ザンスカールとともに西チベット・グゲ王国の一部となり荘厳なゴンパが建立され仏教が栄えました。18世紀以降、周辺地域ではヒンドゥ化が進みましたが、スピティ谷はその隔絶された地形上、チベット文化が守られてきました。スピティの谷ではチベット語に近いボーティ語が話され、「ジュレー」と挨拶がかわされます。町行く人々の様子や村の様子はまさに「チベット」です。

スピティ谷の僧院をめぐる

タボ・ゴンパ、ダンカル・ゴンパ、 キ・ゴンパ タボ僧院を中心とした村がタボ。タボ僧院はリンチェンサンポが10世紀に建立した僧院で、その装飾のためにカシミールの芸術家を連れてきました。ラダックのアルチ僧院と同様に素晴らしいインド・チベットの芸術が見られます。僧院には壁画や彫像の残る9つのお堂があり、そのカシミールスタイルの彩色と表現は他にはないものです。写真撮影は厳しく禁止されておりここでご紹介することはできませんが、タボ僧院のホームページからその壁画の一部を見ることができます。

タボ・ゴンパ
タボ僧院での結婚式(新婦) タボ僧院での結婚式(新郎)
タボ・ゴンパ:村の中心に有り、敷地内には9つのお堂があります。996年、リンチェンサンポによって建立されたゴンパで“ヒマラヤのアジャンタ”と形容されるほど堂内の壁画の美しさ、貴重なチベット芸術の残る僧院として有名です。 タボ僧院での結婚式:新郎新婦が僧院から出てくると、酒が振舞われました。その後、新婦、新居となる村へと旅立ちます。
ダンカル・ゴンパ ダンカル・ゴンパ
ダンカル・ゴンパ
ダンカル・ゴンパ:かつてのスピティの都が置かれて場所で切り立った崖の上にあるゴンパ。12世紀に建てられたゲルク派の僧院です。途中の農村の景色、対岸のピン渓谷の展望など風光明媚な場所のひとつです。
スピティ川沿いの村 村の子供たち スピティ谷の通り雨
スピティ川沿いの村 村の子供たち スピティ谷の通り雨

花のクンザン・ラ(峠)を越えて、ラホール谷へ

スピティ谷最期の村・ロサール村を離れると、クンザン・ラ(峠)(4,551m)へと登り始めます。道は良くありませんが7~8月、峠付近は高山植物の花で飾られます。

クンザン・ラ(峠)付近
高山植物 高山植物
高山植物
クンザン・ラ(峠)付近で見られる高山植物の花:高度・場所により様々な種類の花が楽しめます。
クンザン・ラ(峠)4,451m クンザン・ラ(峠)から展望するチャンダル・バハーガ 山脈の山と氷河
クンザン・ラ(峠)(4,451m) クンザン・ラ(峠)から展望するチャンダル・バハーガ山脈の山と氷河


クンザン・ラを越え、標高を下げると再びヒンドゥ教徒とチベット仏教徒の交じり合う文化圏に入ります。ラホール地方とマナリの間にはロータン・ラ(ロータン・パス 3,980m)があり、スピティからの道はこのロータン・パスの北側斜面を通ります。ロータン・パスの峠頂上付近では夏にはブルーポピーが見られ、北側斜面ではマナリからの観光客で賑わう南側斜面よりたくさんの花が見られます。

ラホール地方はマナリからラダックのレーへの大幹線 “マナリ・レー・ハイウェイ”でラダックと結ばれています。インド・ヒマラヤを旅する多くの旅行者は、いくつもの峠を越えるアドベンチャー・ルートでラダックを目指します。

ラホール地方の伝統衣装
ラホール地方の伝統衣装
マナリ・レー・ハイウェイの途中にあるロータン・パス。6月末から8月中旬まで、高山植物の花が咲き乱れます。
マナリ・レー・ハイウェイの途中にあるロータン・パス。6月末から8月中旬まで、高山植物の花が咲き乱れます。


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