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フーシェ谷から登る
ゴンドゴロ・ラ GONDOGORO LA 究極のカラコルムの展望
文・写真澤田 真理子

パキスタンのトレッキングの王道バルトロ氷河を経てコンコルディアを訪れた者、その先を目指す者の目標のひとつがゴンドゴロ・ラ(峠)。コンコルディアから峠への道の厳しさもさることながら、峠を越えたフーシェ側の氷壁もトレッカーを拒み続けてきました。

コンコルディアからフーシェに抜けるトレッカーにとっては、途中離団が許されないリスクが高い峠ですが、フーシェ側からは自分の体調と天候を見て往復することができ、K1、ブロードピーク、ガッシャーブルムⅠ~Ⅳを展望できる究極の展望地といえます。

2010年6月、例外的に雪の多いシーズンに訪れたフーシェ谷からゴンドゴロ・ラ往復の様子をご紹介します。

スカルドゥ~フーシェ

イスラマバードから国内線空港のあるスカルドゥへ。天候が良く国内線が運行した場合には、途中世界第9位峰ナンガパルバット、到着前にはK2をはるか遠くに望むマウンテン・フライトです。K2トレッキングの基地でもあるスカルドゥからフーシェ谷へは四輪駆動車で6時間。途中、雪解け水で道路が決壊するなどさまざまなトラブルも予想される道ですが、マッシャーブルム(K1 7,821m)を望む村フーシェ村までは四輪駆動車が乗り入れています。

スカルドゥ到着前に機内から見えるK2
スカルドゥ到着前に機内から見えるK2
男はガイド、ポーターとして働き、女性や子供が家畜の世話・マキ拾いなどの仕事をしています。
男はガイド、ポーターとして働き、女性や子供が家畜の世話・マキ拾いなどの仕事をしています。
緑のフーシェ村
緑のフーシェ村
フーシェ谷から臨むマッシャーブルム(K1 7821m)
フーシェ谷から臨むマッシャーブルム
(K1 7821m)
フーシェ~サイチョー

4時間の緩やかなルートです。村を出て間もなくマッシャーブルムが谷の間にそびえます。フーシェ谷からのマッシャーブルムはバルトロ氷河から見る姿とは異なりより大きく見えます。トレッッキングルートはマキをかつぐ村の女性や家畜を追う子供たちとすれちがう生活路。カラコルムの山里の暮らしを垣間見ることでしょう。

サイチョーが近づくとK7が姿を現します。サイチョーのキャンプ地では夕陽に染まるK7の雄姿、これからゴンドゴロ・ラを目指すスタッフたちの宴、そして越えてきたものの経験談で盛り上がります。

途中、姿を見せるアトサルピーク
途中、姿を見せるアトサルピーク
サイチョーのキャンプ地から望むK7
サイチョーのキャンプ地から望むK7

サイチョー~ダルツァンパ

サイチョーからダルツァンパへの道ははじめは緩やかな登りが続きますが、氷河で侵食されたゴロンという場所は崩れやすいモレーンと氷河の間を進むスライディングエリアで、いつ落石がおこるか常に上を見ながら進みます。落石などにより道が無くなっている箇所はガイドがステップを作りながら進んでいきます。
ダルツァンパのキャンプ地は美しく小さな湖のほとりに位置するヤクの放牧地。7~8月には高山植物が咲き、正面にマッシャーブルム・ラからのアイスフォールを望む標高4,300mの美しいキャンプ地で高度順応するのもひとつです。

ゴロンの氷河エリアを歩く
ゴロンの氷河エリアを歩く
ダルツァンパのキャンプ地
ダルツァンパのキャンプ地

ダルツァンパ~フスパン

ダルツァンパを出てからマッシャーブルム、アイスフォールを左手に見ながら歩き、間もなくゴンドゴロ氷河上に入ります。クレバスの多い氷河で、新雪のあとや視界の悪いときは要注意です。氷河を歩くこと4時間、ゴンドゴロ・ラへのベースとなるフスパンが見えてくれます。そして美しいライラ・ピーク(6,096m)がトレッカーを迎えてくれます。

ダルツァンパ付近よりマッシャーブルムとその氷河
ダルツァンパ付近より
マッシャーブルムとその氷河
クレパスの刻まれたゴンドゴロ氷河
クレパスの刻まれたゴンドゴロ氷河
美しいライラ・ピーク
美しいライラ・ピーク

フスパンでの準備

標高4,680mのフスパンでは峠を目指す前の体力調整・天候待ちと同時に、技術練習も忘れてはなりません。自身でのアイゼンの着脱・歩行の確認、ハ-ネス、ユマール等を利用しての急角度斜面の登り・下りの練習をフーシェ谷レスキューチームとともに行ないます。実際のゴンドゴロ・ラ越えは深夜。氷点下20度、真っ暗な中での作業に備えて準備と心構えも必要です。訪れた6月半ばは例外的に雪が多く750mのフィックスロープを利用した50度の氷壁登りでした。

ライラピークを望むフスパンのキャンプ地
ライラピークを望むフスパンのキャンプ地
ユマールの架け替え練習
ユマールの架け替え練習

ゴンドゴロ・ラへ

深夜23時、フスパンをスタート。キャンプを出たときは満点の星と月明かりだったのに、出発して1時間で曇り始め、雪が降り始めました。3時間でゴンドゴロ・ラの麓へ到着。本当にこのあと氷壁を登り切れるのか、そんな不安を打ち消し、「自分は登りきる」という強い意志でスタート。

なだれ跡のごつごつした斜面を登り、峠へのロープの麓へ。ここから50mごとにユマールを掛けなおし登っていきます。先行するガイドは先のフィックスロープの確認をし、ピッケルでステップを作っています。上を見ると舞い降りてくる雪とステップを刻んだ氷くずがふってきます。上り始めて2時間以上が経ち、先が見えてきました。気温はマイナス20度を下回り、ユマールを掛けかえる指先が切れるように痛く感じました。そして、頂上へ。

上りきったときの峠は、雲の中。すぐに雲が動き始め、目の前にK2が現われたときにはまるで宇宙のような広がりと絶景が目の前に。ゴンドゴロ・ラの標高はおよそ5,680m。あまり長時間滞在すると高山病が出ますし、急いで降りないと陽が登り雪崩の危険がでてきます。この景色を惜しみながら再び下り始めました。

雪が多かったため朝9時をすぎると雪がやわらかくなり、まるでぬかるみのようになりまます。自分の歩くスピードの遅さに後悔しながらも、11時30分、フスパンのキャンプ地へ戻りました。

雲の間から現われたK2
雲の間から現われたK2
峠から見たアリキャンプ側
峠から見たアリキャンプ側
峠から見たフーシェ谷側
峠から見たフーシェ谷側
ゴンドゴロ峠フーシェ側を下る
ゴンドゴロ峠フーシェ側を下る
ゴンドゴロ峠を背後に
ゴンドゴロ峠を背後に

ゴンドゴロ・ラをフーシェ側から往復するポイント


① 体調に応じてチャレンジするかあきらめるか決断できること(コンコルディアから越える場合は、離団して一人で引き返すか全員引き返すしか道はありません) 
② コンコルディアを既に訪れた人にとっては、比較的短期間でゴンドゴロ・ラを目指せること 
③ マッシャーブルムK1、K6の展望を楽しめる 

峠の「登り」としてはアリキャンプ側(コンコルディア)からが楽で、フーシェ側の斜面は雪のときは雪崩のリスク、雪がなくなると落石のリスクがりますが、日の出前に峠に上って早めに下りる場合、雪のある季節のほうが登りやすく安全ではないかともいわれています。

ゴンドゴロ・ラ50度の氷壁へのチャレンジと達成感、そこにあるカラコルムの絶景は、登った者だけのものです。



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