米大陸南部の海岸に見られるオタリア (Southern Sea Lion, Patagonian Sea Lion)。
バルデス半島周辺では35,000頭ほどが生息していると言われ、繁殖期の1月~5月にプンタノルテ周辺で大きなコロニーを形成します。
プンタノルテの南側のコロニー。
1~2月は出産シーズンで、子供は生まれて1か月ほどで海に入り始め2か月もたつと海岸で遊ぶようになります。海岸の浅瀬でオタリアの赤ちゃんたちが泳いでいます。
この時期(3~4月)が「オルカ・アタック」が起こる季節です。
オタリアの赤ちゃんを狙って海岸にやってきたオルカ。赤ちゃん逃げて!
プンタノルテの北の海岸にもたくさんのオタリアたちがいました。オタリアは1頭の雄が10頭ほどの雌を集めてハレムを形成します。この海岸は何組のハレムがいるのでしょうか。こんなのどかな海岸も、かつてはひどい虐殺が行われた歴史があります。
ここでは1917-1954年の間に、油をとるために20万頭のオタリアとミナミゾウアザラシが殺されました。(写真はバルデス半島のミニ博物館の展示より)
プンタノルテの海岸には、その当時に殺された無数のオタリアの骨が層になって残っています。1966年、保護のため、プンタノルテはバルデス半島で最初の保護区になりました。
海岸でのどかな時間が流れるオタリアたち。
オタリアのお父さんとお母さん。オスは頭が大きく、くびにたてがみのように毛があることから英名のSea Lionがついているのだそうです。ミナミゾウアザラシにくらべ、ラブラブな様子をみせる、オタリアの夫婦です。
プンタノルテでコロニーを形成していない間のオタリアは付近の海、海岸をうろうろしており、プエルトマドリンやラウソンの港など、人が暮らすそばまでやってくることもあります。
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Observation : Mar,Apr 2016 , Valdes Peninsula, Chubut – Argentina
Reference : Hector Horacio Casin, Wikipedia(EN)
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