マウンテンニアラ Mountain nyala はエチオピアの固有種でリフトバレー(アフリカ大地溝帯)南部の標高1,800~3,750mで見られる偶蹄目ウシ科の動物。
かつてはエチオピアの高地一帯に生息していましたが、農地開発により居住地を奪われ、殺され、その個体数が激減しました。
1998年にエチオピア全土で2,650頭と言われた個体数は、バレ山地での保護の結果少しづつ回復。バレマウンテン国立公園のガイドによると、バレ山地だけで4,000頭になったといいます。
マウンテンニアラの特徴は、体の白いストライプと斑点模様。
オスは180-320Kgになり、メスは15-200Kgほど。
子供の誕生は一年を通じてありますが、12~3月がピーク。メスと子供の小グループ、若いオスのグループ、オス1頭で行動しているのが見られます。
メスと子供の群れです。
メスを追いかけているオス。体の白い斑点がよく見えます。
オスは体の白い縞模様と斑点が顕著で、大きな角、背骨にそって黒いたてがみがあります。オス間での優劣をを決めるために戦いがあります。若いころは「独身の雄の群れ」に混じり、年を取るにつれ、単体の行動となります。
大きな角の年をとったオス、バレマウンテン国立公園北部のガイセイ草原で一匹でいるのを見かけました。
マウンテンニアラは草原でセント・ジョーンズ・ワート(St. John’s wort)、アルテミシア・アフラ (Artemisia afra) などの草を食べていますが、乾季になると草原の植物が枯れ食糧が無くなるため森林地帯へとやってきます。マウンテニアラにとって森林は不可欠の存在です。
バレマウンテン国立公園のヘッドクォーターがあるディンショーの森はジュニパーとハゲニア・アビシニカ (Hagenia Abyssinica)の木が茂り、木陰でくつろぐ、たくさんのマウンテニアラたちの姿を見ることができました。
Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子
Observation : Jan 2016 , Bale Mountains National Park – Ethiopia
Reference : Bale Mountains National Park “A Travelloer’s Guidebook”, Information from Mr.Armaye Wegalign
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