「船の墓場」ガダニの船舶解体ヤード

船の最後はどうなるのでしょう・・・昔は海に沈めたりもしていたそうですが、現在は解体し再利用できる部品を取り出しています。造船ラッシュのあった戦後の日本でも各国で不要になった軍艦などが解体されていたそうですが、こういった船舶の解体の現場は南アジアへと移りました。

 

ガダニではビーチング方式という海岸での解体が行われています。満潮時に船を浜に乗り上げさせ、転売できる部品、鉄をはぎとってリサイクルへと出荷します。資料によるとガダニの海岸は10キロにも及び1980年代には世界最大規模で3万人が働いていたといいます。2016年に大事故があり死傷者がでたことで安全基準の見直しが行われたこと、そして新政権下で新しい税金や保険の導入が行われたため、私たちが訪問した時には数カ所の解体ヤードしか営業していませんでした。

 

14時、昼食休憩の後の作業開始です。

 

海岸のオイルタンカーや客船が手作業で切り刻まれていきます。

 

作業の迷惑にならないように、離れて見学させていただきました。

 

ガダニの海岸・・・疲弊した海岸に数隻の船舶が。

 

私たちが訪問した解体ヤードの労働者は地元のバローチ人だけではなく、スワート渓谷など遠くからやってきた、特にパシュトゥーン人が多いようでした。過酷な労働の現場にいるパシュトゥーンの人たちの強さ、明るさ、男らしさはあっぱれです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA
Visit :Nov 2019, Ship breaking yard of Gadani, Balochistan

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豊漁!クンドマリールの漁港にて(バロチスタン)

クンドマリールの海岸でキャンプをしていると、波・風のない日は沖に漁火が見えます。そんな夜の翌日、漁港へ行ってみました。

 

クンドマリールは小さな漁港。採れた魚は小舟で母船からビーチに運ぶシステムです。この日は港の沖にたくさんの船が集まっていました。

 

漁船です。魚がたくさんあがっています。長い白っぽい魚はなんだろう・・・と思っていたら、なんと太刀魚でした。太刀魚の成魚は朝夕に海面近くにやってくるといいます。

 

魚が母船から小舟でビーチに運ばれてきます。

 

魚を担いでカラチ行きのトラックへ。この小さな漁村にも「製氷工場」があり氷づめにしてすぐにカラチへと運ばれて行きます。

 

地元の人が総出で手伝う浜辺。今日の収穫を見せてもらいました。

 

太刀魚です。見てしまったからには買わずにはいられなくなりました。採れたてです。アイスボックスに入れてキャンプへ。コックのヌールさんと一緒に太刀魚15匹でお刺身と炭火塩焼きと南蛮漬けを作りました。日本米を焚いて、太刀魚尽くしのディナー。

 

クンドマリールのビーチのキャンプでいただく、太刀魚のお刺身、自前のビールとワインとともに。

 

この太刀魚の炭火塩焼きの美味なこと・・・。この晩、15匹の太刀魚は日本人7名の胃袋に余すところなく吸収されていきました。長い間パキスタンを旅していていますが、本当に一番のディナーでした。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit :Nov 2019, Kund Malir, Balochistan

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ヒンゴル国立公園・泥火山世界-4

マクランコースタルハイウェイをクンドマリールに向けて走っていると、道路から見えるヒンゴル国立公園の山並みの中に泥火山 Mud Volcano をいくつか見ることができます。この泥火山もそのひとつ。

 

泥火山(でいかざん)とは地下深くの泥が地下水・ガスとともに地表に噴出し堆積したものです。「火山」とついていますが火山活動と必ずしも関係があるわけではありません。バロチスタンの沿岸部はアラビアプレートがユーラシアプレートに沈み込んでいます。多くの場合、こういう場所では火山活動が活発なのですが、バロチスタンの場合は泥やガスが噴き出す「泥火山地帯」が出現しました。

 

ヒンゴル国立公園の泥火山について 

 

 

その横にも大きな泥火山があります。同じ泥火山ですが、その様相はかなり異なるものです。

 

歩いてこの泥火山の麓へアプローチ。

11月上旬、今年の1本目のバロチスタンツアーの皆さんと泥火山地帯を歩きました。柔らかい箇所があったりして場所を選んで歩かなくてはならないので時間がかかりますが、泥が作り出した景観は見事なものです。

 

ところどころに陥没した場所が。まさに泥の氷河のクレパス。

 

この日は気温が高く、10時を過ぎるともう歩くのが大変でした。とはいっても11月のバロチスタンは季節の変わり目でもあり、朝晩は気温が下がり過ごしやすくなります。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA *一部の写真はドローン撮影です。

Visit : Nov 2019, Hingol National Park, Makran Coast, Balochistan

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ブズィ峠 Buzi Pass – マクランコースタルハイウェイ(バロチスタン)

マクランコースタルハウェイをオルマラ方面へ走る途中に越えるブズィ峠。マクランコースタルハイウェイのドライブ自体、大変景色が素晴らしいのですが、その中でもこのブズィ峠への登り道は圧巻です。

峠の登り口にある、Princess of Hope という名のついた岩。私には「・・・?」という感じですが、パキスタンの人々は車を止めて写真を撮っています。このPrincess of Hope、本当に有名で、マクランコースタルハイウェイとウタルへの道の分岐点となる通称ゼロポイントにはこのレプリカがモニュメントとして作られています。

他にも「スフィンクス」とか「王宮」とか呼ばれる奇岩群もあります。

壮大な景色の中を進む車両。

峠の上からはアラビア海、海岸から続く巨大な浸食された大地が広がります。

Pakistan Bikers のライダーさん達。このブズィ峠の走行は間違いなく、マクランコースタルハイウェイのハイライトのひとつです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Feb 2019, Buzi Pass, Makan Coast, Balochistan

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ヒンゴル国立公園・バロチスタン泥火山世界-3

ヒンゴル国立公園のチャンドラグプ泥火山 Chandragup Mud Volcanoの泥の噴出口を上から見たところです。ここはヒンドゥの巡礼地のため多くの人が訪れ、実は泥火山の麓など意外とゴミだらけなのです。そして巡礼者による「お供え物」が泥火山の表面に浮いていることも・・・。

パキスタンの現在のヒンドゥ教徒の数はおよそ800万人(Pakistan Hindu Councilによる)と言われ、その94%ほどがシンド州に暮らしています。バロチスタン州にはヒンドゥ教徒はほとんどいませんが、巡礼シーズンになるとこの チャンドラグプ泥火山 とヒンゴル国立公園内のヒンドゥ寺院は多くの巡礼者で賑わいます。

 

チャンドラグプ泥火山の頂上の泥の噴出口。泥が噴き出す様子は、活発な時は1~2分おきにでも起こりますが、全くないときもあります。

 

この日は少し曇っていましたが、夕日が他の泥火山の方にあたり大変きれいでした。

 

泥火山を登るSaiyahのスタッフとお客様。

 

チャンドラグプ泥火山 Chandragup Mud Volcano の夕日です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Special Thanks :Yoko Kadonaga for photograph of spout on top of the Chandragup Mud Volcano

Visit : Feb 2019,  Chandragup Mud Volcano、Hingol National Park , Makran Coast, Balochistan

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ヒンゴル国立公園・バロチスタン泥火山世界-2

遠くにアラビア海を望む、バロチスタンの海岸部に位置するチャンドラグプ泥火山 Chandragup Mud Volcano。ヒンドゥ教の巡礼地でもあり古くから知られている泥火山です。

 

泥火山(でいかざん)とは地下深くの泥が地下水・ガスとともに地表に噴出し堆積したものです。「火山」とついていますが火山活動と必ずしも関係があるわけではありません。

バロチスタンの泥火山は1840年にはその存在が報告されていましたが、調査が行われるようになったのは1945年に起こった地震以降です。その時の地震ではバロチスタンの海岸部に大きな被害があり、また泥火山の活動も活発化したそうです。

バロチスタンの沿岸部はアラビアプレートがユーラシアプレートに沈み込みんでいます。多くの場合、こういう場所では火山活動が活発なのですが、バロチスタンの場合は泥やガスが噴き出す「泥火山地帯」が出現しました。

 

チャンドラグプ泥火山  Mud Volcano 付近には他に2つの泥火山があります。この泥火山は2018年11月にはわずかに活動していましたがその後は休止しています。

 

チャンドラグプ泥火山のすぐそばにある活動の止まっている泥火山。これはドローンによる撮影ですが、泥火山の上からもきれいに見えます。

 

夕日のチャンドラグプ泥火山 Chandragup Mud Volcano です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Nov 2018, Hingol National Park,  Makran Coast, Balochista

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エジプトハゲワシ Egyptian Vulture(バロチスタン)

バロチスタンのマクラーンコーストで観察したエジプトハゲワシ Egyptian Vultureです。イベリア半島から北アフリカ、インドにかけての広い地域で観察される鳥ですが、夏にバロチスタンで繁殖しています。かつては一般的な野鳥でしたがその数は減り、今では見ることが少なくなった鳥でもあります。

 

60~70センチと小型のハゲワシで頭は小さくとがっていて顔は黄色い皮膚が露出しています。成鳥は濁った白い色で翼を上からたところです。

 

翼を下から見たところ。マクラーンコーストの漁村の上をしばらく飛んでいました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Feb 2019, Makran Coast -Balochistan

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